フミテシ のすべての投稿

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシ道楽(http://sidelovenext.jp/)

花金だ!仕事帰りに買うプラモ。初めてのヘリコプタープラモの条件を全て兼ね備えている「ハセガワ 1/72 海上自衛隊 SH-60J シーホーク」。

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はハセガワの「1/72 海上自衛隊 SH-60J シーホーク」のプラモデルをご紹介します。1987年に発売されたプラモデルで、説明書を読むとこれから海上自衛隊で運用されますよという期待感が込められたテキストも書かれています。ハセガワが発売している「UH-60A ブラックホーク」と共に、ヘリコプターのプラモを初めてつくってみようという人にオススメしたいプラモです。

 このプラモデル、グレーのパーツではなく「白」なのがポイントです。実機をイメージしている色で成型されていて、さらにその色がとっても綺麗で「純白のヘリ」を楽しめます。パーツを見ているだけでも楽しいし、組んでいる時も綺麗な白い塊になっていくのが心地よいのです。ドアは開閉を選んで組めます。

 パーツ数も多くなく少なくなくと言ったちょうど良い塩梅。大きな胴体が竹割でランナーに収まっているのが良いですね〜。箱を開けた瞬間に全体の形がイメージできます。

 そして嬉しいのがアニキたち。全員違うポーズと造形になっています。雰囲気も良いので、アニキたちがより見えるようにドアを開けた状態で作りたいな〜って思わせてくれます。

 基地玩具的な遊びを体感させてくれる内部。このパーツが綺麗に胴体に収まります。

 ピッタリ。飛行機模型をつくっている時に見えるこの断面図みたいな景色が僕は好き。反対側の胴体で蓋をしちゃうと見えなくなるけど、作った僕だけは知っている。プラモと僕の間だけの秘密な関係っす。

 ヘリコプターのプラモを作るとメインローターの大きさにびっくりするはずです。本体より大きく4方向に張り出してくるので「置き場に困るねん!」ってなりますが、この迫力があるからこそかっこいいのですよね〜〜。キットは接着しなくても固定できるので回転させらます。ブーン。

 各パーツの合わせも良いので、流し込み接着剤でピタピタ組んで行けます。この白さ、いいでしょ〜〜。パーツを貼っていく行為の気持ちよさを増幅させてくれます。プラスチックの色にはそんな力もありますよね。

 めちゃくちゃかっこいいでしょ〜〜。これがamazon価格で1000円しないんですよ。1/72のジェット戦闘機と並べるとこのヘリのボリューム感もわかりますね。綺麗なプラスチックの色、ピタピタ組み上がる組み味、満足できるボリューム感。まさに初めてのヘリコプタープラモにもってこいの条件を全て兼ね備えています。さぁ、今週はハセガワの「1/72 海上自衛隊 SH-60J シーホーク」で花金の向こう側(それは土曜日)へフライトしようぜ!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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水性ホビーカラーにある唯一無二な青い白!「メイレスケンブホワイト」で筆塗りを楽しもう!!

 水性ホビーカラーは、ガンダムカラーを中心とした「特色」によってどんどんラインナップを広げています。特に「白」の充実ぶりが今めちゃくちゃすごいです。その中で今回ご紹介する「水性ホビーカラー 境界戦機カラー メイレスケンブホワイト」は水性ガンダムカラーにはない珍しい白であり、SFメカにめちゃくちゃ似合う汎用性と、通常ラインナップの白よりも発色&隠蔽力の強さがあるのが特徴です。

 以前紹介した「水性ガンダムカラー ディアクティブホワイト」。白にも見えてグレーにも見える便利な白系塗料で、白塗装の下地にもぴったりです。こちらはガイアノーツのメカサフヘヴィの上から筆塗りした状態です。

 水性ガンダムカラーにも良い白はたくさんあるのですが、「グレー」系の白がメインとなっているのが特徴です。重めで硬い印象にしたいときは最高なのですが、清潔感や軽さを出したいときは違う白が使いたくなります。

 そんな軽さや清潔感を出したい時にぴったりなのがこの「メイレスケンブホワイト」。TVアニメ『境界戦機』の主役メカの白をイメージした塗料です。この白はグレーではなく「青み」が強い白なのが特徴です。しかも発色が良いので、塗装のコントロールもしやすいです。

 グレーが強いディアクティブホワイトの上から、メイレスケンブホワイトをひと塗り。しっかりと白になります。メイレスケンブホワイトにはグレー味が少ないので、ディアクティブホワイトに追いグレーするようなことが無く、しっかりと白に見せられます。

 左半分がディアクティブホワイトのまま。右半分がメイレスケンブホワイトを塗った状態です。ディアクティブホワイトとも相性が良いので、下地のグレーとメイレスケンブホワイトの青みが良いグラデーション効果を生み出しています。

 機首・胴体を2回ほど重ね塗りした程度で、これだけ綺麗に白が発色するのでとてもオススメです! 水性ホビーカラーの白塗装の引き出しが増える「メイレスケンブホワイト」。ぜひあなたのラインナップに加えてください!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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僕は切り取らない。あなたが「プラモデルのアイコンだったこと」をみんなに知ってもらいたいから。

 先日開催された「第62回静岡ホビーショー」で先行発売されたマックスファクトリー期待の新プラモ「PLAMAX マシーネンクリーガー 1/35 反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ」。めちゃくちゃ楽しみにしていたので、迷わずゲットしてきました。このプラモ、説明書をめくったらいきなり「プラモのアイコン」にニッパーを入れるのです。初手からびっくりさせられます。

 静岡の街には、プラモのランナーの形(ランナーとはプラモのパーツが収まっている枠のこと)をしたモニュメントが多数設置されています。僕の妻もニュースでモニュメントを見て「プラモじゃん」と言っていたので、多くの人がプラモと言ったらこの姿を思い浮かべるのでしょう。ランナーこそプラモのアイコンなのです。

 PLAMAX ファルケのDランナー。このランナーがファルケを運搬する「ドーリー」に変身するのです。説明書に指示されている位置でカットし、パーツを繋げることで完成します。

 説明書では初手から登場しますが、ファルケを組んだ後でもドーリーは作れます。先にファルケ本体を組みたい場合は、Dランナーはパーツだけカットするようにしましょうね。

 説明書とパーツを照らし合わせていくと、カットする箇所にはこのようにガイドが設けられています。この部分を目印にパーツをカットしていきましょう。

 ドーリーを作っている時、ランナーにあるパーツ番号のタグもカット指示がありました。僕の中でこのパーツ番号のタグってランナーをランナーたらしめている大きな要素だと思っています。これをカットしないことで、「実はこのドーリーはプラモのランナーから作れるものなんだよ」というメッセージがより強く残せると思いました。

 「4」とか「1」。ハンガーで何かを区別するために付けられている番号かな? とかディテールとしても活用できますね。

 プラモデルのアイコンである「ランナー」をバラバラにカットして繋げることで生まれるドーリー。そんなユニークさを、このプラモを見た多くの人に知ってもらいたい、そして作った自分も忘れたくない……だからバラバラになったプラモのアイコンの中に、きらりと光るランナーらしさを残してみたくなったのです。そんな遊びも「PLAMAX シーネンクリーガー 1/35 反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ」は楽しめます。発売は7月ともう少し先ですが、実際に組んでみて本当に最高のプラモでした! ぜひ予約できるうちにポチッとしてくださいね!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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ご利益がありそうなパワフル赤金塗料爆誕!「GSIクレオス スーパーメタリック2 スーパーレッドゴールド」でプラモを輝かせよう!

 GSIクレオス SM211 Mr.スーパーメタリック2 10ml スーパーレッドゴールド

 蓋を開けた瞬間、激辛ラー油かと思うくらいの赤さでびっくり! それが今回ご紹介する「GSIクレオス スーパーメタリック2 スーパーレッドゴールド」です。高級微細金属粒子を使用し、優れた金属感を表現することができるメタリック塗料として好評を博しているスーパーメタリック2に登場した3色目の金です。

 こちらは塗料をしっかり混ぜた後に、塗料1:うすめ液1で混ぜた状態。レッドゴールドの名に偽りなしな、赤金です。カッパー的な色味にも見えますが、その一歩手前で止まってきちんと「金」を主張している絶妙な色味となっています(スーパーメタリック2にはスーパーカッパーという塗料もあります)。

 早速メタルアニキになってもらいましょう。クリーム色の成型色(プラスチックの色のこと)の上から直接塗ります。

 一撃! 顔のディテールが金の輝きでより鮮明になるほど、メリハリある照り返し! めちゃくちゃご利益がありそうな色です。

 3回ほど重ね塗りすればご覧の高級感。俺のメタルアニキコレクションにまた一人、美しい輝きのアニキが加わりました。スーパーメタリック2ではベーシックな金の「スーパーゴールド2」、黄色味が強くてキャラクターモデルとの相性も抜群の「スーパーリッチゴールド」がすでに発売されています。今回ラインナップに加わった、強烈な赤金「スーパーレッドゴールド」を使用すれば、金の色味や質感、パーツごとに違う金を使ってアクセントを加えるなんてことも可能です。

 塗料の定着力も良くて、エアブラシで塗装していてもコントロールしやすかったです。クセがなく、ばきっと輝く赤金の新定番「スーパーレッドゴールド」、ぜひゲットしてください!

 GSIクレオス SM211 Mr.スーパーメタリック2 10ml スーパーレッドゴールド

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全モデラーのストックに「クリアー塗料缶スプレー」をお届けしたい理由。

 缶スプレーは「小さなパーツを1発で塗装する」のにも超便利! 特にキャラクタープラモのセンサークリアーパーツや、飛行機模型の翼端灯なんかを塗る時に「クリアー塗料缶スプレー」があるだけで、秒で塗装が終わります! エアブラシで塗る人も、筆塗りで楽しんでいる人にも「クリアー塗料の缶スプレー」はぜひともオススメしたいのです。

 模型を作っているとクリアーオレンジやクリアーレッド、クリアーブルーなどをクリアーパーツに塗る指示に結構遭遇します。最近のプラモはパーツで分けてくれていることが多いので、組み立てる前に塗装してからパーツを取り付ければ問題ないのですが、そのために塗料を出して希釈してエアブラシ塗装したり、筆塗りしたりするのはひとアクション多くなり「面倒だな〜」って気分になります。また瓶のクリアー塗料は、通常塗料よりも粘度があったりして希釈や筆塗りのコントロールがちょっと難しいです。

 そこで登場するのが「缶スプレー」ってわけです。缶の中にメーカーがベストに希釈してくれた塗料が入っているので、よく撹拌してからプッシュするだけで塗装が完了してしまうのです。面倒なあれこれはクリアー塗料缶スプレーがあれば解決してしまうのです。

 ハセガワの1/72 VF-1 バトロイドのセンサーパーツ。クリアーオレンジの塗装指示に合わせてさっとひと吹き。これで完成です!

 缶スプレーというと「広い面積を一気に塗装する」というイメージが強いかもしれませんが、このようなクリアーパーツで表現されたセンサーを塗装するような「小面積&特殊カラー」を塗るシーンにも大活躍なのです。1本買うだけでそうとう長い間使えますので、もしクリアー塗料の缶スプレーをまだ持っていないという人はこの機会に各色揃えてください。塗装の楽しいテンションを、クリアーパーツが阻害してしまうなんてことからおさらばできますよ!! それでは〜〜。

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ガンダムSEEDが発明した「ディアクティブホワイト」が白の筆塗りを快適にします!!

 水性ホビーカラー筆塗りで白を発色させる時、1層目にこの「水性ガンダムカラー ディアクティブホワイト」をぜひ塗ってください。ガンダムSEEDが発明したディアクティブモードの白は、さまざまな白の上塗りを受け止めてくれますよ! その理由を解説していきます。

 水性ホビーカラー塗装におけるサーフェイサーとして大注目を浴びている「ガイアノーツ ナスカカラー メカサフヘヴィ」。青みのあるグレーとラッカー塗料下地なので、上から水性ホビーカラーを塗っても溶けることなく下地の色の効果をフルに発揮してくれます。この下地を活かして最高にかっこいい筆塗りを見せてくれているのモデラーが清水圭さん。彼の著書もnippperで紹介しているので、記事を読んでぜひ本も買いましょう!

 メカサフヘヴィの上から直接メインカラーの白を塗ると、下地のグレーと白との差が激しいのでなかなか発色しません。そのまま塗り重ねると塗膜も厚くなり、見映えを損ないます。そこで繋ぎとして「グレーに近い白」を一層挟むのがポイントなのです。

 そして、グレーに近い白の傑作塗料こそが、この「水性ガンダムカラー ディアクティブホワイト」ってわけです。隠蔽力が他の白の塗料よりもあり、かつグレーにも白にも見える超ナイスな調色具合がたまらんのですよ。上の写真のようにまずは薄く全体に塗っていきます。

 乾いたら再度上から重ね塗りした状態です。メカサフヘヴィの色味が透けながらも、各所で白にもグレーにも見える雰囲気になっています。この上からあなた好みの白を塗ってあげることで、塗る回数も少なくメインカラーの白を発色させられます。水性ホビーカラーの白を塗る際の1層目に、ここまで適した塗料はないでしょう! 「ディアクティブホワイト」で白塗装を楽しんでいこうぜ!!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。カッコよくてカワイイ「オート三輪の最終進化形」を楽しもう。「オーナーズクラブ ’56 マツダ T2000オート三輪」

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、手のひらサイズの1/32スケールカーモデルシリーズ「マイクロエース 1/32オーナーズクラブ」の人気モデル「’56 マツダ T2000オート三輪」をご紹介します。

 オーナーズクラブはノスタルジーを感じる車両からネオクラシックまで多数の車種をラインナップ。一昔前のプラモデルなのでおおらかな仕上がりではあるのですが、完成後の佇まいと手のひらに収まるそのサイズ感は作った人の心を捉えて離しません。特にこの「マツダT2000」のようなオート三輪と呼ばれる車種は、オーナーズクラブの中でも多くの人に愛されているモデルです。

 箱を開けると真っ青なランナーが飛び込んできます。これに合わせてタイヤはゴム製の黒なので、組んだだけで大まかな色分けができて十分雰囲気を味わえます。

 組み立てはいたって簡単。パーツ数も少ないので、ニッパーとデザインナイフに接着剤、そしてドライバーが1本あればスイスイ組み立てられます。本キットはシャシー、荷台、運転席というパーツ構成になっており、そえれらをがっちりと固定するためにねじ止めが採用されています。

 見てください、この荷台の迫力! T2000は1960年代に登場したオート三輪の最終進化系。オート三輪は小さくて安価というものだったのが、どんどん大型化していき、このような姿に到達します。マツダT2000はモビルスーツの恐竜的進化とまではいかないまでも、オート三輪の枠を超えそうなギリギリ感がとってもかっこいいのです。

 パーツ数も少なく、安価でとても手に入れやすいので、車の模型をさくっと組んでみるかという人にもピッタリ。ランナーにバリというか、ノスタルジーが漏れまくっていたりしますが、そこはデザインナイフでカットして整えてあげてください。そうするだけで、カッコよくて可愛いオート3輪のプラモデルがあなたの前に納車されますよ。ぜひこの機会に「マイクロエース 1/32オーナーズクラブ ’56 マツダ T2000オート三輪」を作ってください!

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筆塗り名人・清水圭プロデュースの平筆を静岡ホビーショーでゲットしよう!「筆塗り模型専用 チタン平筆 SSD BRUSH」

 多数の模型雑誌で活躍する筆塗り名人・清水圭がプロデュースした「筆塗り模型専用 チタン平筆 SSD BRUSH」が、第62回静岡ホビーショー (一般公開日 5月11日(土)、5月12日(日))のモデルカステン・大日本絵画ブースで発売となります! 会場に行かれる方全員にオススメします。マジでマストバイな使い心地でしたので、記事を読んだらぜひゲットしてください。

 清水圭氏の筆塗りは、水性ホビーカラーを「平筆」で塗っていくのが特徴。そのためサイズの異なる平筆3種がリリースされます。大日本絵画から発売されている書籍「清水 圭 飛行機模型筆塗り塗装テクニック: SIMSONIC DESTRUCTION」とも連動しているので、筆幅を飛行機のスケールに合わせているのも特徴です。筆幅の一番広いサイズが「32」(税抜1200円)、中間が「48」(税抜1100円)、細めが「72」(税抜1000円)となっています。大きなものから小さいものまで、各1本ずつ購入すれば対応可能です。

 本ブラシは化繊100パーセント。チタンを練り込むことで溶剤への耐性も強化しています。化繊ならではの反発力を抑えながら、弾力としなやかさにこだわった筆となっています。

 実際にパーツに押し付けてみると、先端の適度なコシによりしなやかにしなります。そしてそっと筆をはらってみると……。

 スッと筆先が綺麗に戻ります。このしなりと戻りの具合が素晴らしく、細かなタッチを繰り返してもブレることなく快適に筆塗りが楽しめます。

 あえて幅広の「32」筆で、1/72スケール「PLAMAX VF-1」のモールドのキワを塗ってみます。筆先がパーツのキワでしっかりと止まりながら細かなタッチに追従。筆をパーツから離した時に筆先が揃ってくれるので、スムーズに細かなタッチを繰り返して塗っていけます。

 そしてもう一つ驚いたのが、溶剤や水を溜め込む「タンク性能」です。上の写真は筆を水性ホビーカラーうすめ液につけた状態です。筆の根本がぷっくりと膨らんで、しっかりと溶剤を溜め込んでいます。この溜め込んだ溶剤が、塗料を押し出すポンプの役割を果たします。これだけしっかり溜め込んでくれるので、筆先から塗料がスムーズに押しだされるわけです。

 1/72スケール VF-1の機首を、「72」筆で塗装。筆塗りによる筆目のスケール感がバッチリ! これまで説明した性能の通り、スイスイ塗れちゃいます。

 「72」筆で、水性ホビーカラーの白を2回ほど塗った状態。良い平筆で模型を塗ることの楽しさを直球で教えてくれます!!

 「48」や「32」筆も、1/48スケール・1/32スケールしか塗っちゃいけないということはありません。上の2枚の写真は上が「48」、下を「32」で塗っている状態です。あえて幅広の筆で筆目を大胆にすることで、他の部分と表情を変えることもできます。筆の使い分けによって、あなただけの塗面を演出可能なのです!

 本ブラシはツインメッセ静岡で開催の「第62回静岡ホビーショー」(一般公開日 5月11日(土)、5月12日(日))、モデルカステン・大日本絵画ブースで発売されます。その後順次モデルカステンのホームページや模型店・量販店などで販売開始されます。平筆の決定版とも言える「筆塗り模型専用 チタン平筆 SSD BRUSH」。静岡ホビーショーで、ぜひゲットしてください!!

 また本ブラシの発売を記念し、筆塗り実演会を静岡ホビーショーのモデルカステン・大日本絵画ブースで開催!! 11日(土)は12時〜13時、12日(日)は14時〜15時となっています。こちらもぜひ楽しんでください。それでは〜。

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プラモデルが魅せる見事な作戦会議!「タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.107 アメリカ海軍 航空隊 パイロット・モトタグセット」

 グローブをぐっと装着するこの仕草。パーツがフィットした時に現れるこの光景を見ただけで「このフィギュアはめちゃくちゃかっこいい! パーツを接着するのが楽しすぎる!!」って気分にさせてくれます。プラモデルは最高に楽しいぜって気分が爆上がりするんです。そんなテンションに導いてくれるのがこの「タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.107 アメリカ海軍 航空隊 パイロット・モトタグセット」。春に松本で出会ったプラモを開封です。

 このプラモデルは、第二次世界大戦のアメリカ海軍パイロットと整備兵、空母の上で活躍する車両・モトタグがセットになったもの。タミヤの「1/48 傑作機シリーズ」において初となる、飛行機そのものではない周辺機器とフィギュアをセットにした模型で異彩を放っています。組み立てるだけで、そこは航空母艦の甲板上の景色となります。

 ランナーは2枚構成。モトタグもめちゃくちゃ仕上がりが良くてオススメ。こちらはコルセアのキットにもセットになっています。

 2009年に発売したキットですが、パイロットの彫刻がキレキレ。そしてポーズもとってもかっこいいです。装備品の細かいディテールなんて今の目で見ても最高に素晴らしいです。

 表情も見事なアメリカ人。余裕ある笑みを浮かべている人もいて、ブリーフィングの空気感が伝わってきます。

 プロッティングボードと腕を一体化して組みやすさを重視したパーツ分割も見られます。腕や足などの接着は今のフィギュアキットよりはファジーさがありますが、パーツが収まるべきところにハマると、ピタッと落ち着きます。

 隣に早く飛行機を置きたい! って思いが掻き立てられるこの構成。最高です。作戦アニキたちが生み出す空気感に胸キュンっす。真ん中のアニキがなんだか怒られている感じにも見えなくないですね。もしかしたら新米パイロットなのかもしれません。そんな妄想をしながら配置するのもフィギュアプラモの楽しみです。

 「おもて〜」って感じが伝わってくる整備兵もいい味出しています。体の傾きや腕を開いてバランスをとる様子などが見事に「重さ」を表現していますね。こういう名脇役もいるセットってなかなか無いですよ。

 飛行機の脇に添えるだけで素敵な景色が爆誕するアニキたちがひと箱にまとまった「タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.107 アメリカ海軍 航空隊 パイロット・モトタグセット」。どのアニキたちも見事な演技を僕たちに見せてくれる最高プラモです。店頭で見つけたら迷わずゲットしてください。絶対に飛行機模型が作りたくなる魔法が込められています!

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935円!?最強コスパの自然毛筆が世界最強塗料メーカー・ファレホから爆誕!「ファレホ プロモデラーブラシ」

ファレホ プロモデラーブラシ 0/935円

 935円で自然毛の筆が買えるってだけでびっくりしたのに、使ってみたら本当に最高でした……。世界中で愛されるスペイン生まれの塗料メーカー「ファレホ」が発売した筆「プロモデラーブラシ」、超オススメです。良い意味で価格と性能が合ってません! こちらの筆はファレホの日本代理店であるボークスが販売。全国にあるボークスショールーム、ボークス ホビー天国オンラインストアで購入可能です。

 人工毛よりもしなやかで、保水力が強いのが自然毛筆の魅力。繊細なタッチ、細かな塗り分けなどに適しています。このプロモデラーブラシ、使ってみたら保水&給水力がとっても素晴らしいです。筆の中にしっかりと水や塗料を溜め込んでくれるので、一回塗料を含ませると長時間塗り続けられます。毛先のまとまりも良いので、細部塗装もバッチリ! 筆のお腹部分を使えば広い面にタッチを加えることも可能です。

 1/72スケールフィギュアの細部塗装も安心! 肩アーマーの黄色の塗り分けをするために、下地に白を塗っている様子。筆先から塗料が滑らかに排出するので、このような隙間を塗る時も一発で決まります。

 白のグラデーションを施したいので、暗めの白の上から隠蔽力の低い明るい白を塗っている様子。筆の中に塗料をしっかりと溜め込んでくれる性能と滑らかに排出してくれる性能によって、細かなタッチを加えていく際にも筆が突っかかったりせず、スイスイと塗れます。

 薄めに希釈した塗料を塗る際もコントロールしやすいです。薄めの塗料を、ほんの少量含ませただけでもしっかりと排出してくれるので、びしゃ〜っと塗り広がることがほとんどありません。その逆は気をつけてください。排出力がすごいので、薄い塗料をたくさん含ませた状態で塗るとめっちゃ広がります。その効果を活かして、バイザー部分は薄くした塗料を筆に多めに含ませて、薄めに塗料が広がるようにして塗っています。

 小さなフィギュアも「プロモデラーブラシ 0」が1本あれば、楽しく塗装可能です。価格も935円という手に取りやすいお値段なのが嬉しいですね。この筆はボークスのオンラインでも購入可能なので、お近くにボークスショールームが無いという方は、こちらのファレホ ホビーブラシのページからご購入ください! マジでオススメですよ。ぜひあなたのメンバーに加えてください!

 「X」で#ファレホホビーブラシのハッシュタグで検索すると、さまざまなモニターのレビューが読めます。そちらも合わせてぜひ!

 ファレホ プロモデラーブラシ 0/935円

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「光らない銀」の新定番をゲットしよう!/スーパーメタリック2 スーパーマットアルミ

 GSIクレオス SM212 Mr.スーパーメタリック2 10ml スーパーマットアルミ

 高級微細金属粒子を使用し、優れた金属感を表現することができるメタリック塗料「スーパーメタリック2」シリーズ(発売元/GSIクレオス)に、遂につや消しの銀が登場です! 銀って光っている方が良くない!? って思うじゃないですか。光らない銀があるだけで、より光る銀を目立たせたり、経年変化でツヤ感が落ち着いている銀の表情を表現できたりと、色々便利なのです!

 早速エアブラシで塗ってみます! 銀の色味も軽め。この軽さとツヤの無さが魅力的! しかも塗料のキメも細かいのでざらざらした感じもありません。

 光を受けると、うっすらと反射します。その時にほんの少し現れる粒子感が、「この塗料は金属塗料なんだ」という印象を僕たちに与えてくれます。

 タミヤの名作塗料である「フラットアルミ」の対抗馬とも言えるでしょう。非常にコントロールもしやすく、塗料1に対してうすめ液を1の割合で入れた時が僕は扱いやすかったです。ちょっと濃いめに希釈してみたら、少しざらつきが出ました。

 銀の表現に幅を与えてくれる「スーパーマットアルミ」。とても使いやすい塗料なのでオススメです!

 GSIクレオス SM212 Mr.スーパーメタリック2 10ml スーパーマットアルミ

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100円ショップに売っている「防振粘着マット」があれば、とっても便利な筆塗り持ち手が完成します。

 貼るだけで家具やインテリアを振動や衝撃から守る便利アイテム「防振粘着マット」。これを使うだけで、筆塗りの持ち手問題が大幅に改善されます! 筆塗りフレンズから教えてもらって試したら最高だったので、ぜひ真似してください。

 プラモデルの持ち手の定番といえば、棒にクリップがついたものです。この持ち手、エアブラシ塗装などにはとっても適しているのですが、ある程度パーツの塊状態で塗装していく筆塗りだと、パーツの重さや塗っている時の筆圧によってパーツがグラグラしてしまうこともあるんです。なので、筆塗り時にはある程度しっかりと固定できて、手に持ちやすい持ち手があると一気に塗りやすくなります。

 そんな時に大活躍するのが防振粘着マット。本来は家具の裏などに貼って、家具などを手軽に固定するためのものです。これがプラモの固定にもぴったりなのです!

 100円ショップで売っている木材や、使い終わった缶スプレーなどに貼るだけで良いです。これで安定感がありながら、手に持ちやすい筆塗り持ち手が完成します。

 缶スプレーのキャップの3箇所くらいに貼っておくと〜〜。

 こんな大きな車のボディもしっかりと固定してくれます! ボディ内側の天面と側面を粘着マットで支えているので、かなり安定感があります。

 塗装面に粘着マットをぺたりとして固定したい時……。塗料によってデータが異なるので、あまりオススメしませんが、実験してみましょう。僕がよく使う「水性ホビーカラー」を筆塗りした面を、粘着マットにぺたりとしてみます。しっかりと押し付けてから剥がしてみましょう。

 塗膜も大丈夫! しかしこれは塗料の乾燥時間や塗膜の厚さによっても変わってくるので、できるだけ塗装していない面や、塗装をしなくても良い箇所で固定するようにしましょう。

 筆圧でもぶれないので、とっても快適に筆塗りが楽しめます。そしてこのマットは「汚れても、水洗いし、自然乾燥で粘着力がもどる」と言う性能があります。埃などがついて汚くなっても安心ですね。

 筆塗り専用の持ち手を作るだけで、すごく快適に塗装が楽しめますよ。ぜひ防振粘着マットを活用して、身の回りにあるものを「筆塗り持ち手」にジョブチェンジさせてください! それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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エアブラシ塗装実例多数収録!「ひとまずやってみる!」を後押しするパワーが込められた「エアブラシの教科書」。

 とにかくエアブラシを吹いてみたい、何ができるかを見たい、そしてエアブラシで使って実際に塗ってみた後にもう一度読むと、「あぁポイントはここか」、ということが書いてある。そんな一冊が、今回ご紹介する「エアブラシの教科書」です。

 こちらは去る2024年4月23日、ホビージャパンから発売となりました。私けんたろうもこのなかで色々製作や文章で関わっていますので、本の中身の紹介とつくるときに考えていたことなど、本書をご紹介しつつ書いていきます。

 エアブラシは塗装用具として筆に並ぶツールであり、初期投資費用こそ据え置きゲーム機ぐらいかかりますが、永らく使えて便利なツールです。コンプレッサーは本当に長持ち。

 私が使っているのはワーサー15Aです。もう10年は使っていますね。静かで空気圧も強力、頼もしい相棒です。

 今回のエアブラシの教科書は、フラットに塗ることやグラデーションなどエアブラシならではの定番テクニックだけで無く、とにかく多数の技法が詰まっています。ラップ塗装とか、アルコール落としとか、そのほかにも「これもエアブラシでできるの?」なんて裏技まで収録されています。

 エアブラシは理論も大事なのですが、最も大事なのが「ひとまずやってみること」。これは模型にとってとっても大事です。本書はそのステップを後押しするように、理論より実践が多め、という内容なんですね。すぐに実践に入ります。その実践例がたくさん掲載されていて、How toとカタログ合わせて162ページものボリュームになっています。

 もしかしたら、エアブラシを一度買ってみたものの、うまく使いこなせないでしまっているという人がいるかもしれません。そんな人にもまたエアブラシを触って欲しい、ちょっと面白いテクニックを見て再度興味を持ってくれたら……など、何か小さなことがきっかけでエアブラシをもう一度使ってみて欲しいと言う思いも込めています。

 いま市販の模型用エアブラシシステムは、どれも性能がよいものがそろっています。私は仕事の都合でさまざまな組み合わせで使うミッションをしてきたのですが、現在はコンパクトで静音重視の空気圧が小さなコンプレッサーでも広めの面積が塗れたりします。そんな今のエアブラシ関連アイテムが巻末に多数収録されています。

 こういったカタログで、今のエアブラシアイテムを俯瞰してみると、「今は本当にどれもいいものだな」と隔世の感があります。GSIクレオスより発売されているカロンのちょうどよさは、実際に使ってみて本当に楽しいアイテムでした。

 これから導入を考える方には、カタログのスペックも大事ですが、コンセントの位置や数、自宅でのスペース展開について考えてみてください。ライトや排気ファンのコードの取りまわしや、タップの数は結構必要だったりします。

 たくさんの工具のなかで、私けんたろうが一番好きな工具はエアブラシです。はじめてエアブラシを使ったときの、すごい速さで好きな色にプラモデルが変化したとき、入念なグラデーションで重みを魅せる塗装ができたとき、完成品ができたときの感動は忘れません。少しずつ実践で積み上げて、現在のいい完成品が作れるようになったと思っています……。

 自分の経験や一緒に本書を作ったメンバーの経験がうまく合わさって、1冊で基本から応用まで収録された本に仕上がっています。ぜひエアブラシ塗装にチャレンジしたい! エアブラシ塗装で悩みがあると言う方は、ぜひ本書をゲットしてくださいね。

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

花金だ!仕事帰りに買うプラモ。圧倒的スピードで組み上がるでっかい車模型でGWを駆け抜けろ!!「タミヤ 1/20 トヨタ セリカ LB ターボ Gr.5」

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はゴールデンウィークの連休にもぴったりの、組み立てるだけで気分がぶち上がる大きな車模型「タミヤ 1/20 グランプリコレクションシリーズ No.72 トヨタ セリカ LB ターボ Gr.5」です。ガンダム世界でもお馴染みのキーワード「シルエットフォーミュラ」の車です!

 この車は1970年代後半に人気を博したグループ5レーシングカー。このレースのマシンは市販車のフォルムを残しながら大改造して作られるため、別名「シルエットフォーミュラ」とも呼ばれていたのです。ベースとなったセリカの味はどこにあるの?? という記事もnippperにありますのでぜひ一緒にお楽しみください。

 箱を開けた瞬間に、天然生メタルアニキのパーツとご対面。花金の開幕を告げてくれます。銀の成型色のアニキを車に乗せると、セリカ LB ターボ Gr.5は一気にSFライクなマシンに見えてくるから、アニキの力ってすごいな〜と感心してしまうのです。

 メッキの質感はしっとり系とキラキラ系の2種になっています。エンジンの各部がメッキなので、組み上げるだけで高級な雰囲気に仕上がりますよ〜〜。

 ボディが大胆に分割されていて度肝を抜かれます。そしてこの2パーツだけで車の全容が見えます。本キットは基本細かなパーツが無く、さらにパーツ数もかなり少ないので3時間あれば組み上げられるでしょう。でかいパーツ同士をバンバン貼っていく大胆さと、すぐに形になっていくスピード感を味わえるのが本キットの魅力といえます。

 ボディの内部もエンジンルーム、内装に張り巡らされたロールケージも再現。この状態でもめちゃくちゃかっこよくて、好きな色に塗って汚したりしたらマッドマックス風味な車に変貌確定です。アニキがウォーボーイズになっちゃうルートも用意されています。

 最後にイケイケのボディパーツをつければ完成!! 内と外のテンションの違いがすごい! その違いもプラモを作ったあなただけが楽しめる体験です。打倒ポルシェを掲げて開発された日本生まれのドイツ製グループ5マシン、「セリカLBターボ」。あなたの週末のテンションを上げてくれる魔法が詰まった最高のプラモデルです。ぜひ楽しんでください!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

ゴッドハンド最強のヤスリセットアップは「削る刃(ブレード)&神ヤス!10mm厚」で決まりです。

 ゴッドハンドの大人気スポンジヤスリ「神ヤス」の10mm厚と、同社が発売している金属ヤスリ「けずる刃(ブレード)」の組み合わせがマジで最強です。スーツのセットアップくらいしっくりきます。その秘密がこちらです。

 ほぼサイズが一緒。神ヤスの方が少しだけ幅広です。たったこれだけなのですが、サイズが揃っているので、ほぼ同じ幅で削っていけるので、ズレやブレも無く少ない回数で表面の処理が終わります。この組み合わせが本当に好きでよく使っているので、「けずる刃(ブレード)」の表面の顔つきもカッコよくなっています。

 けずる刃(ブレード)は感覚的には320番〜400番くらいの削り心地。金属ヤスリなのでそうそう簡単にへたることは無く、常に一定の削り心地をキープしてくれます。初手にこのヤスリで表面を均し、その後に神ヤスで整えるというのが僕の定番となっています(曲面や丸いパーツには使用しません)。

 けずる刃(ブレード)の特徴が、金属ヤスリなのに、紙やすりのように前後左右に動かしてパーツを削れることです。多くの金属ヤスリは、前方に押して削るというのが一般的です。ガシガシと削る手軽さも魅力なのです。

 力を入れずにささっとやするだけで、表面が美しく仕上がります。金属ヤスリに発生しがちな、刃が食い込んだような傷もありません!

 その後に神ヤスの400番、600番で表面を磨いて上がれば終了です。ヤスリのサイズがほぼ同じだから、先ほどの削る刃(ブレード)と同じ感覚で表面を綺麗にしていけます。

 あっという間に綺麗になりました。神ヤスの10mm厚は手頃な硬さと反発があるのでエッジや平面も綺麗に整えられますが、その前により硬い金属ヤスリである削る刃(ブレード)を挟むことで、さらにカチッと角や平面が出ます。ガンプラやキャラクターモデルのパーツ整形にとってもおすすめのセットアップをぜひ揃えてください。それでは!

叢とプラモデル/「鉢」と「台座」の共通関係。

 その植物に似合う鉢を。僕たちがプラモデルで大事にしている「台座」と同じ考えを持っている植物屋があります。その名も「叢(くさむら)」。僕は植物をたくさん買ったり集めたり、部屋を植物でいっぱいにしたい! という願望はないのですが、お部屋のどこかに緑が欲しいと思うタイプです。

 そこでよくみているウェブサイトが「」です。僕がホビージャパンを辞めた時に、今でも一緒にお仕事をしているデザイナーさんが「お疲れ様でした」と叢さんの植物をプレゼントしてくれたのが、僕と叢さんの出会いです。それが一番上の写真の植物になります。この時植物にも驚いたのですが、鉢にも驚かされました。「これもいただけるんですか!?」と聞くと、「この鉢とセットでひとつの世界であり商品なんです」と教えてくれました。その時に、僕が大好きなプラモデルと同じじゃないか……と思ったんですね。

 確かに植物も素敵な鉢に入っていると見え方が一気に変わります。プラモデルもそう。ハードな汚し塗装をしているものでも、ソリッドな木材の上におけば軽い印象になる。主題を彩る力が、鉢や台座にはあるのです。

 叢のウェブサイトには「店主みずからが日本中を旅して集めた個性あふれる植物を、その個体の特徴を引き出す器とあわせて提案する」とあります。僕たちが作り出したプラモデルも同じですよね。それぞれしっかりと個性があります。

 先日僕の実家で開催した模型展示会「春のタンまつり」では、みんなで示し合わせたわけでもないのに、自分が作った模型をさらにかっこよく見せたいと、皆が「台座」を持ち寄って来てくれました。テーブルの上に直置きしないだけで、模型はテーブルの空間から切り離されて、より際立って見えます。台座に使用したものも、それぞれの製作者のイメージが反映されて、とても素敵な景色となっていました。

 僕は、いつもだったら使い終わったら捨ててしまうペーパーパレットや綿棒、スポンジなども一緒に展示しました。これも僕にとっての模型であり台座です。作っている途中に、「消耗品たちも一緒に走ってくれた相棒」のように思えたのです。だからこそ、これは僕のザブングルをより良く見せるための台座となっているのです。

 台座があると模型がカッコよく見える。そして次は、その台座にどんな思いを込めてみるか。叢の鉢の思想を持って、僕も自分の模型を家に展示できたらめちゃくちゃ楽しいだろうなと本気で思うのでした。大好きな模型だからね。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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オリジナルメカプラモの満漢全席がやってきた!!「TASTIER(初回限定版セット)」

 箱を開けたら、中から3つもの箱が!! 中国からやってきたオリジナルメカのプラモデルが、老舗ホビーメーカー・ウェーブより発売となります。まるでパーフェクトグレードかな? ってくらいのボリュームで定価7260円!! どういうことなの!? ってびっくりしながら、箱を開けてみるのです。

 このプラモデルは、中国の模型メーカー「和模线(HEMOXIAN)」によりオリジナル作品《超限零點/OVER ZERO》に登場する軍用サイボーグ「TASTIER」というもの。日本国内メーカー同様、中国でもメーカーがプラモオリジナルコンテンツを作り出し商品化しているのです。ウェーブが輸入販売をするこのTASTIERは、ひとつ商品に「TASTIER」本体、支援メカ「汎用型Mechanical Dog」とディスプレイ用の「複合整備台」がセットされています。言わば3アイテムがひとつになっているのです。だから外箱の中には3つの箱が入っていたんですね!

 こちらが主なセット内容。これで7260円。ちょっと理解できません。今回はまず「TASTIER」の箱を開けてみようと思います。

 サイボーグ「TASTIER」だけでもこのボリューム。プラの質感も国内メーカーのキットとほとんど変わりません。チューブなどは軟質パーツのランナーがセットされています。

 最も驚いたのが「塗装済みパーツ」の美しさです。このキット、シルバーのパーツだけで全て塗装処理されています。少しだけ粒子感がありながらめちゃくちゃ輝度が高いシルバーが選択されており、パーツを見ているだけでワクワクしてしまいます。組み立てるだけで高級感を演出できますね。

 クリアーパーツも紫や赤のものがセットされており、どちらもとっても透明度が高いです。傷やゴミの混入も見受けられません。

 水転写デカールの他に、バイザー内のディテールを選択できるエッチングプレートが付属します。これをバイザー内に入れるだけで、クリアーパーツ越しにきらりと光るディテールが表現されます。

 トイ的な遊びとして電飾ユニットも最初からセットされています。電池は別売りになります。

 試しに電飾ユニットの部分だけパーツをセットしてみたら、なんの苦もなくすんなりとパーツが収まりました。設計で無理をしているところも無く、パーツは多いですがスムーズな組み立てが期待できそうです。

 箱を開けてパーツを見てみるだけでもお腹いっぱいになれる「TASTIER」。今度は実際に組んでみて、どのような構造になっているのかご紹介してみようと思います。中国オリジナルメカプラモの今を確実に体験できること間違い無し!!! それでは〜。

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ゴールデンウィークに欠かせない「キャリーバッグ」が主役のプラモデル!/マスターボックス 1/24 ヒッチハイカー

 先日ずっと愛用してきたキャリーバッグが壊れてしまいました……連休、そして静岡ホビーショーへの旅に欠かせない相棒を失ったのです。「いっしょにいろんなところ行ったよな〜〜」と思いを馳せながら粗大ゴミに出したのでした。

 カバンやキャリーバッグは、まさに旅の象徴です。そしてそのような日常のアイテムも、今はプラモデルになっています。今回は旅の模型「マスターボックス 1/24 トラッカーシリーズ ヒッチハイカー エリカ・ケリー」をご紹介します。

 ヒッチハイク。ドラマとかでは見たことがありますが、僕の人生ではまだ一度も遭遇したことがありません。そんな景色をウクライナのメーカー・マスターボックスはプラモデルにしています。本キットの主役はエリカとケリーなのでしょうが、僕にとってはノンノンです。ランナー(プラモデルのパーツが繋がっている枠のこと)の中央にいるキャリーバッグです。君が俺にとっては本キットの大トロなのだ!

 ディテールはふわふわで、キャリーバッグという概念を抽出したような造形です。でもいいのです。キャリーバッグに見えるしね! これがあるだけで、そこに人がいなくても「人の存在」を車に追加できます。

 おそらく足はくるくる回るタイプなのでしょう。ヨーロッパの石畳にはめっぽう弱いタイプとみました。キャリーバッグの模型を見るだけで、旅情が掻き立てられます。「連休、人が多いからな〜」と思っても、やっぱり外に行きたいと思ってしまいます。

 試しに後部座席に転がしてみます。いきなり車の中の密度感がアップ!

 窓からちらりと見えるこの感じ! おしゃれでしょ〜〜。このチラ見せくらいなら、フワッとした造形でもあまり気にならないのです。キャリーバッグが豪快に置かれている。結構大胆な性格のオーナーさんなのかな〜とか、想像力を掻き立てられます。

 プラモデルにはさまざまなアクセサリーがあります。あなたが模型に込めたい思いや雰囲気は、アクセサリーによって強調できます。単品で売ってもいますが、このようにフィギュアと共にセットになっているアクセサリーもまた魅力的です。あなたにとって「これはいいな〜」というものが見つかりましたら、ぜひ僕たちに教えてください。みんなで楽しく模型を彩っていきましょう。

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僕のプラモライフに欠かせない「最強の赤」/シタデルカラー メフィストン・レッド

 水だけで希釈・洗浄ができて無臭の水性塗料「シタデルカラー」。発色・伸びも良く筆塗りにとっても適しています。かなりの色数があるのですが、その中でもこの「メフィストン・レッド」は僕のプラモライフに欠かせない「赤」です。シタデルカラーでベストイレブンを組むなら、絶対に加えます。キャラクターモデル、スケールモデルのどちらでも大活躍間違い無しなのです。買いましょう!!

 キャラクターモデルのミサイルの弾頭によく塗られる色が「赤」。モデルのアクセントにもなります。プラスチックの色で色分けされているプラモもありますが、このように別の色で成型されているキットもあります。こんな時、メフィストン・レッドに登場してもらいましょう。

 一つ30秒くらいで、つるんと塗れます。ひと塗りで一気に発色するので、1度全体を塗ったら次のパーツを塗るという順番で2週しましょう。それだけで綺麗に弾頭を塗り分けられます。

 こちら、全て筆塗りしたものです。塗料の伸びが良く、発色も良いので塗面が汚くなりません。

 さらに隠蔽力が抜群! 黒いランナータグ(プラモデルのパーツが繋がっている枠をランナーと呼び、ランナーの脇についているタグをランナータグと呼びます)にそのまま塗っても赤が発色します。

 ですので、グレーのパーツの上から直接赤を塗ってもしっかりと発色し、手早く塗り分けられます。飛行機模型のコクピットのスイッチ、キャラクターモデルの細部の塗り指示にもすんなり対応できます。数あるシタデルカラーの中でも1本あるとめちゃくちゃプラモ塗装が快適になる「メフィストン・レッド」。ぜひこの機会にゲットしてください!

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細い線が彫れる最高の神ヤスリ!「ゴッドハンド スジ彫りヤスリ」

 ゴッドハンド スジ彫りヤスリ

 刃物?? 何?? これは「スジ彫りヤスリ」という商品。最強のニッパーであるアルティメットニッパーを発売しているメーカー「ゴッドハンド」が販売している超人気ヤスリです。これがあれば、プラモに彫刻された細い線を簡単に彫り直せます。目立てヤスリをベースに開発された、本当に便利なヤスリなのです。

 そもそも目立てヤスリは「ノコギリのギザギザの刃を奥まで研磨して、切れ味を取り戻す」のに使用されるもの。それを模型用の特殊形状&薄さにして「スジ彫りヤスリ」として販売したのがこの商品です。僕が今作っているハセガワの「1/72 VF-1」製作で本当に大活躍なのです。その様子をご覧いただきながら、商品を解説していきます。

 ハセガワのVF-1の表面には繊細な彫刻が刻まれていますが、パーツの合わせ目を跨ぐところが数箇所あります。このまま、いつものようにゴリゴリと紙ヤスリをかけて合わせ目を消すと、ツルツルバルキリーに早変わりしてしまいます。そこで合わせ目を跨ぐ彫刻だけ、このスジ彫りヤスリで彫り直しています。早速合わせ目を跨いでいる横線を彫り直してみます。

 このヤスリ、片面にしか刃がないので両面に刃がついているヤスリよりも細い線が彫れます。ヤスリのサイズは2種類(そのほかに左利き用、右利き用もあり)あって、小が0.2mm以上のスジ彫りの彫り直し、極小が0.2mm以下のスジ彫りの掘り直しに適しています。今回は極小を使用しています。

 直線のスジ彫りを彫り直す際は、刃の先端が斜めになっている方を使用します。斜めにカットされていることで抵抗が少なく、余分な力が加わりません。刃を立てるのではなく、20度〜30度と少し寝かし気味にした角度にして、筋彫りにセットします。

 そして優しく前方に押します。切れ味が良いので、力を入れる必要はありません。そのまま押し進めましょう。これを数回繰り返せば、筋彫りは深くメリハリあるものになり、上からヤスリをかけても簡単には消えることはありません。これで安心して合わせ目消しができます。

 丸いパーツやパーツの角にある彫刻も、このヤスリのお腹部分を使うと綺麗に彫り直せます。バーニアなどの丸いパーツのディテールの彫り直しもできるほどの精度があります。

 斜めにカットされていない方を使用すれば、奥まったディテールの終点までしっかりと彫れます。

 スジ彫りというと、昨今はオリジナルのディテールをバキバキに彫るのが流行っています。それだけでなく、元から入っている彫刻を彫り直してメリハリをつけたり、より線を整えたりするのも立派なスジ彫りです。もとからあるかっこいい線をスジ彫りヤスリでなぞることで、習字のお手本を見て文字を書くような、お手本を知り再現するということも体感させてくれます。もともとあるものを綺麗になぞることは成功体験も得やすく、上達スピードも上がることでしょう!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。商品名から激戦地の空気を感じるアニキたち。「ミニアート カルヴァドス売り」

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、ブランデーを売り歩くアニキたち「ミニアート カルヴァドス売り」をご紹介します。二人のアニキが見せる素敵な景色を見ながら一杯飲みたくなるプラモです。

 ミニアートの小物シリーズの中でも「ビン」のパーツは超オススメ。これが入っているというだけでも買う価値があります。美しいクリアー成型のビンは、戦車の上だけでなく、さまざまな模型のアクセントになってくれます。

 また今回の商品名も良いですよね。「酒売り」とかではなく「カルヴァドス売り」。酒の種類を限定しています。カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方のカルヴァドス県やその周辺で作られているアップルブランデー。「ノルマンディー」と聞くと「上陸!!」と脊髄反射してしまうのですが、そのような激戦地でも逞しく酒を売るアニキたちなのかなぁ〜と商品名だけでも妄想できます。

 ミニアートのプラモの「木」も良いですよ〜〜。彫刻にとってもデフォルメが効いていて、かっこいいのです。

 酒のケースの刺身の完成です。めちゃくちゃ良いのですよ!! 木箱とクリアーパーツのビンが織りなすハーモニー。最高です。ビンも色違いなだけでなく、形状も2種セットされています。

 もうこれだけで情景が完成していますね! 地面を作らなくても、アニキが酒と共に時を過ごしているのが分かります。

 カルヴァドス売りのもう一人のアニキが引いている荷車。このランナーはミニアートのさまざまな商品で活躍しています。

 荷車アニキの服装がなんともオシャレ。ジャケットを着て、ネクタイもしています。そして腰巻きタイプのエプロンも良いのです。

 握り拳の先には、ちょこっと荷車の持ち手が成型されています。不要部分だと思ってカットしないようにしましょう。

 これぞミニアート!! カルヴァドス売り・爆誕!! いいですね〜〜。戦わないプラモを精力的に出し続けるミニアート。そのラインナップもかなり膨大になってきました。もはや軽い商店街ができるくらいになっていると思います。それぞれ本当にユニークなので、ぜひその最初の1個として「カルヴァドス売り」を作ってみてください。それでは!!

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プラモのパーツを外すための大ヒット工具パーツ・オープナーがさらに進化して帰ってきた!!「ウェーブ パーツ・オープナーV2」

 プラモデルのパーツを間違って組んでしまった! 塗装しやすくするためにパーツをバラしたい! そんな時に大活躍するのが「パーツ・オープナー」。プラモデルの世界には組んだパーツを分解するための工具もあるのです。面白いですね〜。レゴの世界にも似たような工具があります。

 その元祖がウェーブが発売した「パーツ・オープナー」。この元祖がパワーアップして「パーツ・オープナーV2」という名前で帰ってきしまた。光の翼です。

 パーツが合わさっている合わせ目部分に、このパーツ・オープナーの先を差し込み。こじ開けます。セイヤっ! と一気にこじ開けると破損してしまうことが多いので、ゆっくり優しくキコキコとこじ開けます。

 「V2を信じるんだ!」と言っている暇もなくパカっとパーツが外れます。パーツの破損も少なくなるし、少ない力でパーツを外せるので、一度使うと病みつきなのです。キャップもボディ内に収納可能なのも嬉しいです。

 V2は先の幅が小型になり、より狭いところや小さいパーツにも対応可能となりました。そしてナックルダスター(メリケンサック)のような薄くてフィットする持ち手にもなり、より中2ハートを刺激してくれる姿に変貌しました。

 そしてボディには6角穴と数字が書いてある丸穴が空いています。6角穴はストラップなどをつけられるために、数字の書いてある穴は「軸径」をお手軽にチェックできるために空いています。

 このように3mm軸を通してみると、ぴたりとフィット。他に5mm、2mmの丸棒を計れます。パーツをこじ開けるだけでなく、ちょっとしたアイディアもボディに搭載された「パーツ・オープナーV2」。パーツを外したりバラしたりする時にとっても力になってくれるので、ぜひこの機会にゲットしてください。

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「流し込み接着剤」があるだけでプラモの組み立てがめちゃくちゃ楽になる話。

 2002年にハセガワ初の人型メカプラモデルとして送り出された「1/72スケール VF-1 バトロイド バルキリー」。まだ10代だった僕は、このキット化に興奮して買ったものの、最後まで組み立てられませんでした。当時の僕はある接着剤の存在を知らなかったのです。そう、今回のテーマ「流し込み接着剤」です。それさえ知っていれば、もっとスイスイ組めて、机の上にVF-1を飾れたに違いなかったのです!

 当時の僕は、この白い蓋のタミヤの接着剤とウェーブの瞬間接着剤しか使っていませんでした。この白い蓋の接着剤は粘度が高いのが特徴。蓋の裏にセットされているハケを使って、パーツの軸などにペタペタと塗ってパーツを貼っていきます。今の自分なら、この白い蓋の接着剤だけでも形にできそうですが、当時はこの接着剤だけを塗って組んでいって挫折したのです。

 ハセガワのVF-1は、表面のディテールがめちゃくちゃカッコよくて、リアルなモチーフを触ってきたメーカーが送り出すリアルロボットの味を楽しめます。接着剤を使用して組んでいくことが推奨されているプラモでもあります。

 しかし、ここが癖ものなのです。接着剤推奨なのに、結構な箇所に「スナップフィット(接着剤を使用せずにプラの嵌合でパーツをとめていく模型)かな? ややスナップフィットかな?」というファジーさあるのです。さらに「ちょっと入んないんですけど!?」ってくらいきつい軸&軸穴なんかもあり、パーツを組み合わせていくたびに、軸の先と穴を軽く合わせてチェックしていく必要があります。そういうプラモだと知らないで、当時のヤングフミテシは裸一貫でハセガワのVF-1に飛び込んだのでした。

 そのファジーさを解決してくれるのが「流し込み接着剤」です。今の僕の模型製作において、主役と言える接着剤。この接着剤があるだけで、ハセガワのVF-1は、よりあなたに近い距離のプラモデルになります。上の写真は、スケールモデルキットのように、軸がパーツを止めるのではなく位置を決める嵌合になっているパーツ。こういう場合はパーツを同士を合わせた部分に、流し込み接着剤の蓋についている筆をちょんと置くだけでパーツが接着されます。接着剤の後も目立たなくて綺麗な仕上がりになります。

 これは軸と穴の径が合ってなくて、奥までしっかりと入らないパーツ。こういう箇所にも流し込み接着剤があるだけで、スムーズに解決できるのです。

 軸を短く切る、もしくは全てカットしてしまいます。

 軸を綺麗にカットすることで、パーツが面と面で密着するようになりました。あとはそこに流し込み接着剤を流すだけで良いのです。時間も短縮できる上に、パーツが合わさる精度も上がっています。

 当時人型にまで組めなかったVF-1が今目の前に!! 流し込み接着剤の恩恵で、憧れていたハセガワのVF-1 バトロイドバルキリーを手に入れられました! ゆるい・硬いというファジーな合わせが多いプラモデルは世の中にたくさんあります。そのファジーさの間を取り持つことがもできるのが「流し込み接着剤」。確実にプラモの世界を広げてくれます。取り扱いもとっても簡単なので、まだ使ったことがないという方、ぜひあなたの工具箱にお迎えください!! それでは〜〜。

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ロボットプラモの足元を超簡単に汚せる最強塗料「Mr.ウェザリングペースト マッドイエロー」

 キャラクターモデルの青や赤といった派手な足元のカラーにも負けないナイスな塗料。それが「Mr.ウェザリングペースト マッドイエロー」です。これを塗って余分な塗料を落とすだけで、カッコ良く足元に砂汚れを施せます。

 瓶の蓋を開けるとかなり黄色味が強いです。この色だからこそ、派手な足元の色にも負けません。Mr.ウェザリングペーストは泥や土、砂汚れを立体的に施せるように設計されたペーストです。Mr.ウェザリングカラーの姉妹アイテムとなっています。

 ペーストの濃度はMr.ウェザリングカラー専用うすめ液で調整できます。僕は伸びをさらに良くしたいので、ほんの1滴だけ加えます。薄め過ぎるとペーストの意味が無くなってしまうので、ほんの少量で良いです。

 汚したい部分にペタペタと塗っていきます。粒子感あるまさに砂や土と言った塗料。写真でも細かな粒子が確認できますね。

 Mr.ウェザリングペーストの特徴が、乾燥すると色が1段明るくなるということ。瓶の中の時よりも黄色味が少し落ち着きます。この乾いた状態の雰囲気が最高なのです。ここから余分なペーストを落とすのですが、このように完全乾燥してから塗料を落としにかかった方が作業しやすいです。

 ペーストが乾いたら、メラミンスポンジで上から下方向(重力方向を意識しています)へと塗料をこすり落とします。もうこれだけです。メラミンスポンジの細かな目が塗料をランダムにこすり落としてくれます。

 完成!! スポンジがひっかかるパーツの角などにいい感じにペーストが残り、非常にメリハリある汚し表現が出来ます。ガンプラやキャラクタープラモの足元にめちゃくちゃ相性が良いので、ぜひMr.ウェザリングペースト マッドイエローをお試しください! 最高ですよ。それでは!!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。個性的荷物をあなたの机上にお届けします。「ファインモールド 帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車 甲」

 干物! 切いか! 貝紐! まさに花金のあてとも言えるワードがびっしり!! そんなハイテンションプラモの登場です。

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でご紹介する「花金プラモ」。今週はファインモールドから発売された「 1/35 ミリタリーシリーズ 帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車 甲」をご紹介。パッケージからも分かる通り「荷物輸送」をテーマとした人と馬の景色を楽しめるプラモデルです。

 馬1頭、人ひとり、輜重(しちょう)車1両のほかに箱や樽がわんさかセットされています。輜重という聞き慣れない言葉ですが、これは軍需物資の輸送に使用される人や馬がひく車を指し、転じて荷物そのものや輸送を行う人員・機器材を意味するそうです。

 戦闘ではなく、戦いを支えるための景色もこうやってプラモ化される。またひとつ、豊かな景色を楽しめるプラモデルが生まれたことに乾杯なのです。

 輜重車に乗せる荷物の塊がとってもファインなモールドです。荷物に布が被せられた状態を1パーツで表現しています。これだけ眺めていてもめちゃくちゃ楽しいです。うっすらと中の荷物の雰囲気が凹凸で感じられます。さらにファインモールドのプラモのすごいところは、組み立て説明書のディープな解説。荷物の固定方法の詳細さは、まるで迷路ブックを読んでいるかのよう。

 輜重車には1パーツの荷物だけでなく、樽や箱を個別でも詰めるので、その際にはこの固定方法を参考にディテールアップも楽しめます。

 そしてこちら「生物」がひしめくランナー(プラモのパーツが収められた枠のこと)。ひとめ見て、馬の装備が細かい! 荷物を引く馬のプラモ化ってこんなに細かくなるのね! って思わされます。

 馬のモールドもとってもファイン。成型が良すぎて肌ツヤ抜群。プラモパドックに登場したら間違いなく一番人気。みんなの視線を独り占めでございます。装備品を取り付ける場所やボディパーツを合わせる場所にはしっかりと軸や糊代が用意されているのも素敵です。

 兵隊さんのほうも手綱と手首が一体化されたりしていて、パーツ分割がとてもユニーク。今回、馬や人には3Dモデリングが導入されているので、より細かな細部表現や今までのファインモールドのフィギュアプラモには見られなかったパーツ分割なども堪能できます。ファインモールドにとっても新たなチャレンジの幕開けとなるプラモと言えます。

 馬、人、輜重車を堪能した後に待っているのがデザートと言える荷物。こちらに先ほどのユニークなデカールを貼っていくことで「俺は味噌樽! 俺はひじき!」とそれぞれに個性が生まれます。あなたが無効性な箱や樽に個性を与えて運ぶのです。あなたの模型世界には何を持っていきましょうか。そんなことも考えながら楽しめる素敵なプラモ。まさにパーツやデカールを眺めているだけでも花金の向こう側(土曜日)へと突入してしまいます。めちゃくちゃ最高のプラモなので、ぜひこの週末楽しんでください!

1/35 ミリタリーシリーズ 帝国陸軍 軍馬輸送隊セット 三九式輜重車 甲

フミテシ/nippper.com 副編集長

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あなたのお気に入り塗料の引っ越し先はすぐ目の前にあった/使い終わった溶剤のボトルは最高の物件です!

 プラモの塗装を楽しめば楽しむほど空っぽになっていくのが「溶剤」。そして思い出はいっぱいになっていきます。いつも何も気にせず処分していた容器ですが……これ再利用できるやんって40歳になって気がつきました。

 こちら、模型塗料メーカーとしても最大手のGSIクレオスが発売しているうすめ液のボトルです。うすめ液というのはその名の通り「塗料を薄めるもの」。筆塗りする時に伸びを良くしたり、エアブラシで塗料を吹き付けるために薄めるのに使用します。その溶剤を入れておくボトルやビンなので、塗料への耐性も考えられています。模型用塗料の耐性がしっかりしているボトルやビンを一から探すのは結構大変。だから使い終わったボトルって実はお宝だったりします。

 溶剤の中でも超強力なのがツールクリーナー。プラモのパーツも溶かすほどのパワーです。その溶剤にも耐えうるように作られているので、この中に大量に作り置きしたい塗料を入れてもへっちゃら。スパーキングしません!!

 今、水性塗料筆塗りの下地塗料として超話題の「ガイアノーツ メカサフ HEAVY」。これをすぐにエアブラシで塗装できる濃度に希釈しておいて保存したい時、使い終わったボトルがとっても便利なのです。

 そしてそれを可能としてくれるのが、こちら。「GSIクレオス うすめ液 大・特大ボトル用 Mr.注ぎ口キャップ」です。これをボトルに取り付けるだけで、蓋を開けることなく、つまみを捻るだけで塗料を適量出せます。空ボトルが、この帽子を被っただけで転職しちゃうんです。

 攪拌ボールなんかも入れておくと最高ですね。これで使う前に振れば、中の塗料もしっかりと混ざります。

 空のボトルに塗料を入れる時、希釈率がイマイチわからない! ってときは焦らずに「移す塗料のビン」を活用しましょう。もし満杯の状態の塗料をすべて空のボトルに移したら、ビンに同じ量のうすめ液を入れて、ボトルに注げば1:1ですね(主に塗料1:溶剤1の割合が良いとされています。やってみて自分の好みの濃さを見つけてみてね)。すでに何回か使って、減っている塗料でも、ボトルに注ぐ前におおよその塗料の量を目で見て覚えて、塗料をボトルに移し終えた後に同じくらいの溶剤をビンに注いでからボトルに移せば、大体1:1で割れます。

 あとは軽くシェイク。キャップのつまみが閉まっていることを確認してからシェイクしないと、注ぎ口からスパーキングするので気をつけてください。

 今日から君は「メカサフ HEAVY」だ!! よろしくな!!

 特にこのMr.ウェザリングカラー うすめ液(大)に使われている250mlボトルは、とっても使い勝手の良いサイズでオススメです。使い切ったボトルを全部取って置くとそれはそれで邪魔ですので、いい感じにセレクトしながら再利用すると良いでしょう。サフやお気に入りの白、あなただけの勝負色などを大量に保管してみてね! それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

「今すぐ真似したい!」しか詰まっていない最高の飛行機模型塗装指南書。1/48 アメリカ海軍ジェット機の塗装テクニック

 先日、東京・青山の「ラパン・エ・アロ」で開催されたスケビフェス2024で先行販売された「1/48 アメリカ海軍ジェット機の塗装テクニック」(MOKEO/著)が、めちゃくちゃ最高でした! 今すぐ真似したい! しか詰まっていません!!

 飛行機模型雑誌「スケールアヴィエーション」にて、多数の作例を手掛けているMOKEO氏によるHow to本。アメリカ海軍のジェット機仕上げの二本柱である「ロービジ」と「ハイビジ」をテーマに、それぞれの塗装方法を、今購入しやすい定番マテリアルのみで仕上げていきます。ページを捲るたびに、「模型店でよく見るマテリアルだけで、こんなにすごいのができちゃうのか!!」って気分がぶち上がります。そうさせてくれるレイアウトの素晴らしさが本書にはあり、読んでいてスイスイと頭に入ってくるのです。

 模型仕上げのジャンル的には「ハイビジ」というのが光沢あるガルグレー/ホワイト迷彩機、「ロービジ」はモノトーンで地味なタクティカル・ペイント・スキームを指します。近年ではモノトーンに派手な汚しを加えるロービジ仕上げが人気にも思えますが、本書のハイビジファントムを見て俺も、「これは真似して〜〜!」って気分がぶち上がったんです。

 その理由が「ハイビジの中に潜む汚れ」を模型で超カッコ良く表現されていたから。光沢仕上げの各所にある汚れが、グレーの機体に色味を追加しながら、さらにツヤ感にも変化を与えていてとってもセクシーなファントムになっていたのです。個人的にもツヤ感がパーツごとに差異がある模型が大好きで、ハイビジ塗装の新たな表現を見せてもらえて感動しました。

 How to写真がめちゃくちゃ綺麗で、模型を作っていく過程の魅せ方も学べます。僕はHow to本の途中写真が大好きで、撮り方やアングル、下に敷いているものを、学生の頃から暗記するように見ていました。本書の途中写真はライティングが柔らかくて、読んでいる人に安心感を与えてくれます。そして写真も大きく掲載されレイアウトもすごく清潔感があります。だからこそHow toのポイントもスイスイ入ってくるのです。

 そして最後には著者MOKEOさんの模型ライフスタイルが掲載されています。この製作環境もめちゃくちゃ参考になります。プラモデルを「立って」作るスタイルには驚かされました。健康にも良さそうだし、最近腰が痛い僕にとっては超参考になりました。

 1枚1枚の写真、日本語&英語キャプション、そして最高にかっこいい完成カット。飛行機模型を作る楽しさ、魅せる楽しさが超凝縮されています。発売は2024年4月17日。ぜひゲットして、あなたの塗装の参考に読みまくって手を動かしてください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

今、「水性ホビーカラー最大の弱点」が克服されようとしている転換期!水性ガンダムカラーが水性ホビーカラーの世界を変える。

 近年完全リニューアルされて、同じ名前ながらもまったくの別物塗料に進化した「水性ホビーカラー」。しかし、1点だけ弱点があると指摘されてきました。それは「色数がすくない」ってことです。確かにラッカー塗料のMr.カラーに比べると色数がとても少ないのです。でもこの弱点を、GSIクレオスは国内最強プラモワールドと紐づけて解決しようとしています。そう「水性ガンダムカラー」です……。まじで今、水性ガンダムカラーのラインナップが大変なことになっているんです。侮らないでよ……。

 上の写真は通常の水性ホビーカラーにあるホワイトとグランプリホワイト。他につや消しホワイトなんかもありますが、白の選択肢がやっぱり少ないです。

 しかし! 水性ホビーカラーの特色シリーズ「水性ガンダムカラー」にはとっても使えそうで良い白がたくさんラインナップされています!! 境界戦機シリーズも入れれば、さらに白の選択肢が広がります。ガンプラの色を増やすことで、通常カラーのラインナップの少なさを補完していく……それがGSIクレオスの戦略なんだね!

 ガンダムの白はとっても好みが分かれるので、さまざまな白が出ているのは超ありがたい。またグレーの強い白なんかはスケールモデルでも大活躍。闇雲に専用色を増やしているのでは無く、各モビルスーツやキャラクターに合わせたラインナップとなっているので、使いやすい色、使ってみたい色が多いのです。

 そして通常ラインナップの方では蛍光カラーやメタリックカラーが追加されてきています。水性ガンダムカラーでアニメメカの独特の中間色などをフォローし、蛍光やメタリックといった部分を通常ラインナップで広げていく。とても頭の良い戦略が今の水性ホビーカラーにはあるのです。

 オレンジの部分に蛍光オレンジを薄く筆塗りするだけで、下地のオレンジを透かしながらツヤ感と色味を追加できます。こういう独特の変化も水性ホビーカラーで表現できるのです。

 通常の水性ホビーカラーと、水性ガンダムカラー、その他のキャラクター系特色を使用すれば、きっとあなたが思い描く色で塗装が楽しめます。通常の水性ホビーカラーの隣にある「水性ガンダムカラー」もじっくりと観察してくださいね! めちゃくちゃ良い色ありまっせ。それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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プラモの塗料を混ぜる棒の先にあるお玉様で「筆塗りが快適になる秘密」。

 僕にとって塗料を混ぜる撹拌棒には「お玉様」がとっても大事なのです! 業務用のマドラーがとっても良いです。

 模型用の塗料はしっかりと混ぜてから使います。その行為は必須なので「混ぜる」ことに関するグッズでもひと勢力作れるくらい商品が展開されています。メジャーなのは上の写真の「ヘラ」状のもの。塗料瓶の中の塗料の塊を「切る」ように混ぜられます。

 対して僕が好んで使っているお玉様は、塗料の塊を「潰す」ように攪拌します。どちらもしっかり混ざれば問題ないので、混ぜる感覚の好みで使い分けて良いです。僕は「切る」感じで混ぜた時に、塗料塊にヘラが突っかかって瓶の中で跳ねて、塗料が飛び散ったりした経験があるので、「潰す」ように混ぜるほうが好みです。

 こちらはグレー寄りの黒い塗料なのですが、瓶を裏返すと黒とは思えない色になっていますね。これが顔料の塊。しっかり混ぜないと本来の色が出ないのです。

 コーヒーを混ぜるようにぐるぐる回します。顔料の塊に当たった感覚があれば、潰してみてまた混ぜます。

 黒くなりましたね! これが本来の色。こうなるまでしっかりと混ぜます。

 で、一番「お玉様」を崇め奉っている理由がこれ。「筆塗り1回分」くらいの塗料を1撃でペーパーパレットに移せるのです。瓶から出したお玉様を、ペーパーパレットの上に降臨させます。するといい感じの雫がパレットに落ちていきますね〜。

 最高です。筆塗り時にまさにベストな量。塗料を使いすぎることもなく、経済的なのです。撹拌棒は混ぜるだけでなく、塗料を移すという役割も重要です。その部分こそ、僕がお玉様に心惹かれている理由です。電動で塗料を混ぜるアイテムと一緒に使っても良いと思います。撹拌棒ひとつでも、みんなと意見が出し合える。プラモデルって本当に面白い趣味ですね。

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。1000円でベロベロに酔える「ハセガワ 1/72 F-8E クルーセイダー」があなたの週末を輝かせます。

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。ハセガワのジェット戦闘機プラモの「細長い箱」の中には、いつだって最高の週末が詰まっています。「1/72 アメリカ海軍・海兵隊 艦上戦闘機 F-8E クルーセイダー」もそんなプラモデルです。

 模型店の飛行機コーナーにたくさん積まれているハセガワの定番たち。その中でも箱に「C」と書いた帯が印刷されている「Cシリーズ」は、ちょっと昔のプラモデルがラインナップされています。低価格で、キット内容もシンプルな物が多く、飛行機模型をサクッと組んでみるのにはとても良いシリーズです。

 Cシリーズのクルーセイダーの箱を開けると目に飛び込んでくるのが長い棒と大きな翼! この二つの要素が合体して飛行機になるんだね! ってのが大人から子供まで分かるプラモです。脳に優しいのです。

 パネルラインの彫刻は凸。これが超かっこいい。光が当たると、各ディテールが浮き上がって、まるで全身シックスパック(??)状態。ムキムキボディのクルーセイダーなのです。

 そして主翼はたった2枚! 上下貼り合わせるだけで完成しますよ。どんどん形になっていくのです。

 いいね! って思えるのが脚庫とか脚庫カバーの内側。ここのそれらしいディテールがナイスで、開けた状態にしてもいい感じの密度感が約束されています。

 クルーセイダーといえば背中の洗濯板!! クルーセイダーには、離着艦の際の機首上げ角を抑えるため、油圧で主翼を上下に動かすことで迎角を変える唯一のシステムが搭載されています。先ほどのでっかい主翼が上方向に開くのです!! もはや戦後では無い!! そんなテンションで開けた状態でもディテールがあるので安心です。僕は閉めました。

 きますよきますよ……ステルスガオーみたいな形の翼が! 君の背中にファイナルフュージョン……

承認!!! 今週末のあなたの机は飛行甲板確定です。

 武装もシンプルなパーツ構成なので、あっという間に完成します。胴体の脇にミサイルを搭載するってのもかっこいいのです。胴体にデカールを貼る時は、デカールを貼ってから、武装を接着しましょう。

 ディテールは少なめですが、メインノズルの雰囲気はとってもセクシーなのです。

 アメリカ海軍で最初の本格的な実用超音速戦闘機として活躍した「F-8E クルーセイダー」。今の飛行機とはちょっと変わったシルエット&デザインを、1000円で楽しめる本キットは、まさに花金プラモの王道です。金曜日の夜には完成して、土曜日に塗装にチャレンジ! なんてこともすぐできます。こういう定番と過ごす週末はとても気持ち良いですよ。それでは!

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プラモのスポンジ塗装は「ラッカー塗料+水性塗料」の組み合わせでさらに自由自在になる話。

 ご家庭にある「台所用スポンジ」や「メイク用スポンジ」が筆やエアブラシと同じように、立派な塗装道具になる! 模型の世界では多くの人に知られたとっても便利なテクニックです。スポンジにお好きな塗料を染み込ませてポンポンとパーツを叩くだけで、ランダムなテクスチャー感ある塗装ができます。これが戦闘を繰り返したモビルスーツ、長年乗られている車、戦車や飛行機の傷などを表現するのにぴったりなのです。さらにこの方法、水性塗料とラッカー塗料を組み合わせるとさらにかっこいい表現ができます。早速やってみますよ。

 まずはメインカラーをラッカー塗料で塗ってください。今回は車にタミヤのマットホワイトを缶スプレー。

 次にこの車の一部を黄色で塗ります。使用するのが水性ホビーカラー ガンダムカラーの「RX-78-2 ガンダムイエロー」です。クセがなくて、明度の高い黄色が塗れます。スポンジは100円ショップで買ったメイク用スポンジを使用します。

 メイク用スポンジは手に馴染みやすく、キメが細かいので気に入っています。このスポンジをあえてちぎって少し目を粗くすると、よりランダムな塗装表現が可能です。ちぎらないで使うと、とっても細かい点々を表現できるので、シチュエーションによって使い分けてください。

 塗料をスポンジに染み込ませたら、まずはペーパーパレットの空いているところにポンポンして、塗料の量を調整します。

 あとは塗りたい場所にポンポン。白の上から塗ると、塗料のムラが色褪せや剥がれに見えます。スポンジで塗ることで、作為的ではない自然なランダムさをまとった雰囲気となります。

 この後、細部や塗装剥がれの雰囲気を筆塗りで調整。とくにパーツのキワの部分はていねいに塗って、塗り分け部分を明確にします。

 で、問題はこのスポンジが暴れてはみ出したところです。黄色のパネルの上は白のままにしたい……そんな時にこそ、「マジックリン」です。マジックリンは、下地として塗ったラッカー塗料を侵すことなく水性塗料だけを拭き取れます。

 綿棒に少量のマジックリンを染み込ませて拭き取ります。それだけでOK!

 塗り分け完了! スポンジ塗装・水性塗料・マジックリンはお手軽テクスチャー塗装の3種の神器! 全模型で活用できる方法なので、めちゃくちゃ塗装が楽しくなりますよ! ぜひ真似してください。それでは〜。

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タミヤの定番にいる上質のつや消しホワイトスプレー。「TS-27 マットホワイト」

 僕が今一番気に入っている缶スプレーがこの「タミヤ TS-27 マットホワイト」。どこでも買える定番スプレーですが、とってもしっとりとして触り心地もサラサラした、上品なつや消しホワイトを気軽に塗装できます。マストバイです!

 テカテカ光沢の黒い台座。こちらをしっとりマットな白い台座にクラスチェンジさせてみますよ。

 全体に薄く塗って乾かすという塗り方で、各面3回ほど吹きました。しっかりと黒を隠蔽しながら美しい白に仕上がっていますね! つや消し仕上げですが、表面にざらざらした感じは一切無く、とってもしっとりしています。

 あっという間にかっこいい台座の完成です! あれだけ黒かったものを、厚塗りすることなく白に変えられますよ。

 こんなに光沢で綺麗な車のボディ。僕は最近車模型をつや消しスプレーで塗装するのにはまっているので、このマットホワイトに超助けられています。

 しっとりボディ、爆誕。缶スプレーを吹くだけで、こんなに上質な白をゲットできちゃいます。しかもタミヤの定番品。最高ですね。ぜひゲットして使ってください! それでは〜。

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己の作りたかった世界観をプラモに貼れ!直球で伝えるあなたの思い。

 模型展示会に行くと、作った模型の機体名や作品タイトルが札やプレートになって置かれている。それには「何を作ったものか」、「作った人がどんな思いを込めて作ったのか」がみる人に伝わってくる効果がある。松本で開催された松本城下町モデルコレクションに参加したときに、僕はそういう札やプレートを持っていかなかった。これはちょっと後悔していたのだ。

 そんな思いが頭の片隅に残りながら、マイクロエースの1/24 ダッジチャレンジャーを作っていた。そして女性も隣に添えようとしていた。女性プラモが塗りあがると、プラモのパッケージとは異なるなんとも迫力あるアネキになってしまった。キラキラカワイイは、今の俺には遠い世界。80年代ロボットアニメで硝煙や砂埃の中を強く生きる女性のような雰囲気に仕上がってしまったのだ。「ちょっとボス味がすごいな……ボス!?」、そのとき閃いたのだ。もうこの女性を、そこら辺を仕切っている姉御って設定にして、迫力あるダッジチャレンジャーに添えようと。車にも似合う。あとは誰が見てもボスの車に見えるようにメッセージ性を込めるだけだ!

 そういう場合はデカールだ! デカールにはマークや文字でキャラクター性を演出できる魔法がある。頼む……良いのがあってくれ……。家のデカールストックファイルを隅々まで探してみた。

 勝った……ど直球「THE BOSS」のデカール。もうこれを貼れば、俺が作ったダッジチャレンジャーはボスの車だ。誰もこの車には敵わない。そしてその隣に姉御を置けば、街の治安は守られるのだ。まさにTHE BOSS。これが俺の作品タイトルだ!

 飛行機模型のデカールの中にあったノーズアートを貼れば、さらに色気も出てくる。ボスの色気ってもんがさ。

 台座に乗せれば、もうタイトルプレートがなくてもわかるだろう! 俺が作りたかった世界が。見せたい世界、感じてほしいメッセージがあったら「模型に直接貼る」。そんな選択肢があってもいいじゃないか! 実際に貼ってみて、俺はすごく気に入っている。

 プラモってのは人が作った分だけさまざまな思いがこもっている。それをひっそりと模型の中に閉じ込めておくのも、俺は粋でかっこいいと思う。でも時には、メッセージ性を解放して「俺の歌を聴け」状態になっても良いと思う。そんな時は、模型に直接貼ったり塗ったりしてしまおう! プラモに思いっきり語らせようぜ!!

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思い通りにスイスイ削れるヤスリ!GSIクレオスのニューフェイス「極 ブラックブレード」をレビュー!!

 Mr.カラーや水性ホビーカラーといった、模型塗料の大定番を送り出しているメーカー、GSIクレオス。そのクレオスが発売している高性能金属ヤスリシリーズが「匠之鑢」です。このシリーズに、新たに「極 ブラックブレード」というなかなかに中2魂ほとばしるヤスリが加わりました。何やら、めちゃくちゃ切れ味が良くなったみたいです。早速使ってみます!

 最先端の表面処理である電解研磨技術によって、刃がより鋭利で表面もきれいに仕上げられています。また化学研磨することにより刃の色が黒くなるそうです。これがブラックブレードの由来となっています。

 ヤスリを見ていると、側面にも刃がありました。狭い面を削るとき、ピンポイントディテールを削るときなどに使用できそうです。

 あえて大きめに残してカットしたゲート(プラスチックの枠とプラモのパーツを繋いでいる部分)を削ってみて、切れ味をチェックします。

 ゲート部分に、ピタッとヤスリを密着させます。この時点ですでに「ぐっ」と刃がパーツをキャッチしてくれている感覚が指にしっかり伝わってきます。前方に押し出すように、一方向に動かしてゲートを削っていきます。

 ほんの5回ほどであれだけ大きなゲートが削れました。しかもこの削り跡のきれいなこと。金属ヤスリで削った表面は、ギザギザになってそうなイメージを持つかもしれませんが、このブラックブレードは目の細かいヤスリで削ったかのようなきれいな面になります。しかも切れ味が良いので、紙ヤスリよりも圧倒的に早く削れます。刃の種類は「中目」と言われて、面を整える作業よりも削り出しに向いたものです。それでもここまできれいに削り出せます。

 ニッパーでパーツを抉ってしまった箇所も、少ない回数できれいに整えられます。

 ヤスリをピッタリとパーツに当てます。2回ほど前方に押してみましょう。

 整いました! この切れ味は、本当に癖になります。ヤスリの傷よりも、僕の指紋の方が目立つくらいです。

 このヤスリを立てて、角を当てるようにすれば、カンナがけのような削り方も可能です。パーティングライン(金型と金型の間に入ったプラスチックが薄い線のように成型されたもの)もあっという間に除去できますね!

 びっくりしたのが、削りカスが簡単にサラサラと落ちること。表面整形の美しい刃なので、削りカスも引っかかることなく、サラサラと落ちるんですね。

 脅威の切れ味で、短時間で整形できて、お掃除も楽々。GSIクレオスの新たな金属ヤスリ「極 ブラックブレード」は、1本手元にあると間違いなく模型製作が快適になります。ぜひ迷わずゲットしてください!

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6歳児が「ウェーブ P.K.A.」の門出を祝う。キッズが掴んだマシーネンクリーガーデザインの源流。

 「お父さん、この透明のパーツ、ヘリコプターの窓みたいだね」。
 僕は震えました。6歳の子供にもマシーネンクリーガーのスーツの向こう側にある世界が見えていたのです。実際のモチーフのプラモデルを切り出して生み出されてきたマシーネンクリーガーのデザインのパワーを、息子のたった一言で体感できたのです。

 イラストレーターの横山宏氏により生み出されるさまざまなメカをプラモ化している「マシーネンクリーガー」シリーズは。本シリーズのメカは、デザインの源流に実際の兵器の姿が隠れたりしています。それはパーツだったり、時には名前だったり。それを知って作るのも、作ってから知るのも楽しいので、SFメカが僕らの世界のかっこいいモチーフに導いてくれます。そんなコネクト感も僕は大好きで、マシーネンクリーガーのプラモをよく楽しんでいます。だからこそ、今回ウェーブより新発売された「P.K.A.」のプラモをリビングで組んでる時に、隣で焼きおにぎりをもぐもぐしながら「ヘリコプター」って言った息子の言葉に衝撃を受けたのです。

 P.K.A.というスーツは、ヒューズH-500というヘリのパーツを加工して生み出されています。息子は元になったヘリの名称までは分かりませんが、「透明のパーツと、この丸い穴が開いてるパーツがヘリコプターに見えるんだよな〜」って言って、喜んでました。

 まさに40年ぶりに完全新規プラモとして復活したP.K.Aの門出を祝うかのような息子の言葉。キッズもマシーネンクリーガーの楽しさを掴めるのです。それを聞けただけで、プラモの箱を開けて、ニッパーを握って良かったと思います。P.K.A.、ふたりで笑いながら作ろうと思います。

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プラモの塗装をミスっても大丈夫!「ガイアノーツ newペイントリムーバーR」で諦めスイッチを撃退だ!!

 塗装をミスってもこれがあればやり直せる! プラモの世界には塗装をやり直せる液体「ペイントリムーバー」というものがあります。「塗ってみたら思い通りの色じゃなかった…」「塗装中にパーツを落として塗面がぐちゃぐちゃ」など、諦めたくなるシーンに待ったをかけてくれます。今回は「ガイアノーツ newペイントリムーバーR」を使用しました。

 使い方はいたって簡単。塗り直したいパーツをペインリムーバーに5分から10分漬け込んで、歯ブラシなどでパーツをゴシゴシ擦るだけです。

 模型の世界ではよく「ドボン」という表現が使われます。それはまさに、ペイントリムーバーの中にパーツをドボンと入れるから。今回はフィギュアをドボン。紙コップにペイントリムーバーを移しています。

 5分ほど漬けたら、歯ブラシで触れてみます。するとこんなふうに塗料が溶け出し、グレーのプラスチック肌が露出してきました。軽い力でみるみる塗料が落ちていきます。

 リムーバーの中で全て塗料を落とせたら、仕上げは中性洗剤でパーツを洗い、表面のリムーバーを全て除去します。

 綺麗に元の状態に戻りました! 髪や眼など、奥まったディテールに入り込んだ塗料もしっかりと落とせています。これだけきれいに落とせると分かると、塗装をミスってもまだいけるぞ! って気分になれますね。手元にペイントリムーバーを常備して、思いっきり塗装を楽しんでください!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。背中の荷台で語るプラモデル。「ハセガワ フォルクスワーゲン タイプ2 ピックアップトラック」

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はフォルクスワーゲンを代表する名車「フォルクスワーゲン タイプ2」のプラモデルをご紹介します。ハセガワが発売している車模型の中でもさまざまなバリエーション展開がなされている、大ヒットカーモデルです。キットの内容もとっても作りやすいプラモなので、週末のドライブに最適です。それでは行ってみましょう!!

 フミテシはこれだけで感動です。足回りのパーツがほぼこれだけで完結します。しかもステアリングも切れる! シンプルな構成とギミックを両立した足回りになっています。このパーツは、実車同様「ビートル」のパーツから流用されています。今回ご紹介する「タイプ2」という車は、フォルクスワーゲンのアイコンであるビートルの足回りに箱型のボディを組み合わせて開発されたトランスポーターなのです。プラモを作るとより理解が深まります。

 エンジンも細かな分割をせずに、主な部分はワンパーツ! 細かなシャフトなどをつけても5分で完成。メッキのマフラーパーツも良いアクセントになります。

 チームドラえもんが乗ってそうなビークルが、20分くらいで爆誕します! シンプルすぎるやろ! って思うかもしれませんが、そういうもの。実車もまさにプラモとの相性抜群のモチーフなのです。運転席の後ろに一段落ち込んだスペースがありますね。これは荷台の下に用意された約2平方メートルの収納ロッカー。これのおかげで、物を荷台の下にも収納できたので、さまざまな物を詰め込むことができたようです。

 そしてこのプラモの見どころは荷台です。まさに背中で語るプラモデル。荷台の床板のモールドもしっかりと凹凸があって、これこそピックアップトラックって雰囲気。しかしなんか小さな穴が開いてますね……。

 この長い棒を貼っていく穴です。このランナーが2枚あります。「おいおい、やっぱりめんどくさそうなところあるじゃん!」って思ったそこのあなた。ハセガワさんを侮らないでね! これは荷台の滑り板。つまり「木」なんです。一緒に彫刻されていたら塗装が大変ですよね。なので、ランナーのままでもブラウンの缶スプレーとかを吹いて、パーツを切り出し貼り付けることで、荷台の色分けが完了する仕組みになっているのです。棒の近くにある小さなパーツは、荷台のサイドボードのヒンジです。これも別パーツになっているので、塗装がとっても楽です。

 僕が購入した「フォルクスワーゲン タイプ2 ピックアップトラック“レッド/ホワイトペイント“」は、2022年に発売されたバリエーションキットで、デカールが新規になっており、フロント&リアのバンパーがダブルバンパーとなって見た目もちょっと派手なもの。タイプ2はハセガワからピックアップトラックやマイクロバスなどさまざまなバリエーションが出ているので、自分好みの車種を選択できるのも最高です。

 説明書にはハセガワのダンボールを組み立てられるペーパークラフトが付属。みんなでハセガワのプラモデルを出荷しましょう!!

 現在発売されているミニクーパーのプラモや、ハセガワのレトロな車たちとコレクションしても絶対に楽しいです。見た目も可愛くて作りやすい。週末のプラモライフにもってこいなカーモデルを、ぜひこの週末楽しんでください。それでは!

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手のひらサイズの究極ニッパー!「ブレードワンミニ」をプラモ作りの相棒にしよう。

 僕にとって最高のニッパーが降臨しました。その名も「ゴッドハンド ブレードワンミニ」。僕のように手が小さい人には本当に使いやすい、超オススメニッパーです。

 じつはフミテシ、手がとても小さいです。うちのオカンと同じくらいでほとんどの成人男性よりも小さい手をしています。なので、息子用に買っていた「ゴッドハンド こどものニッパーEX」のサイズ感がとっても良かったのです。その「こどものニッパーEX」のサイズで、刃の形状をシャープにして登場した片刃ニッパーが、この「ブレードワンミニ」なのです!

 上が「こどものニッパーEX」で、下が「ブレードワンミニ」。こどものニッパーEXは、お子様が刃の先端でケガをしないように、ブレードの外側が緩やかにカーブしていて先が尖っていません。ブレードワンミニは、通常のブレードワンニッパー(のちほど特徴を解説します)や同社のアルティメットニッパーのように、シャープさを重視した刃になっています。そのため、艦船模型のような細かなパーツがひしめくランナー(プラモのパーツが繋がっている枠のこと)も掻い潜ってパーツにアプローチできます。

 ブレードワンニッパーは、ゴッドハンドが誇る最強片刃ニッパー「アルティメットニッパー」に次ぐ切れ味が保証されている商品。アルティメットニッパー同様に片刃となっていますが、より丈夫なのが最大の特徴です。切れ味が良くて丈夫なブレードワンニッパーの特徴をそのままにサイズを小さくしたのが、今回ご紹介している「ブレードワンミニ」になります。
 

 艦船模型の小さなパーツを直切りしても問題無し! 片刃ニッパーの特性上、パーツの真ん中にあるゲートを切ると付け根の部分が少しだけ残りますが、パーツを抉る危険性も少なく、切った場所が白く変色しにくいので、カットした跡はきれいです。小さく残ったゲートはデザインナイフで簡単にカットできます。

 奥からタミヤの薄刃ニッパー、グッスマニッパー、ブレードワンミニ。こうして比較するとブレードワンミニの小ささが際立ちます。小さいので持ち運びにも便利。工作スペースや、仲間と集まって模型を作ろうなんて時に、さくっと工具箱に収まってくれます。これからプラモを始める人、ニッパーをもう1本補充したい人、どちらのニーズにも応えてくれる小さいけどとっても頼れる「ブレードワンミニ」。超激推しニッパーをぜひ使ってくださいね!

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人のプラモをカーモデルに添えたくて。模型展示会で受けた刺激を即座に楽しむ模型ライフ。

 長野県松本市で開催された模型展示会「松本城下町モデルコレクション」で展示されていた車模型は刺激的でした。イフェさんが作られたポルシェにはさりげなくフィギュアが添えられていて、単品作品にはない雰囲気を醸し出しており、Sho_taroさんの展示ではフィギュアが添えられている他に、ボンネットなどを開けて中を見せる演出に心を奪われました。このような景色を見てしまったので、僕も車の傍に人を配置して、車のどこかを開けてみたいと思ったのです。

 僕が選択したキット「マイクロエース 1/24 ダッジチャレンジャー」に似合いそうなフィギュアはないかな〜と探していると、マスターボックスにいい感じのアネキがいました。「トラッカーシリーズ 運搬助手手配中 ミンディ ショートパンツ」というプラモです。商品名の「運転助手手配中」ってのがちょっとわからないですが、僕の車には彼女が必要だったので、僕が手配させてもらいした。

 マスターボックスはイケてるパッケージと中身の仕上がりに差があるのが旨味。バキッとしたイラストは雰囲気を掴む程度の参考にしようと脳を切り替えてからプラスチックのパーツにご対面しましょう。

 昨今の国内プラモメーカーのような美しい成型にバキバキのモールドという感じはありません。手で彫りましたぜ! 感がすごくあります。パッケージの雰囲気よりもさらに強そうな感じがランナーからも感じられます。

 ミンディのプラモの大トロは、この親指。親指と一緒に彫刻されているのはなんと、「ベルトループ」。ベルトループに指をかけて立っている姿を表現するのに、親指と一緒にベルトループを分割したアイディアにサムズアップなのです!

 組んで、側に置いてみる。めっちゃかっこいいじゃないですか! やっぱり人がいるだけで、車自体の雰囲気もすごく上がりますね。フィギュアができたらどこに配置しようかな〜と考えるのも模型の楽しみ。せっかくドアが開くダッジチャレンジャーなので、色々と楽しんでみまっせ! ぜひあなたも車の傍にお好きなフィギュアを添えてください。それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

小さくてよく切れる/「タミヤ デカールバサミ」はプラモ製作のあらゆるシーンで大活躍するマストバイアイテムだ!

 こんなに小さくてよく切れて、超便利なハサミがタミヤから出ていたなんて……マジで知りませんでした。「デカールバサミ」。2024年に入ってから買ってよかったツールナンバーワンです。これまでデカールは、カッティングマットの上においてデザインナイフでカットしていました。でもこのハサミがあれば、折り紙を切るようにチョキチョキと細かな部分までカットできます。そして僕の周りの人はみんな普通に使っていました。僕にとっては文明開花! 維新! 夜明けぜよ〜〜〜。

 刃には、デカールのノリ成分などに触れても切れ味が落ちにくい加工がされているそうです。ハサミのサイズが小さいので、台紙内で広い面積をとりながら複雑な形をしているマークにもスイスイとハサミを入れられます。とにかく小回りが効くのです。

 だからカット後に、さらに余白カットを追い込めます。デカールのフチギリギリをハサミで攻められるなんて最高です。

 カットがしやすいので、一体になったマーキングの使いたい場所だけカットして使用するなんてことも瞬時にできます。「fore all plastic lovers」という文字は「nippper」のロゴの上に書かれた飾り文字です。ここだけをハサミでカットして使用しました。

 またハサミは紙ヤスリをカットしたり、ペーパーパレットを使いやすいサイズにカットしたりとさまざまなシーンで活用します。そういうすぐ使いたい時に、切れ味が良くてコンパクトなハサミを机の上に転がせて置けるのです。最高ですよね! まだ使ったことがない/持ってないというあなた、マジでタミヤのデカールバサミをゲットしてください。大活躍間違い無しです!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)