プラモに呼び覚まされる和の衝動/PLAMAX 「鎌倉時代の鎧武者」を作る。

 先日、ヨドバシカメラのプラモデル売り場をうろついていたら、大学生くらいの男の子二人組が「城作ろうぜ!城!」「いいねー金閣寺!」「いやそれは城じゃないだろ!」とたいそう盛り上がっていました。
 その後、「大坂城を作る」とか、「やっぱり五重の塔がいい」なんて、ずっとハイテンション。「これは、修学旅行で思わず木刀を買ってしまう感覚……!」と思いながらその場を後にしましたが、あのテンション、めっちゃよかったなぁ。

 そんな説明不能な衝動をさらにバシッとキャッチしてくれるプラモデルが発売されます。その名も1/12鎌倉時代の鎧武者。
 五月人形などで幼い頃に甲冑の洗礼を浴びた僕たちは、そのまま修学旅行で建築物に足を踏み入れることで「神社仏閣のヤバさ」であったり「城のダイナミックさ」に触れます。そして大人になっても、京都に行ってみたいだとか、ふとしたときに緑茶を飲んでしまうだとか、そういった「和を感じたい」という衝動が心の奥底で眠っている。そして城よりも明らかに身近なのに、神秘的な存在が鎧武者です。

 なぜって、五月人形は下手に触れたら怒られるし、博物館などの歴史的な展示物を見る場でも触ることはできません。なので「鎧の構造」というのを肌で感じる機会はほとんどないのです。しかし、この鎌倉時代の鎧武者はひとたび作り始めると「ああ、和装の上に鎧を身につけるんだな」だとか「それぞれの装備が紐で繋がって、連動するようになっているのか」とかそういうことに気づき始めます。僕もこのプラモに触れるまで、まさか鎧の各パーツが紐で繋がっているだなんて思いもしませんでした。

 いちばん「むむっ!これは」と思ったのはポーズです。刀の構え方もさることながら、それに合わせて左手の甲には装甲が付いています。一方、右手にはガードはついておらず左右非対称の設計。ここから、ある程度統一されたフォームで武者同士の白兵戦が行われていたことをうかがわせます。
 ゴロッとしたパーツが1時間も経たないうちに鎧武者になってしまいます。その中で、鎧武者のアレコレを脳が高速で理解しながら完成まで進むと「試しに作ってみたら、次の日に誰かに話したくなるような面白さが詰まっていた」という、めちゃくちゃ楽しい出来事が待っていました。
 実際に鎧を装備した人物を3Dスキャンしたポーズのリアルな塊が、三色のカラフルなプラスチックで表現されていて、どういうわけかかっこいい。「プラスチックでありとあらゆるものを再現してしまおう」というプラモデルの不思議な世界を味わうにももってこいのアイテムだと思います。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。