
韓国の模型メーカー「アカデミー」が、2022年に完全新規金型で世に送り出した「零戦 ニ一型」が昨年末から店頭に並び出しました。2021年にはチェコの模型メーカー「エデュアルド」が完全新規金型で零戦を送り出すなど、2年連続で海外の主要メーカーが零戦を手掛けるということが起きたんですね。これは箱を開けてみるしかない!! 韓国からやってきた零戦をオープン!!

海外メーカーの零戦……ごくり。やっぱり自国の兵器の代表であるモチーフを他国が手掛けてくるとなると緊張感を持った態度で受け止めてしまいがち。でも模型大好き日本は、それを全世界に向けてやってるんですよね。そんな気持ちで、気にせず気楽に箱を開けましょうや。箱を開けてみないとわからないのがプラモってもんです。プラモの国際交流ですよ。

アカデミーは陸海空とさまざまなスケールモデルを展開しています。さらに昨年の東京でのホビーショーでは、日本のウェーブとタッグを組んでガリアンのキット化を発表したり、ガッチャマンのゴッドフェニックスをキット化したりとキャラクターキットシーンにも進出しています。プラモも世界中に流通していて、イスラエルの戦車博物館のお土産売り場にも売っています(2017年に館長にメールインタビューをした際にその写真をいただきました)。そんなメーカーで、日本以外でも多くの人が手に取っているプラモメーカーでありんす。

箱を開けた瞬間、目に飛び込んできた主翼のリベット。これだけで、マジでアカデミーはやってきたな! と思えるはずです。まるで模型雑誌に掲載されている凄腕モデラーが刻んだようなリベットが、最初からモールドされています。パーツに光が当たった時、この彫刻が煌めく様を、ひとりでも多くの人に見てほしいと思えるほどです。

繊細なモールドにクラクラしてしまうくらい、情報量がすごい零戦。さらに良いのがこの成型色。これはアカデミーの飛行機模型でよくあるプラスチックの色なので専用色というわけではないのですが、この灰緑色な色がまるで零戦。つまり刺身でいい感じの零戦になってしまうのです。成型色仕上げなら、この繊細なモールドをフルスペックで味わえるってわけです。



このキット、零戦の可動部分を選択式でお好みの状態を組めるようになっています。駐機状態、飛行状態、エルロンの上げ下げ、エンジンカウルの開閉、翼の折り畳みなどそう言ったギミック部分まで楽しめるのです。



極め付けは塗装への配慮。零戦の塗装で最も大変なのが窓枠。零戦は窓枠がとっても多い飛行機なのです。そこをサポートしてくれるカット済みのマスキングテープが付属します! さらに窓枠だけでなくタイヤやプロペラのマスキングもついてきちゃうんです。嬉しいですね〜

表面のディテール、各ギミックの選択、塗装へのサービスとひとつの箱に嬉しい要素がたくさん詰まっているアカデミーの零戦。この内容だけ見てもかなり力を入れてきたキットだなということがわかります。零戦は世界的にも人気なモチーフですから、世界で戦えるプラモを作ってきたと言えると思います。まさにアカデミーの飛行機模型の現在地を知ることができるプラモです。
そしてこの内容で、1/48スケールのプラモで約3000円という価格にもびっくりです。僕も早速組み立ててみるので、気になった人はぜひ一緒にこのプラモを組みましょうぜ!


