アオシマのカーモデルのなかでも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンと『ナイトライダー』のナイト2000はスペシャルな存在。映画やドラマで超現実的な活躍をするSFカーですから、これはキャラクターモデルでもあるわけだな。とはいえカーモデルなんだから作るときはカーモデルのお作法が必要なんでしょう。結構大変そうだな……とちょっと遠ざけていた自分がいた!そしてそれは間違っていた!
箱開けたら黒いボディの他にクリアーのパーツがなんと4種類も入っている。フロントとサイドの窓は透明だけど、リアはスモークが入ってるから同じ金型の色違いで窓パーツが2種。ストップランプやウインカーはそれぞれクリアーレッドとクリアーオレンジに着色してあるから自分で塗らなくていい!クリアーパーツを塗装して均一にキレイに発色させるのって難しいから、パーツ状態で色が付いてるのはもう完全勝利と言っていいでしょう。最高。
さらに内装がベージュで成形されるんですよ。もちろんプラモデルとしての決まり事として説明書にはちまちまと塗装指示が書いてあるわけですけど、ボディ&シャーシの黒、内装のベージュ、そして各種クリアーパーツの組み合わせだから、貼るだけでほとんど劇中のイメージ通りになる。もちろん部分的にちょい塗りして「オレ度」を高めてもいいし、フル塗装で挑んでもいいのだけど、塗装はちょっとな〜という日にも気軽に楽しめるキット内容が偉い。これが全部グレーとかだったら盛り上がらないもんな。やっぱキャラクターモデルとして消費されることを分かっての仕様なんでしょうね。
さて、センターコンソールにある超小さいボタンの塗装指示がかなり可笑しいです。銀を塗ってからクリアーレッド、クリアーオレンジ、クリアーグリーンで塗り分けよう……ってそれはかなりしんどくないですか?(ボタンの1辺が1mmもないように見える)。どうしても塗りたいぞという人にひとつオススメを教えておきます。「ガンダムメタリックマーカーセット2」を適当な小皿に出して、爪楊枝とか筆で塗るのです。発色いいし扱いも簡単なので、スケールモデル作るときにちょっとメタリックカラーを塗りたいときに重宝するのよ。
ちなみにアオシマのナイト2000、LEDが光って喋る「スキャナー音声ユニット付き」も発売されているのでさらにキャラクターモデルっぽい遊び方もできます。そんじゃまた。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。