

タミヤからじつに四半世紀ぶりに再販された「1/20 グランプリコレクション トヨタ セリカ LB ターボ Gr.5」のボディ。これのいったいどこがセリカなの?と思ってしまうほど原型をとどめていないのだけど、かつてレースの世界で流行りに流行った「シルエットフォーミュラ」はカクカクのオーバーフェンダーが魅力なんだからしょうがない。

もとになった「トヨタセリカ2000GT リフトバック」のカタチを確かめると、ボディの中に埋もれたドアとルーフとCピラーからテールにかけての造形に面影がある。もっと探せば、リアのコンビネーションランプあたりも市販車そのままのパーツに見える。「ドイツでエンジンを徹底的にチューンされてポルシェをやっつけた日本のクルマ」と言われると、最初は突拍子もなく見えたカタチに意味が感じられるではないか。

いわゆる「ダルマセリカ」を象徴する四つ目のフロントまわりとキャビンを囲むロールバーのパーツもブルーのプラスチックで用意されている。レースに出るために研ぎ澄まされた(あるいはゴテゴテに盛られた)その機構を、わりとシンプルなパーツ数で表現しているのがとてもいい。

初版は1978年となるこのプラモデル。モーターで走る機構の名残があるのは先日再販されたばかりのポルシェ935なんかと同じ。シルバーのパーツでエンジンが再現されているけど、ドライバーのアニキもメタルなのが嬉しい。なにより1/20スケールのハコ車は(かつていろいろなメーカーが製品化していたものの)現在ではかなり貴重な存在であり、タミヤのレガシーがこうして順次再販されることで「昔はこんなにデッカいカーモデルで遊んでいたのか〜!」というわかりが生じるとともに、「おおらかに遊べる」という空気感も蘇ってくるのがいい。

説明書も現代的になっているし、デカールは発色がいい上に透けにくく、貼りやすさも満点のイタリア・カルトグラフ社製。プラスチック色のままバチコーンと貼ってカタチを楽しむもよし、21世紀だからこそ手に入る高性能なツールやマテリアルを駆使して当時の少年たちよりもずっとキレイに(しかし手早く!)仕上げるもよし。かつてあったレースの姿と、それをリアルタイムで模型化した製品とを、同時に胸いっぱい吸い込める珠玉の再販。当時を知る人も、このプラモデルで往時を知った人も、ぜひ手に入れてほしい。