フミテシ のすべての投稿

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシ道楽(http://sidelovenext.jp/)

「PLAMAX MF-62 minimum factory みのり with ホンダ小型除雪機 HSS1170n(JX)」のプラモを2倍楽しめる魔法のセメダイン!!「セメダインBBX」

▲どちらかしか選択できない! でも2種のポーズがどっちもかわいい!! 超悩む。助けて!!

 組みながらその可愛さの虜になった「PLAMAX MF-62 minimum factory みのり with ホンダ小型除雪機 HSS1170n(JX)」のみのりちゃんプラモ。このプラモ、組んでいくとポーズの選択を迫られます。1番の肝は腕で、あなたの選択で除雪機を持っている姿か、隣でポーズを決めている姿のどちらかが完成します。そして悩ましいことに、どちらもかわいいのです……。こんな悩みを解決してくれるのが接着剤を生み出したメーカー・セメダインが送り出している粘着剤「セメダインBBX」です。これは塗るだけで薄い粘着膜ができます。この性能を用いれば、どちらのポーズも楽しめるようになるんです。早速使ってどんなものか見ていきましょう!

▲セメダインBBXがあれば2種のポーズ、どちらも差し替えて楽しむことができます

 セメダインBBXの謳い文句は「貼って剥がせる粘着剤」。貼りたいものに塗り、BBXが乾くとそこにはプニプニとしたシールのような薄い粘着膜が誕生します。そしてこの粘着膜は、剥がしたければのり残り無くペリッと剥がせるのも特徴です。

▲この軸部分にBBXを塗ります
▲ツマヨウジでペタペタと塗ります。軸の周囲をぐるんと1週塗ると良い感じになります

 BBXを塗ったら1時間くらい放置。そうするとペタペタとした粘着シールのようになります。指で触っても、指に粘着剤がつくことも無くなります。あとはボディの方に腕を差し込むだけです。

▲固定できました! そしてこの腕を外します
▲BBXを塗った「除雪機持ち腕」に差し替えてみます。軸受けの方に、その前につけていた腕のBBXが付着していませんね。このように塗ってない方にのりが残らないので、キレイな状態を保てます
▲ピタリ! どちらのポーズもこれで楽しめるようになりました!

 セメダインBBXのおかげで見事2種のポーズを楽しめるようになりました! BBXを使う上での一番重要なポイントは「塗ったらしっかりと乾燥させる」です。ついつい触ったり、パーツに取り付けたりしたくなっちゃいますが、乾燥時間が少なめだと、取り付けた方にBBXがついちゃったり、しっかりと固定できなかったりします。最低でも1時間は様子を見て作業するようにしましょう! 「PLAMAX MF-62 minimum factory みのり with ホンダ小型除雪機 HSS1170n(JX)」のお供にぜひゲットしてください!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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本物のシワまで楽しめる超キュートなカラフルガールプラモ!「PLAMAX MF-62 minimum factory みのり with ホンダ小型除雪機 HSS1170n(JX)」

▲このパーツのシワとプラスチックの色のキレイさにハートを撃ち抜かれました!!

 マックスファクトリーのプラモブランド「PLAMAX」の中には、イラストレーター・山下しゅんや氏が描く美少女と本田技研工業株式会社が開発するメカがバッチリタッグを組んだ「美少女×メカ」の素敵なシリーズがあります。その最新作「PLAMAX MF-62 minimum factory みのり with ホンダ小型除雪機 HSS1170n(JX)」の女の子、みのりちゃんのプラモが凄すぎました……。目が楽しくなるカラフルで清潔感あるプラスチックの色。さらにイラストから立体化された女の子なのに、なんだか妙に各部がマジなんです!!! 

▲山下しゅんや氏が描くめちゃくちゃキュートなイラストが目印!!
▲こんなに鮮やかなプラスチックばかりで構成されたプラモはなかなかお目にかかれない!
▲イラストではすっきりと描かれているダウンジャケット。しかし模型は……超リアルなシワとダウンの膨らみ

 とにかくこのシワの凄さにびっくり。メーカーに聞いてみると「実際にダウンジャケットを女性に着せて、スキャンデータを取ったものをベースに開発しました」と教えてもらいました。そう、マックスファクトリーがプロレスラーやコスプレイヤー、カメラマンなどの人物系プラモ開発で培ったノウハウを、イラストキャラにも用いたのです。リアル×イラストのマリアージュフィギュアプラモがここに誕生したのです。

▲データ原型による超精密なもふもふやマフラー。これがかわいいのよ
▲流し込み接着剤を準備!!サクサク組めるよ
▲ダウンの縫製やシワを分割線に持ってきているので、組み上がった後もとっても自然なのだ!!
▲左右のパーツで間違いやすそうなものは、このように軸と穴の形状を変えてくれてます。ありがて〜
▲ピッタンコ!

 そしてこのみのりちゃんは、選択式で2バージョンの仕様を組み立てられます。どっちも可愛い……どうする俺。マジで超悩みます。

▲除雪機持ちポーズ(マフラー無し)、マフラー着用でポーズ決め! の2種から選びます。俺、マフラー女子好きなんすよね……でも除雪機を持ったメカとの組み合わせも楽しみたい……
▲こっち!!! あれ? なんかいますね

 みなさんも大いに悩んでください。どっちも可愛いので、2個買いしちゃいましょう。除雪機もたくさん揃えば除雪作業もより捗るってもんです。そしてみのりちゃんにとってのピカチュウのような存在「雪だるま」もこのキットには一緒についてきます。みのりちゃんの景色を盛り上げてくれる最高のパートナーですね!

▲本物の雪だるまは作るの大変だけど、このプラモは前後貼り合わせの一瞬で完成します!
▲バケツがキュート。このプラモは全ての小物がセンス抜群です

 流し込み接着剤で各部がピタピタ合う楽しい組み立て。組み立て中も目を楽しませてくれるプラスチックの色とシワ。完成すると手のひらサイズにぎゅ〜っと可愛さが凝縮されたプラモがあなたの目の前に!! 正直、前作の耕うん機のプラモからフィギュアは超絶進化しています。ぜひこの可愛さを作って体感してください!!

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プラモデルで旅に出よう!/「コトブキヤ 創彩少女庭園 アフタースクール トラベルタイム」

▲かわいいフォルクスワーゲン ビートルで旅してみたい! そんな妄想を地図の上いっぱいに広げる

 旅支度。大きなトランクの中に現地で楽しむための大事なものを詰め込もう! 旅の思い出を残すのにカメラとスマートフォンはとっても大事だね。準備ができたらお気に入りの車で出発です!!

 そんな僕の脳内トラベルを楽しませてくれるプラモが、今回ご紹介する「コトブキヤ 創彩少女庭園 アフタースクール トラベルタイム」です。コトブキヤの女の子プラモ「創彩少女庭園」のキャラクターに持たせることで、女子高生が旅を楽しんだり、自撮りしたりしている様子を楽しめます。「旅」をテーマにした模型がひと箱につまったプラモの箱を早速開けて行きましょう。

▲かわいいセルフィーの様子がパッケージになっています

 旅は絵画や写真ととっても深いつながりがありますよね。かつては旅先の様子を絵に。写真の登場以降、人々は旅先でさまざまな写真を撮って共有してきました。現代ではSNSを開けば、世界中の様子を見ることができます。それは誰かが写真を撮ってアップしてくれたから。旅先にカメラは欠かせませんね!

▲一眼レフとスマートフォン。どちらも旅の楽しさを伝えている最高のツールです。それがプラスチックのランナーに収まっています。トランクはいつの時代も旅の象徴ですね
▲絶妙なデフォルメ感! ボディのグリップ部分の凹凸とかいい感じですね〜〜。レンズは長いのと短いの2本付属します
▲レンズパーツをクリアーの紫にした開発者は天才です!!!
▲透明だと奥行きが出にくい。紫にすることで自然の影色になり、奥行きが出ます
▲自撮り棒は一発成型。スマートフォンをセットできるようになっています
▲このプラモの唯一の可動部分。トランクのキャリーハンドル! スムーズに伸び縮みします。僕はハンドルの操作が下手で、いつも旅先でガコガコやっています

 旅先での準備を詰め込むトランク、カメラ、スマートフォンと旅支度の必要最低限のものがセットされている「コトブキヤ 創彩少女庭園 アフタースクール トラベルタイム」。このプラモで旅をしてみたい妄想や、旅の雰囲気を作り上げたい時にとっても良いプラモデルです。さぁ、プラモデルで旅に出かけましょう!

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撮影が上手くできない!それなら外に出でよ!!プラモとスマホでGO OUT!!!

▲自然光は最高のアシスト王! お外でプラモのパーツを撮影だぜ

 プラモの箱をお外で開けてみよう!! スマートフォン片手にダッシュなのです。これから自分が作るプラモはこんなに楽しいプラモだよ〜〜と全世界にアピールしちゃおうぜ!!

▲さらば背景紙! 俺の背景は納屋!!! でも自然光でバキバキにボディのラインがかっこよく出てるぜ〜〜
▲撮影ブースでの撮影が意外とむずいシールなども問題無し! 銀のシールなんて空を反射して青になっちゃってる〜〜〜イケてる〜〜
▲黒いパーツは影に気をつけろ!! 光と影の戦い!!!
▲ナイスメッキ! 光がばっちり反射するぜ

 プラモってパーツを見ることも超楽しい。だから僕らは組み上がった写真だけでなく(完成品がほとんどの世の中ですので、組んだ状態だけ見たらプラモを作ったことがない人にはそれがプラモかどうか判断できないことってよくあるんです)ランナーの写真やパーツの接写をよく撮ります。そしてこれがプラモを作るとはまた一味違ったプラモとの会話を楽しめるんっす。

 nippperは白バックや黒バックが多いですが、それがマストじゃない! プラモを持って外に出よう! 俺たちも外光派の画家のようにお外で買ってきたプラモをパシパシ撮影するのです。そうすると「あれ、なんか良くね?」が出ますよ。その良さをバンバンみんなと共有していけばプラモってさらに面白くなる! 組む前も組んだ後もプラモを持って外に出ようぜ!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。ちっちゃいのに超作りやすいタミヤ新作戦車模型!「1/48 アメリカ M8 自走榴弾砲」

▲塗料ビンを置くとコンパクトさが際立ちますね!! 週末モデリングに最高の戦車模型がやってきた!!

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は花金プラモの常連であるタミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズの完全新作「アメリカ M8 自走榴弾砲」をご紹介します。

 上の写真からもわかるように、とってもコンパクトなモデルです。最新キットだけに、緻密なディテールやパーツ表面の細かい鋳造表現がキレキレ。コンパクトなサイズにこれだけ緻密なディテールが入っているので凝縮感が半端なく、僕が尊敬する西川貴教アニキのようなイケてるボディプラモに仕上がっています。

▲直線的な車体に、丸みのある防楯のアンバランスさがいいですよね〜。かっこいいです
▲車体と砲塔のパーツはすごくコンパクト!! 足回りもサスペンション部分が優秀でパーツ数を抑えた構成となっています
▲プラ製の部分分割履帯。ここだけはパーツが細かいので頑張ろう!

 M8自走榴弾砲は、アメリカ軍のM3スチュアートをアップデートしたM5軽戦車というとても小さな戦車をベースに開発されました。小回りの効く戦車をベースに、通常の榴弾のほか対戦車榴弾や発煙弾も発射できる75mm榴弾砲M3を搭載したことで、敵陣地や防御拠点への攻撃に活躍します。

▲こちらはM3スチュアートの記事です

 キットのパーツを見ると、車体と砲塔部分は本当にパーツ数が抑えられており、組みやすそうな雰囲気。足回りは履帯パーツが細かいな〜という印象です。各部見ていきましょう。

▲1/48シリーズの嬉しい箇所がここ! シリーズを通してサスペンションの一体化が本当に上手。このM8もすでに車体と一体になって成型されています
▲細かな転輪がズレなく組めるように、ホイール部分に小さな突起が3箇所もあります。これでズレやがたつきを無くします
▲履帯組み立ての1番手に貼るパーツ。このパーツの裏には先ほど突起がはまる溝が彫られています。これで貼る位置がしっかり決まるので、綺麗に履帯を組めます!
▲リアパネルが素敵! ハンマーや斧が既に彫刻で表現されています! 立体感も抜群です
▲1/35スケールのM18ヘルキャットにセットされたアニキをベースに開発されたであろうフィギュアが入ります。汎用性が高いのでさまざまな米軍車両の隣に置けます
▲砲塔は天井が無いオープントップ。そのため砲塔内の密度感も重要になってきます。M8もその点は抜かりなく、キットは照準器や主砲装填部などを楽しめる仕様です
▲フミテシは2時間で完成させました! 角がピンと立った車体の綺麗さが最新キットだな〜と思わせてくれます。素晴らしい!! 砲塔に配置されたM2機関銃のパーツ精度も最高です

 こうやって1/48MMでも主力戦車の脇を固める車両がどんどん発売してくれると、さらに情景作りやコレクションが盛り上がりますね! これだけ小さな車両を少ないパーツ数、キレのあるモールドで立体化できると僕たちに見せてくれたタミヤの今後のラインナップに期待を膨らませながら、今夜は乾杯! と行きたいと思います。それではみんなさんもぜひタミヤの新作「1/48 アメリカ M8 自走榴弾砲」を作ってください!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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ダイナミックに船を建造できる!!「ハセガワ 1/450スケール艦船模型」シリーズでプラモの海へGO!!/海上自衛隊 イージス護衛艦 あたご

▲でかい艦船模型ってかっこいい!! しかもすごく楽しく組み立てられるよ

 でかい、やすい、やばい。この3拍子が揃ったオモシロ艦船模型がハセガワの「1/450 艦船模型」シリーズです。艦船模型のメインスケールである1/700と1/350のちょうど間をとった大きさとなっています。メインスケールではないとのことでちょっと無視されがちなこのシリーズですが、艦船模型を作ってみたいという人には超絶おすすめなのです!!!

▲このパーツ構成を見てよ!! できてる!!!

 小さなパーツは少なくて、でかいパーツをダイナミックに貼り合わせて豪快に組み立てが楽しめる上に、繊細なディテールもバッチリ味わえます。手掴みでモリモリとご飯を食べるみたいに作れる艦船模型っす。

▲ダイナミック!! ハセガワ〜〜〜♪

 このシリーズの中でもオススメなのが、僕らの国を守る最強の盾「イージス艦 あたご」です。海上自衛隊が有する艦艇でも花形。まるでお城のような艦橋がかっこいいですね〜〜。そしてこのキット、完成すると約40cmにもなります。そんなサイズのキットが3時間ほどで形になっちゃうんですよ。なんなら特徴的な部分はすでにランナーの中で完結していたりするので、箱を開けたらいきなり「できてる!」と言えるワクワクプラモであります。

▲2種の接着剤をビジュアルで見せてる! しかも使い分けようって言ってる

 本格的に工具と接着剤を使って「大きなプラモを楽しく作ろう!」という声が聞こえてくるのが、このプラモの良いところ。プラモの世界でよく使われるプラ用接着剤は2種類あって、その2種を使い分けると綺麗に組み立てられるよと説明書の中でも教えてくれています。そしてそのようなコンセプトだからこそ現代の海のアイドルが選ばれているんですね。(本シリーズには戦艦大和御大もおられまする〜〜〜)

▲接着のアドバイス。こういうのって嬉しいですよね
▲HGのスタンダードサイズの箱よりでかい。このパーツを手に取るだけでライジング!!
▲凸モールドのキレが半端ない!!! こういうパーツ見るとハセガワの仕事ぶりって最高だな〜、と思ってしまうのです。好きです
▲イエ〜〜イ!! 透明シール最高!!
▲デカールもあるってばよ!!

 あたごの各部のマーキングはデカールとシールが付属します。シールを台紙から剥がして貼るという行為は多くの人が経験していること(うちの子供達もシールを貼るのが大好き!)。そう言った意味でもシールはマーキング再現のハードルをガクンと下げてくれます。

 僕ら模型が大好きな人にとっては当たり前の「水転写デカール」というものは、多くの人にとっては未知との遭遇です。「デカールしんどい人のためのシール」という見方もできますが、「模型の世界にはシールの他にデカールという選択肢があるんですよ〜」という、デカールへの橋渡しの役割も負っているわけです。この両者が一緒にセットされていることにより、プラモを初めて作る人にも「模型のこまかいマーキング表現にはいくつか手段があるんだぜ〜」というのを提示しているんですね。

▲切り出せばアンテナができちゃう。こういうパーツが多数セットされています
▲床から自生している……ランナーからキノコ刈りをしなくて済む

 艦船模型は小さなパーツをペタペタと貼り合わせていくことが多いなか、このキットは1/450スケールというサイズを活かして、できる限りパーツの一体化にチャレンジしています。一部支柱などは別パーツになっていますが、そういったパーツ以外かなり一体化されています。床から構造物が生えていたりするのを見ると、「助かる〜」って思わず声が漏れてしまいます。

▲飛行機のハセガワ!!! SH-60Kもセットされます。組み立ても超簡単!
▲SFメカ味が強すぎな甲板上の構造物パーツ。1パーツでドーンと成型されています。そしてこのバキバキのディテール。悶絶です

 ガンプラのサイズで例えると、まさにマスターグレード的な位置とも言えるこの1/450スケール。1/350スケール(パーフェクトグレードな艦船模型)ほど大きすぎることはない上に、完成後にはちゃんと船の巨大感も堪能できます。パーツもそれなりに大きし、ハセガワのバリバリに繊細な彫刻もびっしりと刻まれています。メーカー側も、このサイズだからこそ表現できる彫刻やパーツ分割にチャレンジしているので、そういった表現を受け止めるのも作っていて楽しい。そんなダイナミックな建造体験を多くの人に味わってほしいので、ぜひゲットしてモリモリ作ってください!! 

フミテシ/nippper.com 副編集長

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“子供にとって本当に良いニッパー”が楽しいプラモ体験をもたらしてくれる!「ゴッドハンド こどものニッパーEX」

 息子も5歳になって、プラモに興味津々。僕がプラモを作っていると、覗いてきては「パーツ切ってみたい、えへへ」と言ってきます。僕も嬉しいので、一緒に作ろう! とニコニコしながら息子のパーツカットを手伝います。そんな時、息子はニッパーの向きを変えるたびに、一度机に置いて向きを変えて再度握り返すという行為を何度も繰返していました。そう、僕がいつも使っているニッパーが彼にとっては大きくて、うまく手首を返せなかったのです。それでも一生懸命にパーツをカットしていましたが、なんだか窮屈そうでした。そこで、僕は息子専用のニッパーを買ってあげようと決心したのです。

▲それが赤い持ち手の「ゴッドハンド こどものニッパーEX」です

 僕がいつも使っているタミヤの薄刃ニッパーよりもだいぶ小さいです。早速息子に渡すと、しっかりと握れてニッパーを持ったまま手首を返すこともできました。「とっても使いやすい!」の一言と共に、スムーズにパーツをカットしていく息子を見て父ちゃんは嬉しくなってしまうのでした。

▲刃の先端は丸くなっています。ですので、手や周囲のものを傷つけたりする危険性が格段に下がっています

 このニッパーはゴッドハンドが得意とする片刃ニッパー。同社が発売している「ブレードワンニッパー」というニッパーと同等の耐久性と切れ味があります。かわいい見た目ですが切れ味は最高です。

▲パーツギリギリで直切りしてみましょう!
▲子どもの力でも、さくっとキレイにカットできました!

 良いニッパー1本からプラモをスタートすることができると、こんなにちびっこは笑顔になれるのかと自分の息子で体感。僕たちの思いもよらないところで不都合な部分があるんだという発見がありました。そして子供にとってニッパーの使いにくい点を的確にフォローしたゴッドハンドさんにスタンディングオーベーション。息子も僕の部屋にあるプラモをこのニッパーでどんどん作ってみたいと元気一杯! 息子がもう少し大きくなってプラモに興味がなくなっても、「あのニッパーでパーツをカットするのが楽しかったなぁ〜」といつか思い出してくれたら嬉しいですね。

 プラモとの良い思い出を繋ぐのは、きっと良いニッパーだと思います。

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いつの日も雨。プラモに雨を思わせる「コトブキヤ 創彩少女庭園 アフタースクール アンブレラセット」

▲開いた傘が1パーツで綺麗に成型されています! すごい!!

 傘があればそこはもう雨。あなたの模型に雨を思わせることができる素敵なプラモが「コトブキヤ アフタースクール アンブレラセット」です。僕たちが手軽に頼ってしまうビニール傘をイメージしたような成型色となっています。

▲アフタースクールのパッケージは、プラモと小物の組み合わせのお手本みたいな写真になっています。学びがあります
▲レイニーブルーな成型色。僕は淡い青が大好きなので、めっちゃ好み

 ビニール傘というと透明だったり、乳白色だったりするものが多いですよね。しかし、このプラモは薄いブルーにすることで可愛さを追加。雨の通勤風景によく見られる、歴戦ビニ傘ラッシュアワーな雰囲気を回避しています。また透明度をコントロールして透け感をギリギリにすることで、プラモの内部構造を目立たなくしています。

▲鉄!! 強度とリアルさをゲットだぜ!

 傘の中棒(シャフト)用にステンレスの棒がセットされます。これだけでより傘味が増しますね!! さらに強度も確保されるので、傘が折れたり曲がったりすることがなくなります。

▲中棒をプスッと指すだけで完成です
▲このキットのベスト傘がこの「はだけた傘」。これ1本で、傘のバンドを外した瞬間を表現することもできますし、バンドをせずにバラバラさせている状況を表現したりできます。中にははだけた傘パーツを繋ぐ桁がセットされます
▲この桁にパーツをセットしていくと……すげーじゃん!! 傘がはだけた
▲こちらは閉じた状態

 傘の開き、はだけ、閉じという3段活用を1セットに収納したプラモ。このキットがあれば傘に困ることはありません。創彩少女庭園の女の子たちに持たせるだけでなく、傘のプラモをそばに置くだけで全ての模型に雨を思わせることができます。雨が似合う模型にぜひこの「アフタースクール アンブレラセット」を添えて遊んでくださいね。

▲つたわれ……この色……「雨のナカジマ」
▲錆びさせた車の模型の側に。雨と車は似合いますね

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日本のロケットエンジン開発の夢を45分でその手にできるプラモデル。「ピットロード 1/72 秋水」

▲稲妻!!! これがスタンドになるなんてイカしたプラモだぜ!!

 第二次世界大戦の最中、日本がロケットエンジンの夢へと挑戦した飛行機、それが「三菱 J8M(キ200) 秋水」です。ドイツ空軍の「メッサーシュミット Me163 コメート」の設計図をベースに開発が進められました。残念ながら試作機のみで終了してしまうのですが、その分ロマンある小さな飛行機とも言えます。先日この飛行機の1/72スケールのプラモがピットロードより再販されたので、手に取ってみました。

▲めっちゃ成型が綺麗だぞ! どんなプラモなのでしょうか?
▲試製秋水の主翼は木製なのでリベットは無いはずですが、もしかしたら量産機仕様の夢を刻んだのでしょうか。個人的には彫るよりも埋める方が楽なので問題なしです

 このキットは実験機である試製秋水と、「量産の暁には〜」的な量産機仕様というものが選択できます。主翼にも試製秋水にはない機銃を選択式で取り付けることができます。キットは1995年にハセガワが発売。その後ピットロードが受け継いで1999年に発売され、現在に至ります。もっとディープで複雑な出自があるみたいですが、今ここにあるプラモを思う存分に楽しみましょう〜。

▲アニキもちょいトロけ気味ですが雰囲気抜群!! マスク顔の作りがいいっすね〜〜

 成型だけじゃなく、パーツの合わせもすごくしっかりしています。コクピットを収めて、胴体を左右合わせてみるとずれなくピタ〜っと合います。胴体とコクピットができてしまえばほぼ完成とも言えるプラモ。マジで45分でフライトできます

▲このピッタリな様子をどうぞ!! アウトラインもかっこいいぞ

 キットは駐機状態と飛行状態を選択して組めます。さらに飛行状態に組んだ時用の、専用台座も付属するんです。そのデザインがシンプルで、模型に無駄な雑音を加えない素敵なものなんです。クリアーパーツにある稲妻のようなものが棒で、それをシンプルな黒い台座にセットします。

▲こういったシンプルな形が一番! 黒成型なので、まさに黒衣に徹してくれます
▲エンジンノズル部分にプスッと差し込むだけ!! 飛行機は飛んでる姿が最高だぜ!

 完成まで45分。その時間で日本海軍と陸軍が共同で開発しようと必死に汗水流した飛行機を味わえます。活躍はないかもしれませんが、ロケットエンジン開発へのロマンがこの飛行機にはあります。そういった試作機の楽しさを良い形状、良い組み味で体感させてくれる「ピットロード 1/72 秋水」。ちょっといつもと違ったプラモをサクッと作ってみたい時に最高のプラモです。ぜひゲットして組んでください!!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。日本の最強戦車を最高の組みやすさで楽しもう!!「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ 陸上自衛隊 10式戦車」

▲コレクションにぴったり! 初めての戦車模型にもぴったりの「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュア」(以下48MM)シリーズのニューヒーロー!!

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でご紹介する「花金プラモ」。今週は、タミヤの戦車模型「1/48 ミリタリーミニチュア」から、日本を守る主力戦車「10式戦車」をご紹介します! サイズ、パーツ数、組みやすさとまさに三冠王なプラモなので、週末モデリングにぴったりですよ!

▲戦車だけじゃない!! 実際に自衛官をスキャンしたデータで作られた本気なアニキも付属。いや〜日本人や〜〜
▲パーツ少な! これで完成しちゃうんですよ!!
▲表面の滑り止めも非常に繊細な彫刻で表現。パーツに刻まれた情報量が半端ないです
▲実車のサイドスカートは軟質素材。その柔らかさがパーツでも表現されています。装甲のカチッとしたパーツに対して、このような柔らかさを表現したパーツが模型により豊か表情を与えてくれます

 超絶日本人なアニキ、各装甲に超細かく刻まれたディテール、そして柔らかさまで表現されたパーツと各部を見ているだけでワクワクしてきます。そして各部のディテールや情報量の凄さを保ちながら、少ないパーツ数に抑えているのもポイント。大きめのパーツをカチカチと合わせていくこと工程が多いので、スイスイと形になっていきます。

▲各パーツのバチピタで合わさります。パーツの合わせ目に流し込み接着剤を流せばぴた〜っと綺麗に貼り合わさります
▲小スケールの模型でも戦車も重量感をイメージできるようにオモリパーツが入ります
▲側面装甲は、上面の車体パーツに吸着するくらいの精度
▲ゴリラなオイラでも四角く組める!! やったー!!!

 車体のパーツの組み立ては気持ちよさの連続。上面車体を囲うように側面や前面装甲を接着剤で貼っていくのですが、パーツ同士を合わせた時にすべての箇所が吸着するようにピタ〜っと合います。貼り合わさった後は、まるで1パーツのような一体感のある塊になります。

▲スコップ!! 知ってる!! こういう瞬間って嬉しい!!

 戦車には僕たちにも身近な物が積まれます。スコップ(ショベル)はその代表格! 自分にとって遠い存在であった戦車というものを初めて組んだ時、このような知っているもパーツを目にした瞬間一気に親しみを覚えました。僕らの生活にあるものも大事なんだ〜って、模型を組むことでそのようなディテールも知ることができるんですね。 

▲THE合体!! 砲塔パーツも合体シークエンスの連続。全部バチピタだぜ
▲パーツの合わせ目に流し込み接着剤をスッと流し込めば完成!
▲完成!!! 超かっこいいぜ!!

 気持ち良い組み立ての連続!! 週末が超ハッピーになれる戦車模型の代表とも言える「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュア 10式戦車」。テレビでもよく登場するので、動いている姿をちらっと見たことがある人も多いと思います。そんな僕らの国のかっこいい戦車を楽しく組めますので、ぜひ今週は10式戦車を買って組んで楽しんでください!

▲10式を組んだら、同じタミヤの48MMシリーズで発売されている16式機動戦闘車も作ってみよう!! 陸上自衛隊のツートップをプラモでゲットしようぜ

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レトロな雰囲気のプラモに素敵な家具を添えて。「コトブキヤ 創彩少女庭園 アフタースクール レトロデスク」

▲そっと添えるだけ。あなたの模型の世界観を彩ることができますよ〜〜

コトブキヤの超人気プラモシリーズ「創彩少女庭園」。とってもかわいい女子高生を組み立てることができるキュートなプラモシリーズです。そのシリーズをより楽しめるアクセサリーパーツとして「アフタースクール」というプロダクトが展開されています。

このプラモ、女の子だけでなく他の模型のアクセサリーとしても最高です。スケールとかサイズ感とか気にせず、隣に置くだけでその模型の世界観を彩ることができます。今回ご紹介する「アフタースクール レトロデスク」というキットも、ヴィンテージカーとか一次大戦の飛行機や兵隊の脇とかに置いてあげると、なんだか一緒の仲間に見えて、見た人に「ひと昔前の景色」をイメージさせられます。そんな楽しみ方もできるんです。

▲背景にプラモのスケールとは異なる本が並べられたりして、より豊かな景色になっています。これが最高のヒント! この商品でも同じことができるんです

 トップ写真のように、スムニェルのロールスロイスと一緒に添えてみるとすごく馴染んでくれて、車だけでは出せない絵を作り出してくれました。写真を撮って楽しむ時なんかに本当に最高ですよ。

▲とってもシンプル!! パーツをカットしてカチカチと合わせるだけで完成します
▲私はレトロデスク!! この主張が好き。創彩少女庭園の女の子だけでなく、自由に使って楽しんでねというメッセージが、この直球のランナータグから聞こえてきます
▲お!! 穴があるということは?
▲引き出しがセットできる〜〜。ここに小物とか入れることもできるようです
▲本もナイスなこだわり。カバーが空洞になっていて、そこに中面パーツをスッと差し込むんです。ワンアクションで本が爆誕する体験は気持ちが良いですよ〜
▲本は2パーツで作る大きなものと、1パーツで成型された小さな本、合計4冊セットされます
▲レトロな電気スタンドと椅子も合わせれば完成! 椅子の赤の光沢感がとっても綺麗ですね

 小物って楽しいよ! ってのがすごくシンプルに味わえる「コトブキヤ アフタースクール レトロデスク」。スケールとかサイズというところに捕らわれることなく、自分の模型で伝えたい世界観と合うものを背景に添えて楽しめるシリーズなのでぜひ買って、お気に入りの模型の隣に添えてください!! まだまだ面白いアクセサリーがたくさんあるので、さらにアフタースクールをエンジョイしてきます!!

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何度でもいざ鎌倉したくなる鎧武者のプラモデルは文化の樹脂化!!「PLAMAX 鎌倉時代の鎧武者」

▲土門拳の仏像写真のように接写したくなるプラモだぜ!!!

 2022年に触ったプラモで1番の衝撃、モデルデスヤーレス・フミテシだったのがPLAMAX 鎌倉時代の鎧武者でした。パーツの彫刻、組み味、全てが異次元でした。あまりの楽しさに北条氏の里・静岡県伊豆の国市まで旅したほどでした。

 そして2023年。今年になって「山田五郎 オトナの教養講座」というYouTubeチャンネルにどハマりした私は、以前にも増して博物館や美術館に行く機会が増えました。楽しいな〜と、美術や文化財を見ている時もついついプラモ脳になってしまいがち(「あの絵に塗られたハイライト、ウォーハンマーじゃん!」とか、「マジでこの汚れは戦車模型の技法じゃん!!」とか)。そんなこんなで、博物館に行く回数が増えながらプラモについて思いを馳せていると、僕が去年組んだ「PLAMAX 鎌倉時代の鎧武者」も博物館や美術館の延長にいる素敵なプラモじゃんと思ったんです。そう、このプラモは本物の大鎧をスキャンし、さらに当時の侍の習わしを今に伝える人物をスキャンしたデータで蘇った究極の「鎌倉時代の鎧武者」、まさに超絶本気な文化の樹脂化だったのです。

▲至高の解説文! プラモ説明書のバッケンレコード

 鎌倉時代の鎧武者のプラモは、戦車や飛行機、車などと同じように、手に取ることで文化や歴史を知ることができるものです。そしてこのプラモの説明書の中にある解説と解説写真が、他のプラモの説明書とは一線を画すほど素晴らしいものになっています。自分が買ってきて、今組んでいるプラモのリアルな姿が克明に描かれているのです。これって博物館によって作成されたパンフレットや図録と同じですよね。プラスチックパーツだけでなく紙にも「鎌倉武者」の姿があります。

▲フォトのかっこよさはマジでアニキ! 鎌倉武士は歩く戦車だって!? プラモが楽しくなるキーワードが満載です
▲1時間でいざ鎌倉! あなたも御家人になれる!!

 そして本体のプラモ。まだ組んだことがない人はぜひ手に取ってください。1/12スケールで、完成すると全高約13cmとちょうど良い大きさ。さらに各パーツ全てが良いサイズ感で取り回しもしやすいです。組んでいる時も大鎧を表現する超緻密なディテールが目を楽しませてくれます。ランナーの中は大トロしかいませんよ(大鎧だけにね)。

▲人の一瞬の表情を切り取った究極の造形!

 ポーズ、表情共に全身をスキャンしたデータを元に製作されています。マックスファクトリーの原型師がスキャンデータをひとつひとつ丁寧に、かっこいいプラモとなるように調整しています。鎌倉時代の鎧武者はこのような姿だったかもしれないという造形作業……それもまた博物館や美術館を飾るものたちと同じように思えます。

▲簡単に首は差し出さん!! 首ができました。組み立てるだけでこの造形と表情を味わえます。何度見てもすごい
▲衣服の皺がピターっと合います。これぞ幸せ!
▲いちばん好きな組み立てポイントがこちら。手首と刀が一体成型されたパーツをお腹の窪みに接着!!
▲イヤーーーー!!! このワンアクションで日本刀を構えた力強いポーズが完成します!

 実際に手を動かすことで鎌倉時代の鎧武者のディテールがクッキリしてきます。昨日まで知らなかったことをこのプラモを組むことで知ることができるのです。そして今、プラモデルの世界はさまざまなものがプラモ化されたとっても豊かな世界になっています。僕たちが大好きなものを通して知らなかったことを知ることができる。指で楽しみ、目で楽しむ。僕たちって最高に楽しいことを毎日してるんですよね! そんな贅沢を改めて味合わせてくれたPLAMAX鎌倉時代の鎧武者。これからもプラモの声が聞こえるたびに、何度も「いざ鎌倉」することでしょう!! 

▲何個作っても最高です。ぜひみんなも作ってください!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

切って、貼るだけで美しい「フォルクスワーゲン ビートル」がやって来る!/ハセガワ 1/24 フォルクスワーゲン ビートル

▲マジで最高の定番。みんな買おう!!!!

 1990年に発売されてから数々のバリエーションキットがラインナップされているハセガワの車模型の超定番「1/24 スケール フォルクスワーゲンビートル」。このプラモ、ボディやシャシーのプラスチックに色がついていて、さらにメッキパーツも入っているので、接着剤でペタペタ貼るだけですごく良い気持ちになれる車模型です。こういう模型が定番キットにいるってのがさすが老舗っすね!

▲僕は散歩の途中で寄った近所の模型店「ことぶきや模型店」(小田急線向ヶ丘遊園駅下車徒歩5分)で出会いました

 発売以来多数のモデラーさんが作ってきた「ハセガワのビートル」ですが、僕は今回が初体験。箱を開けた瞬間、「これは楽しいプラモだわ」ってなりましたよ。皆さんに愛されるわけです。

▲すごい安心するパーツ数と、各パーツの大きさ。そしてこの絶妙なアイボリーの色! すべてヨシ!!

 見てください、この絶妙なパーツ数。これなら作れそうって気になりますよね。本当に圧がないんです。小さいパーツもないので、ピンセットでのプルプル体験もほとんどないです。

▲ゴムタイヤ。塗らなくてOK。取り付けるだけで雰囲気出ますよ
▲何これ!? ベロア? 床に貼るの!? なんだかゴージャス

 このキットでちょっとびっくりしたのが床に貼るベロアのようなシールが入っていたこと。これを貼るだけでフロアマットになるってわけです。なんだかゴージャス!! 完成後はほとんど見えないけど、俺の車はちょっと豪華だぜ〜と作った人が満足できる楽しみがあります。

▲カット済みだからゴリラも安心! 綺麗に貼れるよ
▲内装も組むだけでなんだか華やか。アイボリーって素敵ですね

 シートや内装はボディと同じアイボリーになっています。アイボリーのプラスチックって不思議なもんで、白より一段とかわいくみえます。このインテリアもこのままで十分ナイスな見映えですね。

▲このツヤツヤのボディ!! ニコニコしちゃうよね〜〜

 俺はこのツヤにクラクラ。最高にかわいいぜ。とても綺麗なパーツなのでこのままでも存在感は抜群。これにメッキパーツが貼られるとマジでかっこいいですよ。

▲各部のメッキパーツやクリアーパーツの接着は「セメダイン ハイグレード模型用」にお任せ!

 セメダインから発売されているハイグレード模型用は、メッキパーツやクリアーパーツが多い車模型を作る時にとっても便利。メッキを剥がさなくてもそのまま接着できますし、クリアーパーツの表面を荒らすことなく透明なまま固まってくれます。硬化時間が長めなので、貼った箇所はいじらずにそっとしておきましょう。1日経つと完全硬化してカチカチに固まります。

▲接着剤の硬化前にポロッと落ちてしまうような大きなパーツは、メッキを削ってプラ用接着剤で貼りましょう
▲ボディは被せるだけでぴったり。接着しなくてもOK! ボディに貼られたメッキパーツがナイスアクセント!

 最近のハセガワの車模型のように、細部をバチバチに追い込んでくるタイプの模型ではないので、1時間もあれば可愛いビートルの形になります。ハイグレード模型用でメッキパーツやクリアーパーツを貼るなら、パーツを貼った後は特に模型に触らずにベッドでお休みして、1日しっかり乾燥させてね!

▲パーツを貼っただけでこのゴージャスっぷり!!!

 ハセガワの綺麗な成型を味わえて、さらにサクサクと組み上がっていくビートル。アイボリーの成型色もとってもチャーミングですよ。パーツを切って貼るだけで、あなたのお家に”THE BEST OF BEETLE”と呼ばれた車をお出迎えできますので、ぜひ作ってください!

▲後ろ姿もかわいい〜〜!!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

グリーンモンスター爆誕!!イケてる単色プラスチックのプラモは最高の刺身です。「スムニェル 1/32 ロールスロイス シルバーゴースト」

▲成型色は組み上げた人の心が爆上がりするようなグリーンで表現

 とっても鮮やかな色1色で成型されているプラモデルってのは、塊になったときにこんなにもドキドキさせてくれるのか! ということを思い出させてくれました。「スムニェル 1/32 ロールスロイス シルバーゴースト」は究極のお刺身プラモです!

 

▲先日作ったスムニェルのタルボ ラーゴのプラモが楽しくて、スムニェルをおかわり。そうしたら、マジですごい色のイケてるプラモでした

 以前、タミヤの缶スプレーでかっこいいと思う色1色を模型に塗って遊んでいました。明るくて目立つ色1色に模型が染まると、すごくかっこいい塊感を体感できるんです。お部屋に飾っていてもなんかキャッチーでとても可愛かったんです。まさにその感情を、箱を開けた瞬間に思い出させてくれました。目が痛くなるほど鮮やかなグリーンのプラスチックが、ごろんごろん出てきたんです。

▲車のボディ。この色がカッコ良すぎて痺れました。凸モールドの雰囲気もめっちゃ可愛い

 この車はロールスロイスの歴史を代表するとってもすごい名車なのですが、スムニェルのポップな成型色と可愛らしい凸モールドで厳つさはなく、むしろ手に取りたくなる親しみやすさがあります。いろんなところにロマンスなバリ(プラスチックが羽付餃子の羽のように余分に流れてしまってできたもの)はありますが、デザインナイフでサクッとカットすれば良い感じの形状のパーツを存分に味わえます。

▲下敷きとかで欲しいよ! この雰囲気。説明書はマジでイラストのみ。もちろんこの前のページに細部の組み立てがあります。これは最後の合体シークエンス
▲基本、パーツはこのように枝のようなランナーにつながっています
▲何よりこのプラモにはアニキがつくのです!! この色だとマジでゴーストみたい……

 タルボ ラーゴ同様、組み出したら45分で完成しちゃいました。もう大満足。組み上がるだけで存在感半端ないです。試しに棚に飾ってみたら、視界の隅でこの蛍光グリーンな成型色がチラチラしたので展示場所を変えました。

▲こんなに素敵な成型色をセレクトしてくれたスタッフに感謝。これぞ組むだけで『色を楽しめる』プラモ
▲サイドビューもかっこいい〜。机の上にポンと置くのにもちょうど良いサイズです

 1/32スケールなので、アオシマさんのザ★スナップの車と同じスケールです。ですので飾っていてもちょうど良いサイズ。机やお気に入りの場所に、イケてる成型色を纏ったロールスロイスの歴史的名車をお出迎えしたら、一気に華やぐこと間違いなし! とってもかっこかわいいプラモなのでぜひ作ってください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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シタデルカラー「新コントラスト」全部開けます!!/誰でもバキバキの蛍光グリーンが塗装できる!!「ストライキング・スコーピオン・グリーン」

▲開けた瞬間に目がびっくりしちゃう鮮やかさ!! これは塗るのが楽しそうですな〜

 無臭で、水と筆があれば塗装が楽しめる水性塗料「シタデルカラー」。その中には、塗装が苦手な人でも色を塗る楽しみをすぐに体感できる、「コントラスト」という素敵な塗料があります。このコントラストに追加された「27色」を、フミテシが1本ずつレビューしていく連載です。
 今回はムスカ(天空の白ラピュタの眼鏡ニキ)も思わず「目が〜〜〜」って言いたくなるほど鮮やかな「ストライキング・スコーピオン・グリーン」をご紹介。どんな色かイメージできないほど名前がカッコ良すぎる塗料なので、早速使ってみましょう!!

▲容器状態から派手すぎ。主張が強いぜ!!

 「コントラスト」は、白い下地や明るいグレーの下地を塗った上から塗ることで、模型の凹凸に沿って自然に塗料が流れていき、グラデーションのように染め上がります。バシャバシャと染めるだけなので、塗装が苦手な人でも筆とコントラストがあれば、楽しく塗装デビューできます。またコントラストの特徴として、色によって染まる力が異なるので、この色通りに発色するかは使って見ないと分からないというのがあります。ストライキング・スコーピオン・グリーンは一体どんな感じで染まっていくのでしょうか……。

▲一撃で超鮮やかなグリーンが爆誕!! バキバキすぎる!!!

 色の発色、染まる力も超強い!! 容器の中の鮮やかさがそのまま発現されます。これは面白い……。蠍だよ〜って名前ですが、カエルのような感じになりますね。

▲乾燥後もこれだけ鮮やか! 陰影も美しいですね〜

 蛍光グリーンのような美しさが、癖なくさら〜っと塗ることができるってすごいことです! この鮮やかさを誰もが簡単に手に入れることができます。コントラストは白下地の他に、銀の上に塗るとメタリックカラーになる特性もあります。このストライキング・スコーピオン・グリーンを銀の上に塗ればセンサー表現にもぴったりだと思います。鮮やかなグリーンを手軽に塗りたいときに超便利なので、ぜひストライキング・スコーピオン・グリーンをゲットしてください!!

 そして新コントラストは今回の記事で全て紹介しました。しかし……これまでに発売された来た既存のコントラストはまだまだ紹介しきれていません。これからはそちらもご紹介していくので、コントラストレビューはまだまだ続きます!!! お楽しみに〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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「初プラモ化」だけが話題じゃない!プラモだからこそ大胆な攻めに出る「MODEROID ダン・オブ・サーズデイ」

▲結論! 俺はこういう大胆な構成のロボットプラモが大好きだ!!!

 上の写真を見てください。このメカの登場時に見られる「刀状態」にすると、頭部、腕、脚部という人の形の大事な要素をほぼ全て外すんです。すごい!! さらにどでかい剣パーツの迫力も最高です。完全変形ではなく、差し替え変形にし、両形態でも満足できるようにしようってのは強度面やコスト面、そして何より僕らが作りやすくなるということで、とてもプラモと相性が良い選択なんです。

 ……というわけで、グッドスマイルカンパニーのプラモ「MODEROID」シリーズの最新作であり、初プラモ化となった『ガン×ソード』の主役機「ダン・オブ・サーズデイ」が先日発売となりました。このプラモ、めちゃくちゃ良いです!! 何が最高ってこの「大胆すぎる割り切り」です。

▲透けのない白、クリアーパープル成型で表現された全身のG-ER流体部分。組み立てるだけでかっこいいですね〜
▲青っぽい白に塗ってみたくなるかっこいいイラスト!!
▲クリアーパーツですが、バキバキの透明にしないことで、中の軸とかが見えにくくなっています。クリアー成型の透明度のコントロールにも様々な狙いがあるんだなと思わせてくれるパーツです
▲腕部や脚部のチューブのようなパーツは軟質性。関節を動かした時も追従してくれます
▲よーく見てください。右側のパーツ、赤ランナーにちょっと色味の違う赤が塗装されています。胸部の赤はスペシャルなのよ! という開発スタッフのこだわりが感じられます。グッジョブ!!!
▲僕が愛用しているタミヤのでっかいハサミより長い!!!

 ひとつひとつのパーツの成型がピシッとしているし、成型色の透けもないのですごく活きの良いプラモです。最も目を惹くクリアーパープルのパーツも、中の軸やリブなどが表面から見えにくい透明度にコントロールされています。むしろ内部の軸やリブによって色の濃淡が出ていて、なんかかっこいいんです……。

▲左右共通じゃないよ!

 設定イラストの形状を表現するために、腕部には左右があります。造形面にもこだわりが見られます。また手首は軸関節になっているので、手首を返したりすることもできます。

▲股関節はロールだけじゃなく、奥にぺこんと倒れます。これでより一層股関節からグッと腰だめできるようになります
▲こんなふうにより深く踏み込めるようになります

 このキット、関節構造がとってもシンプルなので組み立ても快適です。シンプルですがガシガシ遊べる強度と可動範囲は健在。特に股関節が内側にペコリと倒れる構造で、より深く踏み込めたりできるのには驚きました。

▲プロポーション抜群っす!! かっこいいですよ〜〜
▲蛮刀はギミック満載!! 差し替えて様々な形態を楽しむことができます
▲拳、武器持ち手、平手がセット。すべてに捻りや返しを楽しめる関節軸がセットされます
▲段落ちや丸モールド部分に貼るシールが付属します

組んで楽しい、変形させて楽しい、アクションさせて楽しいというMODEROIDの真骨頂をストレートに味わえるプラモとしてこの「ダン・オブ・サーズデイ」はとってもおすすめです! そして写真では伝わりにくいのですが、完成後は19cmにもなるなかなかにでかいプラモです。これだけのボリュームのプラモが2時間くらいで完成するというのも最高なポイントですので、ぜひ実際に組んで最新のMODEROIDの味を楽しんでください!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。もはや街の景色!世界一有名なバイクと週末を過ごそう!「フジミ模型 1/12 NEXTシリーズ ホンダ スーパーカブ110」

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はもはや街の風景にも溶け込んでいると言える最も身近なバイクの模型「フジミ模型 1/12 NEXTシリーズ ホンダ スーパーカブ110」をお届けします。町中華、お蕎麦屋さん、お酒屋さんなどの営業車として、または街乗りや通勤の足として大活躍なバイクです。そんなスーパーカブを組んでシールを貼るだけで大満足できるのが、今回ご紹介するプラモなんです。

▲成型色で細部まで色分け! ボディのツヤが最初からピカピカで成型されています!! 最高〜〜

 このプラモはニッパーとデザインナイフ、ピンセットがあればサクサクと組めるスナップフィット仕様。サクサクパーツがはまりますが、軸が細いパーツなどをしっかりと固定するときは接着剤があると便利なので、プラモ用の接着剤を1本そばに置いておくと良いと思います。

 さらにこのプラモは説明書がとってもナイスです。作りながらスーパーカブの各部名称や役割を知ることができるように、吹出しで豆知識が散りばめられているのです。

▲手を動かしながら知識も頭に入ってくるって嬉しい! モチーフの良さに惹かれてプラモを買った人も安心です
▲このスポークの細さ!! パーツ成型の精度もとても高くなっています
▲塗らなくてもスーパーカブらしさを多くの人が楽しめるように、プラスチックの色で実際のバイクの色を徹底的に追求しています。そして光沢表現も施され、新車のようなツヤが最初から楽しめます
▲細部を表現できるシールも付属

 目立つ部分のディテールや成型色はかなり追い込んで精度を上げています。そして組みにくくなりそうな部分や、初めてバイク模型を組む人が躓きそうなポイントはあえて省略するというメリハリの効いた模型となっているのも特徴です。そのためとても組みやすく、2時間もあれば町で見たことがあるスーパーカブがあなたの机にもやってきます。

▲小さなパーツはほとんどなくて、大きめのパーツをカチカチ合わせて組んでいきます
▲組んでシールを貼るだけでこの完成度!! ボディのツヤが最高ですね〜

 成型色やツヤにこだわっているプラモなので、色違いのバリエーションが多数発売されています。ポップなもの、渋いものとあなたのお好みが必ず見つかると思います。たくさん並べても楽しいと思いますよ!! ぜひこの週末楽しんでください。それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

「プラモが大好きな僕たち」だからこそ味わえる幸せ。スムニェル 1/24 タルボ ラーゴ

▲イギリスのグッドウッドは初めて尽くし。こんなかっこいい車に乗っているナイスなおじさん。最初はオーナーさんだと思ってたんです

 プラモは最高だ!! 最高の記憶を蘇らせてくれるし、これから見たい、行きたいと思う場所やモノへのエスコート役にもなってくれる!! こんなに楽しい趣味は他にないんだぜ。仲間も増えるしね!!

▲爆走してるやん!! おじじゃない! これこそアニキ!! かれは”Talbot Lago T150 CSS”のオーナーでありドライバーでした

 僕はSMERと書いてスムニェルと読むチェコの模型メーカーのプラモを初めて手に取りました。なんとおおらかなプラモで素敵なんだ……あまりの良さに震えが止まらず、かつて見たイギリスのグッドウッドでの感動までもが蘇りました。記憶を呼び起こさせてくれるプラモってのはすげーんですぜ!


 爆走する葉巻型のマシンを初めて見た感動、そもそもレースに初めて行った感動……。1100円のちっちゃな模型が僕の脳を揺らし続けます。どんなピチピチの最新キットよりも、今この瞬間は「スムニェルのタルボ ラーゴ」というレジェンドなプラモが僕のアイドル。楽しいと感じているものを作ったり触ったり買ったりしている時って、そんな感覚になりますよね!

▲捨てられない「グッドウッド リヴァイバル 2017」のレースプログラム

 僕は車模型を初めてまだまだ日が浅いっす……ということは、伸び代しかないんです!! 40歳からでも次々とかっこいい車に出会うことができるなんて最高に幸せ。スムニェルのような海外メーカーだけじゃなく、国内のタミヤ、ハセガワ、アオシマ、フジミといったプラモの中にもバンバン出会いが待っている。タルボ ラーゴで走った先には次のレースが待っているのです。止まってられないぜ〜〜〜。

▲プラモと同じ、1948 タルボ ラーゴ Type 26Cもあの日見ていたのよ! こうやって模型を作って旅の記憶を見直すというのも最高です(撮影/からぱた)
▲違うタイプのクルマでも、色が超絶かっこよかったんだ! アニキが乗っていた車をリスペクトしたカラーで仕上げる!!

 旅の記憶を頼りに、タルボ ラーゴを筆塗り。極東の島国に住むオイラが、Jhon Guyattが所有する「タルボ ラーゴ T150 CSS MD」の美しさに感動して、目の前の模型に投影している……プラモによってあの時の記憶と再会ができた時間は幸せでしかありませんでした。 

▲俺たち模型が好きな人間は、世界中にあるものがキラキラして見えるんだ! プラモが大好きなみんながスペシャリストなのかもしれないよ!

 プラモが好きで良かった。それは外に出てみると本当にわかります。プラモ脳が回転している状態でかっこいい車、美しい景色、工場で動くメカなどを見るあなたは、他の誰よりもワクワクしていることでしょう。そしてなんだか模型が作りたくなっているに違いありません。そんな楽しさも僕たちは経験することができるんです。プラモが好きなことって、本当に最高だよね。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

キャンドゥにあった「300円アイシャドウブラシ」がプラモの筆塗りに最高でした。

▲100円ショップのセレブリティーアイテム「300円商品」に、筆塗りが楽しくなるお筆がありましたぜ!

■お詫びと訂正
記事公開時、タイトル及び本文にて「セリアで購入したもの」と記載していましたが、「キャンドゥで購入したもの」の誤りでした。ここにお詫びして訂正いたします。

 キャンドゥで見つけた300円のアイシャドウブラシが筆塗りにめっちゃよかったんです!! 形状がラウンドタイプになっているのがまず最高です。筆をぽんぽん叩きながら塗料を塗っていく「スタンプ塗装」でランダムな表情を簡単に出せます。普通に縦横に塗った時もラウンド形状なので筆の両サイドから良い感じに塗料が逃げていきますので、厚塗りにもなりにくいです。そして何より素材です。

▲PBT!!! 本来の用途以外ですが「塗る」ってことには変わりなし。ご利用はご自身の判断で!

 昨今模型筆にもよく使われる「PBT製」の筆なんです。絶妙なコシと溶剤耐性がPBTにはあるので、模型用の筆としても活用できるんです。

▲300円とは思えない毛量と絶妙なコシ! これはいいですよ〜
▲パーツ形状に沿って上から下方向に塗ったり、色調を変えた塗料を含ませてスタンプ塗装し、グラデーションを表現してみます

 塗料の含みも良く、どんどん塗っていけます。塗料は水性ホビーカラーを使って塗っています。毛の抜けも少なく、これで300円はずるいな〜って正直に思えます。使用後に普通の筆のようにしっかりと洗ってあげれば、次に使う時も全く問題ありませんでした。広い面をどんどん塗っていく時に、本当に力になってくれる筆です。

▲良い感じ〜〜。筆塗りは楽しいぜ!

 ガシガシ使えて、さらにガシガシ使っても心が痛まない範囲の値段でゲットできるキャンドゥの300円アイシャドウブラシ。こういった筆も手元にあると、大胆に筆塗りを楽しんでいけると思いますので、ぜひ1本ゲットしてください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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“木”になる塗装、最強の時短レシピ。「シタデルコントラスト ワイルドウッド」

▲木の荷車、今回紹介する塗料を使えば15分で塗れまっせ

 白やライトグレーに塗ったプラモの上からバシャバシャと塗るだけで、自然なグラデーション塗装が楽しめる塗料「シタデル コントラスト」。この中で僕が最近愛用しているのが「ワイルドウッド」という色です。その名の通り塗れば「木」が爆誕します。塗り込まないで、サクッと木にしちゃいたいな〜〜って時にマジで便利なんです。

▲木だけに杉ちゃんな「ワイルドウッド」
▲蓋を開けた瞬間、マジで樹液。カブトムシやクワガタが突撃してきそうな色です

 木ってただ茶色やベージュを塗るだけだと、ちょっと寂しい仕上がりになります。それは木材には木目や絶妙なグラデーションが表面にあるから。僕らはそれを自然と目にしているので、脳にその姿が焼き付けられてます。だからこそペロリンと塗った状態だと、「なんか寂しいな〜、目立つな〜」って思ってしまうんです。かといって細かく塗り込むのか! 俺はゴリラだぞ!!(※個人の感想です)ってなってどうすればいいか悩んでしまいます。

 そんな時の1本がこの「シタデルコントラスト ワイルドウッド」なのです。1本買えばおじいちゃんになるくらいまで使えると思います。

▲しゃっと塗ってピッ! ですよ

 木になりました。このコントラストという塗料は墨入れ塗料のようにシャバシャバで、表面の細かい凹凸に流れ込んでいきます。それによって奥まった部分には塗料が溜まって暗くなり、凸部分は塗料が流れて薄く染まります。それによって良い感じのグラデーションが爆誕するのです。染めたら触らず乾燥させれば、あなたの目の前に木が爆誕します。

▲アニキも大喜び! 俺の荷車に色がついたぞ〜〜

 戦車模型の装着するハンマーとか斧とかの持ち手部分もこの塗料をさっと塗ってあげるだけで、良い感じになります。クリアーコートしてあげれば、その上から汚しもできるのでさらに表情を追加できます。

▲マジで10秒でこの質感になります。最高だよ

 1本あるだけ木の塗装の時短レシピがゲットできる「ワイルドウッド」。そしてどんだけ使ってもピンポイントな用途なので中々減りません! 超便利塗料なので、ぜひ1本ゲットしてください!!

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見た目だけじゃない!アカデミーの零戦は組み味も最高なプラモでした。/「アカデミー 1/48 零式艦上戦闘機ニ一型」

▲約3時間で完成!! コクピットの細かいパーツをクリアすればガンガン形になりますよ!

 韓国メーカー・アカデミーが完全新規金型で送り出した「1/48スケール 零戦ニ一型」。以前パーツ表面を中心ごお届けしましたが、今回は実際に組んだ感想をお届けします!! 世の中には表面はバキバキにかっこよくても、組んでみるとパーツが合わない! 組み立てで泣くなんてプラモも沢山あります。さぁ、アカデミーの零戦はどっちなんだい!!

▲何度見ても惚れ惚れするリベットの彫刻。パーツを見ているだけで幸せな気分になります
▲金属パーツなど、特別なパーツの取り回しはないです。ニッパー、デザインナイフ、プラ用接着剤があれば組み立てることができます

 真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦など、太平小戦争の序盤で活躍する日本海軍の戦闘機が「零戦ニ一型」です。日本軍の躍進のアイコンとも言える零戦で、様々なタイプがある零戦の中でも輝かしい戦歴を持っているタイプです。色も灰緑色1色で塗装できるので、初めて飛行機を塗ってみったいという人にもオススメです。

 飛行機模型は初めに「コクピット」を作ることが多いです。このキットも最初はコクピット。プラパーツだけでかなりの解像度が楽しめるキットになっています。

▲パーツ数がちょっとだけ多いコクピット。しかしむやみやたらなパーツ分割はしてないので、組みにくいことはありません。パーツの合いはバチピタ。全くと言っていいほどズレません
▲こういったコクピットや機体内部パーツは、1枚のランナーに固められてパーツが配置されているので。様々なランナーを反復横跳びしなくて良いのでサクサク組み上がっていきます

 ランナーのパーツ位配置が素晴らしいです。同じような場所に使うパーツがまとまった場所に配置されています。それによってパーツを探すスピードもアップするので、組み立てがサクサク進むんです

▲コクピット内部もみっちり!! かっこいいですね〜
▲コクピットのガタつきもなく、ピタ〜っておさまります。このフィット感はちょっと感動します
▲コクピットがしっかりと収まるので、胴体で左右からパーツを貼り合わせても隙間はできません

 胴体を貼り合わせた時の精度は、飛行機模型の組み立てでもとっても重要視される部分。ここも素晴らしい精度で貼り合わさります。合わせ目にさっと流し込み接着剤を流せばピタッと合わさります。胴体の合わせ目部分にランナーが配置される「アンダーゲート方式」になっているので、ゲートカットの際にパーツを抉ってしまうと変な空間ができてしまうので気をつけてください。

▲地味に嬉しいのがお腹のポリキャップ!
▲増槽を抜き差しできるようになります

 零戦のお腹にセットされる増槽を取り外しできるようにポリキャップで固定します。またこれによって塗装後に増槽のような大きなパーツをしっかりと接着しなきゃいけないというストレスも無くなります。このような配慮も行き届いています。

▲僕は飛行状態で組み上げました!

 このキットは飛行状態や駐機状態、エルロンの上げ下げなどを選択することができます。そのためそういった零戦の可動部でパーツ分割がされているのですが、そのような箇所のパーツの合わせも精度が高いので、パーツの大きなズレや接着のしにくさというものがありません。安心して好きなタイプを選択できます。

 外見だけじゃなく、組み立てやすさもすごい「アカデミー 1/48 零式艦上戦闘機ニ一型」。このクオリティは、今後世界中で愛されると思います。零戦というプラモは本当に素晴らしいキットが多いのですが、そこにまた一つ選択肢が増えたことはとても良いこと!! みんなでガンガン零戦を作っていきましょう〜〜!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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模型店での一目惚れは裏切らない!箱も中身も最高だった「スムニェル 1/24 タルボ ラーゴ グランプリ 1949」

▲一目惚れは裏切らない!!

 友人と下北沢でご飯を食べようと待ち合わせ。早く着いてしまったので僕の大好きな模型店「サニー」で物色していると、イケてる車の後ろがまるで宇宙になっている最高のパッケージイラストが僕の目とハートを撃ち抜きました。これこそ「一目惚れ」。速攻でレジに持って行ったのでした。

▲再生産で入ってきたものでしょう。箱もプリントもめちゃくちゃ綺麗!! イキが良すぎるスムニェルをゲットしました
▲この記事でメーカー名の読み方がわかりました。ずっとセマーって読んでました

 からぱたのnippperの記事でこのメーカーの輪郭を僕は知ることができました。記事によると「プラモデルが産声をあげた頃に存在したイギリスのメーカーの金型をチェコスロバキア社会主義共和国(現在ではチェコ共和国)の巨大なプラスチック用具の製造工場が引き取って、いまも淡々と製造しては安価に流通させているというわけ。Směrはセマーでもスメールでもなく「スムニェル」と読みます。日本語に訳すならば、「方角」という意味。」とのこと。地球ぽいロゴも頷けます。

 約1100円で売っていて、「あれ? 海外プラモなのに激安じゃない!?」ってビビりました。そしてこの価格でこんなにかっこいいパッケージなら買いでしょ! と一目惚れしたプラモを速攻抱きしめたのです。

▲ドキドキしながら箱を開けたら優勝しました。55パーツしかない!!

 開ける前から、パーツはプラ棒みたいなランナーから葉っぱのようにニョキニョキ生えているタイプだろと想像していました。しかし、まさか成型色がこんなかっこいいブルーをしてるとは思ってもいませんでした。衝撃……。箱もかっこいいのに、開けてみたら中身も最高だったんです。ちょっとしたロマンスなバリはありますがそういうところも愛せるぜ。

▲パーツに番号はありません。絵で対話します。一目惚れに言葉なんていらないのさ〜〜
▲窓とホイールはクリアーパーツ。ホイールは黒く塗って、凸モールド部分に銀をさっと滑らせればカッコ良くなりまっせ。絶対
▲びっくりするぐらいクセがない!! ガンガン組み上がっていくのよ!!

 きちんと組めるの? って声が聞こえてきそうですが、55パーツしかない上にパーツがどれもしっかり合います。タイヤだけ歪んでいたので、強力な流し込み接着剤「Mr.セメントSP」を流し込んで、右手で3分ほどパワーしていたら綺麗に着きました。

▲この車のセクシーポイント、エンジンから伸びる配管は1パーツ。しかもエンジンにシンデレラフィットしますよ。エンジンの穴に差し込むだけです
▲国内のプラモではほとんど見ることができない表現を味わえるのも良いですね〜。クリアーパーツの奥を黒く塗って透けさせるのも良さそうです。僕は接着しちゃったので上から塗ります

 プラモを見て描いていないイケてる車のイラストの背景に、虹と宇宙。そのイラストにときめいたままの高揚感で駆け抜けることができる「スムニェル 1/24 タルボ ラーゴ グランプリ 1949」。机の上に現れたブルーのイカした車は、僕をさらにプラモの楽しい世界を連れて行ってくれました。一目惚れは裏切らない。あなたもお店でプラモにときめいたら、すぐに抱きしめてあげてください。それでは、僕は伝説のコースへと行ってきます。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

シタデルカラー「新コントラスト」全部開けます!!/コントラストで最も癖がない紫!!「ルクシオン・パープル」

▲アニキに白スプレーを吹き付けて準備完了!!

 無臭で、水と筆があれば塗装が楽しめる水性塗料「シタデルカラー」。その中には、塗装が苦手な人でも色を塗る楽しみをすぐに体感できる、「コントラスト」という素敵な塗料があります。このコントラストに追加された「27色」を、フミテシが1本ずつレビューしていく連載です。
 今回は「ルクシオン・パープル」。結論から言うと、コントラストで紫に迷ったらぜひともこの1本を手に取ってみてください。癖が全くない「ザ☆パープル」に染まり上がりますよ!! それでは行ってみましょう〜〜〜。

▲蓋を開けただけで、これは良い紫なだ〜と思える色味です

 「コントラスト」は、白い下地や明るいグレーの下地を塗った上から塗ることで、模型の凹凸に沿って自然に塗料が流れていき、グラデーションのように染め上がります。バシャバシャと染めるだけなので、塗装が苦手な人でも筆とコントラストがあれば、楽しく塗装デビューできます。またコントラストの特徴として、色によって染まる力が異なるので、この色通りに発色するかは使って見ないと分からないというのがあります。

▲ムラなく染まる上に、白の下地もうっすら透けるので簡単にグラデショーン塗装を楽しめます

 ルクシオン・パープルは染めて見ると容器の中の色味とほとんど同じ色に染まりました。こう言う癖のないタイプは安心! 染まる力もやや強めなので、しっかりと紫色になります。

▲1回塗りでこの仕上がり! 誰がみても紫と思える美しさです
▲左がリヴァイアサン・パープル、右がルクシオン・パープル

 同じ紫の塗料でもここまで違います。左のリヴァイアサン・パープルは、コントラストの中で最も暗く、染まる力も強いです。それに比べてルクシオン・パープルは、鮮やかで明度が高いのにしっかりと染まってくれるという安心感がある紫となっています。コントラストの数ある紫の中で最もコントロールしやすいと思います。紫で迷ったら、ぜひこのルクシオン・パープルをセレクトしてください!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。戦車模型の最高のスタンダードを「タミヤ 1/35 ドイツ軍III号戦車N型」で味わおう!!!

 ▲タミヤの1/35スケールIII号戦車は、「ちょうど良いサイズ感」、「パーツ数」、「完成後のかっこいいスタイル」が楽しめるという3拍子揃った最高の戦車プラモですよ!

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今日はこれから戦車模型を始めてみたい人にもピッタリの「タミヤ 1/35スケール ドイツIII号戦車N型」をご紹介します。

 III号戦車は足回りや車体の構成がシンプル。それゆえ、プラモの構成も難しい部分やトリッキーな組み立てなどが無く、戦車模型組み立てのスタンダードを味わえるプラモになっています。どんどん形になっていくので、最高の週末を過ごせますよ! それでは行ってみましょう〜〜。

▲今回紹介するIII号戦車N型は、先週紹介したII号戦車よりもぶっちゃけ組みやすいですぜ!!! どっちも良いキットだから一緒に作って欲しい〜〜〜
▲このパッケージアートが最高なんです……。戦車の重厚感とアニキのかっこよさにクラクラ

 このパッケージイラストを見て、僕は冬季迷彩という塗装が大好きになりました。タミヤのIII号戦車N型のイラストはジャーマングレーの退色感と、現地でベタベタと塗ったであろう冬季迷彩の応急塗装の雰囲気がめちゃくちゃ出ています。ぜひ店頭で実物を見てもらいたいイラストです。そしてレジへGOだぜ!!!!

▲箱を開けると超かっこいい金属砲身やグリルなどのエッチングパーツが最初から入っています。こだわり派なアニキも大満足
▲パーツもキレイ! パーツ数も少なめ。言うことなしです!!

 ドイツ軍 III号戦車N型は、第二次世界大戦のドイツ軍を代表するIII号戦車の最終生産車タイプです。初期のIV号戦車やIII号突撃砲と同じ「短砲身7.5cm砲」を搭載した姿が特徴的です。
 短砲身なことにより、よりギュッと詰まったスタイルになるので戦車としてのまとまりも良く、僕はIII号戦車の中でこのN型が一番好きです。このキットはドイツ軍がソビエトと戦った「東部戦線」から2種、砂漠での激闘である北アフリカで使用された状態1種の合計3種のパターンを選択して作ることができるのも嬉しいです。ですので、1個作って気に入ったら、違う仕様もお代わりしちゃってくださいね!

▲「砂漠の国のアニキ」。北アフリカ仕様のアニキは、腕の選択で2種のポーズを作ることができます。今回は銃を上にぶっ放している「アニキ Ver.突撃」で組んでみます
▲東部戦線のアニキは、定番のドイツ戦車兵スタイル。彫刻がいいですね〜〜

 戦車の仕様が3種選べることもあり、それに搭乗するアニキも3パターン用意されています。砂漠の国のアニキは右腕が選択式になっていて、ポーズ違いを選択して作ることができます。

▲そしてこの車両はマーキングがとってもおしゃれ!! どのパターンを選んで作ってもおしゃれマーキングを楽しめるのもおすすめポイントなんです

 戦車のかっこよさをさらに引き立てるのがマーキング。ナンバーや部隊マークなど様々なものが存在します。その中でもこのキットのマーキングはとってもかっこいいものばかり。マンモス、トランプの絵柄が特に最高です。このマークが施された車両たちはどんな部隊なのか? と言うこともキット内の冊子で解説されています。

▲転輪が少ない!! これって戦車模型でめっちゃありがたいんですよ

 戦車模型で何個も作らなきゃいけないのが転輪です。転輪パラダイス&複雑な足回りの車両を作っていると、1日で足回りしか組み上がらなかった〜〜なんてことがあります。しかし!! III号戦車自体がドイツ戦車の中でも転輪少なめ。そしてキットがサスペンションなども含めてシンプルな構成なので安心してください!!

▲40分くらいで両サイド組み上がりますよ。このシンプルイズベストな構成があるから、多くの人におすすめしたいんです
▲砲塔内の装填部も一部表現されています。砲塔のハッチを開けた仕様で作った時に、チラッと見えるのがかっこいいです
▲砂漠の国か雪国か。あなたはどっちのアニキと旅に出ますか?
▲約2時間半で組み上がりました! 足回り、車体上部、砲塔と全て難しい組み立てはないので、楽しいの連続を味わえますよ
▲奥のII号戦車よりも一気に戦車らしくなるIII号戦車。完成後は15.4cmと、机の上に置いていて本当に気持ちの良いサイズ

 完成するとデカすぎず、小さすぎずな絶妙な大きさになります。これもおすすめなポイントです。かっこいいし、どこか愛嬌があるんですよ。「タミヤ 1/35 ドイツ軍III号戦車N型」は、楽しい組み立ての連続で戦車模型の面白さと、完成後の満足感をたっぷりと堪能させてくれます。まさに最高のスタンダードプラモです。ぜひこの週末、この戦車模型で花金の向こう側である土曜日へ駆け抜けてみてください!! それでは〜〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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世界中で愛されているアイドルだからこそ「世界で戦える零戦」のプラモを作る。「アカデミー 1/48 日本海軍 零式艦上戦闘機21型」

▲この繊細さと、1/48スケールというナイスボリュームなのに約3000円で買えるの!? これはすごい

 韓国の模型メーカー「アカデミー」が、2022年に完全新規金型で世に送り出した「零戦 ニ一型」が昨年末から店頭に並び出しました。2021年にはチェコの模型メーカー「エデュアルド」が完全新規金型で零戦を送り出すなど、2年連続で海外の主要メーカーが零戦を手掛けるということが起きたんですね。これは箱を開けてみるしかない!! 韓国からやってきた零戦をオープン!!

▲エデュアルドの零戦はこちらの記事をどうぞ
▲1942年、1943年、1944年、1945年とこれからは何かしらの80周年が続きます。2025年は終戦80周年ってわけです。こちらはミッドウェイ海戦80周年とパッケージに謳われています

 海外メーカーの零戦……ごくり。やっぱり自国の兵器の代表であるモチーフを他国が手掛けてくるとなると緊張感を持った態度で受け止めてしまいがち。でも模型大好き日本は、それを全世界に向けてやってるんですよね。そんな気持ちで、気にせず気楽に箱を開けましょうや。箱を開けてみないとわからないのがプラモってもんです。プラモの国際交流ですよ。

▲オールプラでエッチングパーツなどはありません。成型もめちゃくちゃ綺麗。コクピット関係はかなり細かいパーツ分割になっています。素晴らしいパーツ構成だと思います

 アカデミーは陸海空とさまざまなスケールモデルを展開しています。さらに昨年の東京でのホビーショーでは、日本のウェーブとタッグを組んでガリアンのキット化を発表したり、ガッチャマンのゴッドフェニックスをキット化したりとキャラクターキットシーンにも進出しています。プラモも世界中に流通していて、イスラエルの戦車博物館のお土産売り場にも売っています(2017年に館長にメールインタビューをした際にその写真をいただきました)。そんなメーカーで、日本以外でも多くの人が手に取っているプラモメーカーでありんす。

▲超本気!! このリベット何!?

 箱を開けた瞬間、目に飛び込んできた主翼のリベット。これだけで、マジでアカデミーはやってきたな! と思えるはずです。まるで模型雑誌に掲載されている凄腕モデラーが刻んだようなリベットが、最初からモールドされています。パーツに光が当たった時、この彫刻が煌めく様を、ひとりでも多くの人に見てほしいと思えるほどです。

▲脚庫の中も抜かりなし!!

 繊細なモールドにクラクラしてしまうくらい、情報量がすごい零戦。さらに良いのがこの成型色。これはアカデミーの飛行機模型でよくあるプラスチックの色なので専用色というわけではないのですが、この灰緑色な色がまるで零戦。つまり刺身でいい感じの零戦になってしまうのです。成型色仕上げなら、この繊細なモールドをフルスペックで味わえるってわけです。

▲脚カバー。4枚あるということは、キットは駐機状態と飛行状態を選択式で組めるということです 
▲翼端でパーツ分割。空母に搭載する際などに翼を折りたたむギミックを再現しています
▲折り畳んだ時の内部パーツと、展開した時の接続パーツもしっかりと付属します

 このキット、零戦の可動部分を選択式でお好みの状態を組めるようになっています。駐機状態、飛行状態、エルロンの上げ下げ、エンジンカウルの開閉、翼の折り畳みなどそう言ったギミック部分まで楽しめるのです。

▲尾輪とかフックも駐機と飛行状態を選択できます
▲エルロンの上げ下げを選択できちゃう
▲先ほどパーツでも見たように翼端もパタパタ選べます

 極め付けは塗装への配慮。零戦の塗装で最も大変なのが窓枠。零戦は窓枠がとっても多い飛行機なのです。そこをサポートしてくれるカット済みのマスキングテープが付属します! さらに窓枠だけでなくタイヤやプロペラのマスキングもついてきちゃうんです。嬉しいですね〜

▲カット済みのマスキングテープがめっちゃ嬉しい〜〜。でも薄い青は境目がちょっと見にくい!!

 表面のディテール、各ギミックの選択、塗装へのサービスとひとつの箱に嬉しい要素がたくさん詰まっているアカデミーの零戦。この内容だけ見てもかなり力を入れてきたキットだなということがわかります。零戦は世界的にも人気なモチーフですから、世界で戦えるプラモを作ってきたと言えると思います。まさにアカデミーの飛行機模型の現在地を知ることができるプラモです。

 そしてこの内容で、1/48スケールのプラモで約3000円という価格にもびっくりです。僕も早速組み立ててみるので、気になった人はぜひ一緒にこのプラモを組みましょうぜ!

▲アニキも付属します。かなりスタイリッシュなイケメンパイロットですね
▲最後にもう一度……
▲これは組みたくなるね!!

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セリアで買える“雨だれサビだれ番長”。ネイルの世界にいたウェザリングが楽しくなる「ネイルブラシ ツイード」

▲ちょっ! これ「雨だれサビだれ」じゃん!

 びっくりしたのよ! セリアのネイルコーナーで!!

 爪に超極細の線を描いているイラスト付きで売られている「ネイルブラシ ツイード」というものに遭遇しました。完全にこれうちらの世界じゃ「雨だれ」「サビだれ」「汚れが流れた跡」などを描くストレーキングってやつじゃないですか! 面白そうなので買ってみました。

▲ツイードって服のあれですか?

 調べてみるとネイルには女性のツイードジャケットのような柄を描きこむデザインがあるようです。これは細い線を幾重にも重ねていく塗り方らしいのです。しかしこの筆を使用するとランダムに細い線が一筆で描けるということで、時短アイテムとして利用されているそうなのです。細い線がランダムに描ける理由がこちらでございます。

▲毛先に隙間がありますね〜。これによってパラパラとした細い線を爪に描くことができるってわけです

 細かな細い線で汚れが垂れた様子をを表現できると、模型もおしゃれになりますね。実際に使ってみましょう。

▲Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンを使用。サビ汚れを垂らしたい箇所に、塗料を点々と置いていきます。これを先ほどの筆で下方向に伸ばしていきます
▲みてください! 筆先がすでにランダムな配置になっていますね。後は重力の方向を意識して、塗料を下に伸ばしましょう
▲いろんな塩梅の汚れの線が描けました〜

 100円ショップの筆で手軽にストレーキングを楽しめるの、最高です。ウェザリングカラーなら、専用のうすめ液を筆に含ませて数回擦ることで、線の表情もコントロールできます。汚れが垂れている箇所って、完成後のチャームポイントになったりもしますので、そのためだけに戦える筆を1本持っておくのも悪くないです。そのような相棒がまだいないという方は、ぜひセリア(僕の近所ではキャンドゥでも売ってました)でこの「ネイルブラシ ツイード」をゲットしてください! それでは〜。

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。レジェンドを超えろ!!タミヤの意地が爆発しているこだわりの「II号戦車A〜C型(フランス戦線)」。

 週末のプラモライフが楽しくなっちゃう模型を、フミテシの独断と偏見でオススメする「花金プラモ」。今週はタミヤの戦車模型「1/35 ミリタリーミニチュア」シリーズ(以下MM)から「ドイツII号戦車A〜C型(フランス戦線)」をお届けします。第二次世界大戦の序盤におけるドイツ軍大勝利の立役者であります。このキット、小さな車両にタミヤの意地みたいなこだわりがめちゃくちゃ入っているプラモなんです。

▲タミヤのII号戦車と言えば、戦車アニキが脊髄反射で「9番!!」って叫んじゃうレジェンドがいます。それが奥のダークイエローに塗られたII号戦車です

 「タミヤのII号戦車」というプラモの中には、世の中の全戦車模型における長嶋茂雄と言っても過言ではない「Mr.MM」、略してMMMなレジェンドがいます。それがMMシリーズNo.9「ドイツII号戦車F/G型」(1971年発売)。II号戦車とアフリカ戦線の5人のアニキをひとつの箱に詰め込んだすごいプラモで、組み立ても簡単! しかもこのキットがMMシリーズにおける初の「戦車モデル」となったのです。そのせいでII号戦車と言えばNo.9! 北アフリカ!! という強いイメージがついてしまったのでした。

▲時は巡りNo.292として登場したのが今回ご紹介するII号戦車のプラモです
▲この説明書のレイアウトバランスが大好きなんよ! 文字と余白のバランスがかっこいい〜〜

 そんなII号戦車が2008年に完全新規のプラモとしてカムバックしたのがこちらのプラモです。フランス戦線で活躍したA〜C型の各タイプを、パーツ選択することで製作することができます。戦車兵が1体付属します。レジェンドII号戦車の「この箱ひとつで北アフリカが見える!! やべ〜〜」みたいな熱はありません。そのせいか、このII号戦車のプラモを避けてしまうという人もいるようです。僕はそれはちょっともったいないんでないかい? と思うので今回この戦車模型をオススメしてみようかなと思いました。

 何よりこのキットからはレジェンドとは異なったベクトル、同じようなものを生み出すのではないという意地が感じられます。小さな戦車プラモなのにここまでするんか! と作っていて思うところがたくさんあるんですよ。そしてそれが一つにまとまると本当にかっこいい姿が机の上に爆誕します。

▲小さな戦車でもしっかりとしたディテール表現をパーツに施すためにかなりの細分化がなされています。また3タイプを選択式で作れるので、その分パーツも多くなっています
▲履帯はプラ製の部分分割履帯。弛みも表現されています
▲フェンダーやハッチ、各装甲をワンパーツ成型された本体にペタペタ貼っていきます。これによって非常に解像度の高い車体になります
▲車外装備品もほぼ全て別パーツ! それぞれのパーツのディテールがめちゃくちゃシャープなのです
▲車外装備品を取り付けるために、穴を多数開けます。1mmのドリルは用意してください
▲戦車砲と機関銃はスライド金型により銃口もしっかりと開口されています
▲そして蓋裏にはエッチングパーツがぺたりとセットされています

 マジで気合いが入りまくっているんです。手のひらサイズの戦車なのに、パーツはかなり細分化され、ディテールと解像度の追求がこれでもかとなされています。足回りに至ってはリターンローラー(キャタピラ(履帯)上部の下に見える小さなローラー)以外全てにポリキャップが入り、取り外しすることができます。小さい戦車なのにすごいこだわり!

▲ロードホイールは全部で10個。これ全てにポリキャップが入ります。さらにアイドラーホイールの中と、ドライブスプロケットを差す車体側にもポリキャップが入ります
▲車体から外せれば、転輪の塗り分けもやりやすいということですね
▲砲塔内部のメカニックも楽しめます。このパーツの塊感がかっこいい〜〜
▲エッチングパーツ初挑戦にもおすすめのマフラー。筆の柄とかをガイドにして丸くすると良いです。接着には瞬間接着剤を使ってね
▲めちゃくちゃイケてるII号戦車が完成しますよ!

 早い、簡単、うまい! が花金プラモのテーマ。でも時に、ちょっとだけ骨のあるナイスキットも紹介したいと思っていました。それにぴったりなのがまさにこのプラモでした。完成までに4時間くらいはかかります。しかも出来上がると手のひらサイズです。ただしその甲斐あって、精密でかっこいい戦車をゲットすることができます。
 ジャーマングレーの成型色ですから、塗らなくても最高にかっこいいですよ。レジェンドとは異なるものを作ろうぜ! という思いがたくさん詰まった、小さくても結構マッシブな組みごたえを体感させてくれる本キットは「プラモ作ったな〜」という充足感をあなたの週末にもたらしてくれますよ!

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透明シールは「お水と中性洗剤」でスイスイ貼ろう! MODEROID ツェンドルグ/ツェンドリンブル

▲成型色+シルバーのみ銀塗料を塗装だけでもこのかっこよさ!! MODEROIDの部分塗装仕上げはとっても楽しいよ

 「MODEROID ツェンドルグ/ツェンドリンブル」には、多数のマーキングを表現できる透明シールが付属します。このメカの魅力を引き上げてくれる甲冑の飾りのような紋様を施すことができるのですが、細い線や細かいシールが多いのです。こんな時「お水&中性洗剤」があればスイスイと貼ることができます。

▲こちらが透明シール。紙製のシールよりも模型に馴染むので、マーキング表現によく採用されています

 模型に付属する透明シール全般に言えるのが、粘着力がしっかりしていること。しっかりと貼れないと困りますからね。しかし、これによって位置調整が難しくなっています。またマーキングを表現するので、細いラインや細かい表記系のシールが多いので、より取り扱いが難しくなっています。ゴリラフミテシは、水&中性洗剤を使うまで本当に苦戦していました。

▲エアコンの風でプルプルする〜〜。静電気で変な場所にシールが貼り付く〜〜〜。一回くっつくとシールが綺麗に剥がれない〜〜〜

 まじでイライラしていました。右側は成功しても、左側は失敗みたいなこと繰り返してきました。ゴリラだからね。

▲文明に頼るのが模型がカッコよくなる近道。水を入れたトレイと、中性洗剤を用意!!
▲ほんの1滴、目薬をさす感覚でOK。入れすぎるとトロトロのぬるぬるになってシールが貼れなくなりますよ

 水だけでもかなりコントロールしやすくなるので、中性洗剤を1滴入れると、よりシールを滑らせることができるのと、諸説では静電気を抑えることができるようです。すごいですね〜〜なんででしょうね〜〜わかりませんね〜〜。でも「シールが貼りやすくなる!!」という真実は変わらないので、やっていきましょう。

▲透明シールのしゃぶしゃぶです。さっと粘着面に水をつけます
▲水のおかげで重量が出るのでシールがピシッとします。その状態で貼りたい場所に狙いを定められます
▲水が粘着面の上にあるので、水がなくなるまではシールの位置を微調整可能。このくらいでの水ではシールの粘着力は落ちませんぜ
▲位置が決まったら、シールの中のお水を外に追い出すように綿棒を動かします。そうするとシールがピタ〜っと密着しますよ

 この方法を知ってからというもの、透明シールを貼るのが楽しくなって好きになりました。成型色を活かして楽しむ時、僕は積極的に透明シールを使います。透明シールの扱いに悩んでいるあなた、ぜひこの方法を真似してガンガン貼ってみてください! それでは、またね〜〜。

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秘密基地感が増す僕たちのプラモ製作机。「ウェーブ モデリングシールド」で特別な場所を作ろう!

▲息子と一緒にロフトに秘密基地を作ったぞ! ここでプラモを楽しむのだ

 息子がLEGOで遊ぶようになったり、一緒にプラモを作ったりするようになりました。そうなってくるとリビングはちっちゃなプラゴミやLEGOブロックが散らばったおもちゃ天国になり、妻が神の鉄槌を下してきます。

 そこで、震える私と息子で物置にしていたロフトを片付けました。ここにLEGOゾーンとプラモ製作ゾーンを作ったのです。それが上の写真。新たな秘密基地が爆誕。お片付けが終わると、ロフトに上がれるようになった娘も上に来て一緒に遊び出しました。

▲ウェーブからこんな商品が出ていました。「モデリングシールド」。模型作りに便利な卓上タイプの折りたたみ式パーテーションだそうです

 折りたたみのパソコンデスクを置いているだけで味気なかったので、ウェーブのモデリングシールドというものを導入してみました。ポリプロピレン製で、半透明。これでデスクを囲います。カットしたゲートやプラゴミを机の外に出さないので、お片付けも楽になります。そして僕が一番気に入ったのが、このガードに説明書を固定できること。説明書がテーブルの上にないだけで、模型製作は一気に快適になります。

▲ロフトに誕生した秘密基地を、さらに基地っぽく盛り上げてくれるパーテーション。この中で俺たちのプラモを作っていこうぜ!!

 設置時の高さは約45cm。しっかりとした高さがパーツの切り出し時に飛びがちなプラのゴミや、パーツ自体の飛散防止に役立ちます。展開すると幅は51cmになります。本体正面には様々なガイドラインがあるので、パーツを直に当てておよそのサイズなどを見ることもできます。

▲折り畳まれていたシートがこのように展開します
▲組み立て式のペン立ても付属。こちらはマジックテープのようなもので固定しますので、取り外し自由自在です
▲こちらがペン立てを固定するのに使うマジックテープ状の丸面型ファスナーと呼ばれているもの
▲フックパーツも付属。ここにランナーとかをぶら下げることができます
▲クリップを準備すれば、このように説明書をガードに固定できます。最高
▲半透明なので、室内の灯りをほとんど遮ることがないです。明るい状態で作業できますよ

 一見仰々しい感じもするモデリングシールドですが、設置してみると模型製作空間という特別な感じが生活空間の中に現れて、趣味の時間を楽しむ場所という特別感がお手軽に出ます。そういうところで作業すると楽しさは倍増。パーツの紛失やゴミの飛び散りも防ぐことができるので、とっても良いですよ。ぜひ使ってみてください!

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プラモゴリラ、綿棒を知る/「マツモトキヨシの綿棒三銃士」がプラモをカッコよくしてくれます。

▲綿棒にはこだわりがそれほどなくて、いつも100円ショップの標準的なものを使っていました

 「綿棒って大事なのよ」と尊敬するモデラー・奥川泰弘(@YasuhiroOkugawa)アニキに昨年言われました。アニキは模型メーカー用の綿棒を様々なサイズで揃えていたのですが、そこまでしなくても「ドラッグストアにあるものを見てみなよ」というアドバイスをもらったので、近所のマツモトキヨシへ早速行ってきました。

▲僕はいつもパワープレー的使い方が多いのです。こんな風に戦車の汚しをゴシゴシ!! これまではどの作業も全て同じ綿棒で行なっていました
▲転輪1箇所やるだけで速攻くちゃくちゃ。でもそんなの気にせずドンドン使ってました

 ゴリラな僕は、綿棒はいつもパワープレー。確かに簡単に縮れるし、抜けた毛も模型につくな〜とは思ってはいました。でも綿棒だしね〜、安いのバンバン使えばいいでしょって態度でウホウホ模型ライフを送ってきました。

 しかしですよ、アドバイス通りに綿棒を替えてみたら、明らかにいつもより汚しの雰囲気が変わりました。それが先日完成した 「1/35 タミヤ コメット」です。

▲綿棒の抜けた毛もついてないし、使いやすい綿棒でポンポンしたり擦ったりして汚し塗料のコントロールが超やりやすくなりました。綿棒だけで今までよりも良い仕上がりを手に入れることができました
▲マツキヨでゴリラは本当の綿棒を知りました。マツキヨ三銃士は、僕にとっての綿棒の定番になったのです

 通常タイプの綿棒の他に、スパイラル、ベビーと3つ売っていました。通常の綿棒は明らかに100円ショップの綿棒よりも軸にコシがあり、毛も頑張ってくれます。ゴリラでも転輪3つくらい行けました。素晴らしかったのはスパイラルとベビー。これとの出会いで、模型の汚しが本当にコントロールしやすくなりました。

▲先がモコモコに見えるスパイラル! 模型中の耳掃除にも最高。リラックス〜〜
▲いつだって心はベビー! 赤ちゃん!!

 この二つは持っていない人がいたら、今すぐ買って欲しいです。僕と同じ感動を味わえますよ。早速使用例を見ていきましょう。

▲転輪の中はモールドやリベットなど様々なディテールがいっぱい。こういった部分にスパイラルが食い込んでいきますので、拭き取りやすいです
▲戦車模型のアイデンティティである履帯にも食い込み!! 履帯の汚しの調子も思いのまま
▲ベビーは今まで届かなかった細部や、OVMなどのアクセサリーの汚しといったピンポイント作業に最高の威力を発揮!

 綿棒の形状と質で、模型の汚しやスミ入れの拭き取りが劇的に変わることをやっと知りました。模型における仕上げの工程ですから、ここがうまく行けば全てよし!! とも言えると思います。100円ショップの綿棒よりほんのちょっとだけ高いけど(確かひとつ200円くらい)、その効果は抜群。近くにマツモトキヨシがある人は、ぜひこのマツキヨ綿棒三銃士をお迎えください!!

▲使い方は進化しないぜ!!!

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キャンドゥのメイク売り場へGO!!筆塗り塗装に超便利な紙パレットが手に入るぞ!!!

▲見てよこのサイズ感!! 超コンパクトで使いやすい紙パレットが100円ショップのキャンドゥにあります

 100円ショップのキャンドゥに、ネイルを塗るのに便利な紙パレットが売っていました。これは模型にマジで直結でした。売り場で発見した瞬間マジなガッツポーズを決めてやりましたよ。

▲ひとつ35枚入り。二つ買っても税込220円。マジで勝てます

 最初の写真でもわかるように、サイズがとってもコンパクト。塗装が始まると机の上ってめっちゃ狭くなっていきますよね(塗料やら何やらがバンバン机を埋め尽くしていきます)。そんな時でも安心。またリビングでちょっと筆塗りしたいな〜なんて時にもこのコンパクトさはとっても便利です。

▲表面はコートされているので、下に塗料が染み出すことはないです。束のまま使用して、使い終わったらべりっと1枚剥がしてポイですよ〜〜。う〜〜んいいですね〜〜

 ネイルのジェル、アクリル塗料も問題無し! 紙パレットは塗料を表面で弾き気味でホールドするタイプのものがあるのですが、僕はそのタイプが苦手。何だかいつもシャバシャバしてる感じがして嫌なんです。この紙パレットはそのタイプではなく、瓶から出したらそのままの状態でホールドしてくれます。ですので濃度調整や、塗料を出した量もわかりやすいです。

▲塗料をパレットに移しても、弾かれることなくそのままの状態を保ちます

 これだけしっかりとした紙パレットが100円で35枚。しかもサイズが模型塗装にもぴったり。買わない手はないと思います。キャンドゥのメイク道具売り場、もしくはネイル関係のところにあると思うので、ぜひゲットしてください!! まじで最高だよ。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。マックスファクトリーが再構築したダグラムでGet truth!「COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT」

▲大田垣康男氏描き下ろしパッケージが超かっこいい!!! これだけで買いでしょう

 週末のプラモ生活が楽しくなっちゃう模型を、フミテシの独断と偏見でご紹介する「花金プラモ」。今週は間違いなく花金の向こう側に真実が見えまくっちゃうプラモ「COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT」をご紹介します。
 このプラモ、あのエントリーグレードガンダム発売以降「ガンダム以外のキャラクターモデル」で、あの組みやすいフォーマットを、しかも他メーカーが取り入れてきたという殴り込み系のメカプラモです。そんなアグレッシブさが花金の向こう側へと誘ってくれます。

 こちらのダグラムは、太田垣康男氏が描く大好評連載中コミックス「Get Truth 太陽の牙ダグラム」に登場するデザインをキット化したもの。かつてコミック特装版には右腕がカッターアームの状態のキットが特典として付属しました。そのキットをベースに、劇中第1話の姿を立体化したのがこのプラモです。

▲ターボザック、リニアカノン、リニアガン、ミサイルポッドが新規パーツとしてセット。通常の右腕もセットされます

 カッターアームは付属せず、通常の右腕パーツや上記写真の武装が新規で付属します。こちらはVer.GT用の完全新規設計パーツです。

▲コミック特装版には入っていなかったデカール。こちらもこのキットから付属します
▲ディテールアップの参考に最高な大田垣康男氏によるイラストも掲載。右腕がカッター&リニアガン!! さらに左腕にはなんかやべーのついています

 コミック特装版キットから、これでもかと要素をモリモリにしてきた一般販売版。マジで最高です。どっちも持っていればさらに遊べるように、大田垣康男氏からのサービスイラストまであります。プラモだからバンバンいじって遊ぼうぜ〜って声が聞こえてきますね。
 さぁ、このキットは組み立てが本当に楽しいので、個人的オススメポイントをピックアップしていきます。

▲クリンはダグラムです。ほら、椅子と一体化しているでしょ。これぞ究極の人馬一体。俺がダグラムだ!! 側頭部の武装が椅子から生えているパーツ分割も素敵
▲後頭部にクリンをセットして、頭部前面を被せるようにパーツをつけます。これだけで頭部のアウトラインが完成!
▲ありがてぇ……キャノピーフレームと窓のクリアーパーツを別パーツ化。素組みでもかっこいい、塗装する時もとっても楽。モデラー集団が作るプラモって感じがします
▲ダグラムの体をどう分割すれば、少ないパーツ数でかつ組みやすくて色分けも表現できるかというアイディアが詰まった胴体。エントリーグレードガンダムのように、胸部を上から被せるという発想を取り入れています
▲かつて僕はアニメ版のダグラムのキットを組んだ時、胸部のピンクパーツがポロリと外れてしまうのに悩まされていました。GTは飛びません。軸と一緒に成型されていて、ガッチリと固定されます
▲白い胴体パーツにブルーグレーのパーツと胸部パーツをサンドイッチ。最後に胸部中央の白いブロックをはめて完成! 見事な分割です
▲ヒジ関節。中央の軸にかこっと差し込むだけで完成です
▲太モモパーツにある軸を挟み込むようにしてヒザ関節はセット。単純なパーツ構成が、組み立てスピードを加速させます
▲軸が弾!!!

 マックスファクトリーは既にアニメ『太陽の牙 ダグラム』に登場するコンバットアーマーを、全て立体化しました。その上でコミック版のダグラムを世に送る時に、今までのパーツ構成で良いのか? 他のメーカーの良いところを貪欲に取り入れもう一度ダグラムを再構築するのだ! という攻めにでました。

 そしてこのプラモはメイドインジャパンです。国内生産の全てが良いという時代ではないですが、マックスファクトリーにとってのプラモの祖である「ダグラム」というキャラクターを大事にし、自分達の懐で開発を進めたいというこだわりが詰まっています。ダグラムだから攻める、俺たちがダグラムだ!! という気合がこのキットからはありありとかんじることができるのです。

 プラモだからなんぼでも手を入れていい。そして手を動かしやすく、楽しめる構成となっているこのプラモを組めば、きっと今週のビールは美味いと思います。幸せな花金を約束してくれる「COMBAT ARMORS MAX27 1/72 ダグラム Ver.GT」をぜひ組んでください。

▲これが45分で組み上がった真実。最高です。ライバルのビッグフットも受注中。こちらも楽しみですね

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

水性塗料&アルカリ電解水でMODEROIDの細部塗装はお任せ!!「ナイツ&マジック ツェンドルグ/ツェンドリンブル」

▲成型色や塗装済みパーツでほぼほぼ色分けされている「MODEROID」。その最後のひと押しを決めてくれるのがアルカリ電解水&水性塗料の組み合わせです!!

 成型色の他に、塗装済みパーツを入れることで満足度をアップさせているグッドスマイルカンパニーのプラモデル「MODEROID」シリーズ。その中で「後少しだけ!」という細部塗装ポイントが残っていたりします。でもそこをペタペタ塗るのってプラモの楽しみなんですよね〜。僕はMODEROIDOは成型色+ちょい塗りして飾っておくのが好きです。そんな時に便利なのが「水性塗料&アクリル電解水」のコンビです。これがあればマスキングしなくても細部塗装がすぐ終わります。

 使用するのは水性ホビーカラー。色数も多いので、どんなメカが来てもだいたい対応できます。そしてどこでも購入できる手軽さがありがたいです。

▲100円ショップに売っているアルカリ電解水と水性ホビーカラーのシルバーを準備。アーマーのシルバーの部分を塗装します

 アルカリ電解水はお掃除アイテムで、これを吹いてあげた場所を付近で拭くと汚れもスッキリというものです。無色無臭で、泡立ちなどもせずに快適にお掃除ができます。これが水性塗料を落としてくれるんです。

▲僕がスプレータイプを買う理由がこれ。皿にシュッと吹くだけで、アルカリ電解水を使いたい分だけ出せます
▲塗装開始! 大雑把に吹きまっせ
▲ちょっとだけ力を入れて拭いてください。するとはみ出した水性塗料が落ちました。僕はいきなり落としたくない塗面の箇所に爪を当ててしまい一部剥がしてしまいました。2023年もゴリラです

 水性ホビーカラーは塗膜が結構強いので、少しだけ力を入れて拭きます。エナメル塗料をエナメル溶剤で拭き取るよりも、ぐっと力を入れましょう。

▲キワの部分は怖かったので後ほど。表面は綺麗になりましたね
▲このキットのようにモールド部分のキワにも色が乗る場合は、ツマヨウジにアルカリ電解水をつけて擦ってみます。すると拭くだけでなく、擦りパワーも加わり、細部のはみ出しも落とすことができます
▲10分もかからずに背中のアーマーの塗り分けができました!! やったーー!!

 水性ホビーカラーを使うときは、半乾燥くらいの時に拭き取ると、スイッと拭き取れます。シタデルカラーやファレホのような完全に水だけでコントロールできるエマルジョン系と言われる水性塗料はさらに簡単に拭き取ることができます。MODEROIDや他のメカプラモを成型色に一味加えて製作したい時に、この方法はとっても便利です。ぜひやってみてね!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

シタデルカラー「新コントラスト」全部開けます!!/主張の強い紫が一撃で塗装できます。「リヴァイアサン・パープル」

▲リヴァイアサン・パープル!? 名前からして中2全開なカラーの登場です!!

 無臭で、水と筆があれば塗装が楽しめる水性塗料「シタデルカラー」。その中には、塗装が苦手な人でも色を塗る楽しみをすぐに体感できる、「コントラスト」という素敵な塗料があります。このコントラストに追加された「27色」を、フミテシが1本ずつレビューしていく連載です。残りあと3色! やっていきましょう。
 今回は「リヴァイアサン・パープル」という、いかにも『ウォーハンマー』らしいファンタジーな色名です。海のエルフたちが乗っている生物がこんな色で塗られています。結構濃いめな紫ですね〜〜。

▲粘度高し!! これはめっちゃ染まるはず

 「コントラスト」は、白い下地や明るいグレーの下地を塗った上から塗ることで、模型の凹凸に沿って自然に塗料が流れていき、グラデーションのように染め上がります。バシャバシャと染めるだけなので、塗装が苦手な人でも筆とコントラストがあれば、楽しく塗装デビューできます。またコントラストの特徴として、色によって染まる力が異なるので、この色通りに発色するかは使って見ないと分からないというのがあります。

 またこの連載をやって気がついたことが「粘度」。コントラストはシャバシャバな塗料なのですが、ぐっと強く染まるものに関してはトロッとしています。黄色や赤はトロッとしているものが多いです。この「リヴァイアサン・パープル」も筆を置いた瞬間、少しとろみがありました。これはおそらく強く染まります。

▲一撃でサンフレッチェ広島

 誰がみても紫!! って指差しできる色になりました。染まるパワーもマジで強い。一気に紫色になります。流動性はそこまで高くなく、通常塗料のように塗る感覚に近いです。

▲紫系ではこれまで使った色の中でも一番濃くて暗めだと思われます

 下地の白をかなり隠して、主張の強い紫になる「リヴァイアサン・パープル」。影になる部分や、装甲の裏、紫の衣服。美少女プラモの髪の毛の内側などに塗ったらとても面白い表現ができそうです。ぜひ使ってみてください!

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Mr.メタルカラーで塗って磨いて重厚な槍へ!!/MODEROID ツェンドルグ/ツェンドリンブル

▲一味違ったメタリック表現が楽しめる「Mr.メタルカラー」!!

 塗ってから綿棒や布で磨くことで重厚な輝きを放つ塗料があります。それが「Mr.メタルカラー クロームシルバー」です。乾燥後に磨くことで塗面が変化する面白い塗料で、金属表現のアクセントにとてもオススメです。

▲最初からとってもシャバシャバ。エアブラシで吹く時に入れるうすめ液はの量は、少量で良いです
▲早速吹いてみます。普通に塗るだけだと輝度の低い銀が目の前に現れます
▲めっちゃ重たそうな銀。表面にうっすら粒子が浮いています。完全乾燥させましょう
▲乾燥したら綿棒で磨いてみます。そうすると綿棒が黒っぽくなりました!! 表面の粒子が綿棒で拭き取られています。すると……
▲急に輝きを放つ槍!! クロームシルバーらしい重たさのある銀が姿を表しました

 磨くことで輝くこの塗料。全体をピカピカにしても良いですし、磨き加減を部分部分で変えて、銀の輝度をコントロールするなんて遊びもできます。色もダークアイアンのようなすごい重たい色から、ステンレスといった輝度の高いものまで様々ありますので、ぜひ使ってみてください!!

▲どんどんかっこよくなってきたぞ!! 全身を組み立てるぞ〜〜!!

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シタデルカラー「新コントラスト」全部開けます!!/青系コントラストの優等生「フロストハート」登場!!!

▲すみれ色っぽい青ですね〜〜。これまでたくさん染めまくってきましたが、こういう中間色的なものが一番厄介。染めた瞬間、見た目と違う色になったりしますからね

 無臭で、水と筆があれば塗装が楽しめる水性塗料「シタデルカラー」。その中には、塗装が苦手な人でも色を塗る楽しみをすぐに体感できる、「コントラスト」という素敵な塗料があります。このコントラストに追加された「27色」を、フミテシが1本ずつレビューしていく連載です。
 今回は「フロストハート」というどこにも色に関する言葉が入っていないカラーです。鮮やかそうな青なのはわかりますが……。どんな色になるのか早速実験です!!

 「コントラスト」は、白い下地や明るいグレーの下地を塗った上から塗ることで、模型の凹凸に沿って自然に塗料が流れていき、グラデーションのように染め上がります。バシャバシャと染めるだけなので、塗装が苦手な人でも筆とコントラストがあれば、楽しく塗装デビューできます。またコントラストの特徴として、色によって染まる力が異なるので、この色通りに発色するかは使って見ないと分からないというのがあります。
 フロスハートは見た目は明度がある青って感じ。この色の元ネタを調べてみると「フロストハート・フェニックス」というキットがウォーハンマーにありまして、そのフェニックスの色がなんとこの青のなんです。赤ではなく青い怪鳥の色なんですね〜〜。

▲めっちゃ綺麗な青じゃん!! 素敵

 スカイブルーとコバルトブルーの間のような青に変身。こんな色、瓶生状態ではなかなかないですよ。染まり具合はやや強めで、うっすら下地の白が残る感じです。下地に銀を塗って、その上からこのフロストハートを塗れば、いい感じに青いライトが光ってる雰囲気になりそうです。

 コントラストには「青」がたくさんランイナップされています。その中でもフロストハートは、染まる力もちょうど良いし、色味もくどくなくてとっても調子の良い青です。以前紹介した「アシュルメン・ブルー」より一段明るいので、この2色を使えばいい感じブルーのグラデーションが楽しめそうです。青系コントラストの優等生をぜひゲットしてください!!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。プラモ初めの最高条件を秘めた「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア ドイツ自走榴弾砲 ヴェスペ“イタリア戦線”」

▲俺たちとプラモ初め!! そして花金の向こう側へぶっ放そうぜ!!

 週末のプラモ生活が楽しくなっちゃう模型を、フミテシの独断と偏見でご紹介する「花金プラモ」。さぁ、2023年の花金も開幕であります!! 今年も毎週金曜日、オイラの独断と偏見にお付き合いくださいませ。新年1発目は「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア ドイツ自走榴弾砲 ヴェスペ“イタリア戦線”」です。こちらのキットは戦車模型のプラモ初めにはベストとも言えるスーパーキット!!

 「コンパクト、目も喜ぶ凝縮されたディテール&メカ、アニキ」という戦車模型界の“一鷹二富士三茄子”な初夢セットでございます。さぁ、新年1発はこのキットでいい夢見ろよ!! あばよ!!!

▲激セマなワンルームに詰め込まれたアニキたち!! この密集度がプラモになるとめっちゃかっこいいんですよ

 このタミヤのヴェスペは1996年にNo.200という記念すべきアイテムとして発売された模型です。そのキットをベースに、新規パーツをモリモリでパワーアップしてイタリア戦線に行っちゃったのが、今回ご紹介する「No.358 ドイツ自走榴弾砲 ヴェスペ“イタリア戦線”」なのです。

▲ランナーの中には両方のキットの年号が刻まれているものもあります。バトンタッチを見ているようですね〜

 ヴェスペという車両は、ドイツ軍のII号戦車をベースに開発された自走砲なのでとってもコンパクト。1/35スケールでも手のひらに乗ってしまうくらいなので、完成後も机の上にちょこんとおけます。ヴェスペのかっこいいところが、小さな車体にもかかわらず迫力ある「10.5cm榴弾砲」を搭載していること。このギャップが、組み上がった時に痺れるんですね〜〜。

▲プラ製の履帯や、フィギュア、アクセサリーパーツなどが新規で追加されています
▲ランナーの中で既に棒を持っている!! 過去の傑作キットに、最新フォーマットで生み出されたアニキたちをフィットさせることで、WIN-WIN!!!
▲兵隊さんに持たせたり、車内や車外に置いて遊べるアクセサリーも豊富

 10.5cm榴弾砲はディテール、可動ギミック共に最高です。27年前のプラモですが、めちゃくちゃ輝きを放ってますね。

▲リベットの美しさ、エッジのシャープさなど一級品っす。そして可動もします
▲このキットではベルト履帯から、プラ製の部分分割履帯になりよりシャープな造形になりました。上下の履帯がほぼ1枚で成型されているので、組み立て時間もそれほどかかりません
▲このキットの凝縮したディテールを味わえるのは、戦闘室の壁です。なんかたくさんパーツをつけるぞ〜ってメッセージがすでに彫られていますね
▲お部屋のインテリアにも参考にしたい、機能と美しさを兼ね備えた壁面収納
▲車体にセットすると、10.5cm榴弾砲のディテールとマリアージュ。まるでおせちだね

 これだけ戦闘室がみっちみちのディテールになっているのに、そこにまだこのキットは盛ります。そう、アニキたちです。現在のタミヤのスタンダードになっている、実際の人や物を3Dスキャンしたデータを活用して生み出されたアニキたちが4人も押し寄せてきます。戦闘室だけでディテールが大渋滞!!!

▲素晴らしい……。濃密な世界があなたの机の上に爆誕です

 コンパクトな中に凝縮されたディテール、迫力とイカしたメカがごちゃごちゃしている10.5cm榴弾砲、かっこいいアニキ。このヤバさをひと箱で味わえる戦車模型。まさに新年1発目の花金プラモに相応しい、最高のキットです。ぜひ「タミヤ ミリタリーミニチュア ドイツ自走榴弾砲 ヴェスペ“イタリア戦線”」で戦車模型の楽しさを体感してください!! それでは、今年もよろしくお願いします!!

▲手前がヴェスペのベース車両となっているII号戦車(タミヤ製)。ぜひ2つ並べてその違いを味わってみてね

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「MODEROID ナイツ&マジック ツェンドルグ/ツェンドリンブル」はお好きなシルバーを1色塗るだけで最高にかっこよくなる!!

 グッドスマイルカンパニーのプラモ「MODEROID」の新作として発売した「ナイツ&マジック ツェンドルグ/ツェンドリンブル」。こちらのプラモ、お好きなシルバーを1本用意するだけで、さらにカッコよくナイスなロボットプラモになっちゃいます。

▲シルバーの部分がほぼ別パーツになっています!! ランナー塗装で攻められるぞ

 このメカは、メインカラーの緑を囲むようにシルバーが配色されています。MODEROIDではこのシルバーのほとんどを別パーツ化して、成型色の銀で表現しています。どうしても分けられない部分は塗装済みパーツにしたり、塗り分けのディテールが入っていたりします。細部は塗らなくても、ランナーで分けられているシルバーのパーツをお好きな銀で塗って組み立てるだけでめちゃくちゃよくなりますよ。だってシルバーは模型の最高のアクセントカラーのひとつですから!!

▲塗装済みパーツのシルバーは輝度が高くてとってもきれい〜

 あなたのイメージに合わせてお好きなシルバーを使用してもちろんOK! 僕は塗装済みパーツのシルバーの軽くて輝度の高いシルバーの清潔感が気に入ったので、これに合わせてシルバーを探しました。

▲スーパーステンレス2!! 君に決めた!!

 「Mr.カラー スーパーメタリック2 スーパーステレンス2」は、めちゃくちゃ清潔感ある輝度の高いシルバーです。この色がかなり塗装済みパーツに塗られたシルバーに近いと思いました。

▲エアブラシで吹き付け!! かなりいいぜ!! あとは切り出してパーツを取り付けるだけ
▲シルバーに統一感と輝きが生まれてカッコよくなりました! シルバーを塗っただけでこの完成度!! 楽しいぜ。

 細部のシルバーもマスキングして塗ったり、筆塗りで攻めたりすればさらに設定のカラーリングに近づいてかっこよくなると思います。細部はちょっとめんどいな〜、難しそうだな〜って人は今回の僕みたいにランナーで、シルバーのパーツにだけ塗装してみてください。本当にそれだけでめちゃくちゃカッコよくなります。新年1発目に、かっこ良くて、手軽にロボットプラモ製作を楽しめるキットとして「MODEROID ナイツ&マジック ツェンドルグ/ツェンドリンブル」オススメですよ!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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冬の模型製作は「インナーダウン」を着て快適に凄そう!/TAION インナーダウンジャケット

▲寒い冬の模型製作の強い味方「インナーダウン」で体温を守ろう!!

僕にとって「寒さ」はプラモ製作の敵。そんな敵に薄着で動きやすくて暖かい救世主が「インナーダウン」!! もうこれ無くして冬のプラモ生活はあり得ません。特に塗装ブースを動かすと、ちんっと部屋が寒くなりますので、こいつがいないと無理です。Amazonでも買えてデザインもかっこいい「TAION」のインナーダウンはとってもオススメっす。ユニクロのウルトラライトダウンとそこまで値段も変わらないですが、デザインや色がTAIONの方が僕は好みなので、こちらを愛用しています! ベストタイプもありまっせ。

▲TAIONという直球の名前。インナーダウン専門のブランドなので機能性も抜群。過酷な環境ではなく街着、部屋着での快適さがあります

 ダウンジェケットというとボリュームのあるアウターという感じですが、インナーダウンはその名の通りジャケットの中に着たりして暖かさをゲットするもの。薄くて軽い、でも暖かいというとっても便利な服です。

▲ブランドメッセージ。あなたの体温を預けましょう!

 2022年にエアコンを導入するまでは、外にでも行くのか? というくらいの厚着でプラモを作っていました。腕は張るし、肩もこります。疲れちゃうと自然と模型からも離れてしまい、まさに冬眠状態になります。でもこのインナーダウンをゲットしてからは暖かいし、体が張ることもないのでとっても快適です。

▲塗装ブース。換気をしますから室内の気温が下がるのはしょうがないっすね
▲他のメーカーのインナーダウンのように持ち運びも便利。この袋の中に収納できます
▲畳んでくるくるすれば袋の中におさまっちゃいます。旅先などにも持って行きやすいです

 TAIONやユニクロ(ウルトラライトダウンという名前で売っているもの)などで販売され、冬の部屋着としてとっても便利なインナーダウン。軽くて暖かくて動きやすいこの服は、冬の模型製作にとって最強と言えると思います。ぜひゲットして快適な模型製作を送ってください!! 

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

シタデルカラー「新コントラスト」全部開けます!!/容器の色と異なる雰囲気で染まります!!「マンティスウォリアー・グリーン」

▲2023年もさまざまなシタデルカラーのレビューをやっていきますよ!!

 無臭で、水と筆があれば塗装が楽しめる水性塗料「シタデルカラー」。その中には、塗装が苦手な人でも色を塗る楽しみをすぐに体感できる、「コントラスト」という素敵な塗料があります。このコントラストに追加された「27色」を、フミテシが1本ずつレビューしていく連載です。
 今回は容器のから見える緑とはかなり違う色になるけど、いい感じの緑色になる「マンティスウォリアー・グリーン」をご紹介します。

▲容器の色だけ見るとかなり暗めの緑になりそう……

 「コントラスト」は、白い下地や明るいグレーの下地を塗った上から塗ることで、模型の凹凸に沿って自然に塗料が流れていき、グラデーションのように染め上がります。バシャバシャと染めるだけなので、塗装が苦手な人でも筆とコントラストがあれば、楽しく塗装デビューできます。またコントラストの特徴として、色によって染まる力が異なるので、この色通りに発色するかは使って見ないと分からないというのがあります。マンティスウォリアー・グリーンはまさにその良い例です。早速染めてみます!

▲あれれ?? 彩度が低くて明度が高いグリーンになったぞ!? 容器から見える濃い緑じゃ無い!!
▲乾いたらとってもキャッチーな緑!! カエルみたい

 すごく絶妙な彩度の低さ明度の高い緑が目の前に現れました。コントラストにはこのように容器から見える色と違った雰囲気に仕上がる塗料が何本かあります。実際に使ってみないとわからない……だから僕らがいるんです!! この緑はファンタジー系のモンスターの肌や、緑色のメカへのフィルタリング(基本塗装の上に薄い塗料を塗って絶妙な色変化を面にもたらす塗り方)などにも使えそうです。ありそうで無いこう言った緑をサクッと塗ることができるマンティスウォリアー・グリーン、ぜひあなたのプラモに塗ってみてください!

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