最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

完全新規のプラモデルで配備される鳥脚のひとつ目ロボ/ハセガワ リガード

 なんてったって、リガードだ。イマイという会社から発売された40年前のキットがあったけど、いまではそのアイテムがバンダイスピリッツブランドでたまに再販されるのを見かける。で、モンスターとかクァドラン・ローがスッパリ売り切れるのに棚にごっそり残るのがリガードである。
 そんなリガードが、ハセガワから完全新規のピチピチ21世紀仕様で発売されたのだからたまらない。この時点でマクロスファンが「ようやった!」と快哉を叫びたくなるのもわかる。叫んでるだけじゃだめだ。買って組もう。なんせ何も悩まずにビタッとリガードが出来上がりますからね。

 パーツを眺めていて個人的に一番グッと来たのは耳(耳とは!?)の横に下向きに取り付けられたノズルがちゃんと丸いことだ(上の写真の9番のパーツ)。旧イマイ製のプラモではこのノズルが四角だったのだ。四角い基部から丸いノズルにスムーズに繋がるような形状を作るのが難しかった(たとえばそういうパーツの図面をどうやって引けばいいか考えると、なかなか面倒なところだ)。これはノズルだけの話じゃなくて、リガードのプラモが全体的に「引いて見るとまあリガードなんだけど、よく見るとほとんどの形状が絵と違うな……」というわりと不思議なプラモだった。
 だから昔のはアカン!と言いたいのではなく、40年前にアニメの設定画を見ながらそれを立体的に破綻のない図面に起こすのはめっちゃ難しかったし、みんなそれを「うーむ、リガードだな。リガードにしか見えない」と納得しながら遊んでいたということ。これはほかのキャラクターモデルでもそうだった。いまでは3DCGが飛躍的に扱いやすくなってるから、もっと直感的に立体把握がしやすくなった。グルグル回して確認しながら複雑な形状を作り上げるのも、二次元の図面だけに頼るよりはずっと取り掛かりやすいだろう。

 最近のハセガワはもう「ヒコーキのハセガワ」という常套句で語れない。言ってみれば「ケタのハセガワ」だ。薄いプラモの外皮を組み合わせて作るプラモに強度と確実な位置決めをするために、内部に板状のケタを入れるのがハセガワ製品のトレンドなのだ。上の写真は胴体の中に入るケタ。不思議な形をしていますが……。

 こんなふうに板同士をギザギザの噛み合せで合体させると四方八方にピンの突き出た構造体ができる。建物で言えばこれが柱や梁になる。

 そこにガワをパシパシと組み付けていくと、わりと複雑な曲面の組み合わせでできたリガードの胴体が空中殺法で生まれていく。しかも、色分け済みのパーツで。
 数十年に渡ってヒコーキ模型をさんざん作ってきたハセガワだから、なにしろ立体物の「ガワ」を作るのが上手い。ピシッとしたディテール、過剰な色気よりも端正な面……というのがハセガワの飛行機モデルの印象だとすれば、このリガードも突き詰めて考えると薄いパーツを組み合わせて外形を作っていく、というセオリーは「フレーム+外装」のロボットモデルと言うよりも飛行機モデル的な感覚で設計しているんだろうなと感じられる。

 全体にほとんど完璧な色分けだが、ここだけは手を入れたい。目の周りはシルバーと黒で塗り分けて、パーツをミルフィーユ状に重ねていく。シルバーはクリアーレッドのカバーの内側でキラッと光り、黒は目の輪郭をビシッと締める効果がある。筆と塗料がふたつあればできることなので、臆せずトライしよう。

 このどこか眠たげな、しかしキリッとした目ヂカラを同居させる造形。開口部の大きさや側面の傾斜が少しでも違うと可愛い印象になったり、目そのものの存在感が失われてしまうから、ここの形状はハセガワの開発担当者も相当にこだわったポイントだそうだ。

 パチパチ組み上げていくと、なかなか大きな造形が手に入る。ほとんどのパーツがアンダーゲート(完成後に表面から見えないところでランナーと繋がっている)になっているから、塗装後にパーツを切り出しても表面に跡が残らない。ランナーごとバリバリ塗って、マイオリジナルな色に仕立てるのも楽しみだ。さあ、あなたならどんなリガードを仕立てる?

>ハセガワ 1/72スケール 超時空要塞マクロス リガード(標準量産型)

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事