
週末のプラモライフが楽しくなっちゃう模型を、フミテシの独断と偏見でオススメする「花金プラモ」。今週はタミヤの戦車模型「1/35 ミリタリーミニチュア」シリーズ(以下MM)から「ドイツII号戦車A〜C型(フランス戦線)」をお届けします。第二次世界大戦の序盤におけるドイツ軍大勝利の立役者であります。このキット、小さな車両にタミヤの意地みたいなこだわりがめちゃくちゃ入っているプラモなんです。

「タミヤのII号戦車」というプラモの中には、世の中の全戦車模型における長嶋茂雄と言っても過言ではない「Mr.MM」、略してMMMなレジェンドがいます。それがMMシリーズNo.9「ドイツII号戦車F/G型」(1971年発売)。II号戦車とアフリカ戦線の5人のアニキをひとつの箱に詰め込んだすごいプラモで、組み立ても簡単! しかもこのキットがMMシリーズにおける初の「戦車モデル」となったのです。そのせいでII号戦車と言えばNo.9! 北アフリカ!! という強いイメージがついてしまったのでした。


そんなII号戦車が2008年に完全新規のプラモとしてカムバックしたのがこちらのプラモです。フランス戦線で活躍したA〜C型の各タイプを、パーツ選択することで製作することができます。戦車兵が1体付属します。レジェンドII号戦車の「この箱ひとつで北アフリカが見える!! やべ〜〜」みたいな熱はありません。そのせいか、このII号戦車のプラモを避けてしまうという人もいるようです。僕はそれはちょっともったいないんでないかい? と思うので今回この戦車模型をオススメしてみようかなと思いました。
何よりこのキットからはレジェンドとは異なったベクトル、同じようなものを生み出すのではないという意地が感じられます。小さな戦車プラモなのにここまでするんか! と作っていて思うところがたくさんあるんですよ。そしてそれが一つにまとまると本当にかっこいい姿が机の上に爆誕します。







マジで気合いが入りまくっているんです。手のひらサイズの戦車なのに、パーツはかなり細分化され、ディテールと解像度の追求がこれでもかとなされています。足回りに至ってはリターンローラー(キャタピラ(履帯)上部の下に見える小さなローラー)以外全てにポリキャップが入り、取り外しすることができます。小さい戦車なのにすごいこだわり!





早い、簡単、うまい! が花金プラモのテーマ。でも時に、ちょっとだけ骨のあるナイスキットも紹介したいと思っていました。それにぴったりなのがまさにこのプラモでした。完成までに4時間くらいはかかります。しかも出来上がると手のひらサイズです。ただしその甲斐あって、精密でかっこいい戦車をゲットすることができます。
ジャーマングレーの成型色ですから、塗らなくても最高にかっこいいですよ。レジェンドとは異なるものを作ろうぜ! という思いがたくさん詰まった、小さくても結構マッシブな組みごたえを体感させてくれる本キットは「プラモ作ったな〜」という充足感をあなたの週末にもたらしてくれますよ!