みんなで作る模型サイト nippperはあなたの投稿をお待ちしています!
詳しくはコチラ!

部分塗装で美麗な立ち姿を楽しむMHのプラモ/ボークス IMS エンゲージ SR1

 ああ、なんだか難しそうだな……と思いながら、ずっと完成までの道程を頭の中で思い描いていたボークスのIMSシリーズ最新作、「エンゲージ SR1」。紫、ガンメタル、そしてほとんど白に近い薄緑のプラスチックでほぼ設定通りの色分け……と言いたいところですが、説明書をよく読むと塗装したほうがいいところも散見されます。

 こういうときは、組みながら考えよう。カタチが出来上がるにつれて「ここに色があったほうが絶対いいな」と思うところがハッキリするし、そこに色を塗るときの最適解はその時考えればOK。ニッパーを握って、いざ行こう。

 シンプルな構成で案外素早く組み立てられる脚部はほぼ塗装しなくてもOK。ランダムスレート内部が白成形なのにはちょっとばかりギョッとしましたが、ここは素直にガンメタルを面相筆で厚めに塗ってクリア。チラッと見えるところに色が入っているのは最高にセクシー。紫色の足首装甲中央部は白の外装色に近い色を塗っておきました。手持ちのなかではGSIクレオス 水性ホビーカラーの「H-31 ホワイトグリーン」がいちばん似てたね。

 足首パーツはこれまでのIMSシリーズ同様、左右が自然に接地する美しいひねりの入った造形と裏側から見たときのメカモールドのコントラストが気持ち良いです。全体的にゲートの処理がちょっとナーバスな印象ですが、じっくり時間をかければ誰でもクリアできるはず!

 次に気になるのが左右腰装甲の一段落ちたところに入る紫。ここは周囲がカーブしていてマスキングがめんどくさそうなのでタミヤアクリルの「X16 パープル」(色味はドンピシャ!)を豪快に吹き付け、はみ出したところはキッチンマジックリンを含ませた綿棒で拭います。紫になってほしいところが一段落ちているおかげで、平面部分はツルッとキレイに塗料が落ち、エッジもぼやけた印象になりません。全塗装したい人はラッカー系塗料で基本塗装してからアクリル系塗料で色差し、という順番だけ守れば同じことができます。

▲カキっと塗り分けられるもんですね。

 こういうところは紫のパーツを裏からはめ込むというのが最近のロボットモデルではありがちな処理だけど、いざ自分で塗ってみると「そんなに手間がかからん」「自分で見た目をアップグレードできた」という満足感がありますね。そういう意味ではモデラーのスキルをちょうどよく引き出してくれる快感があります。パーツ数を減らしてコストや工数を抑えるのもオツなもんだな、と思いました。

 腰部装甲は6枚ありますが、後部は2枚がぴしっと決まった位置に固定され、それ以外は基部に可動ギミックを仕込んであります。そして腰フレーム部と噛み合う突起がそれぞれ設定されているため、「きれいな立ちポーズ」をとらせたときに腰アーマーが左右対称に定位置でビタッと止まった状態にもできます。これが本当にありがたい。

 ロボットモデルにポーズを取らせるというのは「すべてのユニットの位置と角度を決める」ということですから、けっこう難しい。全身の主要な関節を可動/固定から選択して組めるキットの仕様をさらにブーストしてくれるナイスアイディアだと感じます。

 シールド中央部の紋様はつべこべ言わずにマスキングするしかない!ここはマスキングテープを貼ってからスジ彫りに沿ってアートナイフ(デザインナイフでも可)の刃でカーっと曲線に合わせて切っていきます。刃が新品なら絶対に大丈夫!軽い力で、スジ彫りから外れないように慎重に。

 紋章はうじうじ悩んでいてもしょうがないので水性塗料を筆塗り。マスキング無し!明るいデスクライト、穂先のよく効く筆、そして拡大鏡さえあればイケます。ちょっとしたはみ出しはあとから修正するつもりで……と思ったけど、案外なんとかなるもんです。案ずるより塗るがやすし!悩んでいるなら、塗ってみよう。塗ればわかるさ。

 これならイケる!と確信してシールド下部の濃紺もラッカー系でドンピシャの色を見つけたので筆塗り。筆塗りは「薄いのをタテヨコタテヨコ重ねていきましょう」と書いてある本やウェブサイトに遭遇することもしばしばですが、ドカンと発色させたければ瓶から生でボテッと乗せていったほうがムラなく素早く塗れることもある。写真は最後にプレミアムトップコートの光沢で整えていますが、ツヤがちぐはぐだったりほんのすこし筆ムラがあったところも気にならなくなりました。カッコいい!

 やや複雑な構成の肩関節や独特な取り付け方の装甲を組み上げると腕ユニットが完成。肘関節をわずかに前後に曲げられるギミックのおかげで立ち姿に流麗なアウトラインが作り出せるのもこのキットの特徴です。シールドを構えたときの角度調整は、これがなければうまくいかないと断言しちゃいます!

 夕食後の時間を3日ぶん使って完成。エアブラシとトップコートのためにちょっと自室に行った以外は、ずっとダイニングテーブルの上で組み立てや筆塗りを楽しんでいました。装甲裏面に手を入れたり、表面のディテールをよりくっきりさせるための色差しなどできることはまだまだあると思いますが、成型色に対して最低限の塗装を施しただけでもこれだけのルックが手に入るのなら、かなり満足度は高いはずです。

 こちらの1/100 IMS エンゲージ SR1は12月24日(土)より発売中! 完売のおそれがあるためご購入はお早めに!!。さらにパールコートメッキ仕様の限定版もボークスGL/VS/VIP会員対象商品として用意されています。詳しくはボークス公式サイトにて確認を!

■「エンゲージ SR1(通常版)」
2022年12月24日(土)
全国のボークスショールーム、秋葉原ホビー天国2、ホビースクエア、ホビー天国オンラインストアにて発売

■GL/VS/VIP会員対象 「エンゲージ SR1(限定版)」
2022年11月19日(土)~ 2023年1月29日(日)
全国のボークスショールーム、秋葉原ホビー天国2、ホビースクエア、ホビー天国オンラインストアにて予約受付

※いずれも生産数に限りがあるため、ご予約が予定数に達した場合、期間中であっても予約終了となります。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>/nippper.com 編集長
からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事