

水面との境、喫水線と言われている部分でスパンとカットされている艦船模型「ウォーターラインシリーズ」。海に浮かんでいるシルエットをイメージさせてくれる、艦船模型の王道シリーズです。タミヤ・ハセガワ・アオシマの静岡3社の共同で展開されています。
僕はこのシリーズの中でもポッキーの箱くらいの小さな船の模型の佇まいが大好きです。初めて作った「タミヤ 響」もこのサイズで、この小さな箱からランナーを取り出す瞬間がとてもワクワクするのです。

タミヤの「松」という船のプラモデルは、完成後も指でつまめるサイズの中に、主砲、艦橋、煙突やマスト、対空機銃がとても整理されて配置されています。発売も1994年と、めちゃくちゃ古いものでもないし、最近の艦船模型に見られる超精密パーツの組み立てや接着もないので、すごく楽しく作れます。なんならこの松は「接着剤を使う楽しさ」まで思いっきり味わえるプラモとなっています。

ランナーは2枚しかありません。このパーツ数で駆逐艦が完成するの? て思えるほどシンプル。と言うのもこの船自体が、日本海軍が短時間で数多く建造し、資材を節約するために小型でシンプルな構造を目指した戦時量産型の「丁型駆逐艦」と呼ばれるもの。それゆえに元々シンプルなので、タミヤも細かなパーツ分割はせずに、極力1パーツ単位で成型されているものをカットして船体にペタペタと貼っていくだけで完成します。

そして「貼る」と言えば接着剤です。松はパーツ精度が良いのですぐに接着剤と仲良くなれます。プラモの世界のメジャー接着剤である「タミヤセメント(白蓋の接着剤)」と、パーツとパーツの間に流すことでパーツ同士が貼り合わさる「流し込み接着剤」があればすぐ完成します。上の写真はタミヤの流し込み接着剤です。

パーツ同士が合わさっている隙間に、流し込み接着剤の蓋についている面相筆で、接着剤を流し込みます。パーツ同士が合わさっている箇所に、筆をちょんと置けば。勝手に接着剤が流れ込んでいき、パーツ同士が接着されます。「接着剤を使う」ってこんなにイージーなことなのです。

小さなパーツは白い蓋のタミヤセメントをちょんと塗り、所定の位置に接着。粘度が高く乾燥の時間も長めなので、接着位置を貼りながら調整できます。

船体の艦底部パーツは流し込み接着剤で。これだけ長いパーツ同士も、パーツとパーツの間に筆をちょんと置けば接着剤が流れ込んでいき、簡単に綺麗に接着できます

ピンセットで摘むと「パチーン」っと飛んでいってしまいそうなパーツは、デザインナイフの先に軽く刺して、接着面まで持っていくと良いでしょう

40分で完成しました! この小さな船の中に、艦橋・主砲・煙突・対空機銃・マストなどがバランスよく配置されていますね。無駄を排除したすっきりとしたシルエットはまさにこの「松」の魅力です。艦船模型に初めてトライしてみたい人も、久しぶりに艦船模型を作りたいな〜って人にも持ってこい。まさに「まつにお任せくださりませ」と聞こえてきそうな、最高にフレンドリーな艦船模型なのです。