イラストレーターのAF_KURO氏による、近未来都市をサイボーグ少女たちが最速・最強を目指し駆ける……という世界観から、その少女の一人がフィギュア化されています。以前から『少女発動機』と銘打たれたこの世界観のファンであった私は、氏の同人誌を眺めて嘆息をついていたのですが、その立体化の報を聞いて迷わず予約したのでした。
走行ポーズは後ろ姿がかっこいいです。背中から覗くエンジンと、接地性抜群の足先タイヤがポイント。機械とひとつになった彼女のデザインには、人馬一体ならぬ”人機一体”となるマシン、「バイク」と通じるものがあるはずです。私はバイクのことはよく知りませんが、少女発動機ならここにあります。彼女と見比べながらバイクプラモを作れば、バイクのことが分かるし、大好きな彼女のことはきっともっとよく分かります。
最速・最強のサイボーグ少女と並べる相棒なら、それに負けないパワフルなモンスターマシンがいいでしょう。いかつい見た目のKawasaki ZZR1400にします。4つ目のヘッドライトが只者ではない雰囲気です。
メッキのマフラーとランナーが立体的にうねっています。排気がすごい=エンジンが強い=最強!
胴体に納める大きなエンジンです。彼女の背中からも大きなエンジンがのぞいています。どちらも肝心かなめの動力源が体のど真ん中にあります。
前後のタイヤの太さが全然違います。コントロールの前輪とパワーの後輪と推察します。彼女の足先と見比べると、片足に複数のタイヤがついていることに気づきます。つま先側(前側)が小さいタイヤ、かかと側(後ろ側)が大きいタイヤです。こんなところも同じなんですね。
もっと観察するため、彼女の配色を参考にZZR1400を塗装します。人型の彼女とバイク、どこがどこに相当するのか考えます。例えば両脚はもちろんタイヤ周辺です。頭の2本の角はどこでしょう? ここはフロントカウルからにょきっと生えるミラーとそっくりですから、同じ色にします。
現実のバイクから彼女のような架空のデザインに変換されるとき、”バイクらしさ”が抽出されるのだと思います。共通点を探すことは、すなわち“らしさ”を見つけることなのです。
並べて飾ると最高です。組立説明書にはキットの周辺知識が紹介されているのですが、ここの最後の一文を引用します。
“あらゆる状況において最高のパフォーマンスを発揮する、世界最強・最速を目指したカワサキの新世代フラッグシップがZZR1400なのです。”
(タミヤ 1/24 Kawasaki ZZR1400 組立説明書より)
”最強・最速”を目指す「少女発動機」の相棒は当然”最強・最速”なのでした。このキットを選んだことの答え合わせがされたようで、私にとって彼女たちがますます最強の二人になりました。
90年代生まれ。父の影響でガンダムが好きになる。
最近はガンプラ以外にも興味あり。