世界中で愛されているアイドルだからこそ「世界で戦える零戦」のプラモを作る。「アカデミー 1/48 日本海軍 零式艦上戦闘機21型」

▲この繊細さと、1/48スケールというナイスボリュームなのに約3000円で買えるの!? これはすごい

 韓国の模型メーカー「アカデミー」が、2022年に完全新規金型で世に送り出した「零戦 ニ一型」が昨年末から店頭に並び出しました。2021年にはチェコの模型メーカー「エデュアルド」が完全新規金型で零戦を送り出すなど、2年連続で海外の主要メーカーが零戦を手掛けるということが起きたんですね。これは箱を開けてみるしかない!! 韓国からやってきた零戦をオープン!!

▲エデュアルドの零戦はこちらの記事をどうぞ
▲1942年、1943年、1944年、1945年とこれからは何かしらの80周年が続きます。2025年は終戦80周年ってわけです。こちらはミッドウェイ海戦80周年とパッケージに謳われています

 海外メーカーの零戦……ごくり。やっぱり自国の兵器の代表であるモチーフを他国が手掛けてくるとなると緊張感を持った態度で受け止めてしまいがち。でも模型大好き日本は、それを全世界に向けてやってるんですよね。そんな気持ちで、気にせず気楽に箱を開けましょうや。箱を開けてみないとわからないのがプラモってもんです。プラモの国際交流ですよ。

▲オールプラでエッチングパーツなどはありません。成型もめちゃくちゃ綺麗。コクピット関係はかなり細かいパーツ分割になっています。素晴らしいパーツ構成だと思います

 アカデミーは陸海空とさまざまなスケールモデルを展開しています。さらに昨年の東京でのホビーショーでは、日本のウェーブとタッグを組んでガリアンのキット化を発表したり、ガッチャマンのゴッドフェニックスをキット化したりとキャラクターキットシーンにも進出しています。プラモも世界中に流通していて、イスラエルの戦車博物館のお土産売り場にも売っています(2017年に館長にメールインタビューをした際にその写真をいただきました)。そんなメーカーで、日本以外でも多くの人が手に取っているプラモメーカーでありんす。

▲超本気!! このリベット何!?

 箱を開けた瞬間、目に飛び込んできた主翼のリベット。これだけで、マジでアカデミーはやってきたな! と思えるはずです。まるで模型雑誌に掲載されている凄腕モデラーが刻んだようなリベットが、最初からモールドされています。パーツに光が当たった時、この彫刻が煌めく様を、ひとりでも多くの人に見てほしいと思えるほどです。

▲脚庫の中も抜かりなし!!

 繊細なモールドにクラクラしてしまうくらい、情報量がすごい零戦。さらに良いのがこの成型色。これはアカデミーの飛行機模型でよくあるプラスチックの色なので専用色というわけではないのですが、この灰緑色な色がまるで零戦。つまり刺身でいい感じの零戦になってしまうのです。成型色仕上げなら、この繊細なモールドをフルスペックで味わえるってわけです。

▲脚カバー。4枚あるということは、キットは駐機状態と飛行状態を選択式で組めるということです 
▲翼端でパーツ分割。空母に搭載する際などに翼を折りたたむギミックを再現しています
▲折り畳んだ時の内部パーツと、展開した時の接続パーツもしっかりと付属します

 このキット、零戦の可動部分を選択式でお好みの状態を組めるようになっています。駐機状態、飛行状態、エルロンの上げ下げ、エンジンカウルの開閉、翼の折り畳みなどそう言ったギミック部分まで楽しめるのです。

▲尾輪とかフックも駐機と飛行状態を選択できます
▲エルロンの上げ下げを選択できちゃう
▲先ほどパーツでも見たように翼端もパタパタ選べます

 極め付けは塗装への配慮。零戦の塗装で最も大変なのが窓枠。零戦は窓枠がとっても多い飛行機なのです。そこをサポートしてくれるカット済みのマスキングテープが付属します! さらに窓枠だけでなくタイヤやプロペラのマスキングもついてきちゃうんです。嬉しいですね〜

▲カット済みのマスキングテープがめっちゃ嬉しい〜〜。でも薄い青は境目がちょっと見にくい!!

 表面のディテール、各ギミックの選択、塗装へのサービスとひとつの箱に嬉しい要素がたくさん詰まっているアカデミーの零戦。この内容だけ見てもかなり力を入れてきたキットだなということがわかります。零戦は世界的にも人気なモチーフですから、世界で戦えるプラモを作ってきたと言えると思います。まさにアカデミーの飛行機模型の現在地を知ることができるプラモです。

 そしてこの内容で、1/48スケールのプラモで約3000円という価格にもびっくりです。僕も早速組み立ててみるので、気になった人はぜひ一緒にこのプラモを組みましょうぜ!

▲アニキも付属します。かなりスタイリッシュなイケメンパイロットですね
▲最後にもう一度……
▲これは組みたくなるね!!
<a href="/author/fumiteshi/">フミテシ</a>/nippper.com 副編集長
フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。