ミニバイクのプラモが今とっても楽しいです。手のひらに乗るサイズ感やデザインのかわいさは、サクッと作って机の上にポロンと飾って置ける。手に取る時も怖さはなく、気が向いた時に手に持ちながらニコニコ眺められる……バイク模型の中に、自分の生活空間にすっと馴染んでくれるものがあると思っていなかったからこそ、余計に好きになってしまいました。
そしてフジミ模型が発売したミニバイクの新キット「1/12 NEXTシリーズ ホンダ CT125(ハンターカブ)」を遂に手に取りました。僕がこれまで作ってきた青島文化教材社のエイプ、タミヤのモンキー125よりも新しいぴちぴちの最新キット。塗装も接着剤も必要ないと書いてあります。
箱に描かれた「ノーグルー、ノーペイント」の文字よりも、箱を開けてパーツを分けていたらびっくりすることがありました。僕がこれまで作ってきたバイク模型に、必ずあったあのパーツとこのパーツがないのです。それは、ブレーキパイプなどの「ホース」と「ビス」のパーツ。実際、自分もこれまでバイクを組んで「ホースの取り付けってめんどいな~。指定の長さに切って細い軸に何個も通すのか~」ってぶつぶつ言ってました。
ビスについても、パーツ取り付けの勘合を調整して保持力を強化したスナップフィットモデルとしているので必要ありません。これによりドライバーを用意する必要もなくなります。初めてフジミ模型のNEXTシリーズバイクを手に取ったので、他の物も調べてみると……やっぱりホースとビスがない!! 初めて組む人が尻込みしてしまう要素を、優先して排除しながらも、見映えは損なわないようにしようというのがこのシリーズの特徴なのだと感心してしまいました。すごい!
プラモを組み立てることに慣れすぎていると、パーツが組み合わさるところが感覚的にわかってしまいます。僕たちがいつも普通にやっていることは、経験が成せる技とも言えるものなのです。初めての時、僕らはどうだったでしょうか? きっと「これはどこにつくんだ?」ってなったことあったと思います。そんなピンチを救ってくれるアドバイスが、このキットの説明書にはあちこちにあります。しかも記号とかで注意喚起するのではなく「文章」になっているのです。
自分が今作っている物はどんな面白さがあるのか? そんな知識を、組みながらリアルタイムで吸収できるギミックが、説明書の中に採用されています。各製作工程の枠内に「豆知識」として配置されているのです。僕のように、ハンターカブのデザインに惹かれて初めてこのモチーフに「プラモデル」で触れる人にはすごくうれしいギミック。ハンターカブが組み上がって行く度に、よりこのモチーフがクリアになっていきます。模型を作りながらモチーフとの距離が縮まる最高の工夫です。
キットの内容物だけでも、僕が今まで作ってきたバイク模型とは全く異なっています。さぁ組み味はどうなのでしょうか? 次回、その模様をお届けします。お楽しみに~~!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)