1/35で味わうマシーネンクリーガーの世界/海洋堂・シュトゥルムケーファーを組む

 知らない人はこの写真から何ができるか全く想像できない形状なのがマシーネンクリーガー。このパーツを見ただけではいったいこれが何になるのか、それのどこを構成するものなのかまったくわかりません。
 そもそもが横山宏という人が模型のパーツを寄せ集めたり、それをパテでスムーズにつないだりして作り出したのが「模型先行のSF絵物語」であるマシーネンクリーガー世界のメカたち。前身に当たる「ケーファー」という造形物はあれど、このシュトゥルムケーファーというマシンはイラストだけが発表され、(それをもとに作られた個人作品の複製品などはあったのですが)プラモデルとしては今回始めて立体化されました。

 1/35のパイロットがランナーに収まっていますな。人が乗っているプラモはいいプラモです。そして周りにはちびちびしたパーツがたくさんありますが、造形はシャープだしビシバシ組めるので安心してください。それにしても「得体の知れないメカができあがっていく過程がおもしろい」というのはプラモの不思議な効能です。なんでしょうね、ゴールの位置を知らなかったとしても、人間というのは秩序ある工程のなかに身を置いている限り、わりと楽しめちゃうという習性があるのでしょう。知らない飛行機や知らない戦車のプラモを組み立てているときだって、「前進している」という手応えがゴールに導いてくれてるわけですし。

 ひとつめのパーツを組んでみてびっくり。パーツの合いがめっちゃいいです。左右のダボ(パーツをはめるための突起)も幅が違っていて、左右でパーツを取り付け間違えることもありません。ちょっとハメ合わせがキツく感じられるところもありますが、そういう時は慌てず騒がずダボに接着剤をちょっとだけ塗りましょう。ヌルンと入ってくれるし、あとで思わぬ拍子にパーツがボロンと落ちることもなくなります。

 説明書に導かれるまま、どこのパーツがどこに入るのか全く予測のつかないアクロバティックな胴体組み立て工程が進みます。カブトムシ(そう、ケーファーというのは甲虫という意味なのだ)の腹みたいなユニットがサクサクワシワシと組み上がり、こういう複雑で立体的な形状ができあがっていく。なんの時間だかよくわからないけど、楽しい。プラモの不思議な効能です。このあと同じ形の脚を4本組むのがちょっと骨ですが、言うほどパーツ数は多くないので冷静に。

 最初はカタチを楽しもうと思っていたのですが、有機的な外装とメカニカルな内部構造の組み合わせを見ていたらなんだか塗りたくなってきました。そもそもこの少しくすんだアイボリーは昔のレジンキットの色を彷彿とさせます。プラスチックにも「清廉潔白であんまり人の意欲を受け付けない色」と「塗らせる色」ってのがあるなと思わされますな。
 ……ということで、今回は塗りやすいように説明書とはちょっと違う順番で組んでいます。胴体パッカン、脚バラバラ。この蟹パーティーのようなような状態で今日は腕組み。マシーネンクリーガーはみんな塗りがうまいスポーツなので、正面から行くのがちょっと怖いぜ。さて何色に塗るのがクールでしょうね。気に入った色の組み合わせを見つけに、まずはビールを飲みながら好きなコーディネートを探す時間を過ごそうと思います。そんじゃまた!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。