軍用トラックは、今も昔も軍隊の足として必需品。これまでも何度か軍用トラックのプラモを取り上げましたが、今回は現役どころか今日も彼の地で走り回るメイドインウクライナのトラックプラモの紹介です。
今回はウクライナの模型メーカー、「ICMの1/72ウラル43203 ミリタリーボックストラック」。ウラル4320というのがロシア(まだソヴィエト連邦だった時代)で設計され、今でも広く使われている6輪トラック。様々なバリエーションが開発されました。このキットは末尾に3が付いていますが、こちらは全輪のサスペンションを強化した型式。まあ、概ねオリジナルの4320と形状は一緒っぽい。さらにこのキットはKUNGシェルターと呼ばれるboxタイプの荷台を備えたバージョン。移動指揮車だったり通信基地として使用したりしてます。
ロシアのみならず隣接した国々でも使われており、ウクライナもユーザーの一国。今回このキットはウクライナ軍仕様となっており、複雑な迷彩パターンのデカールが入ってるのが有難いパッケージングであります。
このキットの目玉といえばこのキャビン。スライド金型を使いまくって一体成型されてるんですよなー。箱を開けてみてびっくりしました。いや、さすがに若干バリとか出ちゃってますが、カタチはしっかり出てるのでちょこっとだけ整形してやれば大丈夫。ちなみにシェルターもワンパーツ。いいねえ!さくっとカタチが見えてくるプラモは好きですよ!
ブワーって足回りを組んでみる。ゴツいトレッドパターンのタイヤは、左右貼り合わせで立体感バツグン。トラックならではのシンプルな構造のシャシーですが、キット的には若干華奢な作りをしており、6輪がしっかり接地するように注意しながら組む必要があります。
シェルター内部はガランドウで、特に内装がパーツ化されているわけではないのでサクサクとカタチになります。後部の伸縮式アンテナも接着選択式なので、取り付けなければ工作車的なバリエーション展開も出来たり。半日あれば組み上がるし、塗装するとしても件の迷彩パターンのデカールが付いてるので塗り分けも少なく、サクサク仕上がりそうな予感。
ICMからは、既に通常のトラックバージョンもキット化されてますし、多連装ロケットランチャーを搭載したBM-21グラートも出てます。ウラルトラックは軍用以外にも民間用としても多く使われてて、消防車やバス(!)なんかもあります。値段もお手頃で、他のバージョンも出ています。それらもずらりと並べたらめちゃくちゃ楽しいと思います。民間車輛のバリエーションも期待しちゃいますね。そんな楽しみが詰まっているトラックなので、ぜひ作ってください。
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。