

王道なようでいて、ちょっとニッチなプラモデルをよくリリースしているのがアミュージングホビーです。ホビーショーのブースでも、こりゃあアミュージング……という新作発表でよく我々を沸かせてくれるメーカーで、とくに日本ではガルパンのフェルディナントやARL44(フランス)の戦車を作ったことでおなじみです。

今回出てきたのはエイブラムスX。カクカク&センサーコテコテなデザインで、まさに絵に描いたような未来の戦車です。じつはこの戦車、エイブラムス戦車の製造元であるジェネラル・ダイナミクス社がデモンストレーション用に実際に製作した車両です。

ポイントはエンジンがディーゼルハイブリッドに変わり、パワーのあるモードや静粛性に特化したモードとハイブリッドエンジンならではの走行ができたり、砲塔に人が乗らずに横並び3人(現行は車体と砲塔合わせて4人)になったりと、それまでのエイブラムスの面影を持ちつつも、センサー部分が各所に配置されたり(防護システムやHMDで全周見られるようにするシステムのセンサーがあるようです)、真ん中に3ハッチできるなど外見に変化が現れています。

もちろん、一番の変化は砲塔でしょう。シルエットからして変化があって、このエイブラムスXがいままでのエイブラムスと違う! と一発でわかる部分になっています。

参考に、こちらはライフィールドモデルのM1A2エイブラムスのキット。エイブラムスXは前面装甲がギュッと小さくなっていて、天面がスロープになっています。M1エイブラムスの素の形状は、後部の弾薬庫と人の入るハッチ、乗員の目となるセンサー窓と、役割がはっきり見えますね。

まさに近年のキットらしい部分として、オプションパーツに3Dプリントのパーツが入っています。銃身先端の多孔な部分はたしかに3Dプリンターの強みがでるところでしょう。機銃弾帯のカーブも同様に3Dプリントパーツのいいところかもしれません。

センサー類がクリアーパーツなのも今らしい作りです。最終的に見える部分は少しでも、クリアーにしておくことでそれっぽく再現できるように、ユーザーに委ねています。

金属パーツも豊富で、砲身もアルミ挽き物だし、エッチングパーツも付属しています。中身がめちゃくちゃ豪華なんです。


キットの組み立てはパーツがシンプルでじつはとても簡単なのですが、履帯と足周りだけはちょっと頑張る構造です。サスペンションが動くわけではないので、割り切って固めてしまえばスピードアップできます。

ここまではよく知っているエイブラムス戦車です。アミュージングホビーのキットはピッタリパーツが合って本当に組みやすい。

しかし上部を組み立てると知っているところと進化しているところが混在していて、実車の写真以上に理解が進みます。サイドスカートはあまり変わらないけど、下部の切り方と塗装で実車は見事に化けています。

銃身はプラパーツも入っています。しかし金属&3Dプリントパーツは精度がすごい。

砲塔をつけるとまさに未来の戦車の完成です!

なにかパーツがまだ余ると思ったら、きみは……謎のドローンではありませんか。こんなオマケまで入れてくるアミュージングのサービス精神に乾杯。

結局、エイブラムスXは採用には至らず、現在のエイブラムスを発展させるM1E3というコードのついた戦車を開発中のようです。すべてをガラッと変えようとしたエイブラムスXは、ありえたかもしれない未来で終わってしまいましたが、パッケージのように、実際に採用されたら……? ということを想定した塗装で作っても面白いでしょう。

こうしたプランで終わった夢のアイテムも立体化してくれるからこそ、アミュージングホビーは何かやってくれそうな、面白く注目すべきメーカーなのです。現用、大戦問わず面白いアイテムが揃っているので、何か気になるアイテムがあったらぜひ手に取って楽しんでください!