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「流し込み接着剤」があるだけでプラモの組み立てがめちゃくちゃ楽になる話。

 2002年にハセガワ初の人型メカプラモデルとして送り出された「1/72スケール VF-1 バトロイド バルキリー」。まだ10代だった僕は、このキット化に興奮して買ったものの、最後まで組み立てられませんでした。当時の僕はある接着剤の存在を知らなかったのです。そう、今回のテーマ「流し込み接着剤」です。それさえ知っていれば、もっとスイスイ組めて、机の上にVF-1を飾れたに違いなかったのです!

 当時の僕は、この白い蓋のタミヤの接着剤とウェーブの瞬間接着剤しか使っていませんでした。この白い蓋の接着剤は粘度が高いのが特徴。蓋の裏にセットされているハケを使って、パーツの軸などにペタペタと塗ってパーツを貼っていきます。今の自分なら、この白い蓋の接着剤だけでも形にできそうですが、当時はこの接着剤だけを塗って組んでいって挫折したのです。

 ハセガワのVF-1は、表面のディテールがめちゃくちゃカッコよくて、リアルなモチーフを触ってきたメーカーが送り出すリアルロボットの味を楽しめます。接着剤を使用して組んでいくことが推奨されているプラモでもあります。

 しかし、ここが癖ものなのです。接着剤推奨なのに、結構な箇所に「スナップフィット(接着剤を使用せずにプラの嵌合でパーツをとめていく模型)かな? ややスナップフィットかな?」というファジーさあるのです。さらに「ちょっと入んないんですけど!?」ってくらいきつい軸&軸穴なんかもあり、パーツを組み合わせていくたびに、軸の先と穴を軽く合わせてチェックしていく必要があります。そういうプラモだと知らないで、当時のヤングフミテシは裸一貫でハセガワのVF-1に飛び込んだのでした。

 そのファジーさを解決してくれるのが「流し込み接着剤」です。今の僕の模型製作において、主役と言える接着剤。この接着剤があるだけで、ハセガワのVF-1は、よりあなたに近い距離のプラモデルになります。上の写真は、スケールモデルキットのように、軸がパーツを止めるのではなく位置を決める嵌合になっているパーツ。こういう場合はパーツを同士を合わせた部分に、流し込み接着剤の蓋についている筆をちょんと置くだけでパーツが接着されます。接着剤の後も目立たなくて綺麗な仕上がりになります。

 これは軸と穴の径が合ってなくて、奥までしっかりと入らないパーツ。こういう箇所にも流し込み接着剤があるだけで、スムーズに解決できるのです。

 軸を短く切る、もしくは全てカットしてしまいます。

 軸を綺麗にカットすることで、パーツが面と面で密着するようになりました。あとはそこに流し込み接着剤を流すだけで良いのです。時間も短縮できる上に、パーツが合わさる精度も上がっています。

 当時人型にまで組めなかったVF-1が今目の前に!! 流し込み接着剤の恩恵で、憧れていたハセガワのVF-1 バトロイドバルキリーを手に入れられました! ゆるい・硬いというファジーな合わせが多いプラモデルは世の中にたくさんあります。そのファジーさの間を取り持つことがもできるのが「流し込み接着剤」。確実にプラモの世界を広げてくれます。取り扱いもとっても簡単なので、まだ使ったことがないという方、ぜひあなたの工具箱にお迎えください!! それでは〜〜。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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