

その植物に似合う鉢を。僕たちがプラモデルで大事にしている「台座」と同じ考えを持っている植物屋があります。その名も「叢(くさむら)」。僕は植物をたくさん買ったり集めたり、部屋を植物でいっぱいにしたい! という願望はないのですが、お部屋のどこかに緑が欲しいと思うタイプです。
そこでよくみているウェブサイトが「叢」です。僕がホビージャパンを辞めた時に、今でも一緒にお仕事をしているデザイナーさんが「お疲れ様でした」と叢さんの植物をプレゼントしてくれたのが、僕と叢さんの出会いです。それが一番上の写真の植物になります。この時植物にも驚いたのですが、鉢にも驚かされました。「これもいただけるんですか!?」と聞くと、「この鉢とセットでひとつの世界であり商品なんです」と教えてくれました。その時に、僕が大好きなプラモデルと同じじゃないか……と思ったんですね。

確かに植物も素敵な鉢に入っていると見え方が一気に変わります。プラモデルもそう。ハードな汚し塗装をしているものでも、ソリッドな木材の上におけば軽い印象になる。主題を彩る力が、鉢や台座にはあるのです。
叢のウェブサイトには「店主みずからが日本中を旅して集めた個性あふれる植物を、その個体の特徴を引き出す器とあわせて提案する」とあります。僕たちが作り出したプラモデルも同じですよね。それぞれしっかりと個性があります。

先日僕の実家で開催した模型展示会「春のタンまつり」では、みんなで示し合わせたわけでもないのに、自分が作った模型をさらにかっこよく見せたいと、皆が「台座」を持ち寄って来てくれました。テーブルの上に直置きしないだけで、模型はテーブルの空間から切り離されて、より際立って見えます。台座に使用したものも、それぞれの製作者のイメージが反映されて、とても素敵な景色となっていました。

僕は、いつもだったら使い終わったら捨ててしまうペーパーパレットや綿棒、スポンジなども一緒に展示しました。これも僕にとっての模型であり台座です。作っている途中に、「消耗品たちも一緒に走ってくれた相棒」のように思えたのです。だからこそ、これは僕のザブングルをより良く見せるための台座となっているのです。
台座があると模型がカッコよく見える。そして次は、その台座にどんな思いを込めてみるか。叢の鉢の思想を持って、僕も自分の模型を家に展示できたらめちゃくちゃ楽しいだろうなと本気で思うのでした。大好きな模型だからね。