
2022年に触ったプラモで1番の衝撃、モデルデスヤーレス・フミテシだったのがPLAMAX 鎌倉時代の鎧武者でした。パーツの彫刻、組み味、全てが異次元でした。あまりの楽しさに北条氏の里・静岡県伊豆の国市まで旅したほどでした。
そして2023年。今年になって「山田五郎 オトナの教養講座」というYouTubeチャンネルにどハマりした私は、以前にも増して博物館や美術館に行く機会が増えました。楽しいな〜と、美術や文化財を見ている時もついついプラモ脳になってしまいがち(「あの絵に塗られたハイライト、ウォーハンマーじゃん!」とか、「マジでこの汚れは戦車模型の技法じゃん!!」とか)。そんなこんなで、博物館に行く回数が増えながらプラモについて思いを馳せていると、僕が去年組んだ「PLAMAX 鎌倉時代の鎧武者」も博物館や美術館の延長にいる素敵なプラモじゃんと思ったんです。そう、このプラモは本物の大鎧をスキャンし、さらに当時の侍の習わしを今に伝える人物をスキャンしたデータで蘇った究極の「鎌倉時代の鎧武者」、まさに超絶本気な文化の樹脂化だったのです。

鎌倉時代の鎧武者のプラモは、戦車や飛行機、車などと同じように、手に取ることで文化や歴史を知ることができるものです。そしてこのプラモの説明書の中にある解説と解説写真が、他のプラモの説明書とは一線を画すほど素晴らしいものになっています。自分が買ってきて、今組んでいるプラモのリアルな姿が克明に描かれているのです。これって博物館によって作成されたパンフレットや図録と同じですよね。プラスチックパーツだけでなく紙にも「鎌倉武者」の姿があります。


そして本体のプラモ。まだ組んだことがない人はぜひ手に取ってください。1/12スケールで、完成すると全高約13cmとちょうど良い大きさ。さらに各パーツ全てが良いサイズ感で取り回しもしやすいです。組んでいる時も大鎧を表現する超緻密なディテールが目を楽しませてくれます。ランナーの中は大トロしかいませんよ(大鎧だけにね)。

ポーズ、表情共に全身をスキャンしたデータを元に製作されています。マックスファクトリーの原型師がスキャンデータをひとつひとつ丁寧に、かっこいいプラモとなるように調整しています。鎌倉時代の鎧武者はこのような姿だったかもしれないという造形作業……それもまた博物館や美術館を飾るものたちと同じように思えます。




実際に手を動かすことで鎌倉時代の鎧武者のディテールがクッキリしてきます。昨日まで知らなかったことをこのプラモを組むことで知ることができるのです。そして今、プラモデルの世界はさまざまなものがプラモ化されたとっても豊かな世界になっています。僕たちが大好きなものを通して知らなかったことを知ることができる。指で楽しみ、目で楽しむ。僕たちって最高に楽しいことを毎日してるんですよね! そんな贅沢を改めて味合わせてくれたPLAMAX鎌倉時代の鎧武者。これからもプラモの声が聞こえるたびに、何度も「いざ鎌倉」することでしょう!!
