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細い線が彫れる最高の神ヤスリ!「ゴッドハンド スジ彫りヤスリ」

 ゴッドハンド スジ彫りヤスリ

 刃物?? 何?? これは「スジ彫りヤスリ」という商品。最強のニッパーであるアルティメットニッパーを発売しているメーカー「ゴッドハンド」が販売している超人気ヤスリです。これがあれば、プラモに彫刻された細い線を簡単に彫り直せます。目立てヤスリをベースに開発された、本当に便利なヤスリなのです。

 そもそも目立てヤスリは「ノコギリのギザギザの刃を奥まで研磨して、切れ味を取り戻す」のに使用されるもの。それを模型用の特殊形状&薄さにして「スジ彫りヤスリ」として販売したのがこの商品です。僕が今作っているハセガワの「1/72 VF-1」製作で本当に大活躍なのです。その様子をご覧いただきながら、商品を解説していきます。

 ハセガワのVF-1の表面には繊細な彫刻が刻まれていますが、パーツの合わせ目を跨ぐところが数箇所あります。このまま、いつものようにゴリゴリと紙ヤスリをかけて合わせ目を消すと、ツルツルバルキリーに早変わりしてしまいます。そこで合わせ目を跨ぐ彫刻だけ、このスジ彫りヤスリで彫り直しています。早速合わせ目を跨いでいる横線を彫り直してみます。

 このヤスリ、片面にしか刃がないので両面に刃がついているヤスリよりも細い線が彫れます。ヤスリのサイズは2種類(そのほかに左利き用、右利き用もあり)あって、小が0.2mm以上のスジ彫りの彫り直し、極小が0.2mm以下のスジ彫りの掘り直しに適しています。今回は極小を使用しています。

 直線のスジ彫りを彫り直す際は、刃の先端が斜めになっている方を使用します。斜めにカットされていることで抵抗が少なく、余分な力が加わりません。刃を立てるのではなく、20度〜30度と少し寝かし気味にした角度にして、筋彫りにセットします。

 そして優しく前方に押します。切れ味が良いので、力を入れる必要はありません。そのまま押し進めましょう。これを数回繰り返せば、筋彫りは深くメリハリあるものになり、上からヤスリをかけても簡単には消えることはありません。これで安心して合わせ目消しができます。

 丸いパーツやパーツの角にある彫刻も、このヤスリのお腹部分を使うと綺麗に彫り直せます。バーニアなどの丸いパーツのディテールの彫り直しもできるほどの精度があります。

 斜めにカットされていない方を使用すれば、奥まったディテールの終点までしっかりと彫れます。

 スジ彫りというと、昨今はオリジナルのディテールをバキバキに彫るのが流行っています。それだけでなく、元から入っている彫刻を彫り直してメリハリをつけたり、より線を整えたりするのも立派なスジ彫りです。もとからあるかっこいい線をスジ彫りヤスリでなぞることで、習字のお手本を見て文字を書くような、お手本を知り再現するということも体感させてくれます。もともとあるものを綺麗になぞることは成功体験も得やすく、上達スピードも上がることでしょう!

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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