
ピンぼけじゃない。塗料瓶が高速で振動しているのだ。結論から言うとプラモ向上委員会のボルテックスターラーTurboはめちゃめちゃ塗料が混ざる。手で振ればいいじゃないかとか、もう思わない。瓶を振っているとほかのことができない。エアブラシをスタンバったり筆を整えたりしている間、このマシンに瓶を噛ませてビーンと振動させておけばいいのである。もうすっかり気に入って、私の模型机の常駐となった。
ヘアクリップみたいなのに塗料瓶を挟んでダイヤルを回すだけ。振動は300回転/分〜2400回転/分まで無段階で調節でき、2分でオートカットが働く。瓶の直径はファレホ〜模型用の缶スプレーまで対応していて、ちゃんと固定されていることを確認してあれば水平方向だけじゃなく逆さまにしたり横にしたりして内容物をしっかり均一に混ぜられる。金属球などの撹拌子を入れている瓶は一応非推奨ということになっているのであしからず。

シタデルカラーは特に棒で混ぜるのを禁忌としている(空気が混ざると塗料が変質してしまう)ため、中の固まった顔料がぺったんぺったんと動くのを感じなくなるまでビタビタと手に打ち付けて振りまくる必要があったのだが、ボルテックスターラーのおかげで放っておけばものすごくキレイに混ざることとなった。ちなみにカチカチのセラマイトホワイトは復活しなかった。固まりやすい塗料は定期的に撹拌してあげようと誓った。正月だし。

このマシンのいちばんすばらしいところを書いておこう。電源がUSB-Cなのである。iPhone以外はだいたいUSB-Cで統一されつつある我が家において、その辺からニョロニョロ生えているケーブルを差せばそこはたちまち撹拌のメッカ。このコネクタを採用した開発者氏には水割りを一杯奢りたいですね。
なにはともあれ、塗料を混ぜまくると普通に塗装がうまくなる。これは本当だ。塗料の発色も良くなるし、艶の有無も意図したものになるし、それが毎度安定して再現性あるものになる。ここまで手軽で、確実で、何より手を塞がなくて良いという意味で代替品はないと言える。「オレはこうしている」「これで代用できる」などと言っている暇があったら、ポチッとしたほうがいい。明日から永遠に、あなたの塗装に対する態度が変わるのだから。