花金だ!仕事帰りに買うプラモ。レジェンドを超えろ!!タミヤの意地が爆発しているこだわりの「II号戦車A〜C型(フランス戦線)」。

 週末のプラモライフが楽しくなっちゃう模型を、フミテシの独断と偏見でオススメする「花金プラモ」。今週はタミヤの戦車模型「1/35 ミリタリーミニチュア」シリーズ(以下MM)から「ドイツII号戦車A〜C型(フランス戦線)」をお届けします。第二次世界大戦の序盤におけるドイツ軍大勝利の立役者であります。このキット、小さな車両にタミヤの意地みたいなこだわりがめちゃくちゃ入っているプラモなんです。

▲タミヤのII号戦車と言えば、戦車アニキが脊髄反射で「9番!!」って叫んじゃうレジェンドがいます。それが奥のダークイエローに塗られたII号戦車です

 「タミヤのII号戦車」というプラモの中には、世の中の全戦車模型における長嶋茂雄と言っても過言ではない「Mr.MM」、略してMMMなレジェンドがいます。それがMMシリーズNo.9「ドイツII号戦車F/G型」(1971年発売)。II号戦車とアフリカ戦線の5人のアニキをひとつの箱に詰め込んだすごいプラモで、組み立ても簡単! しかもこのキットがMMシリーズにおける初の「戦車モデル」となったのです。そのせいでII号戦車と言えばNo.9! 北アフリカ!! という強いイメージがついてしまったのでした。

▲時は巡りNo.292として登場したのが今回ご紹介するII号戦車のプラモです
▲この説明書のレイアウトバランスが大好きなんよ! 文字と余白のバランスがかっこいい〜〜

 そんなII号戦車が2008年に完全新規のプラモとしてカムバックしたのがこちらのプラモです。フランス戦線で活躍したA〜C型の各タイプを、パーツ選択することで製作することができます。戦車兵が1体付属します。レジェンドII号戦車の「この箱ひとつで北アフリカが見える!! やべ〜〜」みたいな熱はありません。そのせいか、このII号戦車のプラモを避けてしまうという人もいるようです。僕はそれはちょっともったいないんでないかい? と思うので今回この戦車模型をオススメしてみようかなと思いました。

 何よりこのキットからはレジェンドとは異なったベクトル、同じようなものを生み出すのではないという意地が感じられます。小さな戦車プラモなのにここまでするんか! と作っていて思うところがたくさんあるんですよ。そしてそれが一つにまとまると本当にかっこいい姿が机の上に爆誕します。

▲小さな戦車でもしっかりとしたディテール表現をパーツに施すためにかなりの細分化がなされています。また3タイプを選択式で作れるので、その分パーツも多くなっています
▲履帯はプラ製の部分分割履帯。弛みも表現されています
▲フェンダーやハッチ、各装甲をワンパーツ成型された本体にペタペタ貼っていきます。これによって非常に解像度の高い車体になります
▲車外装備品もほぼ全て別パーツ! それぞれのパーツのディテールがめちゃくちゃシャープなのです
▲車外装備品を取り付けるために、穴を多数開けます。1mmのドリルは用意してください
▲戦車砲と機関銃はスライド金型により銃口もしっかりと開口されています
▲そして蓋裏にはエッチングパーツがぺたりとセットされています

 マジで気合いが入りまくっているんです。手のひらサイズの戦車なのに、パーツはかなり細分化され、ディテールと解像度の追求がこれでもかとなされています。足回りに至ってはリターンローラー(キャタピラ(履帯)上部の下に見える小さなローラー)以外全てにポリキャップが入り、取り外しすることができます。小さい戦車なのにすごいこだわり!

▲ロードホイールは全部で10個。これ全てにポリキャップが入ります。さらにアイドラーホイールの中と、ドライブスプロケットを差す車体側にもポリキャップが入ります
▲車体から外せれば、転輪の塗り分けもやりやすいということですね
▲砲塔内部のメカニックも楽しめます。このパーツの塊感がかっこいい〜〜
▲エッチングパーツ初挑戦にもおすすめのマフラー。筆の柄とかをガイドにして丸くすると良いです。接着には瞬間接着剤を使ってね
▲めちゃくちゃイケてるII号戦車が完成しますよ!

 早い、簡単、うまい! が花金プラモのテーマ。でも時に、ちょっとだけ骨のあるナイスキットも紹介したいと思っていました。それにぴったりなのがまさにこのプラモでした。完成までに4時間くらいはかかります。しかも出来上がると手のひらサイズです。ただしその甲斐あって、精密でかっこいい戦車をゲットすることができます。
 ジャーマングレーの成型色ですから、塗らなくても最高にかっこいいですよ。レジェンドとは異なるものを作ろうぜ! という思いがたくさん詰まった、小さくても結構マッシブな組みごたえを体感させてくれる本キットは「プラモ作ったな〜」という充足感をあなたの週末にもたらしてくれますよ!

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フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。