
黒板をひっかく音が嫌いな人は多い。おれもそう。ガラスと金属がこすれる音も嫌いだ。パスタを食ってるときに皿とフォークがこすれるのが怖い。ガラスカッターマットに刃が擦れるのも怖い。しかしおれが一番怖いのはガラスの瓶の底にたまった塗料を、金属の調色スティックでかき混ぜるときである。そもそもあんな細い金属のスプーンでは全然混ざらなくないですか。解決策はないのか。あった。ハイキューパーツのミキシングスティックである。
ハイキューパーツのミキシングスティックは、およそ14センチのポリプロピレン製のヘラである。ポリプロピレンのちょうどいいやわらかさがあるので瓶の底に固まった塗料を浚うことができるし、ポリプロピレンのちょうどいい硬さがあるので瓶のフチにこびりついた塗料カスをこそげ落とすこともできる。ガラスとこすれて不快な音が鳴ることがない。安心である。

一般的な調色スティックと比較しておおよそ2倍の幅(1センチ弱)があり、固まりかけの塗料スライムも潰しながら効率的に混ぜることができる。そこまで頻繁に塗装をするわけではなくて気がつくとデロデロにしてしまいがちな人間にとってぐりぐりかき混ぜられるのは便利なのだ。

ハイキューパーツのミキシングスティックは、ポリプロピレンでできていて、つるつるに仕上げられている。普段は塗装や接着に難儀させられるポリプロピレンの性質が、塗料の撹拌棒としては塗料が固着しにくいという長所になっている。乾く前にひと拭きすればきれいになるのはもちろん、うっかり放置して塗膜が乾燥してしまっても(少なくともおれが使っているアクリジョンのベースカラーくらいなら)テープ一発できれいに剥がせる。

モノをかき混ぜるのに使える棒はいろいろあるんですけど、プラモデル製作ツールのメーカーがプラモデル用の塗料をかき混ぜるために作っているハイキューパーツのミキシングスティック、使い心地がいいのでおすすめです。