これはBEEMAXというメーカーのプジョー306 MAXI EVO2のプラモだ。上のマーキング指示図を見ただけで「オエッ」となった君!オレもだよ。オレも「こんなん全部貼るんですか」って思ったよ。でもさ、晩飯を食べてからリビングでダラダラとテレビを見ているうちにぜんぶ貼れていたんだ。信じられるかい。オレも信じられませんよ。だってラリーカーのデカール貼ったの初めてですよ?人生で。デカーリング・ハイってやつだ。
>ホビコレ プラッツ/BEEMAX 1/24 プジョー 306 MAXI EVO2 1998 モンテカルロラリー クラスウィナー
ボディの曲面やエッジにビシィっと寄り添う水転写デカール。凹凸にもしっかり食らいついてサイドのゼッケンもカキっとディテール通り。フロントグリルの薄いフィンにもぐるりとヘアピンカーブをキメてピッタリ貼れている。これが自分以外の誰かのプラモなら「デカール貼るのうまいんですね〜」なんて他人事みたいに褒めちゃいますけど、なんせ貼ったのはオレ。しかも特別なことは何もしていない。ただ単に、BEEMAXのデカールがめちゃくちゃに貼りやすいのである。信じられないくらい、貼りやすい。人生史上最高に。
キットに入っているデカールは3枚。印刷の発色はとんでもなく良い。こういうデカールは「インクの盛りが良い」なんて評されることもあるけど、BEEMAX製品のデカールはそこまで厚みを感じさせない。なんならちょっとハンドリングを間違えるとクシャッとなりそうなほど薄い。しかし、クシャッとならない。コシがあり、ハリもあり、柔らかく伸びることも嫌がらず、しかし堅牢だ。なんだこの微妙な塩梅は。印刷面の上に乗ってる透明ニスか?ニスがすごいのか?
上の写真を見てほしい。台紙もまあまあ半ツヤだが、それ以上に白く光っているところがデカールの透明ニス部分である。インクが盛ってあるゾーンと透明ニス部分がほぼ同じ。余白まったくなし。パーツのキワに貼って余った透明ニス部分がベロベロはみ出ることもないし、よしんばちょっとデカールが余ってもエッジにデロリと回り込んでくれる。柔らかさとコシの強さを両立したこのインクとニス。
とにかくだ、BEEMAXのデカールはすごい。「うわー、すげえ貼れる!デカール貼るのオレうまいじゃん!」ってずーっと言いながら貼っていられる。大きいのも小さいのも全部コントローラブルで、小さいのを諦めたりでっかいのがグシャグシャになったりというトラブルも皆無。すばらしい。みんなにも貼ってもらいたい。貼ってもらいたいのでBEEMAXのプラモを買うべき。そう、世の中には「デカール貼る快楽のために買ってもいいプラモ」があるんですよ。みなさんも、ぜひ。
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模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。