
ウチの6歳児が組んで塗って楽しんだminimum factoryのスコープドックです。子供のおぼつかない筆さばきでは塗りムラや塗り残しはあたりまえ。それゆえボトムズOP「炎のさだめ」がモチーフの成型色が随所にあらわとなり、市街地が戦火に染まる空気感をまとってしまっている……。 「ヤダー、ウチの子天才!?」と親バカになりつつも、このヴィネットと呼ばれるミニジオラマのサイズ感、用いた水性ホビーカラーのパフォーマンスあっての結果であると分解して語りたいのです。


『minimum factory スコープドッグ 炎のさだめ/いつもあなたが』の特筆すべき点はその絶妙なサイズ感でしょう。このなんとも言えない大きさが「組み立ててみよう」「塗ってみよう」というリビドーにつながっており、私も息子も疾走感をもってプラモをエンジョイできたのです。数点のパーツをニッパーで切り出し、流し込み接着剤で貼り付けしていけば間違いのないフォルムのスコープドックが速攻で建立される。息子は小さな手でほぼ自分でやりきり、なおかつ塗りたい欲を爆発させる余力を残していました。

事の発端であるホビージャパン連載「筆塗りトライブ」が書籍化した『凄腕モデラーのプラモ筆塗りスタイル』です。息子がこのキットのページを見るなり「このロボ、すごくカッコいい!」とブチ上がったのがきっかけで、このヴィネットを親子で手にすることに。

本書の冒頭、横山宏氏へのインタビュー記事はもはや聖典。「筆ムラは(色のムラではなく)ツヤのムラでしかなく、仕上げでツヤ消しか半光沢のスプレーでトップコートすれば全然気にならなくてOK」というひとことは啓示でしかなく「ムラなく塗り重ねるべき」とか「ハミ出さず塗り分けるべき」などの固定観念からの解放でしかありませんでした。ゆえに息子に対して「それぐらい塗れればOK。後のトップコートで何とでもなるから」というリラックスしたスタンスで向き合えました。

塗装は手持ちのシタデルカラーで。5分程度で乾くのでどしどし塗り進められるうえ、有機溶剤不使用のため体に優しく無臭。希釈と筆洗いも水道水で間にあうという、子供が取り扱うには絶好調すぎるホビーカラーです。大まかに塗り分けたあと、フィルタリングとツヤ消しトップコートも兼ねるシタデルのシェイドを全体に塗りたくります。スコープドッグ本体には「ナルンオイル」を 、地面には「アグラックス・アースシェイド」をそれぞれバシャバシャとまぶすとみるみるリアル感が増し「本物みたい!」と、息子は存分にライジングしてました。

筆塗りトライブを読んだ息子が「組みたい!塗りたい!」と躍起になったこのスコープドッグ。組み立て20分、筆塗り90分、子をヒザに乗せてフォローしながらの親子モデリングを楽しめました。繰り返しになりますがサイズ感が本当に素晴らしいボトムズプラモです。キットがこれ以上大きいと6歳児の集中力はもたないし、小さいと子供が塗り分けるのが難しくなるでしょう。
ヴィネットという固定ポーズのキットはなにか模型の上手な人達が嗜む上等な趣味だと勝手に思い込んでいたところがあります。速乾の流し込み接着剤や水性ホビーカラーの進化もあり、実のところ適度なサイズならば組んで塗ってをカジュアルに楽しめるものだと知った今回でした。ヴィネットのプラモ、親子でしばらくハマりそうです!