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夢を形にする魔法の数字は「1/25」/amtのフォードピントとディズニーシーの新エリア

 「ニューヨークにいます」と冗談めかしてディズニーシーのレストランの写真をInstagramのストーリーズに写真を投稿した。すると「シーだ!いいな!」とすぐに何人かの友達から返事が来て、世界的なテーマパークの影響力の大きさに驚いた。そんなディズニーシーに「ファンタジースプリングス」という新しいエリアが近々完成するらしく、その模型が先日公開された。スケールはまさかの1/25スケールだ。

 1/25という数字は、プラモデルを作る人間からすればアメリカのプラモデルメーカーが貫いたカーモデルの縮尺でもある。1インチ、つまり25.4ミリを1ミリに変換するという、理由を聞けば思わず膝を打つその数字がディズニーランドの建設に使われているという事実に思わず、何か共通点を探したくもなる。

 1/25というスケールはなにもカーモデルの専売特許というわけではなく、もともと計算が簡便なので建築模型でもよく見られる縮尺。「新しいエリアの模型は1/100、1/50、1/25……と、徐々に実寸に近づくように作る」というアメリカのディズニーランドに関する2019年の記事を見つけられた。

 最後が1/25である明確な理由は見つからないが、全体のプラン(1/100)、より詳細な形状(1/50)、そして人間のサイズ感や実際の質感に至るまで詳細をシミュレートできるスケール(1/25)として捉えられているようで、パークにある景観を作るための素材は1/25モデルをスキャンして拡大してパーツごとに用意されるとある。もし新エリアの模型を見るときに手元にアメリカンカープラモを一台でも作っていたら、実際の大きさをイメージするときに大きな助けになるのではという想像が膨らむ。

 Amtの1/25フォードピント U.S.MAILバージョンは手のひらに乗りそうな小ささではあるが、サイズ感を味わうには十分な存在だ。個性的なデザインは、仮に日本で走っていたとしても外国の車だとわかる。プラモデルとして作り込まれたエンジンや、黒い艶消しのスプレーを吹くと正体を現す繊細なディテールが施されたシャーシが楽しい。作り心地に関してはエンジンをシャーシに組み込むところが面白く、こまかなステップが番号順に記載されているので、いちど仮組をしてみると「なるほどね」と思わせる工程だった。またデカールの品質がとても良く、ボディに走るトリコロールのストライプもキレイに貼れた。

 アメリカが誇る一大テーマパークは1/100スケールから始まり、1/25スケールから原寸と徐々に大きくなってその夢を形にする。豊かだったころのアメリカを象徴するアメリカンカープラモは1/25スケールにその夢をギュッと凝縮する。まるで、この数字がアメリカのものづくりを象徴する魔法の数字に見えてきたのだった。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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