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筆塗りがしたくなる魔法の書「清水 圭 飛行機模型筆塗りテクニック SIMSONIC DESTRUCTION」が俺の欲望を刺激した話。

 本を読んでここまで「プラモを筆塗りしたい!!」ってなったのは本当に久しぶりだった。それだけの魔法がこの「清水圭 飛行機模型筆塗り塗装テクニック:SIMSONIC DESTRUCTION」にはある。

▲本書の冒頭に、この本が目指しているテーマの全てが書かれている

 清水 圭氏はさまざまな模型雑誌で、メカやスケールモデルの筆塗り作例を製作している。本書は飛行機模型雑誌「スケールアヴィエーション」編集部による本で、本のための新作&テクニックを解説したHow to、過去のスケールアヴィエーションに掲載された清水氏の名作によって構成されている。

 この本を手に取ったら、絶対に読んでほしいのが前書きと冒頭ページのテキストである。本を買ってくるとまずは、冒頭からじっくり読む前に全体をパラパラっと読むと思う。本書には煌めくような作例写真が多数掲載されているから、自ずとそう言った写真が目に飛び込んでくると思う。だから「これが筆塗りでできるの!? ちょっと俺には……」って一瞬ビビってしまうかもしれない。でも、大丈夫。落ち着いて冒頭のテキストに戻って再度読み直してほしい。そこには「筆塗りの楽しさ」「筆塗りだから目指せるもの」の方向性がしっかりと示されている。清水氏が長年かけて導き出したメソッドを、超短距離コースで整えた“道”が冒頭にまとめられているのだ。ぜひここをじっくり読んでほしい。きっと筆を手に取りたくてしょうがなくなると思う。美しい作例写真を眺めたまま、筆を手に取らないなんて勿体無いのだ!

▲メイン塗装で使用する塗料、メイン塗料の上から筆のタッチを活かして塗り、色味を変化させていくのに使用する塗料がしっかりと分けて解説されている
▲How toの写真は各ページ5カットほどで、かなり大きめに掲載されている。そのため清水氏の筆塗り途中のタッチがとても見やすい

 How toの写真がかなり大きめ。その中で見られる模型に描かれた筆跡がとてもドラマチックで、見ているととにかく塗りたくなってくる。下地を透かす具合、明るい色をちょんちょんと入れただけで麗しくなるパネルたち……。カットが進むたび、ページをめくるたびに飛行機が魅力的になっていく様は、まるで素敵なパレードを見ているかの如き。非常にワクワクするHow toとなっている。

▲スケールアヴィエーションに掲載された過去作例も読める。清水氏は現在「水性ホビーカラー」をメインに筆塗りしているが、こちらのマッキはまだラッカー塗料で筆塗りしていた時の作例

 僕は本を読んでいてもたってもいられず、「飛行機だ!!飛行機を筆塗りしたいぞ!!」ってパッションが爆発。棚に刺身(プラモを組んだままの状態)で置いて飾っていた「ハセガワ 1/48 飛燕」をむんずと掴み取り、べし〜〜って水性ホビーカラーのシルバーを塗りたくった。本書によって掻き立てられた俺自身の欲望を模型に塗り込んだのだ。本に掲載されているテクニックは、まだ真似していない。でも清水氏とスケールアヴィエーションが目指した心意気は思いっきり真似できたと思う。

 きっと本書を読めば、あなたも気持ちよく背中を押してもらえるだろう。読んだら塗る。必ず最高の模型体験があなたを待っている。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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