箱の側面に入れられた「2 COLORS 2 KITS」のタイポグラフィ。これはイギリスのメーカー、マッチボックス(昔プラモデルを作っていて、いまはミニカーの製造販売ブランドとして生き残っています)という会社の製品に対するオマージュです。キュスターという2足歩行のメカがふたつ入っているのですが、片方はダークイエロー、片方はダークグリーンというミリタリーモデルでよく見る色のプラスチックですね。楽しい〜。
最新プラモなのでパーツは当然ながらシャッキリしています。パーツと枠をつなぐゲート部分がやや太い印象なので、よく切れるニッパーを準備しましょう。もともと1/20スケールでプラモデル化されていたメカなのですが、こちらは1/35なのでふた周りほど小さくなっています。そのまま小さくすると細くなりすぎるところなどは大きさに合わせてアレンジされているので、少々ガッシリして見えます。そのぶん組み立て時の安心感はばっちり!
注意書きや元気な色のナンバー、可愛いパーソナルマークなどデカールもたっぷり入っていてお得です。ふたつ入りなのでちょっと多く感じるけど、好きなの貼っていいんですよ。下に塗る色とデカールの色の組み合わせを考えるのも楽しいね。
合わせ目消そうとするとちょっと大変かもしれませんが、バリバリ組んでもOK。とにかくパーツを取り付ける位置とか向きがはっきりしているのでマゴマゴするところはありません。可動は脚部と頭部をつなぐ回転軸以外ありませんので、ドシドシ貼ったら好きな色に塗ろうね!というメッセージだなこれは。
できてから気づいたんだけど、マッチボックスオマージュなんだから2色を混ぜて組めば楽しかったな(当たり前ながら原作者の横山宏さんは2色混ぜて組んで「楽しい〜」とやっていました)。でもこの統一感のあるブラウンの仕上がりもまたヨシ。2個入プラモは友達や恋人や職場の仲間と分け合って作れるのが良い。パピコが2本入りなのと同じだ。仲良しをもたらすプラモデル。
同じ1/35の戦車と並べるとなかなか背が高いのがわかります。スケールが揃っていると比べっこして遊べるのがイイね。戦車とおそろいの色で塗っても楽しいし、飛行機から色を借りてきてもいいし、お気に入りのスニーカーと合わせて塗ってもいいのよ。筆でメロメロ、塗ってください。
じつはこれ、海洋堂直営店限定で特別カラーVer.が売られていたんですね(いまはもう在庫がない!)。こっちは色の違いをあえて箱側面にベタッと貼ったシールで主張。ちょっと曲がっているのはたぶんワザとで、ラフな楽しみ方を提案しているような雰囲気がとってもいいなと思います。みんなもシールは積極的に斜めに貼るといいよ。
こちらはイギリス海軍を彷彿とさせるガルグレーとダークシーグレーの2色入り。混ぜて組めばもっともっと色とりどりのキュスターが手に入るってワケ。海洋堂のARTPLAでマシーネンクリーガーシリーズはまだ続くかもしれないし、そのときはこんなふうにマルチカラーのアイテム(と、限定色)が発売されるに違いないので、「今回の限定色が手に入らなかった〜!」というそこのアナタ、次回は予約を欠かさないようにしましょう。そんじゃまた。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。