

とってもシャープな滑り止めの彫刻や、アンカーチェーンの立体感!1/700の鵜来型海防艦は「これぞピットロードの味濃いめな艦船模型」の面目躍如でございます。パーツのフチもギンギンにシャープだし、艦上構造物を接着するための土台となる出っ張りがカチッと設定されているので組みやすそう。しかーし、このプラモデルは全長11cmくらいしかありません。とにかく小さくて、こまかい。

鵜来型20隻の微妙な差異を表現するために機銃をはじめいくつかのパートが選択式になっていて、なにをどう選び、どこに取り付けるのかが説明書で詳しくフォローされています。魚雷発射管や強力な大砲こそないものの、沿岸警備や艦隊援護のために対潜装備を中心としたさまざまな要素がぎっちりと詰め込まれているので小さくとも組みごたえは圧倒的。
まず絶対に必要なのがよく切れるニッパーとヘッドルーペ(拡大鏡)です。肉眼では見えないレベルの緻密な造形も、でっかくして眺めると「うおー、ちゃんと組み合わせられるように設計されている!」と驚くはずです。

組み始めるとわかるのですが、どれだけパーツが細密でもちゃんと組めます。取り付け位置がしっかりと設定されているし、コンマ数ミリのかみ合わせでもビシッとノリシロがあります。少量の接着剤で慎重に組み上げるのが楽しいのですが、パーツをつまんで所定の位置に持って行くには先の尖ったピンセットが必須です。単装機銃の取り付け基部だけが説明書で図示されている形状と実際のパーツで異なるため、「どうやってくっつけようかな……」と悩むところですが、どうしても難しければ取り付けなくて済む個体を選ぶのもひとつの手。

組み上がった姿はこのとおり。小さいからってパーツ数が少ないわけじゃないので、言ってみれば「超緻密な工作ができるかどうか」の期末試験みたいな内容です。特殊な作業はいっさいなくて、切って貼るだけ。でもその「切って貼る」の限界を味わうなら、この鵜来はとてもチャレンジングなプラモデルです。
すべてのパーツを貼り終えたら、誰に見せても「うわ、細かい!」と驚かれるはず。おおらかに楽しみたい人には倍寸の1/350モデルもありますが、「世の中にはこんなにこまかい(でもちゃんと組める!)プラモデルがあるのか……」というベンチマークとして、1/700鵜来はだいぶ衝撃的な体験なのでした。そんじゃまた。