タミヤをはじめとしてエバーグリーン、プラストラクトといった海外製、最近はウェーブまで工作用プラスチック素材はどんどん充実してきている。特にパイプ材はサイズが豊富でプラモデルの改造に大砲から燃料タンク、煙突等使う機会が多い素材。
3ミリ前後の細いプラパイプ材なら、ナイフの刃を当ててコロコロと前後に転がして刃跡を1週させて力を加えれば「ポキッ」とキレイに折り切ることができる。(この程度の太さなら中の詰まったプラ棒も同じように切れる)
ある程度太さのあるプラパイプ材はクラフト用のこぎりを使うといい。斜めに切ったり角度の付いたカットもできる。半面、手作業なのでパイプの軸に対して垂直な切り出しはそれなりに難しい。
工作の記事で「長さ〇mmのパイプを切り出します」とか出てくるときは特に断りが無ければ当然のように「パイプ軸に対して垂直な切り出し」なのだけれども、コレをナイフやのこぎりで作業するのは結構な名人芸だ。僕なんか30年もプラモデル工作してるけれど今だにさっぱりマスターできない。
では、どうするのかといえば「パイプカッターを使う」のだ。「パイプ軸に対して垂直な切り出す」ための工具でプラパイプ加工のマストバイアイテム。
そりゃナイフやのこぎりを名人芸のように使いこなして加工できたらカッコいいけど「それを使いさえすれば解決する工具」というのが世の中には結構ある。パイプカッターはまさにそれだ。
パイプカッター自体は「存在を知らなければたどり着くこともないけどホームセンターには昔からある」タイプの工具。このウェーブのパイプカッターは「他所からの引きモノ」とか言われるもともと存在する製品をセレクトして模型屋さんの流通にのせるヤツだ。ホームセンターで探せば気付くけどデカくてごつい物も沢山ある。そんな中から模型屋さんの客層が求めるであろう各種プラパイプの加工に具合のいい使い勝手の良いモノをチョイスしてくれている。
ひと昔くらい前まで「ホビー用工具」はそう銘打っただけの用途にそぐわない様なモノも少なからずあったのだけどここ近年程劇的に良くなっている。僕はこのパイプカッターはその最たるモノの一つだと思っていてそれまで使っていた「ゴツくてデカイ」パイプカッターから乗り換えた。
コンパクトでニッパーやデザインナイフと同じ感覚で机の上に置いておける。おかげでプラパイプを使う機会が増えた。いや、プラパイプみたいな素材は使いたい機会は沢山あったのにナイフやノコギリでのカットの難しさ、オーバースペックなゴツいパイプカッターを収納場所から取り出す程度の面倒さが「今じゃなくていいか」と行動を先送りしたりしていたのだ。
すぐに使いたい素材の横にはすぐに使える工具が必須。プラパイプを使うなら是非持っておきたい。逆にいえば、持っていることでプラパイプを使いたい機会が増える道具でもある。
卵が先か鶏が先か?コレはいわゆる、そういう道具だ。
1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。