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あの日、すでに出会っていた横山宏ワールド/ハセガワのファルケで初体験するマシーネンのプラモデル

 この赤い表紙の『月刊ホビージャパン』には思い入れが深く、それが1982年の号であると知ってからはインターネットで探してそのあたりのを買い集めています。父がスケールモデルに熱中していた時期で、この頃のホビージャパンが家に何冊も転がっていたのを思い出し、それを再び手にしてみたくて。ガンプラブームまっただなか、6〜7歳の私には「当時のプラモ」がムズすぎたので、本誌を手にしては「プラモをカッコ良くつくれる人、凄いな」と幾度も眺め、その記憶が深く刻まれているのだと思います。なにより赤い表紙の‘82年11号はパッと見がセンセーショナルが過ぎるでしょ。

 1982年のホビージャパンではイラストレーター、モデラー横山宏による『SF3Dオリジナル』の連載が始まり、その独自のワールドは後に『マシーネンクリーガー』として今なおコンテンツが支持され、プラモデルも展開もされ続けています。ただ自分は「マシーネン、横山宏、ホビージャパン……」という連なりを認知できたのはここ最近のことで、あの散々眺めていたフォトストーリーがそのルーツだと知った時は仰天ですよ。「子供ながらそのカッコ良さに魅せられていたあのSF模型やイラストがマシーネンクリーガーだったのかー!」と。

 からの「このプラモつくりてー!」です。この号に登場したファイア・フライはキット化されていないので、同じくピンポン球 a.k.a. 反重力装置が用いられている機体『反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ 』で横山宏ワールドをいざ初体験!

 1/20スケールとなると箱もパーツもずいぶんとデカい。「ミキシングビルドで用いられたピンポン球やヤクルトが原寸」であることを確認すると、氏が1/20スケールとして手がけたオリジナル作例をそのままの大きさでキット化しているのだと知れます。デカいのには理由があった! 前述のファイア・フライの作例記事では反重力エンジンを制作するのにあたり「もう球体といえばガチャポンかピンポン球ですので、ピンポン球を使うことします。」と記しており、このキットでは’80年代当時の縮尺SF模型の手法を体験できるとも言えるのです。

 人のミニチュアも1/20ともなるとまぁデカい。抜群の存在感でこの男女だけでも横山宏ワールドを存分に味わえます。デカいといえばファルケの武装であるバルカン砲。口径23mmとされる銃身を4つ束ねて組んでいくのですが、これもキットがデカいから叶うことです。ほら、バルカン砲とかガトリングガンとか複数の銃身がまとめて一体パーツになっている事がほとんどじゃないですか? 男子的にこれには盛り上がった!

 両手にあまる大きさのキットですが、流し込み接着剤で貼っていけばメチャ格好良いメカがグングンと形に。30年前とは違い、模型マテリアルの進化が目覚ましい「現在のプラモ」はカジュアルにゴールへと導いてくれます。最後に、思い出の赤い表紙のホビージャパンよろしく、センセーショナルに赤バックで撮影しました。なんか赤いだけで強烈な絵力。赤バック、凄ぇ! しかしなんであの号だけ赤かったんだ。奇抜すぎでは?

 さて、マシーネンとは? 横山宏とは? と、時を経て読み解く喜びが今回ありました。ミキシングビルドで独自のSF作例をつくり、そこからフォトストーリーを構築して連載。今なお支持されるそのワールドに私も知らぬうちに触れていた事に驚くばかりです。マシーネンクリーガーはこれからもキット展開され続けるようですし、またひとつ私の模型の楽しみが増えたのでした。

ダテツヨシのプロフィール

ダテツヨシ

「つくる」をテーマに、世間話をしています。

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