淡く輝くパールイエローはアクセントカラーにぴったり!「LINKL PLANETカラー 天川れみ ステライエロー」

▲蓋を開けると顔料と溶剤が分離していることがあるから、しっかり混ぜようね!!

 水性ホビーカラーでお手軽に「パール塗装」が楽しめるすごい塗料「LINKL PLANET カラー」(リンクルプラネットカラー)。BANDAI SPIRITSのプラモデル公式アンバサダーとして、様々なプラモデル啓蒙活動を行っている「LINKL PLANET」とMr.HOBBYのコラボカラーです。アイドルとのコラボカラーというだけでなく、中の塗料のクオリティも素晴らしい塗料になっています。

▲通常の塗料よりも念入りに混ぜてください。しっかりと混ぜることで美しい光沢と綺麗なパール粒子が塗面に表れます

 この塗料、抜群の輝きと塗膜をガッチリとコートする「プレミアムトップコート光沢(以下「プレコー」)」の輝きにパールが追加された質感で塗り上がります。細かな美しいパールの輝きとプレコーのテカテカ感が一気にゲットできちゃうんです。今回は「HLP04 天川れみ ステライエロー」をご紹介します。

▲白いパーツ、白い下地なら1回吹きでうっすらと黄色に染まります

 エアブラシで使用するときは塗料1:水性ホビーカラー うすめ液1の割合がオススメです。使った感じ、隠蔽力はそれほど高くないので、下地は白か同系色の薄い黄色などが良いでしょう。下地が暗めだと発色させるのが難しいです。

▲赤みがあまりない黄色になります。赤みの強い黄色を表現したいときはステラオレンジで代用できます
▲ガンプラでよく使用される黄色の成型色の上から塗装して、パール感を足すのもありです

 淡く綺麗なパールイエローになるステライエロー。写真ではちょっとわかりにくいですが、ガンプラの黄色の成型色の上から塗っても、アクセントになってかっこいいです。使用するときの下地を白にして、鮮やかなパールイエローをあなたの模型に塗ってください。それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

キラキラはワクワク/プラモデルの「ホログラムボディ」に至る最短コース。

 子どもの頃ってプラモデルにキラキラのラメ入りパーツやメッキパーツが入っていると、すごくテンションが上がるんですよね。我が家の息子も同じくキラキラするものが大好き。 アオシマのザ・スナップキットのメッキパーツに目を輝かせています。そんな息子君、100均売り場でキラキラ折り紙を見つけ、「こんな色の車が欲しい」と言うもんだから、よっしゃ! いっちょパパが良いところ見せてやる!となるのが親心。

 息子が作ったアオシマのザ・スナップキット「トヨタ86」のボンネットをキラキラにします。用意するものは
マスキングテープ、デザインナイフ、両面テープ、シャーペン、キラキラ折り紙。特別な用具や塗料を一切使わず、キラキラボディへの最短コースを攻めていきましょう。

 まずはマスキングテープをキラキラにしたい箇所に貼ってディテールに沿ってシャーペンでマーキング。これを型紙にしてキラキラ折り紙を切り出します。

 キラキラ折り紙のオモテに型紙がわりのマスキングテープ、裏面には両面テープを貼ったら、慎重にナイフで切り出していきます。曲線の多いカーモデル、息を殺すように慎重に進めて行きたいのですが、こんな時に限って子供達が様子を見に来るので、怪我をしない、させないようにyoutubeを見せて気をそらせるのがポイント。
 両面テープをめくって切り出したキラキラシールを貼りたい箇所に合わせます。仮止めで位置を決めたらゆっくりとボディに貼り合わせますが、この時空気が入らないように要注意!

 さて、貼り付けが終わったら最後にマスキングテープを剥がします。無用なトラブルを避けるため、最後の最後まで、気を抜かず慎重に……!

 完成!キラキラボンネットのトヨタ86です。今回はボンネットだけでしたが、ほぼ15分程度で完了。休日のアイドルタイムにはちょうどよい作業時間。塗装ではなく、両面テープで貼っているだけなので、様々なデザインを楽しむも良し、季節に合わせて張り替えるも良し。楽しみ方は無限大!

iro_enpitsu

1988年生まれ。写真、カメラの趣味を楽しみつつ、プラモデルという名の被写体と出会い、今日もプラモ映えしそうな光源を求め歩く。

プラモデルになっても存在感抜群の男、透明なアイルトン・セナ。

 プラモデルの箱を開けたら白やグレー単色のプラスチック……なんていうのはさすがに見慣れましたが、まさか透明のパーツがゴロッと入っているとは思わなかった。しかも、この人はアイルトン・セナ。
 F1のことなんて全く知らない私でも聞いたことのある「音速の貴公子」というフレーズ。会社の人に「セナって凄かったんですか?」って聞くと「セナはねぇ~」なんて帰りの電車に乗ってから別れるまで延々と話をしてくれる存在。しかも、その会社の人は、F1をたくさん見ていたというわけではなかったようです。それでも知っているという、ある一定の世代には知名度抜群の男、それが私から見たアイルトン・セナ。

 このセナのプラモの何が面白いって、透明であるというということもそうなんですけど、びっくりするくらいパーツの合いが良い。あまりにもピタっと合うので「フフッ」って笑っちゃうほど。レーシングスーツの格子のディテールもビシッと合う。気合い入ってます。
 そうして出来上がったときの、ものすごい未来っぽい見た目。こんなに主張が激しい人間のプラモは初めてです。透明なので存在感が限りなくゼロになり、肝心のカートに対して黒子の役割を果たすのかと思いきや逆に透明な方が目立つという妙な面白さがあります。特別な男、セナはプラモになっても格が違うというわけか……。

 こんな透明な男を乗せるカートですが、出来はバッチリ。カートってこうなっているんだな……という気づきもあって作るのが非常に楽しい。足先にあるバーはアクセルやブレーキのペダルだなってすぐにわかるし、セナの足がしっかりとそこに届いているのがなんだか嬉しい。

 元々は1/20サイズの女子高生のフィギュアの脇にカートを置いたら面白いだろうなって思って買ったプラモデルだったのに、気づいたらセナに興味が湧いて仕方がない。F1を知らない私が、プラモを通じて伝説的なドライバーに触れることになり、今まさにセナを調べようとしています。透明なプラスチックで出来上がった伝説の男。プラスチックの色が白だったらグレーだったらここまで興味が湧かなかったかもしれません。プラスチックの色が与える印象って本当に大事で面白いものだなって感じました。

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

花金だ!仕事帰りに買うプラモ。タミヤレジェンドプラモの帰還をこの週末祝おうじゃないか!「ドイツ対戦車自走砲 マーダーII」

▲この渋かっこよさ!! タミヤミリタリーミニチュア(以下MM)のスーパーレジェンドのお通りだぜ!!

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は超名作の帰還でございます。1975年に発売された「タミヤ ミリタリーミニチュア No.60 ドイツ 対戦車自走砲 マーダーII」をご紹介します!! スーパーレジェンドです。古いプラモだからといって侮らないでね!! もう、上の写真でかっこいいでしょ。そう、かっこいいんです。このプラモ、長らく市場になかったのですが、先日再生産されたんですね〜〜。この機会を逃すと、本当に勿体無いので、もうポチってから記事読んじゃってOKです。それでは参りましょう!!

▲小さい車両だけどこのパーツボリューム!! 完成すると密度感がすごいのだ

 マーダーIIは、第二次世界大戦中にその性能が過去のものとなってしまった「II号戦車」のシャシーなどを活用して対戦車自走砲に改造したもの。小さな車体に強力な75mm対戦車砲を搭載したアンバランスなデザインがなんともかっこいい車両です。このキットはタミヤミリタリーミニチュアにとっても初めての本格的なオープントップ車両(めっちゃ雑にいうと砲塔に屋根がない。オープンカーをイメージしてね)として開発されました。そのため、現在350を超えるラインナップを誇る本シリーズの60番目という序盤のアイテムながら、車体内部もみっちみちな濃厚ディテールを楽しめる気合いの入ったプラモとして完成しています。

▲75mm対戦車砲は「No.47 ドイツ75mm対戦車砲」のキットからパーツを活用。このキットもすごくかっこいいのでおすすめです
▲対戦車砲のディテールは見応え抜群ですよ
▲車体のパーツはとってもコンパクト。このサイズに、さまざまな物が収まっていきます
▲こちらが床。エンジンパーツもあります
▲組み立てていくと、各パーツのディテールがつながって、このように機関部が姿を表します。最近のタミヤのキットでも、ここまで表現しているものは少ないです。でもまだまだこのキットは盛られます……

 主砲、車体、どちらもディテールを楽しめるパーツの宝庫。それらが融合することで、小さな車体にディテールが密集するのでより密度感が感じられます。

▲防弾板の内側に設置された箱、通信機ラック、エアクリーナー、弾薬箱(戦闘状態・移動状態で蓋の開閉を選択可能)が入って、小さな戦闘室がパンパンになります
▲主砲を最後に搭載すればこの通り!! 無駄なく収められるだけ収めました! という美しさがあります。あと前後に積まれた木箱がいい味出してますよね〜〜

 アニキたちはノスタルジーを感じるバランスではありますが、軍服の造形やポーズはとても良いです。古いな〜なんて言わず、ぜひアニキたちも作って乗せてください。

▲双眼鏡は既に手と一体化。コマンダーのアニキのヘッドホンと帽子の間が抜けていて、薄いベルト状に見える成型も見事です
▲このポーズ、勇ましいですね〜〜。強力な主砲でソビエト軍を迎え撃つぞ!
▲車両の密度感がすごいので、後ろから見ても隙がありません。かっこいいですね〜〜

 久しぶりに市場に帰ってきたタミヤミリタリーミニチュアの傑作「マーダーII」。小さな車体にさまざまなパーツが取り付けられ、どんどんと解像度が増していく様子をぜひ味わってほしいです! 手のひらにすごい塊ができますので、めちゃくちゃ満足度が高いですよ。ぜひこの週末はタミヤのレジェンドプラモと一緒に遊んでください。ではまた!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

プラモデルの中身より、ガワが気になる夜もある/KPモデルのSu-22M4

 プラモでも何でも、ブランドってとっても大事。「あのメーカーなら組みやすい設計だろう」「このメーカーの製品展開は推せる」……そんなふうに、私たちは自然とプラモメーカーの看板、つまりブランドも判断基準のひとつにしてプラモを選んでいます。だからこそ、メーカー側も自社のブランドを構築すべく展開した結果、模型屋さんの棚はメーカーごと色とりどりのボックスによってモザイクタイル模様が出来上がっているわけですね。

 さて、これはご存知KPモデルの1:72 Su-22M4フィッター。KPといえば、赤と黄色の目立つボックスで模型店の一角をびっしり占拠している、よく見るアレですよね。私も知っています。 きょうはKPのコレを……とレジに持ち込もうとしてふと気が付きました。あれっ、箱には「KP Models」なんて文言はないんですね。

▲ 下箱側面の「www.kovozavody.cz」が化粧品とかアパレルのパッケージみたいでイカす。

 そう、われわれはこの赤と黄色の箱のプラモメーカーを疑うことなく「KP」と呼び続けてきましたが、ボックスをまじまじと眺めてみればロゴマークは「KM」に見えるし、書かれているメーカー名はKovozávody Prostějov(コボザボディ・プロスチェヨフ?)です。この頭文字でKPなのでしょうか。そういえばよく似たラインナップでKoproというメーカーがありましたが、あれもKPだったんじゃないでしょうか。なんなんだKP。

 くらくらしながら模型誌(『スケールアヴィエーション』2021年11月号, p.39, 大日本絵画.)をめくっていると、「Kovozávody Prostějovは1968年創業の製造集団で、東側体制下のチェコスロバキアで会社として認可された……」という旨の記述が見つかりました。半世紀以上前から存在し、コプロであり、コボザボディ・プロスチェヨフでもあり、とにかく「KP」と呼べば通じるメーカー……。私たちはこれらの製品群をどのようにして一貫した「KP」と認識し、そう思い込み続けてきたのでしょう。集団幻覚を見ているような感覚といいましょうか、どこか神秘的な現象に思えてきます。いや実際KPで間違いないんですけど。

 メーカー名はどうあれ、いま目の前にあるのは間違いなく1機分のSu-22のキット。ガワの話はいったん置いといて、組み立てていきましょう。パーツの雰囲気はなかなか現代的でちょっと安心。プラはやわらかく、しっとりと刻まれたモールドが頼もしく感じられます。

 組立の目玉はSu-22の特徴たる可変翼機構。このキットではシンプルな構造を採用しながらも、とりあえず左右の外翼の後退角を連動させることに成功しています。
 そんなわけでニコニコ組み始めると、説明書の1工程目からパーツ番号の記載が間違っているようでちょっとびっくり。よくよく眺めてみれば、説明書では触れられていないパーツが存在するなど、結構大らかな雰囲気のキットみたいです。

 そうと分かると制作がガンガン進むから不思議なもの。適度な大らかさがある相手のほうが、大胆に攻め込んでいけるのかもしれません。このキット、細密さこそないものの組み味は非常に素直。おかげで要所がばっちり噛み合う、頑丈なプラモなのがうれしいポイントです。
 「Warsaw Pact」と題されたこのパッケージには、東ドイツ空軍やスロバキア空軍などちょっとめずらしいマーキングがセットされているのも魅力的。今回はKPモデルのふるさと、チェコ空軍を選択してみました。

 するっと完成。繊細すぎない大らかなキットゆえ、細かいことを気にしすぎずザザッとゴールまですべり込めました。先代機から続くトラディショナルな機体構成を極限までアップデートしたSu-22M4。その特異なフォルムを勢いのままに組み上げられる、週末にぴったりな一箱でありました。
 いいねえKP……なんて思っていたところ、新事実が。このSu-22はビレクという別メーカーからのOEM製品なんだそうです。プラモ界隈ではよくあることとはいえ、またしてもKPの幻を見せられていたような気分。もはやプラモそのものよりも、このぼんやりとしたKP概念のほうが気になってきました。残念ながら、私は現状これ以上のKP情報を見つけられていません。いずれKP博士になって帰ってきたいと思いますが、まずはみなさんもこの箱を見かけたら、KPが描こうとしているブランド像をちょっと想像してみるのも面白いかもしれません。

出口ぶな

1993年生まれ。プラモは2日間で完成させたい派。

たった5分で超かっこいいSFアニキが作れるプラモデル/「ハセガワ ロボットバトルV 44型重装甲戦闘服 MK44 アンモナイツ (スマートガン装備)」

▲ひと箱に主役が2体も入っている!

 めちゃくちゃかっこいい「SFなアニキ」が作れるプラモデルをご紹介します。それがハセガワの「ロボットバトルV 44型重装甲戦闘服 MK44 アンモナイツ (スマートガン装備)」です。パッケージも「俺が入ってるぜ」と強い主張で立っています。

 「ロボットバトルV(ファイブ)」は、マシーネン・クリーガー シリーズの横山 宏 氏によるもう一つのパワードスーツの物語です。別作品ではありますが、大枠としては既にマシーネンクリーガーの一つと言えます。

▲箱にもロボットバトルVはマシーネンクリーガーですよってのが記されています。一緒にコレクションしましょう

 アンモナイツは2体セットや月面仕様の派手なバリエーションなどが存在し、それらもハセガワからキット化されています。ですので、アンモナイツをベースに豊富なラインナップを形成しています。その中でも僕がお勧めしたいのがこの「アニキ&アンモナイツ」がセットになった「ロボットバトルV 44型重装甲戦闘服 MK44 アンモナイツ (スマートガン装備)」です。一級のフィギュア原型師・サイトウヒール氏が原型を手がけたかっこいいSFアニキを、イカしたパワードスーツの脇に添えられるプラモなのです。

▲他のバリエーションにはスーツ内のアニキフィギュアは入りますが、この商品には追加で立ち姿のアニキのランナーがセットされています
▲実にシンプルだけどSF味を感じる装備。ランナーにこの胴体が丸っと収められているのも気持ちが良いです
▲スケールは1/20。1/20のフィギュアのサイズ感は、大きすぎず小さすぎずでかなり絶妙。組んでも塗っても楽しい大きさです

 パーツ構成は至ってシンプル。1パーツで成型された大きな体パーツに、腕、頭を接着すれば完成です。スコープや酸素マスクの有無をお好みで選択できます。ものの5分で、あなたの机の上にかっこいいSFアニキが爆誕します。

▲渋いぜ……眉間にシワを寄せた表情がまたいいですね〜

 世界観を広げたり、メカの格好良さをさらに引き上げることもできるのが人間プラモの良いところ。こういったフィギュアとの組み合わせの楽しさを、超濃厚に味わえるから「マシーネンクリーガー」のプラモは楽しくてしょうがありません。またこのセット、結構なボリュームあるキットですがお得な価格でゲットできてしまいます。メカであるアンモナイツもすごい楽しいプラモなので、ぜひこの機会にゲットしてください! それでは。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

プラモデルの奇蹟、希代のアイコン/タミヤ 911ターボ’88の完璧なボディ。

 このボディがゴロンと一体で出てくるのが、タミヤのポルシェ911ターボ最大の美点だと思う。まるで聖書の冒頭で神様がこの世をまるごと作ったように、ポルシェ911というアイコンが100%完成した状態で突如として現れ、「ああオレはもう絶対にポルシェ911を手に取れるんだな」という、絶望的なまでの安心感がそこにある。艶めかしく張り出したフェンダー、そこに走る美しいハイライト。愛称にすらなった前後のバンパーに、巨大なリアウイング。完成せずとも、完成しているではないか。

 ウインドウや灯火類のクリアーパーツを除けば、残るパーツはたったこれだけ。もとは1980年代に発売された「ポルシェ911ターボ・クーペ フラットノーズ」という接着剤不要のキットをベースにして、ボディだけを2000年代に新造したプラモなので、シャーシとボディの生年には親子ほどの隔たりがある。

 水平対向6気筒のエンジンはシャシ裏に彫刻されていて、ステアリング機構もいっさいなし。組みごたえがほしければ世の中にゴマンとあるいろんな911のプラモデルから好みのものを選べばいい。ポルシェ911のスゴいところは、アイコニックなボディのデザインを大きく変えずにクルマとしてのありかたを進化させてきたところ。ルックはそのまま、フィールを変えて人々に新しい感動を与え続ける。それってまるで、プラモデルのようじゃないか。

 ボディがワンパーツだから、バンパーやリアウイングの塗り分けはかなり難しい。事実、インターネットでこのプラモデルの「レビュー」を見ると、マスキングの難しさ、塗装の大変さだけをクローズアップしたものが多い。このプラモデルのスゴいところは置き去りだ。このボディだけが机の上に置いてあったって、誰がどう見ても911だろう。塗ってもいいだろうけど、塗ってしまったらこの美しいボディがワンパーツだったという奇蹟は消えてしまうじゃないか、とも思う。

 ホイールでおしゃれをしたいな、と思ってアオシマのチューンドパーツからBBS RXの18インチをチョイス。ホイールアーチにフィットしたタイヤの存在感がポルシェの迫力をぐっと出してくれる。箱を開けた瞬間から、ユーザーがポルシェを作る上でいちばん目にしたいであろう「完成したボディがそこにある」ということが、あまりにも素晴らしい。それ以外のところが信じられないほど簡素なのもまた、素晴らしい。
 誰もが知っているモチーフを、必ず手にできる。誰が箱を開けても、何度開けても、「なんてことだ!」と驚けるようなプラモデル。タミヤの911ターボはそのもっとも具体的な例として、いつでも模型店の棚で貴方を待っている。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

筆塗りがしたくなる魔法の書「清水 圭 飛行機模型筆塗りテクニック SIMSONIC DESTRUCTION」が俺の欲望を刺激した話。

 本を読んでここまで「プラモを筆塗りしたい!!」ってなったのは本当に久しぶりだった。それだけの魔法がこの「清水圭 飛行機模型筆塗り塗装テクニック:SIMSONIC DESTRUCTION」にはある。

▲本書の冒頭に、この本が目指しているテーマの全てが書かれている

 清水 圭氏はさまざまな模型雑誌で、メカやスケールモデルの筆塗り作例を製作している。本書は飛行機模型雑誌「スケールアヴィエーション」編集部による本で、本のための新作&テクニックを解説したHow to、過去のスケールアヴィエーションに掲載された清水氏の名作によって構成されている。

 この本を手に取ったら、絶対に読んでほしいのが前書きと冒頭ページのテキストである。本を買ってくるとまずは、冒頭からじっくり読む前に全体をパラパラっと読むと思う。本書には煌めくような作例写真が多数掲載されているから、自ずとそう言った写真が目に飛び込んでくると思う。だから「これが筆塗りでできるの!? ちょっと俺には……」って一瞬ビビってしまうかもしれない。でも、大丈夫。落ち着いて冒頭のテキストに戻って再度読み直してほしい。そこには「筆塗りの楽しさ」「筆塗りだから目指せるもの」の方向性がしっかりと示されている。清水氏が長年かけて導き出したメソッドを、超短距離コースで整えた“道”が冒頭にまとめられているのだ。ぜひここをじっくり読んでほしい。きっと筆を手に取りたくてしょうがなくなると思う。美しい作例写真を眺めたまま、筆を手に取らないなんて勿体無いのだ!

▲メイン塗装で使用する塗料、メイン塗料の上から筆のタッチを活かして塗り、色味を変化させていくのに使用する塗料がしっかりと分けて解説されている
▲How toの写真は各ページ5カットほどで、かなり大きめに掲載されている。そのため清水氏の筆塗り途中のタッチがとても見やすい

 How toの写真がかなり大きめ。その中で見られる模型に描かれた筆跡がとてもドラマチックで、見ているととにかく塗りたくなってくる。下地を透かす具合、明るい色をちょんちょんと入れただけで麗しくなるパネルたち……。カットが進むたび、ページをめくるたびに飛行機が魅力的になっていく様は、まるで素敵なパレードを見ているかの如き。非常にワクワクするHow toとなっている。

▲スケールアヴィエーションに掲載された過去作例も読める。清水氏は現在「水性ホビーカラー」をメインに筆塗りしているが、こちらのマッキはまだラッカー塗料で筆塗りしていた時の作例

 僕は本を読んでいてもたってもいられず、「飛行機だ!!飛行機を筆塗りしたいぞ!!」ってパッションが爆発。棚に刺身(プラモを組んだままの状態)で置いて飾っていた「ハセガワ 1/48 飛燕」をむんずと掴み取り、べし〜〜って水性ホビーカラーのシルバーを塗りたくった。本書によって掻き立てられた俺自身の欲望を模型に塗り込んだのだ。本に掲載されているテクニックは、まだ真似していない。でも清水氏とスケールアヴィエーションが目指した心意気は思いっきり真似できたと思う。

 きっと本書を読めば、あなたも気持ちよく背中を押してもらえるだろう。読んだら塗る。必ず最高の模型体験があなたを待っている。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

全日本模型ホビーショーで「ロボコップがプラモで作れる!!」という衝撃に感涙した話/MODEROID ロボコップ

▲プラモデルでこの並びが味わえることに歓喜!! ありがとう、MODEROID。思わず早口になっちゃう!!

 先日東京ビッグサイトで開催された「全日本模型ホビーショー」でかなり「オオッ!?」と思ったのが、グッドスマイルカンパニーのプラモ・MODEROIDから「ロボコップのプラモデル」が出るというニュース。ロボコップ、あの人類史上最も面白いSF映画シリーズの主役がプラモに! やったぜ!!

 「『ロボコップ』なんて昔の映画だし、おもちゃとかフィギュアとかたくさん売ってるんじゃないの?」と思ったアナタ。正しい。その通りです。そして「ロボコップ」は“プラモという商材”には恵まれていなかったのです!! だからこそ、俺のようなロボコップファンは「プラモのロボコップ……」って震えてしますのです。

▲こちらはクリスマスツリーとかに飾るオーナメント化されたED-209。そう、ロボコップのキャラクターたちは市民権を得すぎて、ホリデーの飾りにまでなってしまっているのです

 そもそも服や髪の毛まで樹脂で成形された近代的アクションフィギュアの祖は、ケナーによる『スター・ウォーズ』のアクションフィギュアシリーズでした。以降、80〜90年代のブロックバスター映画は、オモチャ業界と蜜月期を迎えます。映画の内容が派手になればなるほど、オモチャは子供ウケを狙ってさらに派手でバカになっていき、フィギュアやそれと組み合わせるビークルやプレイセットは映画本編と関係なくなっていきました。なんと甘く豊かな時代だったことでしょう。

▲こちらはグッドスマイルカンパニーから発売された完成品トイ「HAGANE WORKSのロボコップ」。グッスマからトイとプラモのロボコップの共演が実現するのです!

 『ロボコップ』シリーズは一本目の公開が1987年と、まさにオモチャと映画がタッグを組んで連続でツープラトンを放っていた時代の作品です。あんなに面白い映画なので、当然ながらたくさんフィギュアも発売されました。初期に製品化を担当したのは『スター・ウォーズ』と同じくケナーで、1988年に放映開始されたアニメ版『ロボコップ』をベースにしたラインナップ。フィギュアの胴体の中にキャップ火薬を仕込み、背中のレバーを弾くことで火薬が破裂してバッチンバッチン音が出るという、現在では絶対に販売できないワイルドなギミックがついたフィギュアでした。YouTubeで当時のCMが見られるので、気になる人は検索してみてください。唖然とすると思います。

 続いて1994年にはトイ・アイランド社が版権を取得。TVシリーズ版『ロボコップ』関連フィギュアのリリースを引き継ぎます。このトイ・アイランドのロボコップフィギュアはさすがに火薬爆発ギミックはスポイルされており、そのおかげか日本でもニッコーによって販売されました。この時期のロボコップフィギュア、当時のコミックボンボンで紹介されていまして、当時ガキだった自分も「このロボコップを凍らせて修理するラボのオモチャ(そういうアイテムがあったのです)……ほしい!!!」と興奮して読んだ記憶があります。今思うとなぜ凍らせると修理したことになるのかわかりませんが、子供の本能に訴えるものがあったんだからオモチャとしては大成功です。

▲そして遂に夢見た「プラモのロボコップ」が手に入るのです!!

 と、ここまでダラダラ説明してきましたが、まじでプラモデルの話が全然出てこない。そうなんです。自分の知る限り、プラモになってないんです、ロボコップ。AMTがロボコップの乗っていたパトカーをキット化したりはしているんですが……。遠い昔にジャムという会社がロボコップとED-209の食玩を販売しており、その中には組み立てキット形式のロボコップが入っていたそうなんですが、こちらも現物は見たことがありません。ひょっとしたら1980〜90年代にかけてどこかで発売されたロボコップのプラモデルが存在した可能性はありますので、知っている人がいたら教えてほしいです。

 というわけで、オモチャメーカーとシェアを食い合うからか、はたまた技術的に難しかったのかはわかりませんが、とにかくロボコップはプラモデル化に恵まれませんでした。前述のように当時のアクションフィギュアは子供ウケが第一な上に大量生産を前提とした制約や省略やアレンジも多いので、面白いけど劇中そっくりなロボコップとは言い難い。その辺の不満があってか、ガレージキットやソフトビニールキットでは本物によく似たロボコップのフィギュアが何度も発売されました。また、近年各社から発売されているロボコップのアクションフィギュアは子供向けのチョケ要素がなくなりまして、映画に出てきた姿そっくりになっています。おれもそのうちいくつかは買いました。でもさあ、やっぱ、プラモデルもほしいよなあ!! みんなもロボコップと同じくらいプラモデルが好きだろ!? なあ!?!?

▲そしてプラモでやってきた「MODEROID ED-209」。多くのロボコップファンが拍手喝采でこのプラモをお出迎えしました
▲まさかまさかのケインまで。嬉しすぎてパイピングを追加してさらにカッコよくしたぜ!!

 という願いが天に通じたのかどうなのか、とにかくロボコップのプラモデルが、出る! ブランドは不可能を可能にしてきたあのMODEROID。以前『ロボコップ』のED209、『ロボコップ2』のケインをプラモデル化し、デトロイト市民を驚愕させた前科があります。ケインのプラモ化はマジで嬉しかった……。

 会場での展示の通り、全体は『ロボコップ3』の姿を再現したもののよう。『3』、駄作だっていう人もいるけど、大げさでジャンクな味付けがおれは大好きなんですよね。デトロイト市民と共にリハッブ隊と戦うため、警官たちがバッジを捨てていくシーンは毎回目頭が熱くなります。ロボコップが飛んでくるタイミングもめちゃくちゃカッコいいし、出し惜しみなくメインテーマが流れるのもイカす。まあ、ロボコップはピーター・ウェラーじゃなくなっちゃったし、オートモと戦ってる時のロボコップは大体ずっと寝てばっかでしたが……。

 おそらく背中のジェットパックとかは全部外せるはずなので、「初代は好きだけど『3』はちょっと……」という人も大丈夫だと思います。モールドもバッキリと深くエッジが立ってて、このサイズの模型として見た時の視覚的嬉しさはばっちりです。可動については全然わかんないですが、そもそもロボコップってド派手なポーズをキメるようなキャラクターでもないし、正直動いても動かなくてもどっちでもいい。とにかく何よりもまず「ロボコップがまともなプラモデルになった」ということが嬉しいわけです。こうなったらfigmaでクラレンスとオートモも出してほしい。ケインのプラモデルが作れたならイケるのでは……?

 MODEROID公式サイトにある「オート9をはじめとしたオプション」がなんなのか気になりますが(コブラ・アサルト・キャノンはつくのかな……)、ひとまず発売を待ちたいところ。むしろおれは今「ロボコップはどのシルバーで塗って上に何をコートすればいいのか」を考えるのに必死です。あのブルーともバイオレットともつかない金属色、一体どうやって表現すればいいんでしょうか。なんせロボコップのプラモデルを組み立てるという経験がないもんで、ちょっと実験が必要なんですよね。「俺はロボコップのソフビキットをこう塗ったぞ!」という古参デトロイト市民の方がおりましたら、塗装方法をnippperまでお送りいただけるとおれが喜びます。というわけで今回はこのへんで。1ドルで楽しむべ〜!

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

「動物のプラモデルを塗るためのガイドブック」があるんです。

 私は激怒した。必ずかの花紅柳緑なインコを再現せねばならぬと決意した。私には塗り方がわからぬ。私は塗装の素人である。というわけで我が家のアイドルのシロハラインコとおそろいになるように塗装をしたいと思いたち、以前ホビーショーで貰ったタミヤさんのカスモサウルスと海洋堂さんのティラノを塗ったわけなのですが中々難しい。戦車やロボはいろんな教本を読んだりしてなんとなく知識はありますが、動物はほとんど手探りです。持っている武器はドライブラシだけ。

 というわけで本屋さんで見つけて買ってきました。モデルアートさんの「アニマル塗装テクニックガイド」。AKラーニングシリーズという事で海外の翻訳本ですね。本を読めばできるようになるわけではないですけど、やりかたを知っているのと知らないのでは少し違いますからね。ドライブラシひとつ装備の今よりは前進できることでしょう。

 まずは、発売されている模型のページ。タミヤの定番ともいえる動物セット(今度の新作も楽しみですね)や恐竜セットのほかにもミニアートの鳩や果てはエデュアルドのエッチングの蜘蛛の巣!世にはこれほどの動物模型があるのかとワクワクさせてくれます。

 そして是非見てほしい、この目のページ!黒く塗った目にハイライトひとつ入れて頑張ったな!と自分を褒めていた私ですが動物の目はかくも千差万別なのだと改めて感じます。実際こう塗れるかというのはまた別として、どのような目であるかを知ってできる限りの塗装をしようとするというのは楽しそうです。瞼瞳孔白目に目尻。ほんのちょっと表現してみようかなという気にさせられますね。

 その後は各々の動物について塗り方をレクチャーしてくれます。馬、キリン、シマウマ、ティラノ、象、オランウータンにゴリラ。沢山の種類の動物を実際に塗りながらテクニックを教えてくれます。いやぁ塗りたくなりますね。大満足の一冊です。何も知らずにただ走るより、知識というセリヌンティウスを信じて走った方がきっと良い結果が出るようになることでしょう。

いち

16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。

豊富な塗装済みパーツと圧倒的シャープなパーツに酔えるロボットプラモ/「AMAKUNITECH ジェネシックガオガイガー」

▲ホビージャパンの新プラモブランド「AMAKUNITECH」。第1弾から飛ばしすぎな、すごいジェネシックガオガイガーが発売となりますよ!!

 模型雑誌「月刊ホビージャパン」でお馴染みの出版社であり、現在はフィギュアやプラモも自社商品として発売している株式会社ホビージャパン。そのフィギュアブランドである「AMAKUNI」が、遂にプラキットに進出です。その第1弾が最強の勇者王「ジェネシックガオガイガー」。先頃開催された全日本模型ホビーショーでも展示され、多くのメカファンから注目を浴びていました。今回は先行でテストショットをいただいたので、各パーツを見ていきましょう。

▲塗装済みパーツの精度が凄すぎる!! ここは担当者こだわりポイントだそうです

 勇者シリーズと言えば、メインは「トイ商品」。昨今はプラモがたくさん発売されていますが、トイをメインで楽しんできた人にも手に取って欲しい、組んだだけで満足して欲しいという思いから、ハイクオリティの塗装済みパーツが多数入っています。塗装済みパーツを採用することで、細部のパーツ分割も抑えられるので、組みやすさにもつながります(とは言っても、このジェネシックガオガイガーは本気すぎてランナー30枚ある!! 俺たちの勇気が試されている!!)。また塗装済みパーツを採用しているので、シールは一切無し。開発担当者が「シール貼るの苦手なんです」と言う個人的な主張も、商品に盛り込まれています。 

▲色分けされていて欲しい箇所は、ご覧の通りばっちりと塗装済みパーツとなっていますよ!
▲こちらは素組みに別売りのデカールを貼った状態。めちゃくちゃすごいぞ

 このプラキットは、さまざまな傑作トイを世に送り出している千値練と言うメーカーとのコラボ企画。このプラキットの前に両社がタッグを組んで開発した「AMAKUNI機神 ジェネシックガオガイガー」というトイがあり、そのデータを活かしてプラキットにコンバートさせています。キット化にあたってはサイズを一回り小さくすることで、(約18cm)関節などの負担の軽減、コレクション性のアップという今後のシリーズ展開も視野に入れたものとなっているのです。

▲関節はABS性。ポリキャップは使用されません
▲デザイン的にも張り出しの多いメカですが、各関節の可動範囲は非常に優秀。あなたのお好きなポーズでディスプレイ可能です
▲ジェネシックガオガイガーを映えさせる逆立つ髪や、ボルティングドライバー、ウィルナイフはクリアーパーツを採用! クリアーパーツは硬質感がしっかりあるタイプ。先端が刺さりそうなくらいです

 黒やダークブルーのパーツの成型色はソリッドなのですが、赤やアイボリーの部分は粒子が練り込まれたメタリックパールを採用しています。これにより、ソリッドな黒系パーツとのコントラストがしっかりと出るので、組むだけでも単調なプラモになることはありません。

▲細かな粒子が光を反射。透けも無くとても綺麗な赤です
▲シャンパンゴールドにも見えるアイボリーな成型色。プラの色でこれを表現するのはすごいです

 各パーツには鬼のようにディテールが刻まれています。そして色の表現もほぼ完璧。組むだけで最高だけど「プラキットだからなんか手を加えたいよね」と思いながらパーツを見つめていました。そして思ったんです。黒いパーツ、ディテールはすごいけど、黒だから見えにくいよね。ここにひとアクセント入れるとカッコ良くなるのでは!! そこで別売りで販売されるデカールでも採用される「グリーン」をモールドに流してみようと思いました。

▲エッジがやばい! 先端は指に刺さると痛いので注意してください。各パーツに刻まれたモールドも超一級品です

 黒いパーツにただ緑を塗ったら、下地の黒によってほとんど見えません。そこでエナメル塗料のシルバーでスミ入れします。そのシルバーの上からシタデルカラーのコントラストカラーを使用して、ボワっと光っている雰囲気を表現してみます。

▲タミヤエナメルのクロームシルバーでスミ入れ。塗料が乾いたら、はみ出た箇所をエナメルシンナーを含ませた綿棒で拭き取ります
▲シタデルカラー コントラストのヘックスレイスフレイムを使用。こちらはお化けの火球などに使用される色です

 シタデルカラー コントラストは、シルバーの上から塗ると下のシルバーが透けてメタリックカラーになります。またランダムに染まるので、各所でボワっと光っている雰囲気が簡単に表現できます。

▲スミ入れ部分をヘックスレイスフレイムでなぞり、塗料が乾いたらマジックリンを染み込ませた綿棒で拭き取ります
▲完成! これを全パーツにやったらとてもカッコ良くなりそうです。素晴らしい成型色や塗装済みパーツに思いっきり甘えていきましょう

 本商品はこれまでのAMAKUNI商品のようにネット通販限定ではありません。非常に心強いパートナーとしてコトブキヤとタッグを組み、全国への流通&商品サポート体制を構築。初のプラキット商品ということで、そう言った部分の体制も整えて臨んでいます。現在絶賛受注中で発売は2024年5月。ここまでハイクオリティなジェネシックガオガイガーを、しかもプラキットで手に入れるチャンスです。ぜひ今すぐ予約してください!! またホビージャパンオンラインショップ、コトブキヤショップで購入するとそれぞれ特典がついてきますので、そちらもぜひチェックしてから注文してください。

 プラキット版のジェネシックガオガイガーで、君もフュージョンしようぜ!!!

 ホビージャパンオンライショップはこちらからどうぞ
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フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)


スミ入れよりも銀塗装がハマるとき/飾ってクールなスペースコロニーのプラモデル。

 カラフルな色分け済みプラモデルもいいものですが、「何色にでも塗りやすい」という意味で白やグレーのプラスチックもこの世にはたくさんあります。ウェーブの「スペースセツルメント」も白いプラスチックパーツが入っていて、そのまま組むと白パーツと透明パーツのアンサンブルが奏でられます。ところでスペースコロニーって何色なんでしょうね。

 1970年代にRick Guidiceが描いたオニール・シリンダー(島3号型コロニー)の想像図です。絵がうまい。シリンダー外壁は白やグレーにも見えますが、冷静に考えると金属素材で作られた超巨大なコロニーの外壁をわざわざ塗料で塗る必要はないでしょう(重いし、宇宙空間でペンキを塗るのは大変だろうし、そもそもどうやって塗ればいいか皆目検討もつきません)。

 ISS(国際宇宙ステーション)の日本実験棟、「きぼう」です。外側はアルミニウム合金が剥き出し。空気がないからめちゃくちゃディテールがハッキリして見えます。プラモデルをリアルに見せようとするとどうしてもスミ入れとかウェザリング(汚し)をしたくなりますが、大気圏に再突入する物体でもない限り、宇宙でスミも汚れもへったくれもありません。よし、銀に塗りましょう。

 表面のディテールがどうしても機能というより「デザイン」に感じられるのは、あえてそうしているから……というのはこちらの記事を読んでもらうとして、シルバーに塗るとディテールがぐぐっと際立つのがわかります。スミ入れしなくても金属光沢のお陰で陰影がしっかり出るわけでございますよ。

 オニール・シリンダーの内部を描いた想像図です。3枚の窓と3枚の陸地が円筒状になっています。プラモデルでもこの構造が再現されています。陸地を表現するためにプラスチックパーツの内側にはシールが用意されています。窓のスキマから陸地が見えるのがとってもいいぞ。

 あとは農業/漁業用のモジュールにちまちまとクリアーカラーを塗って組み立てたり、円筒の前後に取り付けられる工業用プラントやドッキングゲートのモジュールを組み付ければ完成。やったことと言えば、白いパーツをシルバーに塗っただけですが、組み上がってみればそれはもう、とってもスペースコロニーじゃありませんか。

 宇宙にあるもの、巨大なものというのは日常生活から想像するのがとてもむずかしいものです。プラモの作り方、リアルさを付加する方法というのはいろんな手練手管がありますが、それは日常的に目にするものを手がかりにしたものがほとんど。非日常の未来は、やっぱりシルバーが似合います。さて、次はなにを銀色に塗ろうかな。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

情景が「上」へ広がる恐竜世界/タミヤのパラサウロロフス情景セット

 恐竜っていうのをエンタティメントコンテンツとしたときにいわゆる「人気者」として挙げていった時にティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴザウルス、ブラキオザウルス……ときて次点はなんだろう?アンキロサウルスとかパケファロサウルスとか次点はどれがふさわしいかという議論はともかく、タミヤ恐竜世界シリーズラインナップにおける「次点」のポジションにいるのがこのパラサウロロフスだ。

▲オスとメスの作り分けがある。自分の作っている恐竜がメスかオスかなんて考えたこともなかった!

 特徴的な外観と、雄雌の違いといった組み立て模型にしたときの塩梅がいい存在なのかもしれない。実際に他のどのラインナップとも体形やプロポーションが被らない。成形色も黄緑色で「怪獣のデフォルトカラーは緑系」(怪獣ではないけど)というゴジラからの刷りこみにも応えてくれる「典型的な恐竜像」を踏襲してくれるような構成。

▲ランナー状態で人間と並んでいるのが面白い。

 そして、このシリーズではおなじみの付け合わせの様にセットされる小型恐竜はニクトサウルス。恐竜じゃないな「翼竜」のニクトサウルス。ニクトサウルス…知ってる?自分はこのプラモで知りました。

▲背中にのせたくなるほどの大きさの差。カワイイ。

 そしてこのニクトサウルスは3体付属して、うち2体は飛行ポーズなんだな。え、どうするの?透明な支柱パーツがついたりするんですか?この恐竜世界の情景に?

▲何に使うんです?この針金。

 ここで見慣れぬ金属線が登場する。根元がスプリング上に巻かれ、先端は鍵状に曲げられている。

▲先端の曲げ加工はニクトサウルス側の長孔に差し込むための処理でした。クルクル回らないので位置が決まる。
▲ベース側は太めの穴に巻いた部分を差し込んで安定感がある根元を隠す岩状のカバーまである。

 この金属線こそが飛行ポーズの支柱で、コイル状に巻くことで台座側に差し込む際の勘合を太く扱いやすいものにするというアイデアだったんですね。細い金属線と同じ系の穴をプラスチック部品側に用意するのは金型的に大変ですし、線材のまま挿すと貫通したりして危ない。接着固定する際の、のりしろも稼げるし先端でクルクル回らず向きも決めやすい。

▲地面と植物と恐竜と空と翼竜と……至れり尽くせりな情景。

 四足歩行の恐竜は尻尾もあって横に長くなってしまいがちな中で「ニクトサウルスを飛ばす」ことでいきなり視界が縦に広がっていく。ニクトサウルス単体の商品だったら透明プラの本当にシンプルな「倒れないため」だけに徹した高さのスタンドが付属していたかもしれない。「パラサウロロフスの頭上を飛ぶ情景」のために単体商品ではあり得ないような高さで保持することになったわけだ。

 おかげでこのパラサウロロフス情景セットはシリーズの中でも飛びぬけていい景色を見せてくれていると思う。まさに「情景セット」の面目躍如といったところだね。

HIROFUMIX

1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。

ファインモールドの最新キット、F-15イーグルを組んでビビろう!

 ファインモールド製F-15の主翼上面、エルロンを取り付ける前の状態です。フラップとエルロンの間に超小さい三角形の出っ張りがあります。プラモデルを設計して「こんな金型を作ってくれ」と言ったらおそらく金型職人にめっちゃ怒られますが、ファインモールドはそういえば自分で設計して自分で金型を彫っているのでした。「自分で考えたことの責任は自分で取るぜ!」というファインモールドの自負がビシバシ伝わってきます。

 大戦機のみならず、F-14、F-4、F-2とジェット戦闘機を手掛けてきたファインモールドの最新作、F-15です。まずは航空自衛隊の初期仕様「ホットスクランブル1984」が発売されましたが、続いて改修型の「“J-MSIP”(近代化改修機)」が発売予定。さらに複座のDJ型、米空軍のC型およびD型も順次模型店に並ぶことになっております。ところで『ひそねとまそたん』はマジで良いアニメなので観ましょう。

 ファインモールドのF-15はとにかく「パーツの位置決め」に本気です。F-15って全体的にシンプルなカタチをしているので昔はざっくりとしたパーツ構成のプラモデルが多かったのですが、それだと50年以上の長きにわたってちょっとずつ各部のカタチやディテールを変えて進化してきたのを正確に再現するバリエーションキットを出すときに「全部作り直し!」ということになってしまいます。そこで「バリエーションキットを出すときに変化するところを最初から分けておこう」と考えるわけですが、今度はパーツ分割がめっちゃ細かくなります。これがスケールモデルの悩みのタネ。

 たとえば胴体下面の左右がごっそり別パーツになっているのも、「あとでE型まで作っちゃおうかな〜」という構想を伺わせるものですが、パーツが増えるとピシッと貼るのが難しくなります。プラモデルのパーツがビシッと合うというのは設計だけでなく、金型を加工したり成形するときに寸法通りになるように温度や圧力や冷却時間を調整したり、さらにユーザーが狙ったところにパーツを寸分違わずはめ込み、接着できるか……といったいろんな要素が絡み合います。ファインモールドは今回F-15を模型化するにあたり、「とにかく位置決めがしっかりできるようにするぞ!」という設計を随所に盛り込んでいます。

 コクピットがバシッと組めるのはまあいいとして、例えば脚収納庫後方に伸びた機体下面のパネルが機首左右パーツとツライチになってくれるか、とかノーズコーンが機首パーツとツライチに貼れるか、みたいなことも重要です。飛行機の表面に段差があったら嫌だもんね。

 合わせ目が出ないようにパネルを割っているのはもちろん、ノーズコーンもただ面と面で貼り合わせるのではなく、機首内部から飛び出た丸い出っ張りに被せるような構造になっています。なんとなーく組んでいてもパーツが所定の位置に収まってくれるのはこのおかげ。もちろんパーツをカットした跡が残っているとキレイに組めませんので、そこの処理だけはしっかりやってください。

 胴体と機首ブロックの接続も丸い軸と周囲の段差によってバッチリキレイに位置決めできます。「誰が組んでも、必ず正しい位置にパーツを貼れる」というのはプラモデルを確実に組めるようにする工夫ですが、これって案外難しいこと。ひとつひとつのパーツがどう組み合わさるのかを想像しながらていねいに設計されたF-15、これから10年以上にわたって多くの人に組まれることでしょう。日本とアメリカ、さらにイスラエルやサウジアラビアでもいまだに第一線級の能力を持ったイーグルの姿を、ぜひみなさんの手で組み上げてください。「イーグルってこんなにかっこよかったっけ!?」と驚かせてくれるはずです。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

でっかいけど器用に塗れる/大きな筆をお探しなら「ゴッドハンド 神ふで デカ」がオススメです

▲大は小を兼ねるのか!? でっかくなった神ふでが気になったので買ってきたよ

 僕は広い面を塗る時には大抵平筆を使うのですが、ちょっと違ったタッチも試してみたいと思い、広い面の塗装が楽しめるでっかい丸筆「神ふで デカ 細筆 中」という、ラーメン二郎の呪文みたいな全サイズ書いてあるデカい筆を買ってみました。

▲かっこいいは正義! 神の名を冠しているだけはあります

 箱を開けた瞬間、「持ち手がクリアーでかっこいい!」って一瞬でときめきました。クリアー素材だから、持ち手が汚れても、溶剤を含ませた布などで拭けば簡単に綺麗になりますね。

 この筆は昨今の筆の主流となっているPBTという人工毛を使用。溶剤耐性があるので、模型用の筆として最適です。またこの毛はコシもあるので、カキっとした塗り分けも可能となっています。

▲絶妙に跳ね返りのあるコシなので、曲面パーツを塗る時にも筆が追従してくれます

 早速塗ってみます。筆がでかい上に、毛先が長いので吸水性抜群。しっかりと塗料と溶剤を筆の中に溜めてくれるので、長いストロークで一気に塗れます。

▲翼の端から端までひと筆で一気に渡り切れます。しかも1回では無く、一度塗料を含ませたら5回くらい一気に渡り切れました
▲筆のコシと、高い形状記憶能力を活かせるので、筆をポンポンと叩いてテクスチャー感をだすスタンプ塗装も楽しめます

 塗っていて毛先がバラバラになっていかないのも良いです。でっかい筆の毛先が常にまとまってくれているので、自分の思うようなタッチ・塗り方に応えてくれます。

▲また「おぼっちゃまくん」の頭のようにぴょんと突き出た毛先を利用すれば、ある程度細部塗装もいけます
▲デカい筆ですが、毛先のとんがった部分でこのくらいの線は簡単に描けます

 デカいだけで無く、抜群の吸水性によってさらに長い時間塗れて、しかも毛先の先端を活用すれば細部の塗装にもシフトできる。見た目によらずかなり器用な筆となっています。

 広い面を塗ったり、大きな模型を筆塗りして楽しもうって時にはめちゃくちゃ便利ですので、ぜひ「神ふで デカ」を使ってくださいね! それでは。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

キャタピラの分割アイディアがすごすぎる!/ルビコンモデルのRSO トラクター

▲ルビコンモデルズお馴染みのキャラメルパッケージ

 さて前回に引き続き縁の下の力持ちのプラモです。今回は第二次大戦中にロシアの悪路に泣かされたドイツ軍が開発した万能牽引全装軌トラクター、RSOです。RSOとはラウペンシュレッパーオストの頭文字。日本語にすると東部用装軌式牽引車。先に触れたとおり、東部戦線(ドイツとソビエトによる戦い)用に専用設計されたトラクターなんですよねー。凝り性のドイツ軍にしては非常にシンプルなメカでして、低速ながらも泥濘地や積雪にも強く、通常の車輪式のトラックなどでは到底進めない悪路も走れるスペシャルマシンなのでした。ただ、低速すぎて大戦後半の撤退戦になると、遅すぎるので路肩に放置されちゃう運命だったり……!

▲パーツ数からルビコンっぽさが爆発しています
▲特徴ある丸っこいキャビンはワンパーツ

 これまでも何度かレビューした1/56スケールの軍用車輛を展開するナイスなメーカー、ルビコンモデルズの新作です。パーツ数は最低限に抑えつつも、以前の製品に比べると解像度もぐんとアップ。パーツを眺めているだけでニコニコしてしまうこと間違いなし。

▲ほら、布の表現とかすごい

 ルビコンモデルズといえば足回りのパーツ構成が楽しみなメーカー。今回もまた最低限の部品点数で素晴らしい立体感を演出してくれてますよ!

▲キャタピラは大きく上下で分割ですが……
▲機動輪や誘導輪とキャタピラが一体化されて驚くのです

 RSOは起動輪(動力を伝える車輪)と誘導輪どちらにもキャタピラに引っ掛けるツメがついているんですが、巧みなパーツ分割によって組みやすさと正しい構造を上手く再現してます。

▲ツメがないのに、キャタピラを乗せるとツメが再現されている! キャタピラ側に一緒に成型されたツメが違和感なくマッチしています

 実車通りにキャタピラと起動輪を噛み合わせようとすると、パーツの精度も重要。なにより組み立てに手間がかかる。ルビコンモデルズの場合はこの1/56スケールを生かし、一体化されていてもちゃんと立体感があるようなパーツ構成になってるんですよねー。いや脱帽であります。

 そして勿論このキットにもいつも通りのルビコンモデルズらしさが爆発。キットパッケージには「RSO/01 or RSO/03」と書いてあり、初期型の丸形キャビンを持った/01と、生産性を重視した角型キャビンの/03を組み替える事が可能。さらに荷台も幌なし、幌なし骨あり、幌あり後部オープン、幌あり後部クローズと選べる楽しさ。幌を付けなければスノーシューと呼ばれる、積雪地用アタッチメントも荷台側面にセット出来ます。

▲RSO/03と呼ばれるタイプに幌なしキャビンと幌なし荷台にスノーシュー装備
▲RSO/03のまま、どちらにも幌を装備した状態
▲丸形キャビンのRSO/01に幌支柱のみ、スノーシュー装備

 スノーシューは、使う時は荷台側面ラックから外してキャタピラに装備します。キットではスノーシューを履いた姿は再現出来ないけど、荷台から外した状態にも組めますよ!(忘れてがっちり接着しちゃった)。いやもうどの形で仕上げようか悩んじゃうやつだ……。珍しくキャビンは無改造でコンパチ式に出来るのですが、荷台はそうはいかず。ちょっと工夫すれば一応幌アリ/ナシぐらいにはコンパチに出来るけどね!

▲今回はこの姿で完成!

 運転手もちゃんと入ってるし、コロンとしたシルエットがたまんなく可愛いんですよねー。窓ガラスは入ってませんが、まあこのスケール的にそこまで気にならないしシンプルな形状なので透明プラバンとかで自作するのはそんな難しくないです。1/35でもキット化されてますが、なにしろルビコンモデルズのキットなので、半日もかからず組めちゃうのが嬉しい。こんな可愛らしいRSOのプラモデル、オススメなのであります。ぺぺっと塗装してみようかなー。

内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。

設定画こそ本体!/「スペースコロニーに真面目に向き合う態度」のプラモデル。

 「人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった」と言わんでもわかりますね。買わなきゃいかんと思っていたのにまだ買っていなかったプラモデルにバッタリ出会ったので買いました。ウェーブの「スペースセツルメント」です。耳慣れない名前ですが、要は『機動戦士ガンダム』シリーズで親の顔より見たスペースコロニーの原案、「オニール・シリンダー」を立体化したものです。もともと物理学者が大真面目に考えたデザインですから、直径、長さ、回転数に至るまでガッチリ決まっています。そこにリアリティ(=現実味)があるから、ガンダムだけではなく数多くのSF作品にほとんどこのままの姿で登場しています。

 カタチがカタチですから、そんなに複雑なパーツ分割がどうこうとか、驚くべき仕掛けがあるとか、そういう類のプラモデルではありません。三枚の陸地と三枚の採光窓が設けられた長い円筒を組み、そこに光を取り入れるためのミラーがあり、先端部には農業や漁業を営むためのプラントがリング状にくっついている、という形状を再現しています。しかも点対称なデザインですから、大きめのパーツは同じランナーが3枚ずつ入っていてそれを組み合わせることになっており、まあなんというか、ごくシンプルで「組み立てる面白さ」に対する期待感はそこまで感じられません。

 どっこい、付属の「製品開発用設定資料集」を読むと、みるみるうちにこのプラモは面白さが倍増していきます。スタジオぬえの宮武一貴氏(関わった作品は『宇宙戦艦ヤマト』『超時空要塞マクロス』『聖戦士ダンバイン』などなど……きりがないので知らない人はwikipediaを参照されたし!)によって描かれた「いまオニール・シリンダーをプラモデルにするならこれくらいのことを考えてカタチを決め、ディテールを彫刻しないとだめでしょ!」と言わんばかりの”設定”がモノクロ12ページに渡ってギッシリと掲載されています。プラモデルひとつ作るのに、こんなに……と言いたくなるほどの濃厚さ。本格家系コロニーです。

 このプラモ、箱には「NONスケール(縮尺は特に決まっていませんよ、の意)」と書いてありますが、オニール・シリンダーは遠心力で重力を発生させ、安定した大気組成や姿勢制御を実現するために「直径5マイル (8.0 km)、長さ20マイル (32 km)」と相場が決まっております。宮武氏はそれをごくあたりまえのこととして、「じゃあ全長18cmの模型にしたらスケールはこれくらいで、表面にこういうディテールが入っているとそれは実物で◯◯mくらいの大きさになるよね。模型的にはいいけど、現実には絶対に有り得ないよね」と論理を組み立て、それに見合ったイラストを描き、びっしりと注釈を書き入れています。

 オニール・シリンダー、じつは2個でワンセット(回転によって生じるジャイロ効果を相互に打ち消すために逆回転するコロニーを連結する)という構想なので、これがひとつだけ単独で宇宙に浮いているのは「ダウト」です。でもみんなが知っている「スペースコロニー」をみんなが知っているカタチで手もとに置いておきたい。じゃあどうするのがベストだろうね?というのをすっごく真面目に考えた人が世の中にはいる。その思考をまとめて読める(単一シリンダーでの姿勢制御にも言及されているのだ!)。ああ、素晴らしいじゃないですか。

 「正直表面のディテールは凹んでいるより出っ張っている方がまだリアルだと思うけど、それも模型的に盛り上がるデザインに過ぎないよ(本当にオニール・シリンダーを建造したら、おそらく表面は限りなくツルツルに見えるだろうよ)」というのをわかった上で眺めるSFチックな彫刻。そしてそのままパチパチと組んで現れるのは意外性もなにもない、いつものスペースコロニーのカタチ。でもキットのなかに副読本があるおかげで、あなたは人より少しスペースコロニーに詳しくなれるのです。人類の未来は、もしかしたらこういうところから切り開かれるのかもしれません。

からぱた/nippper.com 編集長

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編成はコピペでも俺のギャングだ/ウォーハンマー40kよりネクロムンダのOrlock Gangを作る

 「10×CITADEL MINIATUERS」って書いてある箱を開けると多すぎるパーツ。何が多いかよく見てみると武器を握った手のパーツがとにかくたくさん。

 ウォーハンマーの中でもギャングたちの構想を描いたゲームであるネクロムンダを始めようと思ったので、Orlock Gangを購入したらあまりの武器のバリエーションの豊富さに驚きました。これ、武器ごとにコストが割り当てられているのです。それを計算して自分なりにミニチュア一体一体の装備を考える。そうして規定のポイントに収まるようにギャング全体の編成を考えていって、ゲームに使うことになります。

 しかし編成を考えるのは結構大変です。何せゲームをプレイしたことないのに考えないといけないから。有効な武器や面白い武器がわからない……でも、今すぐこのパーツをランナーから切り離したい!というわけで今回は海外サイトに載っているおススメ編成を真似してみました。

 編成を真似するってことは、要はコピペです。自分で考えていないので、それほど愛着もわかないだろうと思っていました。しかし、そんなことは全然ない。同じ武器でもポーズが違うパーツが用意されているからです。

 くぼみに腕の付け根をはめ込んだあとに多少ズレていても接着剤で問題なく取り付けられます。そこに肩のアーマーをかぶせれば接続部分はまるっきり隠れてしまう。こんな風にいろいろな武器を割と自由に取り付けられるボディの工夫が本当に頭の良いプラモデルです。

 「作ったらメンバーの名前を考えてください」ってウォーハンマーストア神保町で言われて、最初はピンと来なくて番号でいいかなと思っていました。ただ、作っていく中で色々なポーズを考えて組み立てたギャング達のことを考えるとしっかりと名付けずにはいられません。

 文字情報でしかなかったおススメ編成をプラモデルとして組み立てていく中で、ギャング一人一人に個性が生まれるのは他のプラモデルにはなかなかない体験。顔も10種類が2つずつ用意されているので選び放題。組み立て終わったので塗装して初めてのゲームプレイに備えようと思います。

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

花金だ!仕事帰りに買うプラモ。この週末は「プラモになった子供たち」と遊ぼう/AKインタラクティブ 子供フィギュア少年セット

 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はどんなプラモとも仲良くなれちゃう「子供たちのプラモデル」をご紹介します! ひと箱で6人の特徴ある少年たちが、あなたのもとにやってくる。

▲ランナーは3枚。パーツ分割にトリッキーな部分は無く、シンプルなプラモです

 軍服や一昔前の服装では無く、今の時代でも目にする服装をした子供たちとなっています。釣りや読書、ペンキを塗っている少年などポーズはそれぞれユニークなものとなっているので、お好きな模型の側に添えるだけで、あなただけのストーリーを生み出せます。

▲服装もそれぞれ異なっていて、シャツとか普段僕たちがよく目にする服がプラモになっています
▲釣竿は手と一体で成型されているので、組み立て簡単!
▲人形を抱いた手も、人形と手が一体成型。胴体パーツに貼るだけでポーズが決まります
▲バケツとトランペットだけは別パーツになっています

 スケールは1/35ですが、子供たちをそんなスケールに閉じ込めておくなんて勿体無い!! あなたのお家にある全プラモと合わせて、ガンガン遊びましょう!

▲「これ、兄ちゃんが塗ったんだぜ!」「兄ちゃん、かっこいい!」
▲「いい音奏でるじゃねぇか! 踊ろうぜ」「ぽー」
▲「俺、好きな子できたんだ」「慌てて釣るなよ」
▲「昔から人が読んでいる本を覗いたもんじゃ……」「迷惑!!」

 兵隊さんやアニメキャラだけじゃ無く、「どこかにいそうな普通な人」のプラモがどんどん増えています。今回ご紹介した子供たちは、あなたのインスピレーションをとっても刺激してくれること間違い無しのプラモです! ぜひこの週末、子供たちと思いっきり遊んでくださいね。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

一番使う塗料のお宿に。「ハイキューパーツ DPボトル」

 希釈した模型用塗料をハンドピースのカップやペーパーパレットなどに手早く移せるだけで、プラモの塗装は超快適になります。それを可能にするハイキューパーツの「DPボトル」を今回ご紹介します。模型用に開発されているので、一般的なラッカー塗料への耐性もありますよ(強力な溶剤などの使用は推奨していません)。

▲あと2個で願いが叶う!! 5個の弾が入っているので攪拌もしっかりできます

 セラミック製の攪拌用の球が最初から入っていて、蓋も片手でパカっと開閉可能。塗料を注ぐことに関してのすべてが備わっています。高密閉容器ではないので長期間置いておくと少しづつ揮発しますが、使ってみた感じ不便な思いをしたことはありません。50mlを選択しているのは、ちょうどいい感じに使い切れる量だから。使い切ったら再度足す……の繰り返しで使っています。

▲キャップをパカっと開ければ、片手で注げます。超便利。手も汚れません

 僕にとってこのボトルは、最強の「クリアーコート」系塗料の基地となっています。最近はクリアーコートに関してはラッカーと水性を併用しているので、溶剤耐性もあって手軽に注げるDPボトルが欠かせません。デカールを貼る前の光沢コート、仕上げのつや消しとコートするたびに塗料をいちいち準備していたのですが、その工程ともこのボトルのおかげでおさらばできたので、一気に塗装スピードが上がりました。

 たかがボトル。されどボトル。しかし、よく使う塗料のためのボトルというのは模型塗装において大きな力をあなたに与えてくれます。

▲クリアーコートとか、サーフェイサーなどよく使うものを入れておくとすぐに使えて便利!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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森の中で休息する海兵隊/ミニアートのプラモデルと涼しい秋に出かけよう。

 今年の夏はヤバかったですね。9月末になっても暑くて暑くてイヤになりました。この暑さを吹き飛ばすようなさわやかで素敵なプラモデルでも組みましょうか。

 ミニアート1/35アメリカ海兵隊〈休息中〉です。ボールを投げようとしたり、ゴロンと転がったりとリラックスした姿の兵士が4体入っています。ナイスガイよくばりセットすぎやしませんか。

 ちょっとたい焼きのパリパリしてるところみたいになってますが、いまはゆるーく作りたい気分なのであまり深追いしない方向で作ってみます。ニッパーと流し込み接着剤とカッターでささっと組み立てました。ズボンから飛び出した手袋が小さめなので、そこは慎重に貼りました。

 完成したところでちょっとひらめきました。海兵隊ナイスガイ達を屋外で撮ったらかわいいのでは……と。立たないとやりにくいかなと思ったので、ウォーハンマーのベースに両面テープで貼ってお出かけしました。

▲海兵隊なのかい? 妖精なのかい? どっちなんだい?

 この人たち、自然でいい芝居がつけられていて、ウットリしてしまいますね! 鍛え抜かれた肉体に優しい微笑み。誰もが魅了されるに違いありません。あなたもそうでしょう。うむ。それが小さなまま外の風景と混じり合うことで、コロポックル海兵隊が爆誕しました。

▲ラグビーボールを投げるアニキ

 かわいすぎますね! 妖精って本当にいたんですね! 人のハートに軽率にパスを送るセクシーなフィギュアです。

▲ははーん。これは無防備な姿でドキドキさせるタイプのですな。罪作り。
▲存在感すごい

 日本版コティングリー妖精事件化すると困るのでそろそろ撤収します。草と小さいプラモを一緒に撮るのはめちゃくちゃ楽しいので、みなさんも是非是非やってみてください。ではまた。

森砂季

模型の挫折を繰り返したのち、ウォーハンマーとの出会いでアクリル筆塗りの手軽さと楽しさに目覚めたペインター。
サイズが小さめなプラモとガレージキットが好き。

タミヤ新作、護衛艦「もがみ」のプラモデルにスナップフィットが使われる理由。

 全日本模型ホビーショーでいちばん意外な新製品だったのは、タミヤのもがみでした。左右の壁が上すぼまりになっている海上自衛隊の「もがみ」は、その内部にある構造物を再現しようとすると、先に構造物を組んでから左右の壁をそれぞれ貼り合わせるしかないように見えます。しかしタミヤは「上部が開口された船体を一体成型して、下から構造物をハメる」というコペルニクス的転回でこれを解決していたのです。すご!

 上の船体はまるっとワンパーツで、そこに4つのブロックごとに組み立てた構造物を下からはめ込むという仕組みです。しかもですね、固定するのに接着剤を使いません。下からブロックを入れると「カチン」と音がして、決まった位置に固定されるのです。いわゆるスナップフィットというやつですね。塗装後に合体できるのも制作の手順がシンプルになりそうで最高。

 艦底側から見たところです。最終的には喫水線の面にあたるパーツでフタをされるのですが、下から押し込んだ各ブロックが船体側面内側にある小さな爪に引っかかって落ちてこないようになっています。各ブロックが、上下方向だけでなく前後方向にもカタカタ言わずにピシッと収まってくれるのは衝撃的。

 開発スタッフによれば、「すべての構造物を1ブロックにまとめて最後にハメ込む設計も原理上は可能だけど、船体パーツの収縮率(プラモデルは金型から出てくるときに冷えて縮みます)と構造物のブロックの収縮率が違うので、最終的な寸法をぴったり合わせるのが難しい」とのこと。あえて構造物を4ブロックに分割して決められたスペースに押し込むことで、微妙な遊びをお互いが打ち消し合う……という”ミクロレベルのおしくらまんじゅう的な原理”でカチッとした位置決めが可能になったのだとか。微妙にズレた位置に貼ってしまうと上下前後に隙間ができる可能性がある「接着」をあえて使わず、ベテランでもノービスでも確実にキレイに組めるようにするための「攻めのスナップフィット」だというのです。

 ステルスマストの四方から伸びるフラット(横棒)も水平垂直がビシッと出るようにスライド金型を使って一体成型。たしかにこれをプルプルしながら正しい角度で貼るのは難しいもんね。ただし、船体下面からマストをはめ込む際はこの細いパーツを折らないようにちょっと注意が必要だなと感じました。このプラモ、スナップフィットや一体成型を使っていると言っても決して「初心者向け」と間口を狭めているのではなく、むしろ「ベテランでもノービスでも必ずうまく組めるようにする」というタミヤのイズムがしっかりと流れています。

 海上自衛隊のもがみ、すでにピットロードという会社が同じ1/700スケールでプラモデルにしているし、カクカクしたシルエットは模型的に美味しい「ごちゃごちゃした感じ」にも乏しい印象です。しかし、タミヤにはタミヤらしい組み味があり、それを体験するために組みたいなぁと思わせるプラモデルです。同社のウォーターラインシリーズにおける完全新規開発アイテムとしては6年前に発売された「島風」以来の進水。さあ、みんなもアップデートされた護衛艦を組んで、最新のタミヤの手腕を感じてください。そんじゃまた。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

戦車と共に進撃する歩兵たちの姿がありありと刻まれたレジェンドプラモ!「タミヤ 1/35 ドイツ陸軍 歩兵 進撃セット」

▲「戦車に乗った歩兵」のフィギュア、実はMMではちょっと珍しいんです

 タミヤの製品も含め、古の戦車模型は元々モーターで走るのが前提でした。が、1968年のミリタリーミニチュア(MM)シリーズの登場によって、タミヤは「戦車だけではなく乗員やその周囲の兵士や小物なども含めて模型化し、それをディスプレイする」という画期的な遊び方を提案しはじめます。この斬新な遊びの面白さをプレゼンするため、箱や説明書には兵士の服装や装備についての詳細な解説を掲載したり、写真コンテストを主催したり、人形を改造するコンテストを開催したり、とにかく全力でさまざまな施策を打ち出しました。

▲まるで映画のポスターのような濃厚なパッケージアート

 と、いろいろやっているタミヤですが、意外にも「戦車に乗った歩兵のフィギュア」が発売されるまでにはそこそこ時間がかかりました。MM最初の商品は「ドイツ戦車兵セット」でそのものズバリ戦車兵のキットですが、「戦車のおまけとして砲塔に立たせる戦車兵」以外のフィギュアは、実のところさほど発売されていないのです。

 これはちょっと意外です。というのも、戦車の後ろに歩兵を乗せて進撃するという戦闘スタイルは、洋の東西を問わずいろいろな国の軍隊で一般的なものでした。戦車は視界が悪く索敵能力に限界があるため、隠れた歩兵や砲兵を素早く発見するのが苦手。また、こういった小粒な敵を素早く制圧するためにも、随伴して行動する歩兵は必須です。

 「だったら戦車の上に歩兵を乗せちゃえばいいじゃん」というわけで、戦車跨乗兵(タンクデサントともいいます)というのは現代でもしばしば見られるポピュラーな存在となりました。第二次大戦中のソ連によるタンクデサントの多用は有名ですが、別にソ連に限らずあらゆる国で見られた戦術です。「フィギュアと戦車を組み合わせて遊ぼう!」というコンセプトをプレゼンするには打ってつけだと思うんですが、これを再現したキットはなかなか発売されませんでした。

▲ちょっと使い道がわかりづらいキットだと思ったのか、説明書には「こうやって遊んでね」という参考例が掲載されています

 そんな戦車跨乗兵のキットがタミヤからようやく発売されたのは、1975年のこと。その名も「ドイツ歩兵 進撃セット」。この1975年はMMにとってすさまじい年でして、この年だけでおよそ27点もの新製品が発売されております。嘘だろ……。この「進撃セット」も、まさに絶頂期を迎えたMMのノリにノったテイストを味わえるキットとなっております。

▲現在のタミヤのキットらしいパーツ配置とは違いますが、これはこれでシステマチックな感じがするランナー

 ランナーは二枚。当時のタミヤのフィギュアは現在のような「フィギュア本体のランナー+汎用装備品ランナー」という構成になっておらず、フィギュアと装備品のパーツが同じランナーに配置されております。しかしヘルメットならヘルメット、ライフルならライフルが集中して並ぶ配置には、独特の美学も感じますね。

▲この下半身のむちむち感! 劇画だ!!
▲この良い意味での彫刻のクドさが、MM絶頂期の味なのです!
▲よく見るとこの人だけ首元のボタンを外している! 芸が細かいですね〜

 パーツを見るとさすがに時代を感じますが、この頃の劇画っぽいクドめの彫刻はこれはこれで見ていて楽しい。全員きっちり制服を着こなし、足回りもジャックブーツと、70年代における「無敵ドイツ軍」的イメージを具現化したようなフィギュアたちです。

▲戦車と組み合わせるとこんな感じ。賑やか!
▲この、狭いところにミチミチに歩兵がしがみついている感じ! めっちゃいい
▲地面にいる人たちは「物陰から攻撃のタイミングを伺っている歩兵」としても使えそう
▲車体の上に寝そべって正面からの面積をなるべく減らそうとしている人など、ポーズは全体的に緊迫感があります

 やはりこのフィギュアセットは、戦車と組み合わせてこそ光り輝きます。ちょっとポーズは大袈裟ですが、全員の視線が前方に向いて揃うことで意外なほど緊張感が漂っております。ある者は砲塔の後ろに隠れ、ある者は銃を抱えて戦車の影から前方を警戒し……と、戦闘を控えたピリピリした空気が伝わってくるようです。砲塔の後ろに歩兵がゴチャッと乗ることで戦車のシルエットに変化が生じているのも面白いポイント。車両単品では出せない、緊張した雰囲気はこのキットならではです。

 というわけで、50年近く昔のキットながら、ピリリとしたムードが楽しめるこのキット。まさに絶頂期のMMらしい、数を重ねたことによる表現力の高さを窺わせる内容でした。小さな兵士たちと映画のポスターのようなギトギトした箱絵を往復すれば、脳内に戦車と共に進撃する歩兵たちの姿がありありと思い浮かぶはず。昔のキットではありますが、単に古いキットと切り捨てるには惜しい魅力のあるアイテムです。

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

「少女発動機」に相棒がいれば二人で最強だし、バイクらしさが分かる!/タミヤ Kawasaki ZZR1400

 イラストレーターのAF_KURO氏による、近未来都市をサイボーグ少女たちが最速・最強を目指し駆ける……という世界観から、その少女の一人がフィギュア化されています。以前から『少女発動機』と銘打たれたこの世界観のファンであった私は、氏の同人誌を眺めて嘆息をついていたのですが、その立体化の報を聞いて迷わず予約したのでした。

 走行ポーズは後ろ姿がかっこいいです。背中から覗くエンジンと、接地性抜群の足先タイヤがポイント。機械とひとつになった彼女のデザインには、人馬一体ならぬ”人機一体”となるマシン、「バイク」と通じるものがあるはずです。私はバイクのことはよく知りませんが、少女発動機ならここにあります。彼女と見比べながらバイクプラモを作れば、バイクのことが分かるし、大好きな彼女のことはきっともっとよく分かります。

 最速・最強のサイボーグ少女と並べる相棒なら、それに負けないパワフルなモンスターマシンがいいでしょう。いかつい見た目のKawasaki ZZR1400にします。4つ目のヘッドライトが只者ではない雰囲気です。

 メッキのマフラーとランナーが立体的にうねっています。排気がすごい=エンジンが強い=最強!

 胴体に納める大きなエンジンです。彼女の背中からも大きなエンジンがのぞいています。どちらも肝心かなめの動力源が体のど真ん中にあります。

 前後のタイヤの太さが全然違います。コントロールの前輪とパワーの後輪と推察します。彼女の足先と見比べると、片足に複数のタイヤがついていることに気づきます。つま先側(前側)が小さいタイヤ、かかと側(後ろ側)が大きいタイヤです。こんなところも同じなんですね。

 もっと観察するため、彼女の配色を参考にZZR1400を塗装します。人型の彼女とバイク、どこがどこに相当するのか考えます。例えば両脚はもちろんタイヤ周辺です。頭の2本の角はどこでしょう? ここはフロントカウルからにょきっと生えるミラーとそっくりですから、同じ色にします。

 現実のバイクから彼女のような架空のデザインに変換されるとき、”バイクらしさ”が抽出されるのだと思います。共通点を探すことは、すなわち“らしさ”を見つけることなのです。

 並べて飾ると最高です。組立説明書にはキットの周辺知識が紹介されているのですが、ここの最後の一文を引用します。

“あらゆる状況において最高のパフォーマンスを発揮する、世界最強・最速を目指したカワサキの新世代フラッグシップがZZR1400なのです。”
(タミヤ 1/24 Kawasaki ZZR1400 組立説明書より)

”最強・最速”を目指す「少女発動機」の相棒は当然”最強・最速”なのでした。このキットを選んだことの答え合わせがされたようで、私にとって彼女たちがますます最強の二人になりました。

シンガジ

90年代生まれ。父の影響でガンダムが好きになる。
最近はガンプラ以外にも興味あり。

全日本模型ホビーショー会場で模型の達人に教わった「極太ランナー」の活用法!あなたも今日から瓦礫名人。

▲海外生産のプラモでよく見られる四角い断面の極太ランナー。これ、めっちゃお宝です

 2023年9月30日、10月1日と東京ビッグサイトで開催された「全日本模型ホビーショー2023」の会場で、マシーネンクリーガーの原作者である横山宏氏(以下横山さん)からとっても楽しいテクニックを伝授してもらいました。それは「ランナーから瓦礫」を秒速で生み出す方法です。これであなたの地面も今日からさらにカッコよくなっちゃいますよ。

▲全日本模型ホビーショーの海洋堂ブースにて展示された、横山さん製作のキュスターのディオラマ。無造作にばら撒かれた瓦礫がめちゃくちゃかっこいいのです

 会場で横山さんのディオラマを見ていると、まさかのご本人登場! 「フミテシくんさぁ、この瓦礫めっちゃええでしょ。これ、誰でも簡単に作れるから、フミテシくんもやってみて。画像今あげるから」。と速攻でiPhoneのAirdrop機能で画像を送ってもらいました。それを見ると、マジで簡単な上に、すごく楽しそう……。そしてプラモアニキすぎる大胆さも最高な技でした。

▲極太ランナーをザクザクと切り刻むだけ!!

 海洋堂のキュスターのように、海外生産のプラモの中には、金型にしっかりとプラスチックが流れるよう極太のランナーが採用されたりします。じはこのランナーがお宝。プラ棒とかを買ってこなくても、これを好きな大きさにカットしてばら撒くだけで、瓦礫が完成するのです。太いランナーを見つけたらぜひ真似してください!

▲カットしたランナーをばら撒きます。横山さんは瓦礫がランダムに配置されるように、豆を撒くみたいに本当にばら撒くそうです。考えて配置するよりも自然になって最高とのこと
▲ばら撒いた瓦礫をプラ板の床に固定するために、注射器にツールクリーナーを入れて、直接ぶっかけます。そうするとプラスチックが溶けて勝手に固定されるとのこと。大胆すぎる!

 上の方法で、ディオラマのアクセントになっている瓦礫ができるなんて……。こんなの見せられたら模型好きのハートが疼くってもんです。早速僕もキュスターの極太ランナーで同じようにやってみます。

▲ランナーをザクザク。大きいものから小さいものまでランダムにカットし、流し込み接着剤をドシドシと瓦礫の間に流して固定!
▲グレーで塗装。破壊されている瓦礫ですから、筆ムラなんて気にしない。むしろムラがあった方がらしくなります
▲足元に情報量が増えました!! 15分でこんなふうにできちゃいます
▲兵隊さんを立たせれば、さらにそれらしくなりますね! 超楽しい

 模型のパーツが収まっているランナーを活用するテクニックはさまざまあります。いつもならポイと捨ててしまうものも、こうやって瓦礫に変身! 身近なものを活用するアイディア、着眼点というものは模型を楽しんでいる分だけ養われるのだと改めて知りました。まだまだプラモ製作には楽しいアイディアがありますね! このようなアイディアがありましたら、ぜひnippperで発表してください。みんなのアイディアでどんどん模型を楽しんでいきましょう!! それでは〜〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

透ける、輝く、カニのプラモデル/橘猫工業の水産箱007 シオマネキ

 カニ。美味しいですよね。何を隠そう人生で一番食べたいと思っているものは金沢おでんのカニ面(カニの甲羅に内子と外子を詰めて脚の肉で蓋をしてあるもの)です。

 メカ。かっこいいですよね。メカメカしい雰囲気があるともうそれが現実的かどうかはさておき大好物なんですよね。メカメカしさは大事。

 クリアパーツ。ロマンですよね。古くゲームボーイブロスの透明に心奪われて以来クリアなものはいつだって私の心を揺り動かしてきました。

 そんな3つのものがひとつになった100万パワーのプラモを買ってきましたので楽しんでいきます。橘猫工業さんの「水産箱007 シオマネキ ゴールドブラック」です。シオマネキは食べないから前提がくずれてるやないかい、というご意見を賜りそうですが、有明海近辺では「がん漬け」というシオマネキを潰して作る非常にしょっぱい塩辛がありますからセーフという事で話を進めていきましょう。一舐めで焼酎一杯。

 美しいパッケージに整然と並べられたランナー。いいですね。熨斗がつけばもうお中元になりそうです。完成写真がパッケージに絶対に必要かどうか、考えさせられます。ランナーは4色、クリアが2色に金と黒。デカールもついています。デカールは多分カラバリのキットで使い分けていない関係で黒字白字の2種類が入っており、余りがたくさん出るので嬉しいです。

 一目でわかる脚のランナー。ランナー丸ごと脚。タラバガニも脚だけで売ってたりしますしカニ感を感じます。カニをばらすのは経験がありますが組み立てるのは初めてで心が躍ります。「カニの目を組み立てたことがある」というのがいつか大きな財産になる。

 基本的にはカニにちょっとメカメカしいパーツを組み合わせてあげる感じ。固定モデルなのでパーツ数も少なくあっという間にカニになっていきそうです。せっかくなのでちょっと手を加えてあげます。憧れのカニ面も出汁の取り方から身の詰め方まで細かい作業が光りますからね。金はギラギラに輝いてほしいので塗装します。他の成型色はとってもきれいなのでそのままで。クリアも黒もいい光沢です。

 綺麗だよ、ハサ美(名付けた)。アクセントにちょっとだけ銀色も入れてみました。もっとピカピカにしたいならトップコート吹いてやすりやコンパウンドでピカピカにしてもいいですね。スケスケでピカピカのカニ。カニにデカールを貼るのも楽しいですね。曲線に合ういい感じに貼ってあげましょう。

 面白いモチーフでしかもピカピカのクリアパーツのプラモがお手頃な値段で楽しめる。よいシリーズです。もっと展開してほしい。いつかハサ美を連れて金沢おでんを食べに行こう。その時まで棚から見守っていておくれ……。

いち

16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。

敵は空にあり!!!人の目線が伝える物語。「タミヤ アメリカ自走対空機銃 1/35 M16 スカイクリーナー」

▲人のプラモを添えると景色が生まれます! 今回もひと癖ある楽しいアニキたちのお話です

 タミヤの戦車模型「ミリタリーミニチュア」は、戦車&装甲車両と“人間のプラモ”のマリアージュによって多くの人々を魅了してきました。ここでご紹介する「M16 スカイクリーナー」に搭乗するフィギュアたちは、その楽しさをストレートに僕達に伝えてくれる素晴らしいプラモです。アニキたちの視線や体の動きによって、彼らを添えるだけで「空への緊張感」がその空間に現れます。

▲大きく体を捻り上空を見上げるアニキ! 顔もとても険しい表情をしています
▲顎をしゃくり上げて、何かを伝えようとしているオペレーターアニキ

 M16 スカイクリーナーは、M3A2ハーフトラックに4連装対空機銃を搭載した車両です。対空機銃の中にはしっかりとガンナーもセットされます。彼の目線からも、空からくる何かに対して集中している雰囲気がビンビンに伝わってきます。

▲熱視線!!! ちらっと見えるだけですが、こういう演出がプラモの世界をさらに楽しくさせてくれます

 そして、スカイクリーナーにアニキたちを搭乗させると、素晴らしすぎる景色が切り取れます。それが下の写真です。

▲全視線が空へと集中!! 緊張感が半端ない!!
▲トランシーバーのアニキと、ドライバーの組み合わせのバランスが本当に最高です

 フィギュアの造形はノスタルジーを感じるものですが、それぞれの演技がとても濃いことで、空に対する緊張感が僕らに迫ってくる、ブレないドラマが車両の中で生まれます。単品の戦車や装甲車両の模型だけをポンと置いても、このような景色は生まれません。アニキたちの演技があるからこそ、さらに車両が輝き出します。ぜひM16 スカイクリーナーをゲットして、アニキたちの視線や演技によって生まれる景色を、あなたも堪能してください。ミリタリーミニチュアの楽しさの全てが、このプラモには詰まっていますよ。

▲このM16 スカイクリーナーは、タミヤMMの面白さの全てを運んでると言っても過言ではありません。さぁ行こうぜ……エンタメの向こう側へ!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

アオシマのナイト2000は、誰が組んでも笑顔になれるプラモデルだった……という話。

 誰が言ったか、「プラモデルは誰が作っても同じものができる(=だから創造性がない)」なんて言葉があります。少年たちは「それじゃあもっと創造性のあることを始めよう」などと思うはずもなく、「ナニクソ、俺は人と違う完成品を作ってみせるぞ」と思い、よりプラモデルにのめりこんでいくのでした……。

 『ナイトライダー』に登場するナイト2000というマシンは、喋って光る未来のクルマです。プラモデルでそれを再現しようとすると、まあ喋って光ってほしい。喋って光るプラモデルはアオシマから発売されているのですが、オレは「喋って光れば誰が見てもナイト2000だし、喋らせるのも光らせるのもメーカーが用意してくれた基盤を組み込む作業であって、オレがわざわざそれを組み立てる必要があるかな」と思っていたのです。めんどくさい人ですね。

 ナイト2000のプラモデルに入った基盤は、チップLEDが並び、ICとスピーカーが実装され、組み立てと配線が終わっています。あとはカーモデルを普通に組んで、ボンネットにこのユニットをブチ込めばだれでも喋って光るクルマが手に入ります。ボタン電池2個を買ってきて、準備完了。

 それ以外のところはフツウのカーモデルです。内外装の色分けはもちろん、メッキパーツや、4色のクリアーパーツが入っているゴージャスなプラモです。フロントとサイドの窓は透明、リアはスモークが入り、ストップランプやウインカーはそれぞれクリアーレッドとクリアーオレンジに着色してあるから自分で塗らなくていいのが嬉しい。

 未来的なハンドルのカタチがいいですね。左右に並ぶ光るボタンの数々は肉眼で見えないくらいの細かさですが、ご丁寧にひとつひとつを違う色で塗るよう塗装指示があります。すごく大変そうでしょ。大変なときはやらなくても大丈夫です。室内、わざわざ覗き込まなければあんまり見えないし!

 ボンネット内側にメッキパーツやクリアーパーツを組み込んでいくのですが、リトラクタブルライトの可動ギミックはめっちゃこまかいパーツを慎重に貼らなければいけません。速乾性の流し込み接着剤を使ってなるべくキレイに組みます。赤いクリアーパーツはLEDの光を劇中同様に見せてくれるはずです。

 急いで組んだから屋根のクリアーパーツがちょいと浮きましたが、ツヤツヤのナイト2000があっという間に完成しました。メッキパーツやクリアーパーツを貼るのにセメダインのハイグレード模型用を持っていると完全に勝利できます。リトラクタブルライトがカチッというクリック音とともに出し入れできるのが楽しい。サイドウィンドウがないのもアメリカ製のカーモデルっぽくてなんだか面白い。そして、スイッチオン。

 自分が組んだプラモが光って喋ります。自分がなにか特別なことをしたわけじゃないのに。じゃあ自分がこれを作らなくてもよかったのか?というと、断じてそんなことはありません。組み立てている間は楽しかったし、完成してからも楽しい。このプラモデルは誰が作っても同じものができる。だからいいんだ!と思えるのが、アオシマのナイト2000なのでした。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

キミのための面白モビリティを/アオシマの「ホンダ モトコンポ」

▲コレがバイクのカウルとはお釈迦様でも気がつくまい。

 figmaのゴールドシップちゃんをお迎えしたらセグウェイが入ってなかったんですね。figmaのR・田中一郎くんには轟天号がついてたのに!……ということでゴルシちゃんに似合うおもしろモビリティで何かないかと積みプラの中からチョイスしたのがこちら。

 1981年にホンダから「持ち運べる原付き」というコンセプトで発売されたユニークな見た目のバイク、モトコンポ。僕が初めて知ったのはOVA版「逮捕しちゃうぞ」でした。

 こちらのキット、発売日は2021年ですがパッケージには「昭和50年代の金型を使用」とあり、作ってみると確かにちょっと気になる部分がいくつかありました。

 クラッチカバーにHONDAの刻印がありますが、小さいので上下が分かりづらい。今のキットなら上下の組間違いを防止するためにダボ穴に切り欠けや凸をつけて、間違った向きではハマらないようにしますが、そういった工夫はありません。

 フェンダーステーの取り付けの正解は今もわからない。取説も昭和の手書きのままなんですね。そして取り付け位置や角度は曖昧。なんとなくで組み付けました。

 カウルをはめるダボ穴を加工すると、後ハメ(合わせ目消しと塗装を終えてからハメ込むこと)ができるようになるので、カウルの合わせ目を消したい方におすすめ。今回は合わせ目をパテで埋めたらメッキパーツの取り付けで隙間ができたりと、ちょっと失敗。皆様は仮組みしてチェックしてから作業しましょう。

 デカールは丈夫で余白もなく、とても扱いやすいのがGOOD!デカールは2色のバリエーションが用意され、ボディカラーに合わせて使い分けできます。元が古いキットだからといってまったく気が利かないわけではないんですね。安心して好きなボディカラーで塗れます。

 塗装で表面が多少ゆず肌になってもツヤありのクリアーを吹けばなんとかなる!……ということでゴルシちゃんを乗せて完成です!どうですかこのシンデレラフィット。満足そうな笑顔がステキ!ゴルシちゃん付属の握り手でそのままハンドルを握れちゃいます。なおハンドルをマッキーで塗ったら、ゴルシちゃんのお手々が真っ黒になったので、皆様は塗装しないよう注意。ごめんねゴルシちゃん。

 キット自体は古くても、完成すればきちんとモトコンポの形になります。僕は接着剤で固定しましたが、実車どおりの変形機構をしっかりと備えているので、箱型へ変形させることも可能です。残念ながら同スケールのシティのプラモデルは存在しないので、私はかわりにランチア・デルタを組んで隣に飾ります。では皆様、お手元の美少女プラモやfigmaの隣にぜひモトコンポを!

優しい人間

1988年生まれ。ニッパーを読み始めてからガンプラだけでなくミリタリーにも手を出し始めた。普段のお仕事は重機オペレーター。

憧れのブラックバードを爆速で作れるご機嫌なプラモデル。「プラッツ 1/144 アメリカ空軍 SR-71 ブラックバード」

▲1/144スケールだけど全長約22cmで作りごたえも抜群!! ブラックバードデビューに最適!!

 飛行機・飛行機模型にあまり馴染みがない人でも「ブラックバード」という言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれません。真っ黒い機体に美しく伸びた機首、そして大迫力のエンジンという美しさの塊みたいな超音速・高高度戦略偵察機です。そんなブラックバードを、「組むだけで素晴らしい完成度を味わえるキット」をご紹介します。それが、プラッツより発売されている1/144スケールの戦闘機モデル、「SR-71A ブラックバード」です! キットのパーツは中国を代表する模型メーカー・ドラゴン製になります。

▲箱を開けたらほとんどできてる!! これだけのパーツ数でかっこいいブラックバードが完成します

 部品の表面が良い感じに半ツヤ。塗る場合だったら塗料もしっかりと食いついてくれそうな理想的な表面状態。ウェルドやバリ、ヒケも見当たらずきれい。これだけ綺麗なので、組むだけでも十分にかっこいいですね。

 特徴的な前方からの平たいシルエットも美しい。この機体は「迎撃ミサイルよりも速く飛び、偵察を成功させよ」とのコンセプトで開発された、音速の3倍もの速さ、つまりマッハ3で飛行する特殊機体(映画 「トップガン マーヴェリック」に登場するダークスターのモデルでもありますよね)。他の戦闘機には見られない特徴が多く存在します。

▲正面から見るとこの平べったさ。上から見た時とは全く異なる印象を受けます。こんな飛行機が実際にあるのですから、人類はすごいですね!

 特徴的なモールドも丁寧に成形されています。1/144と小さなサイズのキットなのに、箇所による間隔や太さの違いもハッキリしており、シャープで角のダレも見当たりません。

 各部のディテールが1/144スケールの飛行機模型でも模型映えするように、少々オーバースケール気味にメリハリあるものとなっています。そのおかげで、出来上がった時の立体感が凄まじいです。

 全パーツを組付け。なんて美しい! 降着状態としていますが、飛行状態でも組み立て可能です。この芸術的な姿を少ないパーツ数で楽しめます。SR-71が大好きな人、初めてSR 71を作る人、どちらも幸せになれる素敵なプラモですので、ぜひゲットしてください。

シンサク

1991年生まれ。模型やテニス、乗り物が好き!!

初公開のハセガワ最新作、クァドラン・ローの設計にシビレた話。

 ハセガワからクァドラン・ローが発売されます。しかも1/72スケールです。唯一発売されていたプラモデルは1/144スケールなので、その倍の大きさ……と言ってもプラモデルは体積で見るもんですから、実際どれくらい大きいのかわからない。ただいま開催中の全日本模型ホビーショーでサンプルを見てきました。

 デカい!前高259mm。しかも人間のカタチとは大きく違うフォルムのロボットなのでやたらとボリューム感があります。これがスナップフィットで色分け済みのプラモデルだというのだからビビります。
 で、この上手い造形ですよ。組んでないから組み心地についてはまだわかりませんが、どっしりとしたフォルム、なめらかな曲面はとてもいい感じに捉えられています。

 3D造形には大まかに2種類あり、輪郭線と断面形で物体を描いていく方法と、粘土を盛り削りするように作り上げていく方法があります。こういう曲面だらけの物体は輪郭が良くても断面形の変化を直感的に把握しづらいので、粘土を盛り削りするように作るのに向いています。しかし、ハセガワのスタッフによれば「飛行機と同じように、いきなりCAD(=輪郭と断面形でカタチを描く方法)で作りました」とのこと(仰天)。線と線を繋ぐとどんな面が出てくるのかを想像しながらこれを作るのはめちゃくちゃ難しそうですが、案の定「このパーツはなかなかイメージ通りのカタチにならなくて、8回作り直しました」「これは6回くらい作ったかな……」と苦労の連続だった模様。

 おもしろかったのは、「ハセガワが最近手掛けたザブングルやアイアン・ギアーとは全く違って、クァドラン・ローにはこれまで作ってきた実在のステルス戦闘機の設計と共通する感触があった」という設計スタッフの発言です。現代のステルス戦闘機はうねうねした曲面の連続で、そのプラモデルを設計するには複雑に変化する断面形を正確に推測しながらキレイに繋いでいくスキルが必要。これはもう経験とカンによるところが大きいのですが、このうねうねしたクァドラン・ローにそれが応用できたというのが「イイ話」だと感じました。

 これだけ大きなプラモデルだとふたつ合わせにした外皮がワギワギする(微妙に歪んでカチッとした感じにならないことを指す)のが心配ですが、腕や脚の内部には黒い板状のパーツを挟み込んで桁がわりとし、完成後の剛性感を増す工夫がされています。さらによく見ると、上の辺には等間隔に小さな丸い凹みが設けられていますが、これは……?

 外装パーツの端面に設けられた小さな丸い突起と噛み合うことで、グッと力を入れてはめ込んでも外装のフチがグラグラ動かないようにする工夫なんだとか!外装同士が接触する端面には凹凸の細長い彫刻を入れることで、これもお互いが噛み合って突き合わせた部分がズレないよう工夫されています。キャラクターモデルではあまり見ない処理なので、これがどれくらい機能するかを体感するのが楽しみ!

 かわいいミリアも入って出撃準備中のハセガワ製クァドラン・ロー。同社のキャラクターモデルは変化と進化の連続ですが、フォルム、組みやすさ、大きさに負けない完成後のガッシリ感も含めて期待大のアイテムです。発売は12月アタマですので、いまのうちにポチッと予約しちゃいましょう。そんじゃまた!

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

マッチョな戦車模型でジャンボな楽しさをゲット!!/タミヤ アメリカ M4A3E2 中戦車 ジャンボ

▲この高荷義之氏による箱絵だけでも脳汁が出ます。マジで最終決戦

 この夏はタミヤよりミリタリーミニチュアの傑作が多数再生産されました!! そのひとつがごっついシャーマン「アメリカ M4A3E2 中戦車 ジャンボ」!! 個人的にめちゃくちゃ嬉しい再生産!! 一時期は作りたくて中古ショップを回ったほどでした。

 一度聞いたら忘れない「ジャンボ」という響き。ドリームジャンボ、ジャンボ鶴田、ジャンボ尾崎(僕の少年時代、日曜日のゴルフ中継は彼が中心でした)、チョコモナカジャンボ……俺もジャンボの称号が欲しい。ジャンボ・フミテシ……。そんな偉大な響きはゲットできませんが、プラモのジャンボはこの度ゲットできました。

 この戦車は、第二次世界大戦のクライマックスに登場したアメリカ軍の車両。アメリカを代表するM4シャーマン中戦車の装甲を強化した「突撃戦車」です。その重武装の逞しい姿から、アメリカ兵に「ジャンボ」の愛称で呼ばれます。強化された装甲でぐいぐいと前線を突破し、主力である歩兵部隊を導くのがジャンボの役目なのです。

▲ジャンボと言うけど、パーツ数はコンパクト! ギャップ萌えだぜ

 ジャンボは人気の車両でもあるので、アスカモデル、モンモデルなどからもバキバキのプラモが発売しています。こちらもかっこいいのですが、細部までこだわったキットなので製作のカロリーもそれなりにかかります。しかしタミヤのキットは、1987年に発売されたキットということもあり、シンプルな構成でサクッと組めます。しかし各パーツの成形のクオリティは充分なので、完成後も古臭さが前面に出るようなことはありません。付属のアニキ(フィギュア)だけが、昭和写真を見た時のようなノスタルジーを感じさせます。

▲「張り切り過ぎだぞ!」と声をかけたくなる、178mmという分厚さの防楯。エッジがピンピンだぜ
▲砲塔の装甲厚は152mm。普通のシャーマンの可愛い丸っこさとはおさらばした、マッチョな仕様

 ぱっと見は普通のシャーマンなのですが、砲塔が大型の一体鋳造タイプになっていたり、各装甲板がかなり分厚くなっているので、実際に組んでみると全くの別物という印象を得られます。

▲M4A3の車体に、ジャンボの装甲板を直接接着していきます。そのためにいらないディテールをカットすることになります

 ジャンボはM4A3の車体前部・側面に38mmの装甲板を溶接するという、僕達が大好きな増加装甲的パワーアップが施されています。それを追体験するかのように、M4A3の車体に、直接ジャンボの装甲板を接着していくのです。ドイツ戦車に負けないぞ! なんて思いながら、どでかい板を接着していく工程は楽しいですよ〜。

▲カットしたディテール部分はヤスリで削ってより平滑に。こうすることで前面の増加装甲もピタリと合わさります
▲車体と同じ長さの装甲板を追加! マシマシでござる
▲合体!! めちゃくちゃゴツくなりました!!

 足回りはシャーマン戦車の基本的なスタイル。地道にやっていきましょう。シンプルな構成ですがボギーを6個作るとなんだかんだ疲れるので、休憩なども入れて楽しんでくださいね。

▲足回りのパーツが収められたランナー
▲車体とのフィットは問題なし。ガタついて車体が浮いちゃうなんてことはないです
▲付属するフィギュアは、タミヤのシャーマン系キットを買うと何度も出会うことになる定番のお二人。体型や造形から、懐かしさが感じられるパーツです
▲完成!! 履帯は外側に「アヒルのくちばし」なんて呼ばれたエンドコネクターが装備されたタイプです

 キットは2時間半もあれば組み上がります。車体の成型色がオリーブドラブで、履帯が黒いので、組むだけでもこれだけ満足感ある仕上がりになります。キットそのものが、昔のキットとは言え良いので、現代のアニキたちを召喚したりするだけで、ジャンボはさらに輝きます。ぜひ最新のアメリカ歩兵や戦車兵なんかと合わせて楽しむと、何倍も幸せな時間を過ごせると思うので、合わせて作ってくださいね! それではジャンボな週末を!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

ウォークライのアイアンゴーレムは塗装してみると、筋肉×金属の硬さMAXのプラモデルだった

 サーフェイサーで真っ黒にして、そこにシルバーのスプレーをかけた瞬間に「かっけぇなこれ……」となりました。筋肉モリモリのアイアンゴーレム。彼らのことを最初は”筋肉のプラモデル”だと思っていました。ただ、シルバーに塗った瞬間に”金属のプラモデル”でもある可能性を感じました。
 そして楽しく身体や鎧を塗り進めていたら、それは確信に変わりました。なにせ、塗れば塗るほど下地のシルバーは覆い隠されてしまい、魅力が薄れていってしまったからです。

 薄れていった魅力を取り戻すのはカキンとした金属らしい硬質感だと信じ、ファレホのメタルカラーのカッパーを買ってきて、使ってみることにしました。
 これ、ボトルの中に攪拌球が入っているのでかなり親切。しかし、勢いよく降ったらボトルの中身がじわっとキャップのフチから出てきて、手が汚れたのでほどほどに振ると良いです。そんなちょっとしたクセを差し引いても有り余るほどの圧倒的な金属感に本当にびっくり。伸びも良く特に薄めずに筆でキレイに塗れましたし、魅力を取り戻しておつりが来るくらいに雰囲気も良くなりました。

 アイアンゴーレムの塗装は、筋肉のギュッと肉が詰まった硬さと、金属の無機質な硬さの違いを味わうことができる楽しい時間です。また、彼らは身体のところどころに金属のとげを埋め込んでいます。これ、塗ってみるとわかるんですが筆が届きにくい奥まった部分には存在しないんです。アイアンゴーレムの8人はどれも考えられてデザインされているなと最後の最後に感心することになりました。
 塗装をするということは、指差し確認をするように対象の質感やデザインの面白さをじっくりと見る楽しさがあると気づけたので、次の塗装も楽しめそうです。

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

どんな現場でも大活躍!自衛隊を代表するトラックを30分で楽しめるプラモデル/ピットロード 3 1/2t トラック

▲小さいからって侮れない! ピットロードの「1/144 3 1/2t トラック」は味濃いめでかっこいいぞ

 指でひょいっと摘めるサイズにぎゅぎゅっと濃いめのディテールを刻み、メリハリあるプラモとしてお届けしているピットロードの1/144スケール自衛隊車両。そのシリーズに、陸海空自衛隊で使用されている汎用トラック「3 1/2t トラック」がラインナップされました!!

▲キットは一箱で3両作れます

 かつては”73式大型トラック”とよばれ、1973年より自衛隊で採用。初代モデルは40年も前に登場し、現在は8代目のモデルとなっています。2003年度以降の納入分より名称が「3 1/2t トラック」に名称変更されました。本記事では愛称のひとつである「3t半(サントンハン)」で呼んでいこうと思います。

▲シャフトやシャーシのパーツは1体になっているので、足回りの組み立てでがたつくことなく、安定した足回りが完成します

 

▲組み合わせるとこの密度感。小さい模型でも満足感が十分に得られます

 冒頭でも書きましたが、このシリーズは、あえてオーバースケールにディテールを彫り込んでいて、非常にメリハリのある模型が完成します。特にキャビンは、窓やドアのディテールをしっかりと彫り込むために、あえてパーツ分割を細かくし、箱を組むように各面を接着していく分割(このようにパーツを貼り合わせていくことを”箱組み”と呼んだりします)が採用されています。

 このキャビンのパーツ精度がとっても良くて、小さいパーツでありながら、ピシピシと角同士が合っていくので気持ち良いです。

▲キャビンの左右側面。サイドミラーも一体で成型されているので、小さなパーツをプルプルしながら切り出し&接着という工程は、このキットにはありません
▲キャビンを箱組する際のコアとなる運転席パーツ。組み上がると全く見えなくなるのですが、ハンドルやシートもしっかりと彫刻されています。まさに魂
▲パーツの内側には貼り合わせのガイドもしっかりあります。ガイドに沿ってパーツどうしを合わせたら、そこに流し込み接着剤をチュンとひとさし。それだけで組み上がります
▲見てください! 1/144スケールという小さな模型とは思えないくっきりとしたディテール! 模型映えしてとてもかっこいいです

 このキットは、後ろの荷台の「幌のあるなし」も選択可能。3両入っているから、ひと箱でどっちの形態も迷わず楽しめますね。

▲幌の波打っている雰囲気もお見事
▲柵もしっかりとパーツの間が抜けている本格仕様。バリなどもなくとても綺麗に成型されています
▲どちらのパーツも床下のパーツを中心に、4面を貼り合わせて完成します。今回は幌ありとして作成。荷台のパーツの下にはサイドガードのパーツを接着します
▲30分で完成!! この組みやすさなら大量に配備してずらっと並べて遊べます

 本シリーズは味濃いめな模型を、サクッと作って味わえる「早くて美味いプラモデル」です。3t半のように、ずら〜っと揃えた景色を見たいなんて夢も気軽に叶えてくれます。ピットロードありがとう! 成型色もオリーブドラブなので、組んだだけでも良い雰囲気を味わえて良いです。週末にタイヤと窓のところだけを、マッキーで黒く塗るなんて遊び方も楽しいと思います。ぜひピットロードの3t半、作ってくださいね。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

プラモデル作りに効くマルチな固定具を手に入れた話。

 治具(じぐ)。加工作業とかの中で工具の位置合わせを行う器具の事です。挟んで固定する万力とかも治具ですね。この言葉が英語の”jig”に対する当て字だと知った時、その字の収まりの良さや漢字で見たときの日本語感の強さに何とも言えない感動を覚えて以来、好きな日本語です。治具。道具関係の言葉でいうと直角定規のスコヤが英語のsquareが訛った、というのも美しいですね。発音がいい。

 さて、以前から気になっていたタミヤさんのペインティングスタンドを使う機会があり、そのあまりの便利さに、そろそろ紙コップからの卒業かな……と物色していたところ、更に琴線に触れるものを発見してしまいましたので予定変更で買ってきました。LMGさんのAFV模型製作用ジグ LMGBB-05です。
 お察しのとおり、「治具」という名前ありきでの購入です。LMGさんはレーザーカットした木材の商品を取り扱っているウクライナのメーカー。レーザーカットされた板が入っているのでもちろん組み立ては自身で行います。プラモを組み立てるための治具を自分で組み立てる。この面倒くささこそ面白いですね。

 板にみっちりパーツが入っています。レーザーカットの商品は、塗料入れとかパズルとか色々組み立てたことがありますが、作りやすさにはそれぞれ差があるような気がします。レーザーの精度なのか、使用してる木材の問題なのかは分かりませんが抜きにくかったり、はめにくかったり。今回組んだのは板の反りなどもなく組み立てやすかったですね。レーザーの出力の所為か焦げ目が強いような気はします。

 クリップの固定部分は接着後収縮チューブで固定されていて丁寧な仕事を感じます。説明書に関していうと割と不親切というか番号とか違うのも散見されますが、パーツの形状を信じて組み立てて行って完成。組み立てるものは台座がひとつと選択式のパーツ固定部分がふたつ。固定パーツが4本のものと3本のもの。3本の方はフックとクリップの選択式です。

 さっそくこれまで使っていた紙コップから選手交代。戦車の砲塔部分を固定してみましょう。おお、文明開化。ネジで爪の位置を固定するので内側から引っ掛けるも外からひっかけるもどちらもできます。

 車体部分は4本の方で。いい感じですね。しっかり固定すればひっくり返しても落ちない程度の固定力はあるのでくるくる回しながら塗装できます。

 名目はAFV用ですが基本的にはただの棒ですので飛行機や車も固定できますね。車プラモからも紙コップくんが卒業です。

 治具という響きが好きなだけで選んだので正直値段とか機能とか考えるとタミヤさんの商品と紙コップは偉大だな、と思ったりしなくもないのですけれど、趣味の道具はいいものより好きなもの、というのが楽しく遊び続ける秘訣かなと思っております。使う度に俺は治具を使ってるぜ、と思いながらこれから楽しくジグを使う事、つまりジギング(誤用)していくこととしましょう。

いち

16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。

プラモキッズの好きな要素が特濃で味わえるミリタリープラモ!/タミヤ 自走対空機銃 M16 スカイクリーナー

▲対空機銃が乗ってなくても、このかっこよさ!! ハーフトラックって最高だぜ

 タミヤがこの夏に再販したM3ハーフトラックのプラモをまだ買ってないなら、今すぐ買ってください! 再販された3種とも面白すぎる模型で、タミヤミリタリーミニチュアのレジェンドプラモだから特濃の楽しさを味わえます。特に対空機銃を装備したM16 スカイクリーナーは、SFメカなテイストも感じられてとてもかっこいい。

▲スカイクリーナーの大トロである12.7mmの4連装機銃
▲スカイクリーナーが搭載している対空機銃に関してはこちらの記事をどうぞ
▲足回りもとってもこだわりの仕様。パーツ数は多いけど完成した時の塊感は最高です

 M3A2ハーフトラックシリーズは、共通の車両パーツに、それぞれの装備品やフィギュアがセットされた内容になります。バリエーション展開できる巧みな設計と、こだわりの足回りなどを楽しめますよ。特に足回りはおよそ50年前のキットとは思えない緻密さで、エンジンから動力が前後に伝わるメカニズムが作りながら理解できたりします。

▲リヤデッキにある、ござのようなクッションと壁面に直張りされたクッション。僕の故郷にあった健康センターの壁を思い出すのでした

 リヤデッキには大きな台座があり、この部分に対空機銃をセットします。この台座が結構な迫力で、4連装もの機銃を運用するのにはこれだけしっかりとした台が必要なのかと思い知らされます。武装をポンと載せてるだけじゃないということを知れるだけでも、メカプラモでオリジナル装備を付ける時の参考になったりしますよね。

▲車体やリヤデッキは基本箱組のようにパネルを貼り合わせていきます。この精度が今のレベルでも全然問題なくて、ピタピタとパーツが貼り合わさっていきます

 シャーシ、運転席のあるフロント、リヤデッキという3つの大きなパーツで構成。車体前後を接着した後に、シャーシにかぶせるように接着します。

▲前輪はステアリングも切れまっせ! 履帯は軟質素材。接着剤を使用しないで、軸と軸穴を噛み合わせるだけのとってもシンプルな構成になっています
▲ラジエーターグリルは開閉パーツの選択式。開状態を選択するとグリル内の繊細のモールドを楽しめるのでオススメです

 本キットは、各パネルの開閉を選択できる使用になっています。開閉パーツの選択、カッターでパーツの一部をカットしてパネルを開けるという手法がとられます。どちらの状態もかっこいいので、ぜひ3種のバリエーションを購入して、開閉状態を作り分けて見てください!

▲リヤデッキに対空機銃をセットすれば……
▲この迫力!!! 最高だぜ……

 戦車模型のかっこよさは「戦車」だけじゃない! こういったトラックなどの装甲車両もすごくかっこよくて楽しいんだぜってことが、このプラモを作るだけで本当に分かります。特に今回再販された3種「M3A2 パーソナルキャリヤー」、「M21 モーターキャリヤー」、「M16スカイクリーナー」はどれも超魅力満載なプラモです。ぜひ店頭で見かけたら速攻でゲットしてください。幸せな時間をお約束します。

▲後ろ姿も最高だぜ……まだまだこのプラモは面白いよ。次回を待て!!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

ハコからツートンのBBSホイール!/プラモデルで好きになるR33の話。

 アオシマのプラモを開けたらBBS LMホイール(クロームとゴールドのツートン)を発見!これ、1/24スケールの「ザ・チューンドパーツ」では長いこと再販されていないし、そのものが入ったキットを探すとなかなか巡り会えないシロモノです。しかし漫画やらゲームやらでめちゃくちゃよく目にする特徴的なホイールなので、一度見たら忘れられない。そんなありがたいパーツが入っているのが1/32 ザ・スナップキット R33スカイラインGT-Rのカスタムホイール仕様です。「いま、まさに、オレは、これが欲しかったんだ!」と叫んでしまいました。

 それにしてもザ・スナップキットは箱を開けるたびに何かしらの発見があります。説明書に書かれたR33 GT-Rの解説文はおそらく大人向けに書かれたものをそのままベタっと載せ、そのかわりに小学生でも読めるようにふりがなが振ってあります。「ニュルブルクリンク」とか「ECUの処理能力向上」とか「アテーサE-TSプロ」といったフレーズを背伸びしながら覚え、大人に一生懸命話したりしているうちに小さなカーマニアが爆誕するという寸法です。こういうところで「子供向けの説明」にしていないところがなんだかいいな、と思います。

 いまのいままで、「GT-RといえばR34かR32でしょ」と思っていた私です。しかし、初めて組んだR33はめちゃくちゃにいい内容で、このプラモのお陰でR33のことが好きになりました。スパルタンな造形のR32、見るからにマッチョなR34との間で、R33はちょっと優雅でどっしりとした、グランドピアノみたいな雰囲気を纏っていることに気付かされます。パーツもシールも少なめで、ザ・スナップキットシリーズのなかでも屈指のスピード感で完成させられます。

 フロントマスク内側にはヘッドライトのケースやウインカー、上下のグリルとスポイラーを兼ねた「キミ、一人何役なのよ!」と叫びたくなるようなパーツがお出まし。これをバコンと嵌めるところがかなりエクスタシーです。最初は「いまいちばん見たいホイール」ことBBS LMを履かせたい一心で組み始めましたが、途中からR33のことも、このプラモデルのこともどんどん好きになって来ました。愛が生まれ、育まれていく……!

 プラスチックの色そのままでキレイなツヤのあるアオシマのザ・スナップキットシリーズですが、やはり薄い色は透け感があって軽く見えてしまいます。しかしこのキットミッドナイトパープルのように濃い色ならしっかりと重みがあり、さらにメタリックの粒子のお陰で「むしろ塗装よりいいかも!」というルックになります。リアの灯火類もシール貼って上からクリアーパーツを被せるだけでこんなにリッチになるんだからいいよね〜。

 カーモデルに興味を持つようになって、ホイールがめっちゃ大事だということに気が付きました。乗用車がほしいとき、メジャーな車種はたいていプラモデルになっています。でも街中や雑誌の写真で見かけたクルマにノーマルとは違うホイールが付いているのが気になり始めると、「同じホイールを探したい!」という気持ちが爆発します。ホイールはクルマの印象を大きく左右するパーツなんだということをしっかりと理解し、立体化してくれているアオシマのカスタムホイール仕様。みなさんも好みのホイールを探しに出かけてください。そんじゃまた。

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

「水星の魔女カラー ガンダムエアリアルホワイト」を本気レビュー!!

▲瓶の中の色味を見ると、とっても汎用性の高そうな白に見えますね。というか、このままだと他のホワイトと印象が変わりません

 GSIクレオスが水性ホビーカラーでラインナップしている「水星の魔女カラー」。こちらの塗料は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する中間色が多いモビルスーツの微妙な色合いを表現したとっても良い塗料です。そのラインナップの中で「ガンダムエアリアルホワイト」という、専用に開発された白があり、その色味や塗り心地を使って試してみました。

▲うっすらと紫のような色味が白に入っています。またざらつきにくいです

 実際にエアブラシで「塗料1:うすめ液1」の割合で希釈して塗装。瓶の中の状態よりも、塗ってみると青から紫の間のような色味が白に入っている印象でした。劇中でも青っぽい色を帯びた白となっているので、そのイメージを押し出した塗料になっています。

▲グレーのサフの上から塗装したこともあるかもしれませんが、エアリアルの成型色(左のパーツ)と比較すると色味が少々異なります。ガンプラの成型色を目指すのではなく、劇中の色味を目指そうとしているのが分かります

 このガンダムエアリアルホワイトの注意点は「隠蔽力の弱さ」です。色味は素晴らしいですが、少々隠蔽力が弱く、濃いグレーの上とかに塗ると、何度塗っても濁った発色になります。塗り上がる頃には厚塗りになってしまうので、明るいグレー、もしくは白サフか白成型色の上に直接塗装することをオススメします。逆によりグレーな雰囲気にしたい場合は、下地のグレーを透かした仕上がりにするのも良いでしょう。

▲こちらが濃いめのグレーサーフェイサーを塗った上から、エアリアルホワイトを塗った状態。塗り重ねる回数も多くなり、エッジが丸まってしまいました。色味だけでなく、塗ってみないとわからないことってたくさんあります

 ガンダムエアリアルホワイトという名前ですが、もちろんこの色味が気に入ったら他の模型に塗ってOK。あなたのイメージに合った色なら、何を使っても良いのです!

▲ガンダムエアリアルホワイトで塗ったGP01。この白は影が落ちる部分により青みが出るのが特徴です

 MSホワイトのようなグレーが入った白とは明らかに色味が異なる「ガンダムエアリアルホワイト」。白のバリエーションをあなたの引き出しに仕込ませておくことで、白いMSを塗る時の戦略が大きく広がると思います。あなたの戦略に大きな力となってくれること間違い無しなので、ぜひゲットしてください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

ミニ四駆からの「塗装」の誘い/タミヤK4ギャンボーではじまる文化の秋。

 コロナ禍でプラモ復帰した派の自分です。20年ほど離れていましたが、その間もタミヤスプレーで何かしら塗っていたんですよね、自転車パーツなり遊び道具なりを。アパートのベランダにて、新聞やダンボールで養生しての屋外スプレー塗装。多少のホコリの付着はぜんぜん問題なくて、カジュアルな作業でも輝く塗装面に「DIY冥利に尽きるな」と大満足。屋外塗装するなら湿気の少ない季節がベストですし、どうせなら快晴な週末の午前中とかが気持ち良くてナイス。スプレー吹いてから遊びに出かけ、帰ってきたら仕上がりを確かめてライジングする。

 息子が喜ぶかな、と模型屋で買ってきたカスタム軽トラのミニ四駆、ボディのランナーを手にしたら「塗ろうぜ!」というタミヤからのメッセージを受信。箱絵のようにツートンカラーで仕上げるのように最適なパーツ分割になっていたのです。説明書のカラーチャートには3色のタミヤスプレーが記されていました。「老眼で細かい作業が苦になってきた田宮俊作が、気軽に楽しめるプラモデルをと考えたのがミニ四駆の発祥」というエピソードがよぎったので、今回はお気軽な自動車プラモとして接してみたくなったのです。そう、屋外スプレー塗装で。

 ボディパーツのプラスチックは綺麗なメタリックオレンジ。同色をスプレー塗装する必要もないなとも思いましたが、あえて説明書のオススメに乗っかってみます。プラ成型色もスプレー塗料もどちらも工業製品ですからね、メチャクチャ考えて作られているワケです。そのメチャクチャ考えられた結果を体感するのがプラモ遊びの醍醐味でもあるので。サッと一発吹き付けで輝く塗装面を獲得できます。同色のプラスチックへの塗装と、黒と銀という隠蔽力の強いカラーの塗装というイージー設定なので。

 まずブラックを塗ってからメタリックカラーを塗ると「オレ天才!」な仕上がりが実現するので是非。プラモ復帰して3年は経つので塗装ブースをはじめ、絶好調な模型制作環境が整っている自分ですが、今回はあえて「原点回帰/日常品活用モデリング」という縛りプレイをしてみました。独人貴族だったアノ頃に思いを馳せながら。ブースはダンボール、クリップはわりばし、スタンドは空き缶。空き缶には水を少し入れてコケないようにする。 KとUとFとU、わりとフツーに言うと「工夫」と言う。です。

 ステッカーをバッと貼って……K4ギャンボー! 俺の仕事が輝いてやがるぜ! 俺のカスタム軽トラが堂々のゴールです。ちょっと空いた時間で組み上げる事ができるカーモデル、ミニ四駆40年の揺るがぬ魅力ですね。プラ成型色での色分けで塗装しなくても大満足なキットが増えてきた昨今、あえて「塗ろうぜ!」とカジュアルキットで提案してくるタミヤのイズムを読み取った今回。「楽(らく)」で楽しいのも良いけれど、積み上げて得られる喜びも良いよ。そんな所でしょうか。

 タミヤからの工作と塗装の誘い。過酷な夏が終わり、文化の秋を肌で感じる今日この頃。貴方もタミヤスプレーでプラモを輝かせて文化活動としてみてはいかがでしょう? プラモデルのランナーをいきなり塗装しただけでも、その輝きでしっかりライジングできますよ。なりより外が気持ち良くてサイコー。

ダテツヨシ

「つくる」をテーマに、世間話をしています。

「タミヤ ミニ四駆クリーニングブラシ」が、ガンプラに最高な理由。

▲ガンプラの埃取り、ゴミ取りに絶妙なサイズ感とコシがある!! ミニ四駆のフィールドを飛び足しても大活躍だぜ!!

 発売した当初に一度紹介した「タミヤ クラフトツールシリーズ No.163 ミニ四駆クリーニングブラシ(ステッカー用ヘラ付き)」。こちら、ガンプラ製作に取り入れたら便利すぎて最高だったので、その体験をまとめました。これ1本あるだけで、ペーパーがけ後の削りカスの除去、塗装前の最終埃取り、撮影時のごみ取りと大活躍間違いなしです!!

▲こちらはミニ四駆クリーニングブラシよりも先にタミヤより発売されていた大きめの「クリーニングブラシ」のレビュー。こちらも併せて読んでね
▲大きめのクリーニングブラシのグリップを外すと、細部まで狙える小さなブラシが出てきます。それで良くない? っと思っているあなた。ミニ四駆用を、ぜひ使ってみてください!

 まずなぜこのブラシがガンプラに良いのか。それは、「サイズとコシ」にあります。1/144でも1/100でもどちらにも対応可能なブラシ幅と、毛の長さが絶妙です。

▲こういうディテールの中にプラのカスが詰まりますよね! このブラシをひと撫でするだけで簡単に埃を除去できます
▲またこのブラシの長さが絶妙で、パーツの奥や裏側などの埃やゴミもキャッチしてくれます

 そしてコシです。しっかりと跳ね返ってくるコシがあるので、ブラシがくにゃくにゃしません。先に発売されていた大きめのクリーニングブラシは柔らかさが特徴でゴミや埃を掻き出すのがちょっと苦手。だからグリップ内に小さいブラシがついているのですが、これだとピンポイントすぎて奥まった所にブラシが届かないなんてこともあります。

 こちらのミニ四駆用は強いコシによる「パワー」が特徴。そのため奥まったゴミや埃をどんどん掻き出せます。毛の長さ、幅も関節の奥まった箇所やガンプラの各パーツにフィットするサイズでとっても使いやすいです。ディテールがどんどん細かくなっていっている昨今のガンプラに、まさにピッタリなクリーニングブラシなのです。

▲指で押しても、ぐっと反発が返ってきます。このコシでしっかりと埃をとりましょう
▲静電気も除去できるので、塗装前の最後のゴミ処理やトップコート前の入念なごみ取りにも効果を発揮! しかもコンパクトサイズだから机に置いてあっても邪魔になりません

 クリーニングブラシはさまざまな商品が出ていますが、模型と共に歩んできた「タミヤ」が発売しているブラシは一味違います。特に塗装前なんかは、このブラシで模型をひと撫でしておくだけでも、心に安心感がもたらされます。そして何よりデザインも最高にかっこいいのです。まだ持ってない人は買わない理由はないと思えますので、ぜひあなたの机にお迎えください! それでは!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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