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発売から50年!!1972年の艦船模型アニキたちが唸った傑作プラモを令和に食す!「タミヤ 1/700 日本軽巡洋艦 矢矧」

▲キットの箱の中のパーツだけで、ここまで楽しめる。時を超えても傑作のタミヤの阿賀野型!!

 どんなプラモにも一つの歴史を更新する模型があると思います。マスターグレード、タミヤの1/48 トムキャット……。今回ご紹介する「タミヤ 1/700 日本軽巡洋艦 矢矧」も初期ウォーターラインシリーズの完成度を大きく引きあげた傑作です。矢矧と同型艦(矢矧は阿賀野型)である阿賀野が先行して発売され、翌月に矢矧が発売されると多くの艦船模型ファンが「他の船も阿賀野型クラスの水準でリニューアルして欲しい!!」と声を上げました。このキットが発売されてからは、阿賀野・矢矧がひとつの物差しとなって他のキットの引き合いにされるほどでした。

▲中身が傑作なら箱絵も傑作!! 後ろに映る大和を「緑」で描いているのマジで最高!!! 大和この色で塗ります!!!

 そんな傑作キット、艦船模型熱が高まっている今手に取らないなんてもったいない!! ということでセンパイ達の歓喜を追体験しようと思います。僕は1983年生まれ。僕よりも10年以上前のキットとの邂逅です。

▲船体は少し反っていますが修正できる範囲でしょう。側面のモールドや、上部構造物もある程度できていて、もはや船と言えるパーツになっています
▲機銃も特徴的モールドを強調して、強そうでカッコイイパーツとして1/700スケールにデザインされています
▲また今なら1972年当時には入っていなかった、ウォーターラインシリーズ共通のディテールアップパーツもセットされているので、こちらも選択して使用することができます
▲艦橋や甲板上の構造物は、ひとつひとつのパーツが大きくて組み立ても楽。今見ても良いモールドしています
▲右上の二枚が、のちにセットされたウォーターライン共通のディテールアップパーツ。矢矧はまもなく重巡洋艦ともいえるボリュームなのですが、それらがたった2枚のランナーに収められています

 各パーツは、タミヤの1/700スケールにおけるかっこいいデフォルメが各所に行き届いてます。小さくてもモールド誇張することで存在感を増している機銃はそれを象徴するパーツです。特徴的な艦橋はパーツが少なくて合いもしっかりしているので5分ほどで建造が完了!! 船の顔がすぐに目の前に現れるとテンション爆上がり間違いなし!!

▲ほぼ1日で完成!! 組み立ても癖が無いのでサクサク進みます

 矢矧という船は、戦艦大和と共に沖縄特攻で散った日本海軍最後の水雷戦隊旗艦です(機雷・魚雷・爆雷などを使った水雷戦を行うことを目的に編成された部隊)。そのようなドラマ性もこの船の魅力であります。発売から50年経った今作ってもかっこいいなぁ、作ってよかったなぁと思えた素敵なプラモでした。僕も先輩たちの歓喜を追体験できんだと、なんだかちょっと自分の中で嬉しくなってしまったのでした。ぜひみんなも作ってください!!

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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