とにかくエアブラシを吹いてみたい、何ができるかを見たい、そしてエアブラシで使って実際に塗ってみた後にもう一度読むと、「あぁポイントはここか」、ということが書いてある。そんな一冊が、今回ご紹介する「エアブラシの教科書」です。
こちらは去る2024年4月23日、ホビージャパンから発売となりました。私けんたろうもこのなかで色々製作や文章で関わっていますので、本の中身の紹介とつくるときに考えていたことなど、本書をご紹介しつつ書いていきます。
エアブラシは塗装用具として筆に並ぶツールであり、初期投資費用こそ据え置きゲーム機ぐらいかかりますが、永らく使えて便利なツールです。コンプレッサーは本当に長持ち。
私が使っているのはワーサー15Aです。もう10年は使っていますね。静かで空気圧も強力、頼もしい相棒です。
今回のエアブラシの教科書は、フラットに塗ることやグラデーションなどエアブラシならではの定番テクニックだけで無く、とにかく多数の技法が詰まっています。ラップ塗装とか、アルコール落としとか、そのほかにも「これもエアブラシでできるの?」なんて裏技まで収録されています。
エアブラシは理論も大事なのですが、最も大事なのが「ひとまずやってみること」。これは模型にとってとっても大事です。本書はそのステップを後押しするように、理論より実践が多め、という内容なんですね。すぐに実践に入ります。その実践例がたくさん掲載されていて、How toとカタログ合わせて162ページものボリュームになっています。
もしかしたら、エアブラシを一度買ってみたものの、うまく使いこなせないでしまっているという人がいるかもしれません。そんな人にもまたエアブラシを触って欲しい、ちょっと面白いテクニックを見て再度興味を持ってくれたら……など、何か小さなことがきっかけでエアブラシをもう一度使ってみて欲しいと言う思いも込めています。
いま市販の模型用エアブラシシステムは、どれも性能がよいものがそろっています。私は仕事の都合でさまざまな組み合わせで使うミッションをしてきたのですが、現在はコンパクトで静音重視の空気圧が小さなコンプレッサーでも広めの面積が塗れたりします。そんな今のエアブラシ関連アイテムが巻末に多数収録されています。
こういったカタログで、今のエアブラシアイテムを俯瞰してみると、「今は本当にどれもいいものだな」と隔世の感があります。GSIクレオスより発売されているカロンのちょうどよさは、実際に使ってみて本当に楽しいアイテムでした。
これから導入を考える方には、カタログのスペックも大事ですが、コンセントの位置や数、自宅でのスペース展開について考えてみてください。ライトや排気ファンのコードの取りまわしや、タップの数は結構必要だったりします。
たくさんの工具のなかで、私けんたろうが一番好きな工具はエアブラシです。はじめてエアブラシを使ったときの、すごい速さで好きな色にプラモデルが変化したとき、入念なグラデーションで重みを魅せる塗装ができたとき、完成品ができたときの感動は忘れません。少しずつ実践で積み上げて、現在のいい完成品が作れるようになったと思っています……。
自分の経験や一緒に本書を作ったメンバーの経験がうまく合わさって、1冊で基本から応用まで収録された本に仕上がっています。ぜひエアブラシ塗装にチャレンジしたい! エアブラシ塗装で悩みがあると言う方は、ぜひ本書をゲットしてくださいね。
けんたろう
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。