

酒を飲んだ帰り道、信号を待っていると交差点で一台の車が信号待ちのため停車した。車体形状はピックアップ型トラックで、ボディは黄変したホワイト。ところどころサビが露出しているが、それがいい塩梅でアクセントとなっている。年季を感じるボディとは相反してホイールがビカビカと輝いていた。端的に言うと、かなりいい感じの車だった。
しかし、車種がいまいち判別しない。ヒントになるものがないかと探してみると、フロントグリルの部分に「Sunny」と筆記体のエンブレムが輝いていた。これが世に聞く「サニトラ」っちゅーやつか、とアハ体験をしていると、信号が青に変わり車はマフラーから快音を立てて去っていった。

家に帰りサニトラのことばかり考えていた。あの”いい感じ”をどうにか所有したい。手段を漁っているとすぐに解が出た。プラモデルで所有すれば良いのではないか。
そう思い早速、ハセガワのキットを購入。封を開けてみると真っ白に輝くボディパーツが出迎えてくれた。あの時見たボディの形状と似ている。ディテールを比べると全て一緒ではないと思うのだが、それでいても心が踊る。これから”いい感じ”を自身の手で組み立てることができるという高揚感も合わさって。

そして、肝心のフロントグリルで輝いていた「SUNNY」のエンブレムだが、これは箱に入っていなかった。ここで初めて理解したのだが、あのエンブレムは別の型式のものであり、いま持っているこの型式には装備されていない。さらに言うと、あのエンブレムはもともとグリル部分には装備されているものではないらしい。ということは、あの時見たエンブレムは所有者の一種の遊び心のようなものだったのだろうか。なんというかニクいことをする。

「Sunny」のエンブレムが手にすることができなくなったからといって、目の前にあるキットの魅力がなくなるわけではない。未だボディパーツとグリルの部分を手に取っただけなので、この要素だけで魅力を推し量ることは難しい。幸いにも、付属しているデカールシートに目をやると「Sunny」の文字を象ったデカールがある。筆記体ではないがこれはこれでいい感じだ。であれば、このデカールの「Sunny」に恥じないように、私は私で目一杯楽しむつもりだ。