薄く柔らかな翼で襲い来るソルティック!/いにしえのプラモへのオマージュを添えて……

 『太陽の牙ダグラム』に登場する量産機ソルティック。これは意外とバリエーション豊かな機体です。選りすぐりのパイロットで構成された24部隊仕様コーチマSPL、装甲の代わりに布で覆われた機動力全振りの”パジャマソルティック”。マックスファクトリーは1/72スケールで基本形のラウンドフェイサーに加え、これらの特殊なバリエーションをプラモにしてきました。ですがまだバリエーションはあります。今度は劇中序盤、ハングライダーを装備して、空中から強襲したソルティックを発売しました。

 箱のなかで一番最初に会うのがこの翼のパーツです。すごい主張してきます。1枚20cm、結構大きくて薄いです。薄くて柔らかい翼は「バキュームフォーム」という技術を使って成型されています。熱して柔らかくしたプラ板と型の間の空気を抜くことでプラ板が型に密着するという原理。ガレージキット(少量生産の自作キット)やプラモの改造、ゼロから造形するときに同じ形のパーツを軽く仕上げるのに昔から使われてきたテクニックで、薄くてキレイな透明パーツを作るのにも向いています。
 かつてのタカラ製SAKにもソルティックハングライダー装着タイプがあり、これも自分で翼の形状を切り出すタイプのバキュームフォーム製パーツを備えていました。マックスファクトリーはこれをリスペクトしつつ、さらに翼のカタチにあらかじめカットしてある上に固定用のダボ穴まで開いています。塗装可能な素材でカット済みなのは本当にありがたいですね!

 ハングライダーは基部となるバックパックの形状もさることながら、一本の棒がガッチリと薄い羽根パーツを支える構造など、新たな発見の連続です。翼を骨でサンドイッチして、バックパックを組んで、横棒で留める。シンプルなのであっという間に組めます。
 なんて言いながら新しいランナーを眺めていたら、見逃せないパーツがあるんですよ。これ見た瞬間叫びましたね。待望のパーツです!

 この不思議な形状のパーツをソルティックの襟元にそっと忍ばせることで、頭の左にミサイルポッド装備することができるのです! 従来のマックスファクトリー製ソルティックは、背中から出ているアームでミサイルポッドを保持する方式だったんですが、そうするとバックパックを装備してない場合アームだけが出っ張るという不思議な構造になっていました。この悩めるミサイルポッドの支持方式に対して、本体を加工することなく、首の周囲に装着するパーツで解決したのは事件です。「もう一個余分に買っちゃう!」というレベルです。

 このきれいな背中が見たかったんですよ……! ミサイルポッドも9連装になり、「ついに完全体になったな、お前……!」という感慨が溢れ……いや、ハングライダーも組みましょうねちゃんと。

 完成するとデカい。片翼20cmだから、バックパックを入れて幅45cm近くなります。これだけ翼がでかければ、高いところから飛行ぐらいできるぞぉ。

 やっぱハングライダーは飛ばした姿がいいよね~、っていうので上から吊るして見ましたぞ。うおお、これはカッコいい!!こうしてみると飛来するソルティック、かなり凶悪な顔をしていますね……。


 さらにうれしいおまけフィギュアとしてフォン・シュタインとドナン・カシム、そしてパイロット姿のクリン・カシムが新規にくっついてきます。ハングライダー装備ソルティックで突入したクリンが目にしたものは……。フォンシュタインの左右に主張する頭髪の再現度が最高。そして若パイロットクリンは左右腕が別パーツで接着するのですが、モールドがピッタンコで合うところがめっちゃ気持ちいい!
 いやー、それにしても吊るすとめちゃくちゃ愉しいですよ、ハングライダーソルティック。これは飛ばすための台座があるとちょうどさらに良さそうですね。完全体ソルティックとしてもいいし、ハングライダーもビュンビュン飛ばしてよし。地味に成型色も濃いグリーンでそれも嬉し。みんなももう一個余分に買いましょう。飛ぶぞ!

けんたろう
けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。