フミテシ のすべての投稿

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシ道楽(http://sidelovenext.jp/)

 日本戦車のかっこよさ全部盛りの「アーマーモデリング」最新号で今日から俺たちがサムライだ!!!

▲山下しゅんや氏によるかわいらしい知波単学園の皆様の表紙をめくると〜
▲殿! くろがねの塊でござるよ

 大鎧の大袖とはそう使うのか……めっちゃすごいじゃんと上田信先生のイラストともに感嘆!! そして後ろには日本戦車!! 日本戦車と甲冑の共通点…もう扉から情報量が多すぎで候。

 そう、今月号は俺たちが戦車のサムライになれる号!!! 自国の戦車を思う存分かっこよく楽しめる内容が盛りだくさんなアーマーモデリングなんです。さぁみんなで、いざ日本戦車模型の世界へ!!!

▲モデラー・平井 真氏によるHow to。サビや汚れは参考になるばかり!

 写実的汚しのイロハと題して日本戦車の汚しポイントがバシバシ紹介されます。サムライの傷や汚れはまさに勲章! 平井 真氏による詳細な途中写真と解説を読んでいると、それがしは戦車を作りたくてしょうがなくなるでござるよ! 超かっこいい。

▲ドイツからのサムライ!!
▲ドイツ在住のトルコ人モデラー、エスギュール・ギュンナー氏の作品を多数掲載! 世界にも日本戦車仲間がいる!! 夜明けぜよ!!!

 日本戦車を愛してくれている海外のサムライ、まさにラストサムライのトム・クルーズのようなアニキ「エスギュール・ギュンナー」氏が作る超かっこいい日本戦車作例に、それがしは目を丸くしたのでござる。開国。ビビッドな色彩で彩られた我が国の戦車は一味違った魅力を放っておるな〜。

▲黄帯はサムライの魂! 日本戦車のアイコンとも言えるこの迷彩を、マスキングシート付きのキットを使用しながら解説
▲侘び寂びを感じるサムライならではの楽しみ方ですな。殿

 慎ましく、かつ限られた枠の中に収められた豊かな表現力。ミニスケールの戦車模型を使った素晴らしい楽しみ方を見せてくれる作例も今号の見どころ! 1/35スケールや1/48スケールだけが戦車模型じゃない! ミニスケールだからこその遊び方を提唱しています。本当に最高の作例です。

▲2人の殿!!!

 絶賛公開中の『ガルパン 最終章』第3話。日本戦車で大暴れする知波単学園の戦車達も表紙の通り大フィーチャー。サムライの号で西住殿と西殿のダブル殿を堪能できるとは眼福の極み。模型でジャングルを作る超最高の講座はnippperでもいつも面白いプラモを紹介してくれる内藤あんもアニキと、戦車モデラーの中のキングオブアニキ・吉岡和哉アニキというキン肉マンのザ・マシンガンズもびっくりのタッグで展開! 瞬き厳禁のマッスルドッキング連発How toがあなたを襲います。気絶注意。

▲こちらもミニスケールならではの楽しみ方を提案!!ミニパン!!!

 山城雅也氏によるミニスケールだからこそ楽しめる3輌もの車輌を使ったディオラマも必見。情景モデルを楽しんでみたくなる要素が満載。特にこの記事のテーマである水表現はKATOの水専用マテリアルを丁寧に紹介した記事となっています。

▲オーディションだって……あなたもアーマーモデリングで活躍できる!?

 そして本号では戦車模型好きなら参加してみたくなる「AMオーディション」の開催告知が! オーディションというタイトル通り、ここで編集部の目に止まったあなたはまさにシンデレラ! アーマーモデリング誌面で活躍できちゃうかもしれないんです! あなたが思いっきり楽しんで作った戦車模型で参加してください!

 日本戦車もガルパンもとことん楽しめる今月のアーマーモデリングを読んで、日本戦車のサムライになろうぜ!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

模型自身/誰でもきれいにパーツを接着できる「流し込み接着剤」が開いたプラモの世界。

 模型を楽しんでいる人の数だけそれぞれの思いがある。そしてそれは僕にももちろんある。そんなことを話したい。僕の模型自身。

▲多くの模型量販店で購入することができるメジャーな「流し込み接着剤」4種!

 接着剤不要のスナップフィットのガンプラやキャラクターモデルのプラモばかり作っていた頃には、本当にこの接着剤の存在を知りませんでした。「流し込み接着剤」。

 模型誌で見る戦車も飛行機も艦船模型も車模型も、みんなピシッと綺麗に接着されていて、「パーツを接着します」のひと文だけで終わることに「この人たちはすごい接着がうまいんだな!」と何も知らない僕は本気で思っていました。

 しかしそれは今思えばなんてことない「流し込み接着剤」を使い慣れているということだけだったのです。薄い金属でできたエッチングパーツを瞬間接着剤で綺麗に貼るのは大変だけど、プラスチックのパーツを「流し込み接着剤」で貼ることは、多くの人が楽しくかつ綺麗にできることだと思います。僕自身、この「流し込み接着剤」を手にしただけで、スナップフィットの模型から解き放たれました。そして接着剤を使うことへの恐怖も無くなり、数多くのプラモを楽しめることができる様になったのです。

▲艦船模型「響」を作った時に初めて「流し込み接着剤」を使いました。あの時の魔法の様にパーツがくっついた体験が、今も僕を模型と繋がらせてくれています
▲タミヤの流し込み接着剤2種。左が昔からある定番の流し込み接着剤。右が速乾タイプ
▲GSIクレオスの流し込み接着剤。右が通常タイプで左が速乾&強力接着タイプ

 流し込み接着剤は「パーツとパーツが合わさった隙間」に、蓋についている筆をチョンと置くと接着剤が流れ込んでいきます。難しい動作は必要なく「合わせ目に筆を置くだけ」です。これだけで模型のパーツが接着され、組み上がっていきます。

▲僕が初めて出会った「タミヤセメント(流し込みタイプ)」。この接着剤のこんなに細い筆が模型を扉をこじ開けて、さらに僕をプラモの世界に接着してくれました
▲潜水艦の艦底部。こんなに長い距離の接着面も流し込み接着剤なら一撃だね!
▲パーツをしっかり合わせて、合わせ目に筆先をチョンと置く、もしくは合わせ目に沿ってさっと塗る様にします。これだけで接着剤がパーツの隙間に流れ込みます
▲これで接着は完了。接着剤の跡も目立たない。接着剤でパーツをべたべたにしちゃったあの時の自分にプレゼントしたい接着剤です
▲GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】の速乾性に驚いた

 次に出会ったGSIクレオスの「Mr.セメントS【流し込みタイプ】」は僕の大好きなモデラー、Takumi明春氏がモデルグラフィックスのHow toで使用しており、「こんなに艦船模型がうまい人が使っているなら俺も使ってみるか!」と思い手に取りました。筆は太めでしっかりと接着剤が流れます。

 このMr.セメントS【流し込みタイプ】最大の特徴は「速乾性」にありました。艦船模型の塗ったパーツを接着した時に、速乾なので塗料が溶け出す前にパーツが接着された時は驚きました。この接着剤と出会ってから「塗装後のパーツの接着」が怖くなくなったのです。

▲流し込み接着剤の革命児

 GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】を愛用していた自分の前に現れたのが「タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾」。タミヤならではの細い筆で、ピンポイントで接着部分を攻めることができる速乾性の流し込み接着剤は1度使っただけで心を奪われました。実はタミヤの使い切った流し込み接着剤の容器に、GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】を入れて自前の「細筆Mr.セメントS【流し込みタイプ】」を使っていた自分には本当に嬉しい接着剤でした。また隙間にしっかり流れ込んでから乾燥する絶妙な速乾時間も素晴らしいです。

▲力こそ正義!流し込み接着剤No.1の接着力!!

 工具・マテリアルはメーカーの切磋琢磨の連続。タミヤの速乾に続き、GSIクレオスは元々速乾だった「Mr.セメントS【流し込みタイプ】」に”パワー”を追加。接着面積が少ないものや、小さいパーツの接着にさらなる威力を発揮! 流し込み接着剤の中でも1番の力持ちです。

 流し込み接着剤だけでも模型を完成させることはできます。でも流し込み接着剤の特徴を知った上で、一番定番ともいえるプラスチックモデル専用接着剤「タミヤの白蓋」ことタミヤセメントも併用すると、もうあなたに怖いものは無し! です。

▲定番。模型接着剤界のレジェンド
▲乾燥時間もゆっくりで、粘度が高いので機銃の様に小さくて、位置を調整しながら貼りたいパーツにはぴったりなんです
▲あとはパーツの所定位置に貼るだけ。硬化前にグニグニ動かして位置や角度を調整できます
▲接着剤の使い分けできれいに「アオシマ 1/700 伊19」を組み立てることができました

 プラモが接着剤と分かれていくと僕たちも接着剤との距離が開いていく。世界中にある模型の多くとは接着剤があるだけでお友達にもなれますし、なんならスナップフィットの模型でも接着剤を多用してみんな楽しんでいますよね。このような流し込み接着剤のように「使いやすくて快適な接着剤」は世の中にたくさん登場しています。もうあなたの手がべたべたになったり、パーツがぐちゃぐちゃになったりする可能性は限りなく低くなっており、きれいに模型を楽しむことができます。僕がかつて味わった「え? くっついた!」と言う感動をぜひ1人でも多くの人と共感して模型を楽しみたい……流し込み接着剤でたくさんの人の「模型が楽しい!」と言う思いをどんどんくっつけていきたいですね。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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パッケージに描かれていない激アツ戦車が潜んでいる戦車模型! 「タミヤ 1/48 ドイツIII号戦車L型」

▲IV号戦車やティーガーI、パンターに比べると地味かもしれないけど、二次大戦初頭はこのIII号戦車が電撃戦の主役となりました

 スケールモデルの多くはひとつのキットで、マーキングやカラーリングを変えればさまざまなバリエーションを作ることができるようになっているものが多いです。これにより、パッケージのイラストには描かれてない「箱を開けないと出会えない」かっこいいものとの出会いなんてのもあります。箱のテキストなどで捕捉されていることもありますが、ビジュアルがないと意外と気がつかないものですよね。今回ご紹介するタミヤの1/48 III号戦車L型にも箱を開けると出会うことができる最高にかっこいいIII号戦車が潜んでいます。

▲箱の横にはジャーマングレーのIII号戦車。これもかっこいいけど、個人的にはこれより好きなIII号L型が箱の中にいます
▲これです。チュニジア? 北アフリカ?
▲これ! 砂漠の狐・ロンメル将軍率いるドイツ北アフリカ軍団のイケてるIII号戦車を作ることができるんです。こちらは1/35の「III号戦車L型ロンメル野戦指揮セット」のパッケージ

 北アフリカというのは戦車模型ワールドにおける「かっこいい」が詰め込まれたすごい場所。砂漠の環境で戦う鉄の塊と日に焼けたアニキ達のかっこよさをタミヤは模型を通して送り続けてきました。僕の大好きな1/48ミリタリーミニチュアシリーズにも北アフリカの輝けるモチーフが散りばめられています。III号戦車N型は箱の脇に描かれていたのですぐ気がついたのですが、L型は箱を開けたら出会うことができました。

▲成型色はダークイエロー。チュニジアのIII号戦車のカラーパターンはダークイエロー1色。刺身で食べても十分雰囲気を味わうことができます
▲僕はこのドイツアフリカ軍団の車両の色にチューンされ、近年発売された新色「XF-93 ライトブラウン」でかっこよく塗って見せますぜ!

 プラモは買うこと、箱を開けることで2度出会うことができます。そして箱を開けた時に「こんな一面も君はもっていたのか〜」とさらにプラモにドキドキさせられたら、さらにそのモチーフが、その模型が好きになってしまいます。知っているつもりだった模型の箱の中に、実はあなたの知らなかったものが詰まっているかもしれません。だからプラモの箱を開けるのっていつも楽しいんですよね! 明日開ける箱にはどんな出会いが待っているのでしょうか? 楽しみでしょうがないですね。

 

フミテシ/nippper.com 副編集長

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文具と工具はお友達! 模型工具の基地にもなる100円ショップの「ステーショナリースタンド」。

▲見つけた時に「うわ、俺が今欲しかったやつ!」って声出ちゃいました

 とにかく工具をカッティングマットの上に転がしたままにしがちだった私、フミテシの悩みをこのアイテムが解決してくれました。100円ショップのセリアに売っていた「ステーショナリー スタンド」です。工具を穴にはめるだけ!!!

▲うにょうにょしたこの形状とゴム素材でしっかりとホールドしてくれます
▲ほらね
▲歴戦のカッティングマットの上に置いてみると、これだけのスペースで主力工具をまとめることができます

 カッティングマットにもスッと収まるので「お片付けと次の日の製作準備」が同時進行!! ニッパーもホールドできるほどしっかりしていますので、デザインナイフ、ピンバイス、ピンセットなど模型製作の主力工具はほとんど立ててスッキリ収納することができますよ! オススメっす。それでは〜。

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/閃光のメッサー! ランナー1枚で「メッサーシュミット Bf109」と週末デート。

▲このランナー1枚でメッサーへの扉が開く!! すぐ完成します。閃光!

 フミテシが独断と偏見で週末が楽しくなっちゃうプラモをお届けする「花金プラモ」。今週はランナー1枚(クリアーランナーは除く)にドイツ軍の超傑作機である「メッサーシュミット Bf109」が閉じ込められた爆速で組み上がる最高のプラモ「タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.55 ドイツ空軍 メッサーシュミット Bf109E-4/7 TROP」をご紹介。このキット単品だけでも楽しいけど、さまざまな模型と一緒にコレクションすると超超楽しくなってしまう本当に素敵なプラモなのでぜひ一度作って欲しいプラモです。

▲このシンプルなパッケージが目印!

 キットはヨーロッパ戦線で活躍した機体と、北アフリカで使用された砂漠用に改修されたTROPタイプを楽しめることができます。2個買ってどっちも楽しみましょう! 

 

▲北アフリカの空で活躍した第27戦闘航空団第I飛行隊の機体
▲以前1/48スケールのタミヤ キューベルワーゲンを紹介した時に登場したあの舞台です!
▲こちらの記事を合わせて読むと〜〜〜
▲さらに賑やかな花金になるぜ!

 タミヤの1/48スケールでもBf109E-4は発売していますので同スケールで揃えたい人はそちらをどうぞ。スケールが違くても砂漠で活躍したもの達をコレクションするのも楽しいと思います。

▲さらにこの記事も合わせて読むと〜〜〜
▲ライバル対決で激アツな週末! どっち勝った!?
▲今すぐTROPで砂漠のバトルをしたいフミテシ

 英国のヒーローである「スピットファイア」とドイツ軍の「メッサーシュミット Bf109」はまさにライバル。ライバルを作って並べるってスケールモデルでもキャラクターモデルでも気分が盛り上がりますよね!

▲この21番のサンドフィルターを装着すればもう気分は北アフリカ
▲どのパーツも精度は抜群。歴史的傑作機で飛行機模型を初めて見るのもいいじゃないか!
▲純正のスタンドもセットされるのでかっこよく展示できるぞ〜。嬉しい!

 税込1100円で、ランナー1枚にギュ〜っとメッサーシュミット Bf109が納められ、誰でも気軽に手に取って組み立てられるすごい飛行機模型。あまりに普通な佇まいで、特別なことはなんにもないスタンダードキットと感じるかもしれませんが、それがこのキットのすごいところ。手軽にメッサーを楽しめるので、キューベルワーゲンを添えたり、スピットファイアを隣に置いてライバル対決に思いを馳せたりとそのようなステップにもすんなり行けるんですね。一つの模型が次の模型をさらに作りたくさせてくれる。そんな魅力がこの「「タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.55 ドイツ空軍 メッサーシュミット Bf109E-4/7 TROP」にはあると思います。今週末もまた楽しいプラモタイムが過ごせると思いますのでぜひ本キットを手に取ってください。それでは!

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“戦車模型のアニキ”と500倍仲良くなれる!! 「玄光社 作画のための第二次大戦軍服&軍装資料」

▲ アニキ達とこの本で仲良くなろうぜ!

 僕は戦車模型を盛り上げてくれるミリタリーフィギュアのことを尊敬の念もこめて「アニキ」と読んでいます。アニキ達は各軍ごとに本当にバラエティ豊か。今でもこの装備何?となること多数です。そんな時に、僕がよくお世話になっているのが今回ご紹介する本、玄光社の「作画のための第二次世界大戦軍服&軍装資料」です。人気イラストレーター・daito氏(「リトルアーモリー」シリーズのパッケージイラスト、武装女子高生が本当にかわいいです!)と、ミリタリーイラストの重鎮・上田信氏によるスーパーコラボブックです。カラーイラストも豊富で豪華な誌面になっています。

▲上田氏による細部まで分かるイラストと解説でスイスイ頭に知識が入っていきます
▲タイトル通り作画のための本なので、daito氏による軍装の特徴をうまく拾いながら(いわゆるデフォルメ)イラストを仕上げるための解説が多数掲載されます

 この本は「作画のため」というタイトルがキモです。そのために絵の描き方の前に、軍服や軍装ってどんなものなの?という基本的な知識を上田氏による詳細なイラストとともに掲載されます。それを知った上で、イラストレーターのdaito氏の着眼点と描き方を読者は読むことで、作画する時のデフォルメがより説得力あるものへと仕上げることができますよ! という提案的内容となっています。

 なんだかこれって「模型」にも共通することが多いですよね。本書は第二次世界大戦の主要7ヵ国が収録されていますので、戦車模型のメインストリームである大戦期のプラモにはもってこいです。

▲ドイツ戦車を作れば必ずご対面するアニキともっと親密になっちゃおうぜ!
▲僕らのおじいちゃんやひいおじいちゃんがこんな格好をしていたんですよね

 多数の軍装が収録されながらも重たくない内容で、本当に気軽に読める本書。プラモを作りながら読んだり、気が向いた時のパラ読みにもオススメです。アニキ達と仲良しになる初めの一歩には本当に良い本だと思います。この本を読んだ後に古着屋さんやユニクロとかでミリタリーものを見ると「あ、これはアレだし、あの服のディテールを拾ってるのか〜」なんて感じの楽しみ方もできて服選びも楽しくなりますよ。

 ネットで調べれば出てくる世の中ですが、こうやって1冊にしっかりまとめられている本はいつの時代も良い物ですよね。プラモ作りが楽しくなる1冊として超オススメです! 

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100円ショップの「はがきケース」で君のスタメン塗料をスタンバイしよう!

▲スターティングメンバーを発表します!

こんばんは。ジョン・カビラです。天気は雨。あいにくのピッチコンディションですが、今日も選手は熱いプレーで僕たちのハートを鷲掴みしてくれることでしょう! さぁ我らのスターティングメンバーをお迎えしましょう!!

 と僕の大好きなジョン・カビラさんの気分になって、あなたのお気に入りの塗料をピックアップしておくのに便利なケースをご紹介します。その名もずばり「はがきケース」。僕はこれによく使う塗料をピックアップしておいて机の上に置いてます。かなり効率アップしますよ。nippperで紹介したA4ワイドケースと同様、100円ショップで売ってます。A4ワイドケースとの相性抜群ですよ。

▲選手をピッチに送り出す監督の様な存在!
▲120枚収納できるサイズがちょうど良いっす
▲9本入ります。選ばれし9人を入れてください。最近は飛行機のコクピット塗ったり、ドイツ軍の戦車塗ったりしていたのでこの内容になっています
▲ぴったり閉まります。ちょっと上側は空くけど大丈夫です
▲リビングで筆塗りしたい時なんかにも便利。このケースに塗料をピックアップして持ち運びできます

よく使う塗料や、今塗装中の塗料をまとめておくのにも便利なはがきケース。今日のスタメンを決めるのはまさにあなた! 監督気分で自分のチームを作ってください。コンパクトにエースたちをまとめておける「はがきケース」で快適なプラモライフを!

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模型自身/箱絵にいない「笑顔のプラモ」が僕の初めての戦車模型。タミヤ 1/35 ドイツIII号突撃砲G型

 模型を楽しんでいる人の数だけそれぞれの思いがある。そしてそれは僕にももちろんある。そんなことを話したい。僕の模型自身。

▲僕が初めて作った戦車模型がこの「タミヤ 1/35 ドイツIII号突撃砲G型(初期型)」

 商品の顔ともいえるパッケージイラストに「描かれていない物」の魅力に惹き寄せられて僕は戦車模型の扉を開いた。このタミヤ ミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)ドイツIII号突撃砲G型から僕の戦車模型の物語が始まった。

 僕を戦車模型の世界に導いたのは2人のアニキと1匹の犬。彼らが作り出す風景が自分の心を動かした。当時戦車模型を知らなかった自分にとって「戦闘兵器の上で笑ってる光景を表現したプラモ」はすごく手に取りやすかった。

▲箱側面が僕にIII号突撃砲G型(初期型)を手に取らせた

 ハッチから体を出して犬に餌を上げている景色を突撃砲の戦闘室の上に作り出してしまう模型。車両はまさに劇場の舞台。人と車両が織りなす戦車模型ならではの楽しさを「人の笑顔とかわいい犬」で初体験した僕はもしかしたらとても幸せだったのかもしれない。おかげで今でも本当に戦車模型を楽しんでいるしね。

足元に迷ったら「この2色」を履いて行こう! グレイッシュブラウン&ライトグレイッシュ !!

▲コーディネートに迷ったらこの2色よ!

 GSIクレオスが発売している汚し塗装(ウェザリング)をすごく身近にしてくれたナイス塗料「Mr.ウェザリングカラー」。最近では色数も増えて、まず何を使うのがよいべ? と初めての人なら特に悩んでしまいますよね。その中で「足元」をお手軽におしゃれにしてくれる組み合わせを今回ご紹介します。「グレイッシュブラウン」と「ライトグレイッシュ 」です。まずはやってみますか。

▲グレイッシュブラウンを塗ります。泥のような色ですね〜。付着してまだ乾ききってないような土な感じ
▲その上からライトグレイッシュをお好みの場所に塗ります。全面に塗るとただの薄い茶色になるので、ピンポイントでチョンチョン塗りましょう
▲平筆(使用したのはガイアノーツのストレーキング筆)で上から下に塗料を伸ばします。汚れが上から下に落ちるイメージです
▲できた! 模型の上で2色がランダムに混ざり合うことで表情豊かになるっす
▲転輪やシャシーなどはド派手にいきましょう。塗り方は先ほどと同じです
▲塗料がある程度乾いたら、ウェザリングカラーうすめ液で全体をジャブジャブ
できた!

 初めてでも足元をしっかりとカッコよくしてくれる「グレイッシュブラウン」と「ライトグレイッシュ 」。春の新生活コーディネートにぜひ取り入れてください。じゃ、またね。

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/名城プラモで今日はあなたがお殿様。「童友社 鶴ヶ城」

 こんにちは。徳川家康です。皆、青天を衝いているかね?

 今日はわしの自慢の息子・「徳川秀忠」のたった一度の浮気、ロマンスが歴史を創ってしまったお話じゃ。そして、そこにある模型が今回の主題「鶴ヶ城」である!

▲立派なお城でござるな、殿

 いつの時代も将軍の逢瀬には皆興味津々じゃ。江戸時代の家伝・系譜書を記した新井白石の「藩翰譜」(はんかんぷ)にも、秀忠のたった1回のロマンスが描かれておる。学者には敵わんな〜。

 秀忠の正室は淀君の妹の江(ごう)で、秀忠のそばに監視者を置くほどの徹底ぶり。じゃが、男と女の関係はそんな監視も潜り抜けることがあるのじゃよ。秀忠もよ〜やりおる。その浮気によって1人の男の子が生まれてしまう。こりゃ大変! その子を早速、信州・高遠へとやり、その城主・保科正光の養子にしたのじゃ。この子こそ、後に三代将軍「徳川家光」(秀忠の次男)を支えた会津松平家初代・保科正之じゃ。わし家康にとっては孫にあたるんじゃな。正之が会津という土地をもらい、子孫は松平姓を名乗るようになるのじゃ。

 御落胤である正之が作り上げた国が、最後まで徳川のそばにおってくれた。維新の血となってしまったが、江戸封建社会の傑作ともいえる「国」のシンボルは堂々とした城なのじゃ。模型で気軽に楽しんでいってくだされ。

▲時代の暴流に鶴は一度飛び去り、昭和40年9月にまたこの地に舞い戻る。福島県を代表する観光名所

 童友社の超定番シリーズ「JOY JOY コレクション」の1/460スケール「鶴ヶ城」。このシリーズの特徴は「天守閣」と「周囲の情景」をコンパクトにまとめた城郭モデルであること。各お城の美味しい部分を上手にピックアップしてまとめられています。

▲日本の文化を伝えるプラモは童友社にお任せあれ! 殿!!

 箱を開けると「和」でござる。童友社が販売している日本文化を模型化したものを見ることができるカタログが入ってました。これを読んでいると面白くてどんどん時間がすぎちゃいます。程々にしてプラモを作るのじゃ!

▲殿、土木事業はすでに終わらせておきましたぞ

 城郭模型の最大のパーツがこれ。もうできている情景パーツです。これを見ると本当にワクワクします。さぁ築城だ!

▲白壁をイメージした成型色。汚さず組みたいもんじゃ
▲瓦のランナーはまるで街のようですな。殿
▲殿!箱の中に青い紙切れが!? 違う!それはシールという物で堀の水になるのじゃ!大切な水を粗末に扱うでない! 減封!!
▲殿!? これは駿府からの茶でござるか? 芝じゃ
▲強力な速乾流し込みでしっかりと壁を貼るのじゃ。会津の冬は厳しいからの〜。隙間風は命に関わる!
▲殿! 我慢できずに天守台に乗せてしまいました!
▲屋根を貼りましょう。パーツの裏のバリを処理するで候
▲あっぱれ! 築城ですぞ、殿
▲堂々とした鉄門も城の魅力じゃ
▲殿、それでは会津の酒で一献! 

 2時間で名城を手に入れることができるJOYJOYコレクション。ちょっと古いキットはパーツのバリとかをとって組んでみてね。昨今の速乾流し込み接着剤が大活躍するから、ぜひ一緒にお手元に。昔、接着剤がうまく使えなくて城を組めなかった〜って人はこれさえあれば大丈夫です!(僕もその1人!!)。

 城を眺めながら飲む日本酒は格別。名城の場所に名酒あり。この時間はまさにあなたが「殿」!! 花金は日本文化で華やぐ時間もよいですね。今週末もあなたに素敵な模型時間が訪れますように。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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何かと忙しい春の新生活に寄り添ってくれるプラモお届けします。「ピットロード 1/144 陸上自衛隊 10式戦車」

▲春はあけぼの。春は楽しい模型の季節

 春の陽気が気持ち良い季節。柔らかな日差しを浴びて作る模型時間はこの季節ならでは。塗装しようと窓を開けると花粉さんがこんにちは。坊ちゃん一緒に鼻詰まりでございます。こんな時はプラモを刺身で食べるに限る! 春は初カツオだね!! とまさにシャキッとさっぱりした初カツオの様なうまい模型があるんでご紹介しますね。ピットロードの「1/144 陸上自衛隊 10式戦車」でございます。箱を開けるとびっくり。「3両」も入っています。トリプルタンク!!!

▲ジェットストリームアタックを決めろ!(10式のスラローム射撃ってすごいよね)

 上の動画はVRなのでマウスでグリグリすると視点が変わります。すごい。

 さて、一気に3両もの10式をコレクションできちゃう嬉しいプラモ。パーツ数も超少なくて、一つ10分もあれば組めます。30分で3両の10式があなたの目の前に!!

▲細かいパーツはこれだけ! 履帯のカーブしているところだけ別パーツ
▲アンテナや環境センサーは砲塔と一緒に成型されています
▲砲塔後部のバスケットのモールドがすごい!
▲履帯と転輪が一体成型。組み立てが超楽!ニッコリ
▲カーブしている履帯は流し込み接着剤でサクっと接着しちゃいましょう
▲もうこれで完成してしまうのか?
▲弾ちゃーく、イマ!
▲このコンパクトさ。でもどこからどう見ても10式戦車
▲お家のどんなところにも気軽に飾れますね〜

 テレビ見ながらとか、ビール飲みながらサクサクと組み上がっていくピットロードの10式。新生活の準備などでバタバタするこの季節でも、ちょっとした時間でプラモを楽しみたいという欲求を満たしてくれるありがたいプラモです。完成度も満足できます。手のひらでコロコロさせるとなんとも可愛らしいし、かっこいい! ぜひこの季節に気軽に楽しんで欲しいプラモです。戦車模型、たのしいよ。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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今度のガンダムウェポンズは「すべてガンダム」だ!!!

▲HOW TO BUILD GUNDAM2のフルハッチオープンのバトンをパーフェクトグレードアンリーシュドが受け取る!

 模型雑誌「月刊ホビージャパン」を代表する別冊「ガンダムウェポンズ」。様々なガンプラをテーマに、HJ本誌を飾った数々の作例や、別冊のために作り起こした新規作例で構成されます。その新作はガンプラ40周年を記念としたメモリアルブックとなっています。テーマは「ガンダム」。RX-78-2 ガンダムの他に、G40や横浜のRX-78F00といったガンダム40周年&ガンプラ40周年を通して世の中に登場した「ガンダム」も収録。この1冊でがっちり作り込まれた「ガンダム」のガンプラ16種類を一気に読むことができます。作例も楽しめて、キットカタログ的にも使える楽しい内容です。

▲ガンダムウェポンズのロゴは金! めでたい!!
▲ガンプラ40年というテーマを大きく3つの柱に分けて構成されます
▲Ken Okuyama DESIGN によって生み出された「ガンダムG40」から本書は開幕

 ガンダム40周年となった2019年12月に発売された「G40」。賛否両論あるこのデザインも40年というなかで成熟したガンダムをもう一度異なった視点で見てみようというチャレンジだったのかと思います。翌月の2020年にガンプラが40周年となる中で、この新たなデザインの「G40」が40周年の扉を開けるための鍵となって、ガンプラ40周年は開幕したのでした。

▲色褪せることない魅力。このページから各スケールで発売されたガンダムのガンプラの作例カーニバルが開幕
▲ガンプラ、そして日本の模型シーンを塗り替えた最高傑作プロダクト「マスターグレード ガンダム」を生みの親・川口名人が今本キットに向き合った作例は心が震えます

  マスターグレードを初めて見たのは僕が10〜11歳くらいの時。兄がこれまで見たことがないガンプラの箱を持って帰ってきました。すでにマーキングがされているパーツ、説明書には見たことがないような詳細な解説、高級感ビンビンのパーツたち。箱を開けて見せてもらったガンプラは「絶対に作ってみたい。この箱を部屋に置いておきたい」と小学生の自分に思わせてくれました(そんな衝撃を受けても一度はプラモから離れたのですが、その経験があったからこそ出戻りしたんだと思います)。日本の模型シーンにおいてここまで大きな衝撃はもしかしたらまだないかもしれません。ガンダムにもう一度多くの人が戻ってきて、ガンダムが再び「ガンプラ」で立ち上がったという感動的とも言える立体物。それを開発メンバーの中心人物である川口克己氏、僕たちの川口名人がもう一度作るという記事を手元に置いておきたくないなんて誰が思うでしょうか。HJ本誌の特集でも掲載された作例ではありますが、その存在感は別冊の中でもピカイチ。これから何度も見ていくページになりそうです。川口名人のテキストにも心震えますのでぜひ読んで欲しい記事です。

▲パーフェクトグレード アンリーシュドが導くこれからのガンプラ

 ガンプラ40周年にガンプラ最高のブランド・パーフェクトグレードのさらなる可能性、まさにパーフェクトグレードの向こう側を目指して生み出された「パーフェクトグレード アンリーシュド」が世に放たれました。このガンプラの作例で本書は締めくくられます。大トリに相応しい存在感。まつおーじ氏と木村直貴氏の2つの異なったアプローチの作例をお楽しみください。

 メモリアルや新シリーズの度に様々な要素を盛り込んで生み出されてきた「ガンダム」。そのキットのほとんどが掲載され、HJのモデラーによりキットの魅力を引き出した作例が多数掲載される本書。メモリアルを祝うに相応しい本書であなたの「ガンダム」製作を楽しんでください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

春は「上野文盛堂特選セット」で筆塗りデビュー! 4本セットであなたのニーズにお応えします。

▲模型専用だって!?

 模型店や量販店で黒い柄でたくさん並んでいる筆があります。老舗メーカー「上野文盛堂」の筆です。リーズナブルなものからハイクオリティなものまで揃えており、筆を使用する頻度に合わせてユーザーがお好みで選べることができるほどのラインナップになっています。その中で今回ご紹介するのが「模型専用筆特選セット」です。4本入って税抜き1100円でございます!

 筆先に特殊なナイロン毛を使用して、返りのよさを実現した4本セット。平筆が3種、面相筆が1種という感じです。

▲買ったばかりは筆の形状をキープする糊がしっかりとついています
▲こちらをぬるま湯や水でしっかりと落としてから使用してください
▲僕のおすすめはこのMr,筆ピカリキッド。洗浄&リンス効果があります。筆の最初のプレメンテにもおすすめです
▲真っ白な手首を使って筆の特徴をみていきましょう
▲筆の返りの良さを実感できます!

 まずは平筆。上の写真はNo.04という太い筆です。この筆の特徴である筆先の返りのよさで広い面を綺麗に塗ることができます。No.02も同様でした。

▲このセット最大の特徴はこのコンビ!

 No.0(写真上)、No.1(写真下)が細部を塗装するのに良い筆なのですが、筆先の形状が異なりますね! 正直最初は太さが違うだけかと思ったら、No.1は穂先が斜めにカットされた平筆なんです。平筆と面相筆を合わせたような形状で完全に平筆というイメージとも異なっています。この筆がとても優秀です。

▲こうやって筆を横にすれば平筆のようにも使えます
▲筆を立てれば、まさに剣先で突くように細部を塗装できます

 No.1と筆のユーティリティー度が半端ないです。大抵のところはこの1本でどんどん攻められます。そしてこの筆でどんどん塗って、さらに細かいところやはみ出したくないところはNo.0を使用するという感じです。カズと武田のツートップですね。

▲ディテールの塗り分けにはNo.0の細い筆で攻める!
▲リタッチ仕事もNo.0にお任せ!
▲できたよ〜〜〜

 1100円の初期投資で、これだけの内容がゲットできる特選セット! こんなにコスパと性能を兼ね備えたセットもなかなかないと思います。細い筆、平筆に2本というセットはよくあるのですが、斜めにカットされた筆まで入れちゃうんですからまさに「特選」です。春は特選で楽しい筆塗り体験を楽しんじゃいましょう!

▲色が入ると楽しいよね!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

 

シタデル VS ムシャガンダム! 筆塗り1本勝負!!/決着ッ!! 平定〜〜〜。

▲赤と白の塊だったムシャガンダムにだんだん色が入ってきた!嬉しすぎる!

 BB戦士というものに出会い、ガンダムの世界に入った少年時代。あのときめきは今もプラモが好きな自分の根幹に突き刺さっています。そしてあの当時のNo.17のムシャガンダムを塗ってみたいという思いはいつもどこかにありました。上のリンクからこれまで2回の記事も読めますので、そちらと合わせて読んでください。

▲出会った時は君はシンプルだった

 組み上げるとこの赤と白の塊。でも君と出会って30年くらいたったおじさんの僕は、いろんな経験をしてきたから君を彩ることに恐怖心はなくなっていました。とっても綺麗に、水だけでお手軽に塗ることができる「シタデルカラー」を手に入れたからね。

▲ムシャガンダムよりは高いけど、僕がムシャガンダムと出会ってから30年という月日を5000円くらいでワープさせてくれました。最高の赤塗料セット。これさえあれば誰でもムシャガンダムを筆塗りで楽しむことができます

 このセットはただ赤系が入っているだけではなく「赤のグラデーション塗装」が楽しめるセットになっています。

▲こんあ明るい赤も入っています。これでハイライトなどを入れられます
▲鎧のモールドにぺたぺた塗ってハイライトもお手軽に入れられます
▲仮組みしたら棒の部分を塗っていなくて、白が露出してしまいました。そんな時の塗り足しも筆塗りならすぐに終わります
▲できた…。1日30分ほどぺたぺた塗って5日で完成

 シタデルカラーの速乾、隠蔽力の強さによるリタッチのやりやすさ、塗装セットの中身が完全にムシャガンダム対応という条件がバッチリ組み合ったこともあり、僕の30年の思いが形になりました。嬉しすぎる……プラモ楽しんできてよかったと本当に思った瞬間でした。

▲君の仲間も増やしたいね

 手のひらに収まる小さな模型が僕の心を大きく動かす……。もっと筆塗りでBB戦士を楽しみたい。小さな君がどんどん塗り上がっていく様子を指からダイレクトに感じた時間はとっても幸せでした。

 僕と同じ思いを持っている人にも「今ならあの頃のBB戦士、そして今のBB戦士も筆塗りで楽しめる」と届けたいです。シタデルもムシャガンダムもどっちも勝ち!!

 みんなでいろんな武者頑駄無を塗って、それぞれのストーリーの仲間たちが集結したらもっともっと楽しいですよね! どんどん仲間を増やしていきましょう。これにて、平定であります。

▲今日のビールはめっちゃうまい!祝杯!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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“作業時間5分”でジャーマングレーの戦車模型がカッコよくなる!! 「フィルタ・リキッド レイヤーバイオレット」にお任せあれ。

▲作業時間5分でこの2号戦車をさらにカッコよくして見せましょう〜。せ〜のっ
▲ドン!! 5分の作業時間でこの結果! 全体のグラデーションが馴染み、トーンも一段落ちて雰囲気が出たぞ!

 ドイツ軍の戦車を象徴するかっこいい色「ジャーマングレー」。以前nippperの記事でこのジャーマングレーが華やぐ方法をご紹介しました。その続編! ジャーマングレーに塗った戦車にさらに色気を足すことができる超お手軽な方法をご紹介します!

主役は俺たちだ!

 薄めた塗料を全体に一枚のフィルターを纏うように塗る「フィルタリング」という方法があるのですが、その方法に特化した塗料が今回の主役、GSIクレオスの「フィルタ・リキッド」です。様々なカラーが出ていますが、ジャーマングレーには「レイヤーバイオレット」がとっても相性が良いんです! バイオレットのまま使用すると少し紫が強いので、ウェザリングカラーのシェイドブラウンというものをほんの2〜3滴混ぜて使用すると良いです。

▲さつまいも色が爆誕!
▲これを全体にうす〜く伸ばすように塗ります。シミなどができないように綺麗に伸ばします。そこらへんにある筆でやったら毛がめっちゃ抜けたよ。普段から愛用しているものをちゃんと使おうと反省
▲これでOK。作業自体は5分くらいで終わっちゃいます。後は乾燥するのを待つのみ。乾燥に時間がかかるのでお茶でもしたり、本読んだりゲームしたりしましょう
▲乾燥してくるとグングン表情が出てきます。なんだか戦車が育っていく感じ。青みが強調されていたグレーのトーンが落ちてグラデーションも馴染みました!一気に戦車らしくなりましたね

 メリハリのあるグラデーションのトーンを調整したり、うっすら全体に赤みや青みを纏わせることができるフィルタリング。ジャーマングレーを「黒系や茶色」で全体を覆ってしまうと「黒い物体」になりがちですが、このレイヤーバイオレットを使えば、グレーのかっこよさを保ったままトーンを落とし、かつ紫が影色を演出してくれます。紫や青は絵画でも影に使うことがあるというのを知ってから、タミヤのパッケージイラストを見るとそのような色使いがされていました。模型の箱絵は模型を作る上での最高の資料のひとつですね。ぜひあなたのジャーマングレーの戦車をレイヤーバイオレットで雰囲気抜群に仕上げてください! それでは〜。

▲いい感じになってきたぞ! 今、戦車模型が楽しくてしょうがない!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/「北アフリカ」へ2時間だけのバカンス。

 タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ(以下1/48MM)は「キューベルワーゲン」から開幕しました! 1/48スケールの飛行機模型と組み合わせて情景も作りやすく、エアモデルとAFVモデル(戦車模型などを指すアーマードファイティングビークルの略)をつなげる存在として世に放たれました。実車も陸軍、空軍関係なく広く使用されたものなので、プラモも様々な組み合わせを楽しむことができます。

 そのキューベルワーゲンのバリエーションとして1/48MMシリーズ第3弾にラインナップされたのが、今回ご紹介する「キューベルワーゲン アフリカ仕様」です。とっても組みやすいので、 週末に北アフリカへの2時間だけのバカンスに行けます。

▲現在は黒を基調とした箱になっている1/48MMですが、このキューベルワーゲン アフリカ仕様は砂漠を思わせる色。イラストも最高にかっこいいです

 パッケージのイラストがすごく素敵で、これだけでも手に取りたくなります。そして後ろには北アフリカで活躍した「メッサーシュミット Bf109 E-4/7 TROP」をさりげなくアピール。タミヤからこのメッサーのプラモが発売されているので一緒に並べると楽しいぞ〜とパッケージイラストも語りかけてきます。

▲箱の側面には同スケールでのサイズ比較が。AFVとエアモデルを同スケールで並べると、戦闘機ってやはり大きな兵器なんだと体感することができます
▲箱の裏面にカラー印刷でカラーレシピが載っています! 色名が分からなかったり、指定色が手元になくても、これっぽい色で塗ればいいんだなと直感で分かるのでカラー印刷って素敵
▲箱を開けるとランナー同士が軸と穴でくっついています。これでランナーがばらけることなく、箱の中で綺麗に収納されています
▲本体ランナーは2枚。これにクリアーの窓パーツが付属します
▲なにやらかっこいいマークが3つも入ります

 このキットは1/48MMのもうひとつ狙いである「飛行機模型との組み合わせ」が色濃く出ています。それが分かるのがこのドイツ空軍のマーキングたちです。12番が「第27戦闘航空団 第I飛行隊」、13番が「ラムケ降下旅団」、14番が「第27戦闘航空団 第II飛行隊」です。

▲箱の脇にも解説が入ります。どれもかっこいいので3つ買って全部作っちゃうのもあり!
▲パッケージの脇には、切り取って使える標識も印刷されています。箱の紙質も良いので、切り取るだけでピシッと角が立った標識が完成します
▲The アフリカ仕様とも言えるのがこの「バルーンタイヤ」。1942年頃から砂漠での走行性を高めるために装備された幅広のタイヤです
▲アフリカの過酷な環境を過ごすための熱帯服を身に纏ったフィギュアがセットされます
▲幌の布感もステキなシワで表現。かっこいいパーツです
▲たった5パーツでこのようなメカ感を体感できます
▲フィギュアは2体。どちらも秀逸な完成度
▲ドライバーはドアと腕がすっとフィットします。キューベルワーゲンと一体化! この瞬間がとても気持ちが良いです
▲スタイルも抜群。スタイリングも超決まっている空軍士官。熱帯用のシャツにハーフパンツ、アンクルブーツ姿できゅっと手袋をはめる動作が封じ込められたこのフィギュアの雰囲気はぜひとも手にとって味わって欲しいです
▲全長約79mmに北アフリカが凝縮されています
▲空軍士官を脇に置けば北アフリカ劇場開演です
▲砂漠へ行く準備は整ったか?

 戦車とは一味違った魅力があるのがソフトスキンと括られるこのような軍用車両。兵員輸送車やトラックなどがありますが、このキューベルワーゲンには形状がシンプルなのになんだか花があるんですよね。それはきっと人や飛行機と絡めることで抜群の存在感を放つからだと思います。戦車以外はなんだかな〜っと思っている人には、ぜひキューベルワーゲンからソフトスキンにチャレンジしてみて欲しいです。実車も50,000輌以上生産され、陸軍・空軍両方で広く使用されたので、他の模型とも組み合わせやすいです。

 キューベルワーゲンは人が脇に立つだけでも、小さな模型の中にとっても凝縮された世界を創出してくれるステキな車です。

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サンライズメカ14体のカーニバル!! 「月刊ホビージャパン2021年5月号」

▲毎月25日発売の模型雑誌「ホビージャパン」

 表紙いっぱいに展開されたロボ!ロボ!ロボ! 2021年5月号の月刊ホビージャパンは数多くの魅力的なロボットアニメを送り続けるサンライズのアニメ作品に登場したロボットを大特集! 2019年に続く第2回目の特集となります。さらにサンライズロボット作品のメカ設定資料を掲載したスペシャル冊子付録もついてきますよ!

▲お久しぶりから初めましてまで、読む人によって色々な思いがめぐるメカが大集合

 数々のロボが誕生した1980年代から、現代まで幅広くロボットを選出。その数14作例と、めくってもめくってもすんごいロボットが登場します。まさにカーニバル! ホビージャパンを代表するモデラーが全集結しているので、技の応酬、模型バーリテュードが繰り広げられています。清潔な作品から、汚し塗装など、塗装表現もさまざまなものを見ることができます。

▲当時から今のことを把握しているベテランライター、タルカスの五十嵐氏による解説を読むと、さらに今回掲載されている模型作例が違って見えてくると思います
▲僕ら世代が熱くなった時代のロボットもいるぜ!

 とサンライズ・ロボット列伝2021でお腹いっぱいになったなぁ〜と油断していると別口で「HGエルガイムMk-II」や「HGエルガイム」シリーズのリニューアルキット発売に合わせた別盛りメニューが展開されます。あれ?さっきの特集ででかいエルガイムいたよね? と思ったけどそれとは別の、今のキットを楽しむコーナーとして記事構成されています。

▲ガンダム以外のHGシリーズのアイテムがどんどん出てきますね

 ロボットで楽しんだら、待っているのがスケールモデル。先月号は最上型をバンバンやっていた謎のやる気が、今回は球磨型に! 5,500トン級のかっこよさを体感できるフジミの最新キットをモリモリ作り込んでいます。考証も必見です。

 本誌も付録も大ボリュームな月刊ホビージャパン最新号。あなたのお家に積んである懐かしのサンライズロボットプラモを組んだり、模型屋さんにいってロボットのプラモを探したりと、記事を読んだらぜひ自分なりに動いてみるときっと楽しい時間があなたに訪れると思います。それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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手頃なタミヤ1/48MMで戦車とは一味違う「突撃砲」デビューしちゃおうぜ! 「III号突撃砲B型」

▲突撃砲!? 戦車じゃないの?なんですかそれは?

 めっちゃ平べったい車体に、なんだか申し訳程度に大砲が付いてる……大丈夫なのこれ? って思ったそこのあなた! ドイツ軍が産み出したこの「突撃砲」こそ連合軍から厄介者扱いされたすごい兵器なんです! 砲が突撃しちゃうんだぞ!

 今回ご紹介する「ドイツ陸軍 III号突撃砲 B型」は、前身のA型を経て、初めて本格的に生産された突撃砲です! フミテシが初めて作った戦車模型も突撃砲だったんです(その話はまたどこかで!)。だからこの平べったい形状が本当に大好きです!

▲アイデンティティがなぁ〜〜〜〜〜〜い、砲塔がついてな〜〜〜い

 先週ご紹介した「II号戦車(2ごうせんしゃ)」と並べると戦車の顔・砲塔がありませんね! 砲塔を持たない自走する砲。それが突撃砲の特徴です。突撃砲というのは……

 1/戦車兵ではなく砲兵によって運用される

 2/基本的には歩兵支援用として開発。歩兵部隊と密接に連携を取りながら行動する

 3/砲塔は不要。射界は左右30度以上。7.5cm以上の強力な火砲を備えること

 などがあげられます。砲塔は搭載する砲の大きさが制限されますが、砲塔を持たない突撃砲は、砲の射界に制限はある物の、車体をベースとするので大口径砲を搭載することが容易くなります。III号戦車をベースとしたことで、車高も低く被弾しにくいなんてメリットもあり、歩兵と一緒に行動する以外に、茂みなどに隠れて必殺の一撃を見舞うスナイパーのようなお仕事もこなしました。大口径砲を搭載することができるので、歩兵支援から対戦車用兵器としての色も戦いが続くにつれて濃くなっていきます。1941年6月にドイツ軍がソ連へと侵攻したバルバロッサ作戦では、第二次大戦中のドイツ戦車にとって強力なライバル戦車として立ちはだかる「T-34」や「KV-1」と遭遇します。III号戦車などの火力で苦戦を強いられるなか、この強力なライバルたちに対抗できたのがこの突撃砲の火力だったのです。突撃砲はドイツ軍にとってこの後も貴重な戦力となります。

▲ランナーは4枚構成とシンプル。そのうち2枚は足回りをまとめた同じもの

▲IV号戦車と同型の短砲身24口径7.5cm砲が搭載される固定戦闘室
▲ハッチや車外装備品が車体と一体で成型できるものはモールドされています
▲短砲身24口径7.5cm砲は1パーツ
▲牽引ロープはすでにめっちゃかっこいい形でまとめられたプラパーツで表現されています
▲アップで見たらスケールなんてわからないほどの精密な転輪
▲プラ製の分割履帯。一気に足元が締まるほど精密
▲シャーシはダイキャスト製。瞬間接着剤を用意しましょう
▲このキットのおすすめがこのデカール。全部かっこいいマーク! 使わないマークが余るので保管しておくと、キャラクタープラモとかのアクセント用にもぴったり!
▲ベースとなるIII号戦車はコンパクトなので手のひらにも収まります
▲シャーシと車体の接続はネジで
▲戦闘室の部分ががばっと開いた状態で車体が完成! 突撃砲ならではの組み立て途中の景色
▲エッジがピシッとしと各面と細かな溶接痕が混在したパーツ。III号突撃砲B型のアイコンとも言えるパーツです
▲車体の空間に、ピタ〜って合わさります
▲まもなく完成だ!
▲完成! 低いシルエットに重厚な戦闘室。超かっこいいぜ!
▲背面もディテールが集中していますね
▲側面から見ると戦車とは一味違う独特のシルエットを思いっきり堪能できます
▲同スケールのフィギュアを置くとより車高の低さがわかりますね

 敵戦車を倒せますし、戦場でも機動力と装甲を活かして多くの兵士から信頼を得た突撃砲。「戦車5台より突撃砲1台を!」なんて言う兵士もいたそうですよ。戦車ほど柔軟性はないので、近づかれたりすると超ピンチ! にはなってしまうお茶目さもありますが、それでも第二次大戦を通して歩兵支援・対戦車戦闘と大活躍しドイツ軍の戦力の根幹となっていたのも事実です。1/48 ミリタリーミニチュアのIII号突撃砲のバリエーションのラインナップの豊富さを見れば、この兵器がどれだけ活躍したかわかると思います。バリエーションを組んで違いを楽しむもよし、ソビエト戦車との激闘をイメージしてコレクションするもよし。作ることで戦車との違いも味わえる突撃砲をぜひあなたのコレクションに加えてください!

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最高のカラーチップ&爪パレットは「黒ネイルチップ」で決まりです!!

 ず〜っとこんなものを探していました! 塗料の隠蔽力を確認したり、金属色の色味をサクッと試し吹きできるものを。100円ショップのメイクコーナーにはなんでもありますね。色付きのネイルチップです! 光沢成型で綺麗な曲面。光の反射具合で色がどのように見えるかまで確認できます。そして簡単に捨てることができます。プラスプーンより取り回しもしやすいですし、保管も省スペースでOKです。私はセリアで購入しました。ネイルチップはさまざまな100円ショップで売っていますので、お近くのお店を覗いてください。

▲僕買ったやつは「60枚」も入っていました。当分苦労しないですみます
▲成型色が光沢黒なので、光沢黒下地から吹くことが多い金属色の色味を気軽に確認できます
▲チェックしたら気軽にポイしてOK。超便利。またネイルチップの裏に何色を塗ったか書いておけば、カラーチップとして保管しておけますね
▲初めて使う塗料の試し塗りとか、隠蔽力がどれだけあるかも確認できます
▲両面テープで爪に貼れば、爪パレットにも。筆先の塗料を爪パレットで調整したりしてさくさくと快適に塗装できます

 ネイルチップのサイズ感が本当に良いです。60枚も入っているのに、スマートホンくらいのケースに収納されています。ランナーに繋がっているので、ジャラジャラしません。クリアー成型のネイルチップも売ってまして、こちらもクリアーカラーの試し塗りなどに最適です。ぜひネイルチップをホビーに取り入れてください。

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タミヤ「ディープブラウン」で“サビ”、もう迷わない!!

▲スミ入れからウェザリングまでとっても便利なタミヤの「スミ入れ塗料」。お手軽に模型がかっこよくなりますよ!

 モールドやディテールをかっこよく引き立てることができる「タミヤ スミ入れ塗料」。その塗料の新色「ディープブラウン」がとってもご機嫌なのでご紹介します! 同塗料にあるダークブラウンよりも明るめで、これぞ錆び色と言えるベストな調色がされています。模型の汚し塗装(ウェザリング)の中でも花形のひとつ「錆び」を手軽にかっこよくできますよ。

▲戦車のフックとかから垂れる「錆び垂れ」をやってみます
▲タミヤのスミ入れ塗料の最高なところは蓋に極細筆がついていること!開けたらすぐ使えます!
▲色味はこんな感じです
▲フックの部分にえいっと筆を置くと、ディテールの凹みに勝手に塗料が流れます。これがスミ入れ! ディテールが引き立ちます
▲錆び垂れは、ディテールに流した塗料を筆や綿棒で上から下方向に伸ばしてあげます
▲できました! これだけです。塗料を流して伸ばすだけ! 塩梅はあなたのお好みでどうぞ
▲スミ入れ塗料はエナメル溶剤で拭き取ったり、調整できるので一緒に準備しておくと良いです
▲左のタンクは錆び前、右がディープブラウンを表面にうっすら塗って綿棒で拭ったもの。良い感じの茶色のフィルターが模型を覆い、表面に浮いた錆びも表現できます

 塗料を流して筆や綿棒で伸ばすだけで簡単に「錆び垂れ」ができたり、塗ってランダムに拭くだけで表面に浮いた錆びも表現できる「タミヤ スミ入れ塗料 ディープブラウン」。本当に色味が素晴らしいのでぜひ使ってください。誰もが手軽に「錆び」表現を楽しめる新色で、侘び寂び感じる渋い模型から派手な汚しまでどんどん楽しんじゃいましょう!!

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/週末は逆ガル翼の傑作機に会いに行こう。「タミヤ 1/72 F4U-1D コルセア」

▲1500円でお釣りが来ちゃう超スーパーキットで週末をエンジョイ!

 フミテシの独断と偏見で週末が楽しくなっちゃうプラモをご紹介する「花金プラモ」。今週は逆ガル翼で凄みの効いたフォルムが最高にかっこいいレシプロ戦闘機「ヴォート F4U コルセア」をご紹介するぜ! キットはタミヤのコレクション性高い飛行機模型プラモシリーズ・1/72スケール ウォーバードコレクションにラインナップされている「F4U-1D コルセア」をピックアップします!

▲空母運用が可能になった初の艦載型が「F4U-1D」

 傑作機としての歴史に名を連ねているコルセアですが、登場時には空母着艦時の視界不良、劣悪な失速特性などから艦上戦闘機として失格であるとの烙印を押されてしまいます。その穴を埋めたのが零戦と激闘を繰り広げたF6Fヘルキャットでした。そのため最初の実戦配備型である「F4U-1A コルセア」は陸上基地から運用されたのでした。

 キットの「F4U-1D」は多くの困難を克服し、改良に改良を重ねてついに空母へと艦載できるようになった初のタイプです。

▲クリアーパーツを除き、本体は2枚構成。小さなパーツも少なく組み立ても苦労しません
▲キャノピーは窓枠2本タイプと、窓枠の無い水滴型キャノピーがセットされます
▲コルセアの翼の特徴でもある羽布張り構造のディテールも美しいです
▲胴体内部には桁やパネルがモールドされています
▲1パーツで成型された尾脚。着艦フックが非常に長いのも特徴
▲1/72スケールとは思えない精密感を味わうことができるコクピット! 8パーツで構成されます
▲左右のスイッチ類のパーツがコの字に成型されているのがユニークですね
▲F4U-1Dコルセアのコクピットには床板が無いのが特徴です。広いコクピットでさらに床板が無いなんてなんかそわそわしちゃいそうです
▲コクピットの接着部分には大きなガイドが胴体側に設けられているのでガッチリと接着できます
▲胴体の左右合わせもバチピタ。タミヤの速乾流し込み接着剤の筆は細いので合わせ目部分だけを狙って流すことができます。ディテールの集中している部分などにオススメです
▲武装を搭載するために穴を開ける箇所があるので、ドリルを用意しておくと良いです
▲カウルフラップは開閉選択式
▲コルセアの巨力なパワーを支えるP&W R-2800-8 ダブルワプスエンジンは裏側にもディテールがあります。これはカウルフラップを開けた時に内部がちらりと見える時のため。チラリズムの美学です
▲ごっつい逆ガル翼に胴体を接着する瞬間はこのプラモのハイライト!
▲1時間半くらいで迫力あるシルエットを堪能できます! ハミルトン・スタンダード社製の巨大な3翅プロペラがイカすぜ!
▲増槽2本に、8発ものロケット弾を搭載できる豊かさ! この搭載能力もコルセアの強みです
▲第二次世界大戦から朝鮮戦争まで飛び続けた名機! 手前の翼の機銃孔外側にある「三角形」のディテールはめっちゃ重要なんで切り飛ばさないでください! これが失速を抑制したスポイラーです!

 組み立てると、こんな迫力ある飛行機と零戦は太平洋で戦ったの……まじで?って気持ちに僕はなります。逆ガル翼の迫力あるシルエットに巨大なプロペラは他のレシプロ機とは一線を画す魅力がありますね!

 コスパよし! ディテールもキレキレ!! プロポーションも最高!!! と三拍子揃ったタミヤの1/72 コルセアで楽しい週末をお過ごしください。

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水性塗料でプラモが塗りたい!/ジャーマングレーは「クリヤーブルー」ひとつまみで華やぎます。

▲青みがかったこのジャーマングレーの雰囲気ってかっこいいですよね〜!

 パッケージイラストや模型誌の作例でも少し青みがかったジャーマングレーで塗られているものを最近よく見ます。鉄の硬さを感じるような硬派なグレーも好きなのですが、あの色っぽいブルージャーマングレーは一度見ると、まさに「塗ってみたい」と思わせてくる魅力を僕に突きつけました。オイラは脊髄反射でジャーマングレーにそのまま青を混ぜたのですが、まぁそうはうまくはいきませんでした。そんな時閃いたのが「クリヤー塗料」の存在。基本色を濁らせることなく色味を足すことができるこのカラーに頼ってみたら、大正解でした!

▲II号戦車といえばジャーマングレー! いっちょやってみるべ
▲まずはジャーマングレーを瓶生で塗装。黒に近いかちっとしたグレーになります。これがタミヤアクリルのジャーマングレーの色です
▲ジャーマングレーを瓶生で塗った上から、ジャーマングレーに白を混ぜてグラデーションしていくとこんな雰囲気になります
▲お次はジャーマングレーにクリヤーブルーを混ぜます。少量でOKです
▲一気に華やいだ感じ! 青みがあるグレーがマッハで完成。クリヤーカラーなので変な濁りもありません。またクリヤーブルーが入ることで艶消しから半ツヤのジャーマングレーになるので、塗面のガサつきも少なくしっとりしています
▲先程のジャーマングレー+クリヤーブルーに少量の白を入れればハイライト色もすぐ完成します
▲奥のティーガーIも同じ塗装方法です。II号戦車と同じくらい明るいところからウェザリングすることでここまで締まりますので安心してください

クリヤーカラーは基本色を濁らせることなく色味を足せるのでとても便利です。特にこのジャーマングレー+クリヤーブルーは、ドイツ車両を塗装する上で、僕の中の必殺技(?)のひとつとして多くの人におすすめしたい組み合わせです。あとグラデーションで暗くしたい部分はクリヤーブルーを多めにしたジャーマングレーで塗ってください。すんごいいい影色になりますよ! ジャーマングレーのドイツ車両って本当にかっこいい!! II号戦車完成させるぞ〜〜〜。お楽しみにね。

「人類史上最大の戦いの火蓋を切った戦車」を手のひらサイズのプラモで味わう。

▲戦史において欠かすことのできないのがこのドイツ軍のII号戦車!

 人類の歴史においていまだに「第二次世界大戦」を超える戦いはありません。今後も絶対にあってはならないのですが、その第二次世界大戦の開幕となる1939年のドイツ軍によるポーランド侵攻、そしてそのままの勢いによるフランス侵攻でドイツ軍の快進撃の立役者となったのがこの「II号戦車」です。ちいさくてかわいい戦車ですが、優れた機動力を活かし各地で活躍します。

 今回ご紹介する「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.70 ドイツ陸軍 II号戦車 A~C型 フランス戦線」は手のひらサイズでそのII号戦車の魅力をギュウギュウに凝縮したすごいキットです。

▲ニッパー、デザインナイフ、接着剤、そしてとても小さいなパーツを扱うのでピンセットは必須です
▲説明書とは別に、別紙で戦車の解説と、各マーキングガイドを収録

 ドイツ軍の超メジャー戦車ですが、現在99番まであるシリーズの70番目。発売は2011年です。1/48スケールよりも大きい1/35スケールでも同車両はキット化されているのですが、その密度感をそのまんま凝縮したかのようなキットになっています。ですので、他のキットよりも小さなパーツの取り回しが多くなりますので精度の高いピンセットを1本準備しておくと良いと思います。

▲もともとサイズの小さい戦車ですので、その分パーツもちっちゃいのはしょうがないっすね!
▲1/48ミリタリーミニチュア恒例「シャーシから足が生えている」!! II号戦車も生えています
▲本体のシャープさにうっとり。OVM(ハンマーや斧などの社外装備品のこと)も一緒に成型されているは組み立ても楽で嬉しいです
▲CとDのランナーは主に車体に貼っていく細かなパーツたち。フィギュアもここにおさまっています
▲アニキ、良い顔してますね
▲ヒゲダンスのようなポーズはミリタリーミニチュアの伝統とも言えるポーズ!

 組み立てで迷うところはありません! プラ製の分割履帯のパーツが細かいので組み立ては慎重にいきましょう!

▲手のひらにすっぽり! このサイズに精密なディテールが凝縮されています。目が喜ぶ立体です
▲奥のティーガーIと比べるとこれだけの差が! 同じ戦争でも兵器はこれだけ変わっていきます
▲この精悍なシルエットがたまりません。成型色もジャーマングレーをイメージした物なので十分雰囲気を味わえます
▲車体側面のアンテナポストとケースをつけていないのは、そこにドイツ軍のデカールを貼るから。塗装する人は塗装後に装着した方が良い場所です

 この他にも1/48MMではIII号戦車、IV号戦車、パンター、ティーガーI、キングタイガーとドイツ軍の戦車が豊富にラインナップされています。II号戦車を皮切りに、ドイツ軍の戦車の系譜をお手軽のサイズでぜひ楽しんでください! それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

筆の中の塗料もしっかり掻き出す! 100円ショップの「眉コーム」でしっかりお手入れ!!

▲眉とまつ毛のお手入れ……

 うちのかみさんがマスカラを塗った後に「コーム」というもので、まつ毛についた余分なマスカラのダマをとっていました。メイクって大変だな〜っと思っていたのですが、その瞬間頭に稲妻が!!! マッハで100円ショップのメイクコーナーに行きました。そこで手に入れたのがこの「眉コーム&ブラシ」です。

▲ブラシとコームが1体になった商品
▲今回の主役はこの「コーム」です
▲筆の内部にまで塗料が残っています。しっかり綺麗にしたいですね!
▲ブラシクリーナーとセットで使うと最強! 筆をブラシクリーナーでジャブジャブしたら
▲コームで優しく筆内部の塗料を掻き出すようにします
▲仕上げにもう一度ブラシクリーナーでジャブジャブすればこんなに綺麗!筆のコンディションも維持できます!

 まつ毛のマスカラダマもとれる眉用のコームは細かいので筆の汚れ取りにも活用できます! 根元に残ってしまった塗料などもこれで掻き出して綺麗にすることも可能です。筆のお手入れ道具として、お気に入りの筆のピットクルーとしておそばに置いておくと良いと思います! それでは〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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シタデル VS ムシャガンダム! 1日30分、筆塗り1本勝負!!/大袖塗りッ!!!!

▲シタデルカラーの筆塗りでムシャガンダムを塗っていくぞ!

 お水を用意するだけで快適に筆塗りが楽しめる「シタデルカラー」でBB戦士のムシャガンダムの筆塗りにチャレンジする本企画! 今回は鎧の肩「大袖」を塗りますぞ! シタデルカラーのスミイレなどに使用する「シェイドカラー」も登場します!

▲第1回目の記事はこちら!
▲シタデルカラーの使用方法はこちらを参考にしてください
▲まじで超お買い得&ムシャガンダムを塗るのにも最適な「ベーシックペイントセット2」を使用。これを1回購入すれば「赤系」のシタデル塗装をガンガン楽しめます
▲前回は塗り分けの多い兜からいきなり行きました。なのでもう怖いもんはないです!ガンガン行くぜ
▲大袖の色は赤「1色」!
▲使用するのは赤がメフィストンレッド。スミイレにシェイドカラーのアグラックスアースシェイドを使用します
▲赤の発色をよくするために水性ホワイトサーフェイサーの白を吹きます。パーツ形状が波打っていたので、サフを吹いた後に軽くやすりをかけました。この写真はやすりをかけた後の状態。この後もう一度水性ホワイトサーフェイサーを吹いています
▲メフィストンレッドで塗っていきます
▲モールド部分に色が入るようにしっかりと塗料を伸ばして塗っていきます
▲平面の部分は筆のストロークを長めにとって、一気に塗ると筆ムラも少なく塗ることができます
▲塗り上がり。2度塗りで留めました。筆ムラは、この上からシェイドカラーを塗るとほとんど目立たなくなります
▲こちらがシタデルカラーの中で「シェイド」と言われるものです。スミイレをしたり、ウォッシングのように全体に薄く塗って色のトーンを落とし雰囲気ある塗装面にできたりと便利な塗料です
▲シェイドは他のシタデルカラーよりよ〜く振ってから使用してください
▲このようにシャバシャバです。モールド部分にスミイレしながら、全体に薄く塗っていきます
▲シェイドを使用するときに気を付けたいのが、塗料だまりを放置しないこと。乾燥後にシミになります。しっかりと塗料を伸ばしたり、余分に溜まった塗料は乾燥前に指で拭ったり筆先で吸うようにします
▲前回の兜のモールドもこの方法で引き立たせられます
▲左がシェイド前、右がシェイド後。塗るだけでモールドもくっきり。赤の色味も深くなります
▲次に私は再度、ベースカラーの「メフィストンレッド」を塗ります。塗る箇所はシェイドで暗くなり過ぎてしまったところや、エッジ部分を塗ります。これがグラデーションの初手になります

 シェイドでモールドをくっきりさせかつ色味を締めた後に、最初に塗ったベースカラーを塗ると色の差が自然なグラデーション効果を生み出すことができます。より塗装面に表情が出るのと、シェイドで暗くなり過ぎた部分の修正も一緒にできるのでおすすめです。

▲装着! 兜の色味ともあってきたぞ!

 大袖の塗装が終わりました。モールドにシェイドカラーを流したことでより雰囲気を増しましたね! もうここまでの塗装方法で基本の塗り方はマスターしたも同然! 次回は胴体の塗りをしながらグラデーション塗装に挑戦してみますよ! それでは、次回を待て!

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100円であなたの「モニター」がお立ち台に! モニター用小物テーブル

 人は皆自分の空間に癒しを求めるもの。自分が大好きなものがポンとあるだけで、なんだか癒されますよね。

▲毎日眺めるモニター。お仕事に集中すると疲れますよね〜。下のザクの箱には、現実逃避したい時にいじるプラモのパーツを入れてます。今はHGUCのF91のパーツが入っています
▲ん? これは机の上のスペースを使うことなく模型が飾れるかも

 一番仕事をするPC机の上。マウスを動かしたり、書き物をしたりするので、できれば机の上のスペースを消費したくありませんよね。殺風景な景色で仕事をすると心が疲れてしまうもの。なんか好きなものをポンと置いておけたら……。そんな思いを優しくサポートしてくれるアイテムが100円ショップにありました。「モニター用小物テーブル」です。100円であなたのモニターがお立ち台に早変わりです!

▲本当に? 熊と俺の視線が交差します
▲袋を開けると、とってもシンプルな台が。シンプルが一番!
▲この先っちょをモニターの後ろに引っ掛けるの? え? 大丈夫なの?
▲先っちょが丸いアームの位置を調整したら、テーブルサイドにあるネジを閉めてアームの位置を固定します
▲できた……HGUCのスタンダードなサイズや、1/48ミリタリーミニチュアの小さな車両なら余裕です

 最近作ったものやお気に入りのプラモって、見えるところに飾りたくなりますよね。モニターなんかは生活でよくみる家電の一つ。そこにあなたの好きなプラモがポンって置いてあるだけで趣味と生活がリンクして、自然と楽しい気分になると思います。モニターの上のスペースなら、邪魔になることもないと思います。大きなものは置けないけど、小さな模型もあなたの心を癒してくれると思います。100円で購入できますので、試しに使ってください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/タミヤ 1/48 傑作機シリーズのレジェンドプラモ「二式水上戦闘機」があなたの週末を輝かせる。

▲タミヤ 1/48 傑作機シリーズのレジェンドプラモで週末を楽しもうぜ

 フミテシが独断と偏見で週末が楽しくなっちゃうプラモをご紹介する「花金プラモ」。今回はお手頃な値段で1/48スケールのボリュームある飛行機を手に入れることができて、かつとってもかっこいい名作プラモ「タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.17 日本海軍 二式水上戦闘機」をご紹介します! 1973年生まれの48歳ながらも美しいプラモです。南洋の美しい海から離水する姿に思いを馳せて、水上戦闘機というちょっと特別な飛行機を楽しんでみましょう!

▲この美しいパッケージイラストだけでもお家に置いておきたくなってしまいます
▲どうです?48年も前のプラモとは思えない佇まいですよね

 この二式水上戦闘機は、「零戦11型」に単フロートを装着した、世界でも例を見ない水上戦闘機としてアリューシャン列島やソロモン諸島など太平洋各地で基地の防空任務や水上偵察機の護衛に活躍した飛行機です。

 模型は凸モールドと凹モールドの混在です。凸モールドの成型がとてもシャープで、上の写真のように、写真だけ見た感じだと一瞬凸か凹か分からないくらいです。

計器盤やシートなどコクピット内部、エンジンも立体感あふれる仕上がりです。風防は開閉選択式、ディスプレイに便利なドーリーや乗降用はしごもセットしました。パイロットの人形2体、スライドマーク7種類付き。

▲パーツ数も少なく、さくっと形になりそうですね
▲1体成型で表現された2種のアニキが付属。とても雰囲気あるフィギュアで、いまの目で見ても十分かっこいいと思えるものです
▲キャノピーが開閉それぞれ専用のパーツがセットされるのは嬉しいです! 特に閉じる時のキャノピーが1パーツなので組み立てや接着も楽にできます。5番の支柱はディスプレイ用のパーツです
▲胴体に美しく走る凸モールド。途中で消えたりよれたりしていません
▲説明書の解説も非常に詳しく書かれています
▲タミヤの塗装図の脇には、実機の塗装の小ネタもよく収録されています。これにより塗装のイメージが膨らむんですね〜
▲絶妙な色味! とってもかっこいいカラー塗装図が付属します

 パーツも美しくて、印刷物の内容も力が入ったプラモです。早速組んでみましょう。

▲計器盤はデカールで再現されます。コクピット内部のディテールがワンパーツにモールドされていた情報量も多くなっています。
エンジンも立体感あふれる仕上がりです。風防は開閉選択式、ディスプレイに便利なドーリーや乗降用はしごもセットしました。パイロットの人形2体、スライドマーク7種類付き。
▲胴体を貼り合わせてから、下からコクピットを入れることができるので、コクピットと胴体の製作を別々に行うことができます
▲オモリを入れないと尻餅をついてしまいます。でも先程のクリアーパーツにあった支柱は、この重りを入れることができない人でもしっかりと飾れるようにするためのもの。そう言う配慮もされているので安心してください
▲いつも不安でついつい多く入れがちになるオモリ。ステンレスボールを使用
▲ディスプレイに便利なドーリーや乗降用はしごもセットされます
▲アニキは後乗せ可能!
▲クリアーパーツのキャノピーもシンデレラフィット! かっこいいぜ
▲1時間半でこのかっこよさをゲット。本当に48年も前のプラモなんですか? 最高すぎます
▲零戦のバックショットの外観ラインって本当にかっこいい。そこに破綻なく装着されたフロート。言うことなし!とにかくかっこいいから作って欲しい!!

 南方諸島への進行も想定して検討され、その当時では世界にも例を見ない新機種「水上戦闘機」として開発が進められ実現した「日本海軍 二式水上戦闘機」。零戦にフロートがついただけでしょ? と思っていたあなたも一度ぜひ手に取ってください。この飛行機のドラマと、タミヤによる丁寧な仕事を味わうことができると思います。1/48スケールで約21cmとボリュームを1時間半くらいで形にもできます。週末モデリングにも最適なこの美しい飛行機プラモで素敵な時間を過ごして欲しいです。それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

戦車模型のかっこよさは「王」が教えてくれる! タミヤ 1/48 キングタイガーに謁見だ!!

▲キングの名は伊達じゃないぜ!

 手のひらサイズのタミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズですが、この車両は手のひらからこぼれ落ちる! それがドイツ軍の最強戦車「キングタイガー」です。名前もデザインも本当にすごい、戦車の歴史に輝く1輌です。

▲私がイギリスのボービントンにあるザ・タンクミュージアムを訪れた時、企画展としてドイツ軍の猛獣だけが集められた「ザ・タイガーコレクション」が開催されていました。その中でもセンターをとったのはこのキングタイガーでした
▲ティーガーIと同じ88mm砲ですが、71口径に強化され迫力抜群。車体前面150mm、側面で80mmという分厚い傾斜装甲が特徴です

 ボービントンでもその空間を支配してしまう迫力を持っていた「キングタイガー」。これと戦場で対面したらと考えただけでゾッとしたもんです。1/48スケールのキットでも迫力は満点です。タミヤの戦車模型シリーズのもう一つ、1/35スケール タミヤミリタリーミニチュアシリーズの解像度に迫るほどのパーツの細分化で、解像度もすごいです。

▲ランナー数はシリーズの中でもトップクラス
▲ダイキャストシャーシでキングタイガーの超重量をズッシリと表現しています
▲鋼製転輪とごっつい履帯で構成されたキングタイガーの足回り。第二次世界大戦の数ある戦車の中でも一番かっこいいと僕は思います
▲牽引ロープのパーツは1パーツ成型。1/35スケールも同じ構成で、これを1/48スケールでも実現しています
▲機銃や車外装備品(OVM)などは別パーツで構成。めちゃくちゃシャキッとしているので、模型のアクセントになります
▲車体パーツはドカンと1パーツ!
▲砲塔表面はうっすら梨地に。圧延装甲の表面を繊細なディテールで表現しています
▲車体後部のカバーは1/35スケールのキットではメッシュで表現していました。1/48スケールはとっても細かい彫刻で表現。すごいモールドです
▲デカール中央の第505重戦車大隊のマークはかっこいいので、これを使わない車両を作って余ったらとっておきましょう!キャラクターモデルとかにさりげなく貼ってもかっこいいのだ!
▲転輪が多いのですが、ここをクリアすれば完成まですごいスピードで行けます。ご覧の通り手のひらには納まりません

 キングタイガーにはひとつ弱点がありました。砲塔の後部に22発の砲弾を収納していたのです。そのためここに被弾すると大惨事! それを防いだのが上の写真の予備履帯なんです。履帯は手軽な増加装甲としてよく使用されます。キングタイガーの砲塔に装備された予備履帯はアクセサリーとしてもカッコよくて最高です。1/35のキットではフックを何個も接着してそこに履帯をひっかけるというなかなかにめんどい組み立てだったんですが、1/48はフックに引っかかっているような履帯が1パーツで成型されており、それを砲塔に貼るだけ! 小スケールならではの組み立てのメリハリがきちんとキングタイガーのキットにも取り入れられています。

▲約2時間で完成!

 でかい車体にでかい砲塔。他国の大戦末期の戦車のようなアンバランス感ではなく、このキングタイガーのスタイルは本当に均整が取れており美しさと力強さを兼ね備えていると思います。

▲手前からドイツのティーガーI、ソビエトのJS-2という超強力戦車を凌駕するボリューム。これがキングタイガーです
▲連合軍を代表するシャーマン戦車の中でも最強車両のひとつファイアフライ。キングタイガーやティーガーIを強力な17ポンド砲で苦しめます。ライバル車両の一つとして一緒にコレクションしましょう!
▲王は背中も威厳があるのです

 生産数は440輌あまりとけして多くはありません。それでも連合軍を震え上がらせたキングタイガー。その恐ろしさはプラモを組むとさらに理解できると思います。同時期の車両には見られない存在感。この戦車を作ってしまったら、ドイツ軍の戦車はなんてかっこいいんだ! と王の前にひれ伏すと思います。最強の戦車の威厳をぜひ1/48 ミリタリーミニチュアシリーズで体感してください。それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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「戦車の故郷」の ヴィンテージクラシックスで乾杯! エアフィックス Mark1 戦車

▲戦車に描かれたHMLSの文字はHis Majesty’s Landshipの略。「国王陛下の地上艇」なんですね! このキットはさまざまな種類がある菱形戦車のMark.1の雌になります。雌は機銃を装備したタイプ、雄は大砲です。大砲なんです

 模型の故郷・英国の老舗メーカー「エアフィックス」がお届けする名作劇場。それが「ヴィンテージクラシックス」です。箱は現在のフォーマットですが、箱を開ければタイムスリップができるプラモ界のタイムマシーンとも言えるシリーズです。

 そんな中には第一次世界大戦に登場した英国が産んだ世界初の菱形戦車もラインナップ! 戦車発祥の国・英国のエアフィックスが送り出していたプラモはどんなものだったのでしょうか? ワクワクドキドキ。

▲英国でかいアニキと並んでもこの大きさ!菱形戦車はまじでモンスターだよ
▲1/76スケールで完成すると手のひらサイズ。と言うかこの模型の塊感、やばいぞ……

 組んでびっくり! これまで微笑みをもって迎え入れていたヴィンテージクラシックスでしたが、「すんごいプラモに出会ってしまった」と感動。1967年にこの模型は誕生し、雌型の機銃パーツがついて2009年に発売。その時に現在のパッケージイラストを用いたものになり、さらに2019年にヴィンテージクラシックスに仲間入りしました。さすが自国の誇り。素晴らしいプラモをご堪能ください。

▲1967年の簡易ランナーのようなパーツと2009年に追加された雌型のランナーが共存。履帯はペロペロだぞ!大好き!
▲エアフィックスの説明書にある「?」は選択式ですよ〜の記号です。「どっち?」って感じですね
▲新規のパーツ。ヴィンテージキットの中にすっと入っているジェントル。流石に形状もリベットも綺麗〜
▲しかし! 1967年生まれのヴィンテージパーツもすごいぞ。各部のディテールもくっきり! 菱形戦車の特徴もバッチリ掴んでいます

ちょっと古い模型ってパーツの合いが悪かったり、接着面積が少なかったりしてきちんと固定するのが難しかったりしますよね。そんな時にすんごい力技で行ける接着剤がこのGSIクレオスの流し込み接着剤「Mr.セメントSP[スーパーパワー]」です。これがあればもう怖いもんなし! 速乾燥&強力な接着をお約束します。

▲俺にかかればヴィンテージもクラシックスも履きこなせるぜ〜。ワイルドだろ〜
▲ほら、接着面積が少ない天板もぴし〜だぜ〜。ワイルドだろ〜
▲ちょっと蓋の筆がばらけてるけど気にしない。ワイルドだろ〜
▲かっちり接着。まるでカットモデル。ワイルドだろ〜
▲反対側を同じように接着して完成! 超かっこいいじゃん

 簡単な箱組みの連続です。パタンパタンと合わせていくと圧倒今に菱形戦車が爆誕します。履帯はプラ用接着剤が効かない素材なので、熱したドライバーなどでやる「焼き止め」という工程が推奨されていますが、瞬間接着剤&硬化スプレーの力技で全く問題なしでした。

 何よりこの緑の成型色が最高なんです。それに履帯色のグレーが入るから、もう組み立てるだけで完成。ヴィンテージな刺身が味わえるんですよ。本当に楽しい1時間を過ごさせていただきました。ありがとうエアフィックス! 今日は最高の気分で英国のIPAで乾杯!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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シタデル VS ムシャガンダム! 1日30分、筆塗り1本勝負!!/兜塗りッ!!!!

▲シタデルカラーベーシックペイントセット2、これムシャガンダム塗れそう!

 お水を用意するだけで快適に筆塗りが楽しめる「シタデルカラー」。nippperでも紹介したベーシックペイントセット2を見て、これで「ムシャガンダム」を塗ったら楽しそう……。そしてキッズの頃塗り分けができなかったあの「BB戦士 17 ムシャガンダム」に今なら再挑戦できそう! そんな思いがふつふつと湧いてきました。そしてたまごんさんのレッドミラージュの記事に背中を押され、「よし! 今の俺ならできる!!」と筆とシタデルカラーを手に取りました。仕事が終わったちょっとした時間や、おうち時間の「30分」、ムシャガンダムと遊ぶことに決めたのでした。

▲ベーシックペイントセット2の中身はこちらの記事で確認できます
▲「いまの自分なら塗れる!」と背中を押してくれた、たまごんさんの記事。いいですよ〜
▲ベーシックペイントセット2から、黒(アバドンブラック)、赤(メフィストンレッド)、白(ホワイトスカー)、金(リトリビューターアーマー)。この4色があればほとんど塗り分けができそうです!

 即乾燥&準備は水だけ、お片付けもラクラクのシタデルカラーなら各部位の塗装を30分くらいずつで塗り分けていけそうです。

▲シタデルカラーの使い方はこの記事で完璧にマスターできます!
▲この少ない成型色が最高。本当にかっこいい。ムシャガンダム

 当時のBB戦士は色分けは少ないけど、鎧のモールドの凹凸もゆたかで、かっこよくて可愛さ抜群。サイズ感、表面の情報量の多さはとってもシタデルカラーの筆塗りとあっていると思います。細かい塗り分けがどうしてもでてきますが、シタデルカラーの隠蔽力の高さ、伸びの良さ、あとは僕たちが筆先からどれだけBB戦士に愛を注ぐかでクリアできると思います! やるぞ〜。

▲目はシールでいこう!
▲赤は鮮烈! 白はかなりグレー寄りの白
▲鎧を飾れる台座のパーツが本当に良いですよね!
▲BB戦士といえばのバネ! 兜を飛ばしたり、タネガシマライフルから弾出したりと、これだけで当時無限に遊んでいました
▲今日の30分は兜の塗り分けに挑戦だ!
▲シタデルカラーの定着をさらに強固な物にする「水性ホワイトサーフェイサー1000」を使うぜ!

 シタデルカラーの筆塗りをより快適にするならこのGSIクレオスの「水性サーフェイサー」をぜひとも準備して欲しいです。匂いもマイルドで、しかも水性なので安全性もラッカーのものに比べて高いです。ムシャガンダムは鮮やかな赤なので、「水性ホワイトサーフェイサー」を下地にすると、赤が濁らず発色します。

▲水性ホワイトサーフェイサー1000を吹いた状態。塗装準備完了
▲まずは兜の黒を塗ります。はみ出しなど気にせず、ざっと塗ってしまいましよう
▲ポイントは完全に乾燥したらもう一度塗る。それだけです。こちらは2回塗った状態

 この段階でガッチリ塗り込む必要はないです。2度塗りぐらいで留めておきましょう。このあと赤や白、金と塗り重ねていく上ではみ出したりした部分をリタッチするのでその分塗膜も厚くなっていきます。各色2度塗りくらいで一気に全体を塗ってしまうのがポイントです。

▲メフィストンレッドで赤い部分を塗装。赤が入ると一気にムシャガンダム感がでますね!

 シタデルカラーの隠蔽力があれば、黒のはみ出した部分も赤で隠蔽できます! それを見せたくて黒を先に塗ってみました。赤と黒の境界線部分もしっかりと赤が発色しています。この隠蔽力がムシャガンダムの筆塗り塗装に勇気を与えてくれます。

▲まだはみ出し部分を攻めきれてないですが、こう言う部分は最後のリタッチまで我慢して他の色を塗り進めちゃいましょう
▲ホワイトスカーで白部分を塗装

 「水性ホワイトサーフェイサー1000」が力を発揮してくれるポイントのひとつが「白」の塗装です。サフの白がこれから上塗りする白をしっかりとキャッチしてくれて発色させてくれます。

▲はみ出した黒がまだ少し透けていますがもう一度上から塗れば隠蔽できそうです
▲黄色い部分は「金」で塗ってみます。

 シタデルカラーを使用して塗装するウォーハンマーのミニチュアたちは、ムシャガンダムの兜のようにポイントで金や黄色の細かい塗り分けを平気で要求して来るものばかり。だからこそのシタデルカラー! このリトリビューターアーマーは色味もよく、伸びも良いので細かいディテール部分にも塗料が乗せやすいです。はみ出しも最小限でいけちゃいますよ

▲このくらいのはみ出しなら、上から赤を塗って塗りつぶせば問題なし!
▲兜の丸いモールドはちまちま塗り分け。こんな風にだいたいで大丈夫。きちんとリタッチできます
▲モールドに沿って金がはみ出た部分を黒で塗りつぶしていきます
▲各部をリタッチして基本塗装完了! いいかんじ!
▲今回使用した4色はベーシックペイントセット2に全て入ってるよ

 塗り始めたら楽しくて楽しくて心臓がバクバク。鼓動で筆もヨレるヨレる。単色だったパーツにどんどん色がついて兜になっていくこの体験は思わず時間を忘れてしまうほどですが、30分で基本塗装はすることができました。シタデルカラーの速乾燥という性能と、隠蔽力の高さがこの短時間でここまでの塗り分けを可能とさせてくれました。

▲次は筆ムラを落ち着かせたりするぞ!! 次回を待て!

 ムシャガンダムで遊んでいた小学生の頃にはできなかったことが今できるようになっている! この感覚が本当に今回の楽しかった最大要因でした。ありがとうシタデルカラー。ここからさらにかっこよく仕上げていこうと思います! それでは、次回を待て!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

ピットロード「ミニミニ作戦」始めます! 1/700 スケール でパンツァーフォー!!

▲え?1/700!? ちっちゃすぎない?

 さぁさぁ、ピットロードさんが胸キュンなサンプルをnippperに送ってくれました。なんと1/700スケールの戦車模型です。1/48、1/72、1/144なんてまだまだ大きいぜ! もういてもたってもいられずOPEN THE BOX

▲パーツが小さいのにひとめで俺はなんだかわかるぞ!これ、ランナーがドイツ軍の塊で最高!

 ティーガーI戦車(全長:11.9mm)×4 マーダーII対戦車自走砲(全長:9mm)×4 Sd.Kfz.7 8tハーフトラック(全長:9.5mm)×6 Sd.Kfz.251 中型装甲兵員車(全長:8.1mm)×6 Kfz.305 トラック(全長:9mm)×16 88mm Flak 37(展開時全長:11.1mm)×6(展開時か牽引時の選択式) 75mm PaK 40対戦車砲(展開時全長:6.4mm)×6(展開時か牽引時の選択式) 土嚢(大)、(小)×各6。どうだい……もうラインナップ書くだけで超大変だぜ。

▲できてる!Kfz.305 トラック
▲うわ〜〜Sd.Kfz.251 中型装甲兵員車! オープントップなのも分かりますね〜
▲どっからどうみてもティーガーI。グリルとか牽引ロープとかうまくディテールを拾っていて最高です
▲88mm砲!!

 ドイツ軍の超いけてる車輌や砲がワンランナーにビッシリ。しかも2枚入ってるんですよ。とは言えどうやって遊ぼう。小さなディスプレイケースに並べて愛でるのもいいけど〜〜……。

▲ん? サボテン
▲北アフリカ爆誕! 缶スプレーダークイエロー祭り!
▲俺のサボテンの鉢が賑やかになったぜ! 

 流石に1/700の軍用車両は小さいです。でもこのプラモは本当によく各車両の特徴を捉えているので、小さくても存在感があります。日常の物と絡ませて遊んだり、テクスチャー系のペイントで作った地面でお手軽に戦場を再現することもできます。まだまだスタートしたばかりのシリーズなので、ぜひこれからみんなで遊び方を考えていきたいですね! とにかくランナーをみた瞬間「ドイツ軍がうわ〜って迫ってくる感じ」は最高です! それでは!

フミテシ/nippper.com 副編集長

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【特集】「水性塗料でプラモが塗りたい!」増刊号/2021年2月のおまとめ便は「水性サーフェイサー」!!

▲2021年2月の主役は「水性サーフェイサー」でした!

 私フミテシは、ちびっこが生まれてから匂いが少ない「水性塗料」にコンバートして模型を楽しむようになりました。その中でいろんな方法を考えて、バンバン使って得た僕なりのノウハウをnippperで公開しているのが「水性塗料でプラモが塗りたい!」のコーナーです。2021年2月は4つの記事をお届けしました。2月はGSIクレオスから発売された「水性サーフェイサー1000」「水性ホワイトサーフェイサー1000」の性能を調べたくて、定番の使い方からちょっとアレンジした使い方まで色々試してみました。この水性サーフェイサーですが、匂いもマイルドですし、傷の発見から塗料の食いつきまでしっかりサポートしてくれるので、水性塗料で塗装をしている人はまさにマストバイ! これから水性塗料に乗り換えようかなと言う人にとってもマストバイ! と言えるものです。各記事のダイジェストを読んでからそれぞれの記事に飛んでください。

▲僕が購入したものは全く問題がなかったのですが、物によってはビンから漏れが発生する不具合が生じているものもあり回収されています。不具合がおさまり、市場にまた流通し始めたらぜひ真似してください
▲グレーに黒を混ぜればほぼブラックの黒サフが完成!
▲白サフと基本色の色を混ぜれば明度が高く彩度が低いサフが完成!明るい色を綺麗に発色させるのに便利なサフになります

 ビンタイプは「混色」という大きな可能性を秘めています。この水性サーフェイサーですが、水性ホビーカラーベースなので、水性ホビーカラーと混色してもしっかりと使用することができました。グレーサフに混ぜれば暗色系の下地に、白サフに混ぜれば明色系の下地にピッタリ!

▲水性塗料でも白の発色は難しいです。その理由と水性サーフェイサーの効果を掲載しています

 

▲表面を覆うようにグレーを吹きます。水性サーフェイサーはここからきゅっと縮まるような感じでカチッと乾きます
▲左が成型色のまま。右がサーフェイサーを吹いた物。これくらい差があれば、白を塗装した時の発色がとても確認しやすいと思います

 僕は普段はオキサイドレッドやブラックなどのサフをよく使うのですが、「ガンダムの白」だけはグレーサフを使用します。その理由が……

 白の成型色に白を塗ると、発色が確認しにくい!!

からです。また白だけは下地による陰影のメリハリをそこまで出したくなくて、綺麗にフラットに塗りたいということもあり、陰影のメリハリがあまり出ないグレーを選択します。発色が見えるようになるだけで、厚塗りは防げますし、狙ったところに塗料も乗せやすいです。

▲なんで白いサフがでているのか? それは使ってみると一目瞭然!
▲明るい色を塗るパーツに効果絶大

 キャラクターモデルの世界は兵器も色とりどり。ガンダムもトリコロールで青や赤、黄色と鮮やかです。このような色を塗装する時、「白いサフ」を下地に吹くと鮮やかで綺麗な発色を得ることができます。スケールモデルでは白サフはグラデーション塗装でのメリハリを強調するのに明るくしたいところにピンポイントで塗ったりしますが、白サフのメインの戦場といえばキャラクターモデルになると多います。どういった効果を得ることができるのか、ぜひリンクから確認してください。

 

▲水性ホワイトサーフェイサーが便利な理由って何? 他のメーカーの塗料を上から塗っても大丈夫?

 水性サフ、もちろん各社の水性アクリル塗料とのマッチングもバッチリです! この記事ではタミヤアクリルで筆塗りする際とシタデルカラーによる染め塗りにおいてビシッと色が食いつくか実験しました。もともとタミヤアクリルの定着力は高いので、サフのプライマー効果が加わりさらにマッチョに食いつきました。やったぜ!

 今まで塗装しにくいと思われてきた水性塗料。しかしその現状は、シタデルやファレホなど海外水性塗料が高性能であるという再発見と、それを受けたうえでの水性ホビーカラーのリニューアルという流れで局面が変わってきました。そこにさらに塗料が塗りやすくなる「水性サーフェイサー」がついに登場したのです。どんどん水性塗料における良い環境が整ってきています。あとは気になっている人は試すだけ! とも言える状況です。ぜひnippperの記事を読んでサクッとやってください。思いのほかよくできると思います。絶対に楽しい経験をお約束しますよ。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

花金だ!仕事帰りに買うプラモ。/激ヤバトラックアニキの詰め合わせをゲットしよう!!!

▲乗っていくかい?

 フミテシが独断と偏見で週末が楽しくなっちゃうプラモをご紹介する「花金プラモ」! いきなり目つきの悪いアニキが登場しましたね〜〜。今週は皆さんにソビエトのトラックアニキを楽しんでもらいましょう!!

▲タミヤ1/48MMにはソビエトの愉快な仲間が多数ラインナップされているよ
▲BA-64B。こいつもやばいキットだぜ!

 なんだか地味! と思ったそこのあなた。その通り! このトラックはなかなかに地味。アメリカ製の民間カーゴトラックを、ソビエト国内の自動車メーカーでライセンス生産したものなんです。キット化されている1941年型は大量生産を考慮し装備を最小限に! 「キャビンのドアなんていらね〜よ!布だ!布もってこい!カーテンでいいんだよ!」(ソビエトなのに〜〜〜???? 絶対寒いでしょ)。「フロントバンパー? ライトは1灯で十分でしょ。荷台は木!」というようにどんどん簡素化した結果がこれでございます。でも軍用っぽさがないデザインで、これ車として作ったら面白いじゃんと思って買ったんですね。そしたらどっこい。僕にとっての本体はトラックではなく「アニキ」達でした。

▲グリーンのランナーがトラック。グレーがアニキとアクセサリーのランナーです

 アニキ達にズームイン!!

▲やけに表情がいいし、シワもすごいぞ。こいつはトラックランナーにいるトラック野郎一番星。1/48MM界の星桃次郎(菅原文太)です
▲なんだかトリッキーな分割!このランナーが2枚入ってます

 作ったことのない模型の箱を開けるといつも発見が待ってます。まさかこのキットに3Dスキャン技術を使用して造形されたソビエト兵が入っているとは思いませんでした。箱を開けた瞬間「うわ!」ってなりましたもん。実際に人をスキャンしたデータを、原型師が高解像度のフィギュアとして送り出している「今のタミヤの戦車模型フィギュア」はまさにお宝パーツ。このフィギュアを車両に添えるだけで一気に模型がカッコよく見えます。それが5体も入っているんです。

▲これ1/48スケールのフィギュアですよ!
▲ちっさい!
▲大きくえぐられた肩から腕が〜
▲バチピタ!シワとシワがピタリ!腕も左膝にそうようにフィットしてポーズも自然になります
▲アニキ爆誕
▲パーツの合わせ目などもシワや服のデザインに落とし込まれるように設計されているので、パーツ形状がとってもユニークです。腕を伸ばした時にできる肩のシワや背中の衣服が前に引っ張られて密着している感じとか、本当にかっこいいんですよ

 上の写真をみてもらえば分かる通り、木に座っているアニキと地べたに座っているアニキはそれぞれ上半身と下半身が共通です。腕のパーツと表情が異なります。

 このアニキ達をトラックに乗せても良いのですが、nippperでご紹介したあれも、このかっこいいフィギュアでできるんですね!

▲最新キットT-34-85でタンクデサントごっこしようぜ!
▲タンクデサントができるフィギュアセットもあるのですが、今回のトラックについているフィギュアに比べると完成度が落ちます

 

 戦車に直のりして戦場を前進する「タンクデサント」。勇ましさMAXのかっちょよさ。それをかっこいいアニキ達で構成できるなんて! アニキ達を接着しなければトラックにも戦車にも自由自在に乗せることができますね。ソビエト 1.5トン カーゴトラック(1941年型)は1/48MMのソビエト戦車にとってまさに最高のアクセサリー!! ぜひゲットして、イケイケのトラックアニキ達をお迎えください! それでは!!!

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

“100番”目前!! 「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ」を楽しむなら、今でしょ!!

▲第二次世界大戦の車輌だけでなく、現用戦車も着々と立体化されてきてまっせ

 シャーシはダイキャストでしょ? その思考で止まっているあなたはもったいない! もう昨今のキットのほとんどがプラ製だよ! フィギュアも3Dスキャンを使用したバキバキのかっこいいプラモが入ってます! そして、次のアイテムで記念すべきシリーズ「100」!!! それがタミヤの超楽しい戦車模型「1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ」です!!!!(以下 1/48MM)

▲成型色もグレー一色ではないので、組んだだけでも十分楽しいぜ!

めでたいめでたい。そしてこれを機にぜひ「今のタミヤの戦車模型」で抜群に面白い「1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ」を組んで欲しいです! パーツの細分化・解像度を追いかけてより精巧な模型へと進化していこうとしている「1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ」とは異なる戦車模型の門が開かれています。僕は本当にこの1/48シリーズが大好きなので今日はとことん勝手にPRしちゃうぞ!

 ■「シャーシ」の話は卒業しようぜ!

▲ダイキャストでも瞬間接着剤を使えばなんともないんで、手を動かすか動かさないかの差でござるよ。殿。サーフェイサーまで吹かれているから飛脚のような速さで塗れるで候。見えないところはいつもこんなの感じなのがそれがしの模型じゃよ。殿

 ぜった〜〜〜〜〜いにタミヤ1/48MM作らない勢が言ってくる言葉No.1が「シャーシがダイキャスト」です。言われても沢尻エリカばりに「別に」と言って、1/48MM誕生期のキットには瞬間接着剤を使いましょう。nippperアニキは接着剤のパスポートを手に入れてますからね。そしてさらに最近のキットはこうなっています。

▲最新キットのT-34-85のシャーシ。プラ製で、重量感を足したい人は重りを入れられる設計になっています

1/48スケールの戦車は手のひらサイズ。そのサイズ感でも戦車の重量感を体感して欲しいということでダイキャストシャーシが採用されました。しかし昨今発売されたキットではプラ製に重りを入れるものに変わり、プラ用接着剤だけでも組み立てることができます。1/700の艦船模型のようなスタイルです。重りは好み。重りだけに僕はお守りとして入れてます。ずっしり感がいいんですよ。実際に手に持ってみないとわからない感覚ですが、そんな感覚を模型に宿せるのもいいじゃないですか。

▲手のひらに収まるのになんだかずっしり……これがいいんですよ

 ■「土日にさくっと組み上がる」には理由がある

▲見えなくなるところは作ってません! このチャーチルの上部履帯は車体で隠れます。この割り切りで組みやすさが抜群にアップ!
▲ブレンガンキャリアーの足回り。パーツを細かく分割するのではなく、一体成型できる部分は積極的にやってきます。ディテールも損なうことなく、組みやすさもあげることができるタミヤの知恵をバクバク味わえます

 1/48MMはサイズ感からもコレクションに最適! そしてそのコレクション性をさらに高めているのが「組み立てやすさ」です。やみくもにパーツを細かくするのではなく、ワンパーツの中に様々なディテールを詰め込み、成型しているのでその分手数少なく組むことができます。またランナーにおさまっている状態でみてもそのようなパーツはキャッチーで、作る前のワクワク感を増大させてくれます。特にここ最近の1/48MMの割り切り方は素晴らしいです。シリーズNo.94のチャーチルは感動の連続なので、ぜひ作ってみて欲しい1/48MMです。

■最新アイテムでバキバキのアニキとディテールを堪能だ!

1/48MMの登場は2003年。まだまだタミヤの中ではヤングなシリーズで、どのキットでもシャープな成型&カチッと合う組み味を楽しめます。小さな模型に解像度の高いモールドが施されているので、その凝縮感が僕たちの目を楽しませてくれます。そして先ほども言いましたが、その解像度はパーツを分けるのではなくワンパーツに彫り込んで表現されます。また1/35MMシリーズと並行してこちらの1/48MMでも3Dスキャン技術を応用したフィギュアがセットされています。中には1/35MMでも好評だったものを、1/48サイズでもかっこよく見えるように調整した上でサイズダウンしているものもあります。

また昨今の1/48MMフィギュアは、汎用性あるものをあえて外し、車両とセットで送り出されるものが多いです。歩兵セットのようなフィギュアセットもシリーズ開始のものばかりで最新版はありません。車両との一体感を考えた、誇張して言うならまさに専用ともいえる(もちろん同じ軍同士でコンバートはできますよ)一体感を生み出してきます。単体で見ると「このポーズなんだろう?」って思うものが車両と合体することで「うわ〜〜〜かっけ〜〜!」ってなりますよ。造形だけでなくどうすればさらに車両を引き立てる要素になるのか、はたまた車両を凌駕しフィギュアが主役にもなれるんだぞというコンセプトがみえるのが1/48MM戦車アニキの良いところだと思っています。

▲38(t)のドイツ戦車兵フィギュア。小さいのにこんなに表情もしっかりしています。染め塗りにもってこいの造形です
▲イギリス陸軍 7トン4輪装甲車 Mk.IVのアニキは絶品です。車両から身を乗り出している感じが最高で、このフィギュアだけで模型全体に躍動感が生まれています。戦場を駆けている感じがしますよね

■コンパクトサイズだから、同じ国、同じ色の車両を複数同時に作って遊べます!

▲自衛隊の最新車両コンビである16式(左)、10式(右)
▲第二次世界大戦を代表するソビエト戦車、T-34-85(手前)とJS-2(奥)
▲机の上に2両置いても大丈夫なサイズ感だよ

 サクサク組み上がる、サイズもコンパクト! なのでお仲間車両や同じ色のものは同時進行で作ることもできます。複雑な迷彩塗装が施された車両は少し時間がかかるかもしれませんが、上のソビエト戦車のようにロシアングリーン単色なら1日で基本塗装終わっちゃいます! 週末で2両一気に完成しちゃうなんてことも可能です。

▲元から成型色が緑だから組み立てるだけでも最高。2両一気にコレクションできたぜ!

■最新フォーマットで戦車模型をもっとコレクションしてみたいと言う思いを叶えてくれた「1/48MM」

 戦車模型を楽しむようになってから、1/35タミヤMMをわんさか作りました。そしてMMの古い時代のキットと同じ車輌を昨今の成型で発売している海外製キットも色々作ってきました。

 細分化されたパーツ、実車さながらのアクション機構など、まさに要素がてんこ盛りでひとつひとつのキットのウェイトがとっても重いものが増えてきたなと感じてきたんです。少し疲れたな〜と思っている時にふと目に入ったのがこの「1/48MM」でした。僕は超1/35主義者だったので、それまで全く見向きもしなかったのです。それこそ「ダイキャストでしょ?」「チープなのかな?」とか1/48ネガティブアニキの代表ともいえる性格の悪さでした。

▲1/48MMへの扉を開いてくれた最高のキット「ドイツ 8輪重装甲車 Sd.Kfz.232」

 初めて作ったのがドイツ軍の8輪装甲車。「戦車じゃない車両をさくっと組んでみたいな」と手にして、組んでみたらあれよあれよと形になる。しかも全然チープじゃない! 8輪装甲車はダイキャストシャーシじゃない!など僕のイメージしていた1/48MMは全てが嘘の塊でした。もうなんでこんなに面白い戦車模型を手にしてこなかったんだと後悔先に立たずアニキ。これをきっかけに1/35、1/48とスケール表記にこだわることなくいろんな戦車模型を手にできる自分を獲得することができました。

▲この鋳造表現のかっこよさ。手のひらサイズでも味わえます

 現在発売中の最新キット「T-34-85」がシリーズNo.99。第二次世界大戦を代表する車両を今のタミヤの成型精度で楽しめるのもこの1/48MMの魅力です。最新の「T-34-85」から作ってみても良いですし、かっこいいなぁ〜と思ったものから手にとっても良いと思います。どのキットもピチピチですから。戦車模型に対して凝り固まっていた自分が、1/48MMと出会えたことでさらに戦車模型って面白いな〜と思うことができるようになりました。ぜひシリーズNo.100を間も無く迎える「タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ」で戦車模型を楽しんでください。

▲シリーズ最新作「1/48 ソビエト中戦車 T-34-85」

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

水性塗料でもめっちゃ輝く「K.O.G.の金」塗れます!!/水性塗料でプラモが塗りたい!

▲水性塗料でこの金の輝きを手に入れることができるぞ!! (塗装/小澤京介)

 発売後も受注状況が爆発的に好調なボークス「IMS 1/100 ザ・ナイト・オブ・ゴールド =デルタ・ベルン 3007=」。nippperでも過去2回に渡ってレビューをお届けしました。そして今回は、ボークスが取り扱う水性塗料と「水性塗料でプラモが塗りたい!」のコーナーがタッグを組んで、「IMS 1/100 ザ・ナイト・オブ・ゴールド =デルタ・ベルン 3007=」の金色に挑戦します!。

 ボークスの店舗で売っている水性塗料の「金」からこれが行けそうじゃないか? という2本を選択してみました。混色無しの生搾りで設定で挑戦します! それでは行ってみましょう!

▲テストショットのランナーでディテールを中心に紹介しています
▲組み味やフレームと外装が組み上がった様子をお届けしています

 ボークスと水性塗料とは深い関係があります。それはボークスが世界で最も使用されている水性塗料のひとつ「ファレホ」の国内総代理店と言うことです。フミテシもファレホが大好き。スケールモデルからキャラクターモデルにまで幅広く使用できるラインナップ。シタデルカラーに匹敵する筆塗りのしやすさ。目薬のようなボトルによる取り回しの良さ。そして無臭。世界中で愛されるのも分かります。このファレホを中心にボークスの店舗では様々な水性塗料を扱っており、水性塗料による快適な塗装環境をお店からも提案しています。そのようなラインナップから今回選んだのが、

 ミッションモデルズペイント(以下MMP)、ファレホ、ファレホメタルカラーのゴールド系数種類を選択。それらの色味を比べた結果、外装をMMPのゴールド、フレームをファレホメタルカラーのゴールドで行こうと言う結果になりました!

 ファレホの塗装方法は私のブログ「フミテシ道楽」でビシッと解説していますので、下のリンク記事を参照してください。これでバッチリファレホで塗れます。

ファレホでガンプラを塗ろう!の巻

混色無しでF2ザクのグリーンに挑戦した話

 MMPは現在スケールモデル界隈、主に戦車模型で愛用している人が増えている海外の水性塗料です。少しだけ使用方法にコツがいるのですが、発色は抜群に良いです。nippper初登場となり、今回K.O.G.のメインカラーとして使用するMMPから見ていきましょう!

▲nippperで初登場のミッションモデルズペイント。左からゴールド、ポリウレタン添加剤、シンナー。ゴールドのボトルにエアブラシのマークがありますね。これはエアブラシで吹きやすい濃度にある程度薄められた状態になっていることを表しています
▲中に攪拌ボールがセットされています。使用前はしっかりと振って使用しましょう
▲有機溶剤が一切含まれないシンナー

 MMPのシンナーは、他社のシンナーのように「塗料1:シンナー1」のような配合では絶対に使用しないでください。MMPの塗料もファレホのようにボトルから1滴ずつ出すことができます。塗料5滴に対して1滴くらいで良いです。それで十分薄まります。

▲ポリウレタン添加剤!? なんですかそれは?

MMPの塗料の鍵を握る存在がこのポリウレタン添加剤です。MMPは使ってみた感じ、ファレホやシタデル、水性ホビーカラーよりも塗膜が弱いです。しかし昨今のトレンドを掴んだ、模型誌やSNSでみるようなカラーが混色なしで手に入れられる魅力があります。その塗膜を強固にしてくれるのがこのポリウレタン添加剤です。これを塗料にほんの1滴混ぜておくだけで塗膜が強固になります。

 このポリウレタン添加剤がない場合や、混ぜ方のコントロールがなんかうまくいかない場合に、MMPの塗膜を保護する超お手軽の1手がございます。それはnippperでも大活躍しているあのスプレーです。実は今回のK.O.G.にもオーバーコートしているんですね。

▲GSIクレオスの水性プレミアムトップコート 光沢です!

 この缶スプレーをMMPの塗料の上に塗ったところ、相性抜群で塗料もカッチカチ。ゴールドの輝きも損なわれることなく行けました。プレミアムトップコートの光沢はメーカーさんからも「ツルツルになるだけじゃなくて、めちゃくちゃ塗膜強くなるんでオススメですよ」と言われたくらいで、GSIクレオスも胸を張ってオススメする塗膜シールドを形成します。ラッカー塗料の上からでも使えますよ。

▲美しい金…爪を立てても剥がれません

 あまりにMMPのゴールドが綺麗すぎるので、フレームとの色の差異がわからないほどですが、関節はファレホのファレホメタルカラー ゴールドで塗装しています。

▲こちらが今回関節やフレームに使用したファレホメタルカラー ゴールド

 ファレホメタルカラーは、より輝きに拘ったメタリック塗料のスペシャルライン。薄めないでそのままエアブラシで吹きつける塗料になります! 

 混色なしで爆誕!! この金なら多くの人が満足できると思います!!! 塗装だけなら3日で完了しました。プレミアムトップコートは吹いた後しっかり1日乾燥させましょう。そうすれば金も剥がれることなく美しいK.O.G.を堪能できます。MMP、ファレホともエア圧は高めで吹くことをオススメします! またMMPはプラに直接吹くよりも、下地にシルバーを吹いてから塗った方が輝きがますのと、塗料の定着もよくなります。ぜひ今回の塗料であなたのK.O.G.をカッコよく仕上げてください! どちらの塗料もボークスの各店舗で取り扱っているので、スタッフの方にわからないことは直に聞いてみても良いと思います。それでは、K.O.G.製作楽しんでください!

 この「IMS 1/100 ザ・ナイト・オブ・ゴールド =デルタ・ベルン 3007=」は全国のボークス店舗、ホビー天国オンラインストアにて販売! 第3次生産分は3月21日(日)予約締切、4月3日(土)より順次お渡しとなります。今度こそ確実に入手したい方は是非予約を!

ボークスホビー天国オンラインストア 商品ページ

フミテシ/nippper.com 副編集長

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ホビージャパンエクストラ最新号で「創彩少女庭園」の美少女へアプローチしよう!!

 超絶可愛い女の子でも「普通」と言う枠におさめることができる神のモチーフ、「女子高生」。コトブキヤが提示した「普通の女の子プラモ」、それが「創彩少女庭園」だ。キズナアイをはじめとした魅力的なキャラクターを世に送り出しているイラストレーター・森倉円(もりくらえん)により描かれた女の子はすでに「普通」を通り越したバッケンレコード級のかわいさなのだが、それを高校生と言うモチーフに封じ込め、武器もアーマーも付けなければ「普通の女の子プラモ」になるのである。何だかどこかでみたことがある制服姿を纏ったかわいらしい女の子。どこにでもありそうな「普通」が樹脂化され、店頭に並んだと言うことを考えるとプラモにはまだまだ可能性があると感じられずにはいられない。

▲タイトルロゴの「e」にリボンがあしらわれたかわいさ

そんな「創彩少女庭園」を、現在第1弾の「結城 まどか【桃桜高校・冬服】」と「カフェテーブル」しか発売してない中でのスピードレビューを月刊ホビージャパンの姉妹誌「ホビージャパンエクストラ」が敢行!しかもキットをさらに楽しむことができる特製瞳デカールまで付属する。

 コトブキヤの完全新作女の子プラモシリーズとはどんな物なのかということを丁寧に解説。一体何が違うのか? どんな人たちがこの世界を提示しているのか? プラモの内容は? この1冊を読めば「創彩少女庭園」への疑問は一つ一つ解消されるだろう。

▲キャラクターの設定やプラモのバリューを見開きセットで提示
▲女の子のイラストを手がける森倉円氏、コトブキヤの亀山氏へのインタビューで創彩少女庭園誕生の裏側を知ることができる
▲髪のパーツ数がやばい! こう言ったことがひと目でわかるキットレビューがしっかりと掲載されている
▲キットの解説の後に、モデラーのnishi氏による超ポイントを押さえた模型作例が掲載される。キットレビューでプラモの特徴を掴んでから、作例記事を読むことができるので、攻略ポイントもすんなり入ってくる

 本書の前半の導入で第1弾「結城 まどか【桃桜高校・冬服】」のプラモの特徴と、創彩少女庭園とは何なのかがを把握することができる。そして、後半はより広い目で「コトブキヤの女の子プラモの中での創彩少女庭園とは何か」と言う視点と、「普通の女子高生のプラモ」なんだから思い切り遊ぼうぜという学園祭のようなお祭り騒ぎがあなたを待っている。

▲女の子プラモを牽引するコトブキヤの代表的な「FAガール」、「メガミデバイス」、そして新作「創彩少女庭園」のプラモの特徴を一気に読むことができるコーナー。女の子プラモのトレンドを一気に掴むことができる

▲「普通」はさまざまことに馴染むもの。それを象徴するかのようにひとつのキットが7変化して読者の前に現れる

新たなシリーズのプラモを読者に丁寧に知ってもらおうと言うのが送り手から見える1冊。そして多くの読者に「もっと遊ぼうぜ!」というフェス的提案もされ、さまざまな想像力を掻き立てる1冊でもある。メカでもファンタジーでもない普通の女の子のプラモを紐解くホビージャパンエクストラを読んで、ぜひこれから続々と現れるとってもかわいい「普通の女の子」を口説いていって欲しい。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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大好きなあの娘の「チャームポイント」を切り出したら艦船模型が銭湯の壁に見えた!

▲色々おかしい俺の海!

 本棚の上にはnippperで登場したり、これから登場するゲストがたくさん控えている。いや、最初は飾っていたんだ。しかし今はこんな有様だ。

 よくこの本棚の上の模型をみながらネタを考える。艦船模型の阿武隈が「絶対そんな置き方しないでしょ。雑じゃない?」って言ってくるんだが、ガン無視を決め込んでいた。だって船は長いんだもん。台の上に浮いていてくれていると助かるのだ。台の上?

▲船を持ちながら、う〜ん
▲3本煙突かわいいね〜〜
▲俺も飛び出したいぜ!カタパルトの向こう側へ!!!

 くるりんくるりん。艦船模型を回していると、自分がどこをよくみているか気がついた。船の顔とも言える艦橋、長良型の3本煙突、飛行機を搭載したカタパルトなど、この阿武隈のチャームポイントに目がいっていた。これ、チャームポイントだけ切り出すとどうなるんだろう?

▲スチャッ
▲どし〜〜〜。マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン

 金属のバラストはまさに氷山の一角。タイタニックの悲劇を思い出しながら俺はノコギリを動かす。無事バラストを避けてカットした。そしてその後、接着されていたバラストをフミテシフィンガーで掻き出した。これでどこでもカットできるぜ。

▲え?よくない?艦橋・艦首・マストという艦船模型のアイコンが凝縮されちゃったよ。カットした部分はプラ板で塞ぐよ

 俺がみていた部分だけになると、さらに阿武隈は可愛く見えた。熱視線のその先へいってしまったんだ。もうチャームポイントしかない。気絶だ。

▲メイクアップシャドウ!
▲しかしなんだか違う…もう一つ何かが必要だ
▲何か見えてきたぞ……

 

▲これだ!

 銭湯の富士山だ! 以前大和を作ったら軍港ができちゃったけど、今回のように他の艦船模型で自分がチャーミングだと思う部分を切り出しても景色が生まれんだ。木の台の大きさに合わせて切ればそれこそ良い背景になり、小さな軍港、もしくは戦場が爆誕!!

 ガンダムヘッドや鉄道模型の先頭車両など、アイコンとなる部分を商品として発売しているものものある。でもモチーフの萌えポイントって人それぞれ。今回のように、自分が好きだな〜って思うところを思い切ってカットしてみると、あなたの好みが凝縮した面白い景色ができるはず。1/700スケールの艦船模型なら、小さな枠に世界を凝縮させることもやりやすい。早速この方法で艦船模型ヴィネットにチャレンジしたくなったので。下の記事をみながら海を作ろうと思うぞ! それでは!!

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水性塗料でプラモが塗りたい!/小さなアニキも「水性白サフ」があればスイスイ塗れるぞ!

▲nippper激推しの1/48 タミヤミリタリーミニチュアシリーズ。もちろんフィギュアもちっちゃいのだ!

 より安全な水性塗料で多くの人がバンバン模型を塗って楽しめるように、水性塗料のノウハウを蓄積していく「水性塗料でプラモが塗りたい!」。今回は1/48スケールのような小さいフィギュアを筆塗りするときに「水性ホワイトサーフェイサー1000」がはちゃめちゃに役に立つお話をお届けします。一家に一本! ぜひお手元にお迎えしてください。

▲ちっさ!塗れんのか!?
▲ふふふ。私の出番ですよ。ごはんですよ

 水性サフ、もちろん各社の水性アクリル塗料とのマッチングもバッチリです!と言うことは、タミヤアクリルで筆塗りする際もビシッと色が食いつくようになるんですね。もともとタミヤアクリルは定着力はありますので、サフのプライマー効果が加わることでさらにマッチョに食いつきます。やったぜ!

▲筆がススム。ごはんがススムくん

 実際に水性サフの上からタミヤアクリルを塗ってみるとすごく滑らかに塗料が乗っていきます。塗料の食いつきも良く弾かれるようなことはありません。タミヤアクリルの利点の一つは、タミヤの模型のインストにある指定色をダイレクトに塗ることができるということ。タミヤアクリルに苦手意識がある人はぜひ水性サフの上から塗ってください。成功体験を掴めるはずです。色が塗りやすいとはみ出しなどのミスも少なくなるので、さらに筆塗りが楽しくなります。

▲nippperアニキの皆さんなら、フィギュア塗装に白が使えると何がお手軽になるかはもうご存知ですよね
▲染め塗りは最高!

 水性サフはシタデルカラーの定着にも問題なしです! ですので、白い部分にシタデルカラーのシェイドの「レイクランドフレッシュシェイド」を塗ってあげれば、爆速で肌が塗りあがります。しかも凹凸に勝手に塗料が乗るので、自然な陰影を描くことなくできるんです。まだやったことない人ぜひやってください! これで肌もきれいに塗ることができればもう完成です。

▲こんだけ塗られていれば、問題ないでしょう! 

 塗料を塗りやすくしてくれる。それがサーフェイサーのプライマー効果です。きれいなツルツルのプラ地はときに塗装の天敵。そこに一枚滑らかな水性サーフェイサー1000を纏わせるだけで、塗料の食いつきがこれまでよりも良くなります。筆がつっかかるような感覚も軽減されます。

 GSIクレオス以外の水性アクリル塗料(今回はタミヤアクリルとシタデルカラー)にも有効でしたので、これはぜひとも1本持っておいて損はないと思います。匂いもマイルドなので、使いやすいと思います。とは言っても換気はしっかりしてくださいね。それでは、またね〜。

フミテシ/nippper.com 副編集長

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模型自身/「タミヤ ベーシックツールセット」の魔法。

 模型を楽しんでいる人の数だけそれぞれの思いがある。そしてそれは僕にももちろんある。そんなことを話したい。僕の模型自身。

▲僕が初めて「プラモをプラモだと意識して」作ったのがBB戦士の烈光頑駄無。今”LEGEND BB”となって、また僕の目の前に

 小学校3年生の時、僕は8歳離れた兄からガンプラを買ってもらった。それが僕にとっての初めてのガンプラ「烈光頑駄無」。その時プラモと一緒に「これ、やるよ。」と四角い箱をもらった。そこにはツインスターが描かれ、ニッパー、ピンセット、カッター、棒ヤスリにドライバーと、その当時の僕にとっては「これで作りたいプラモが全部作れる」と思えるものが入っていた。まさに夢の箱だった。

 「タミヤ ベーシック ツールセット」。少年時代の僕の相棒。このセットがあったから、一度模型から離れてもまた戻ってくることができた。ツールセットにはそんな力があるんだ。

▲こんなに美しく工具がセットされている。蓋を開ける時、いつもワクワクドキドキしていた

 模型にのめり込んでいく人は、このセットにある工具からひとつずつ卒業していき、より高性能なものへとステップアップしていくだろう。そして模型から離れる人は、きっとおうちの片隅とか机の引き出しの中にこのセットをひっそりと置くだろう。僕は後者で、小学6年生でガンプラやミニ四駆から卒業した。ビートルズを聴き、オアシスを聴き、マイケル・ジョーダンやロベルト・バッジョに夢中になり、リーバイス501を古着屋で探しまくった。もう頭の中にはプラモデルは楽しみたい趣味じゃなく、「思い出」になっていた……。

 部活も引退した中学3年生の夏休み、高校受験の勉強を仲間と一緒にしている時だった。その時小学生の時に見たガンダムの話をして盛り上がったのだ。話題の中心は『Vガンダム』『Gガンダム』『Wガンダム』とTVで放送されたガンダムから始まり、劇場公開の『F91』やOVAの『機動戦士ガンダム0083』といったもの。俺たちは「0083」を『新SD戦国伝 地上最強編』の白龍頑駄無や青龍頑駄無で知り、むしろ本編を見ていない仲間もいたから、そのままレンタルビデオ屋で「0083」のVHSを借りてみんなで鑑賞したのだ。

 仲間と一緒に見たガンダムは猛烈に面白く、そのままガンプラを買いに行った。そして俺は「MG GP01 ゼフィランサス」を手にした。MG? 強いのか? なんだ? でもこれがどうみたって一番かっこいい。これに決めた。それを手にしている俺に、仲間が一言「それ作れるの? 道具は?」。その言葉が俺の脳内の思い出を蘇らせる。あの四角い箱……ニッパーやカッターが入っている箱が確か……あのツールセットはまだあるはずだ!

▲イラストの力は偉大だ。何がセットされているのか一目瞭然
▲恐る恐る刃を折った少年時代の思い出が蘇る。新しい刃になった時に一気に切れ味が戻る感覚が好きだった

 家の机の引き出しを開けると、ツールセットはそのまんま入っていた。少しだけニッパーは錆びていたけど、全然使えた。工具を買い足す必要はなく、俺はその日から「MG GP01」を作り始めることができた。久しぶりのガンプラ。箱を開けるとブルーバックにカッコよく撮影された写真が印刷されたカバーが顔を出し、それを外すとこれまで見たことがないような綺麗なパーツと、ワクワクする解説が書いてある説明書が出てくる。早速ニッパーを握りゲートをカット。あの頃の感覚が指先を翔ける。カッターナイフでゲート跡を処理するときの緊張感。そして形になっていくガンダム。コアファイターIIが変形してコアブロックになった時の感動は忘れられない。

▲ツールセットの意義。それはいつだって帰ってきていいんだよという優しさなのかも

 模型を始めた時にもらったツールたちが、また僕を模型趣味にノンストップで引き戻してくれた。ツールセットがあったからこそ、すんなりと戻ることができた。そんなタミヤの「ベーシックツールセット」を少年時代に手にできたのは幸せだったのだと改めて思う。これに接着剤やピンバイスといった何かを足すだけで、模型の世界で迷子になることはなくなるのだから。

 「工具無しで組むことができる模型が今はあるじゃないか」とか、そんな話は僕の中ではどうでも良い。世界のほとんどのプラモは工具が必要なのだから。工具があればいつだって様々な模型を始められるし、一旦離れても戻ってくることができる。それがツールが持つ魔法の力なんだ。

■タミヤ ベーシックツールセット

 模型作りや工作に欠かせない基本的な工具を集めたセット。ニッパー、平ヤスリ、ピンセット、カッターナイフ、そしてプラスドライバー、マイナスドライバーの6点をケースにセット。それぞれの工具がきちんと収まるように設計されている。プラ製のドライバーは2mm前後のビスなど小型のネジ類に適応。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

「車模型のエントリーグレード」!! メガハウス ヴァリアブルアクションキット 新世紀GPXサイバーフォーミュラ

▲パーツの差し替えでド派手なシルエットも楽しめるぜ!

 僕が少年の時に、手のひらにこのスーパーアスラーダを乗せることができたらどれだけ幸せだったろうか……もうお世辞抜きに最高の疾走感で、超かっこいいサイバーフォーミュラマシンをあなたの掌に乗せることができるプラモがあります。それが「1/43スケール メガハウス ヴァリアブルアクションキット 新世紀GPXサイバーフォーミュラ」シリーズ。

 僕はへそ曲がりなんで、メーカーの「半完成キット」という言葉に拒否反応を示してしまい、横目でチラチラみながらも手に取ることはありませんでした。そしたらメガハウス様から「新作出るからとにかく作ってください!」とサンプルが到着! 箱を開けてみたらびっくり。本当にごめんなさい。半完成と言う言葉を無くしてプラモって堂々と言っていいです!!! 俺はプラモが大好きだから、「完成品」と言う言葉はnot for me! さぁ、メガハウスのヴァリアブルキットでおもしろさレッドゾーンに突入しようぜ!!!

▲2021年にシリーズの第2陣として投入されるマシンたち

■バンダイチャンネルで第1話無料配信中!!「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」| バンダイチャンネル https://www.b-ch.com/titles/372/

 F1を遥かに凌ぐスピードと性能、そしてAIによるサポート等最先端テクノロジーを取り込んだマシンで競う、次世代のモータースポーツ「サイバーフォーミュラ」。主人公・風見ハヤトがひょんなことからアスラーダのドライバーに。その運命的な出会いでサイバーフォーミュラレースに参戦することになった新米ドライバー・ハヤトを支えるチームメイト、ライバルとの人間関係、そしてレーサーたちの葛藤が観るものを熱くする! フミテシは勝てない男たちの背中にいつも涙。勝者だけがヒーローじゃない。チームメイトへの思い、ライバルへの執着心、ドライバーとマシンが一体となってレースを駆け抜ける興奮を全37話で味わえる傑作アニメなので、マジで観てみて!OP、EDの歌と絵もかっこいいのよ〜。

 このプラモ、組み立て時間はマジで15分。サイバーフォーミュラを観ていたら1話Aパート部分でひとつ完成します。やばいっす。しかも刺身でこの完成度ですよ!

▲15分でスーパーアスラーダ01 エアロモードが……爆誕! メカニックいらず!! グランプリ優勝間違い無し
▲はちゃめちゃにしっかりしたプラモ!パーツ精度、プラの質感、成型色の美しさ。国内トップレベルです
▲こんなに透けない最高の白を味わえます! 光沢スプレー吹くだけで問題なし!
▲メカや内部パーツのメタリック色のセンスが抜群。ガンメタルとかではなくメタリックグレーを採用
▲このキットの半完成品と言う言葉はこのシャシーからきているんですね。他のキットもシャシーは全て組み上がっています。水平もしっかりと取れているのでガタガタしません
▲白のパーツと共にこのキットの大トロがクリアーパーツ。美しすぎてびっくりしますよ!
▲スーパーアスラーダ01[エアロモード]はブーストポッドUPをパーツの差し替えで選択できます。このように他のマシンも2形態楽しめるキット仕様になっています
▲細部のカラーやマーキングは付属のシールで。少しだけ透けますが、全然許容範囲! 僕的にはクリアーパーツがすんごい綺麗なので、ライトのシールなどはあえて貼らないようにしました
▲乾燥フミテシフィンガーでもこんな具合でパーツを外せます。こんなにアップにして見ることはほとんどないと思いますので問題ないでしょう
▲でも私はビビリなので、クリアーパーツなど綺麗さ重視で組み立てたいパーツはニッパーを使用しました
▲もうこの時点でレッドゾーン。クリアーパーツの輝度がやばい
▲シャシーにボディのパーツがスルスルと組み合わさっていきます。なんでこんなに精度が良いの?ってびっくりしますよ
▲シールを貼ってブーストポッドUP! うわ〜〜全種欲しい!!!!
▲すんごい綺麗に成型されたパーツ形状と、透けない綺麗な成型色、そしてクリアーパーツの美しさ。掌にこのレベルのものを15分でエントリーできる体感はそうそうないと思います

 「なぜ勝てない……」。見ている俺もそう思うほどの天才レーサー・新条直輝の愛馬「ファイアースペリオンG.T.R」。ノルウェーグランプリで初投入され予選でもかっちょいい演出がされるも、そのレースで初参戦した14歳の天才ドライバー「カール・リヒター・フォン・ランドル」に決勝で敗北。見ている俺も悔しくなるそのほろ苦デビューとなったマシン。そしてその後もスランプで苦しむ新条とともに沼にはまったりしてニューマシンの性能をみせられないのか……と心配しちゃいますが、終盤にむけてファイアースペリオンG.T.R.はばっちり見せ場を作ってくれるのでご安心を!

▲ブーストモードの名称は「フェニックスウィング」。まさに不死鳥のように何度も立ち上がる新条にぴったりの痺れる名称だぜ
▲赤と白のマシン……やっぱりレースマシンでこの色の組み合わせは最高
▲ボディがボンッとでかいパーツで成型されているだけでなく、注目して欲しいのがこの「赤」の成型色の美しさ

 アフリカGPから登場する新生アオイZIPチームのイケイケなマシン「アオイステルスジャガーZ7」。ドライバーのブリード加賀っていうアニキが最高にかっこいいのよ! 風見ハヤトとコンビを組んで参戦したクラッシュレースでは、「ドライバーとしての勇気や闘争心、諦めない気持ち」などアニキ的な存在でハヤトを導きます。こんなアニキ、嫌いになる人いないでしょ……。そんな加賀がグランプリ参戦する展開&新条の追い詰められっぷりはサイバーフォーミュラの名シーンなんでぜひ見てね。なんでファイアースペリオンG.T.RとアオイステルスジャガーZ7が一緒に発売されるのかもすぐ分かります。

▲見るからにヤンチャなマシン
▲ド派手な成型色が目に刺さります。ブリード加賀ばりに眩しいぜ
▲間も無く完成しているパーツ。曲面もすごく綺麗に成型されています
▲ブーストモード時に露出するメカパーツのディテールがかっこいいぜ
▲シールを貼って完成!

 1/43スケール 車模型のエントリーグレードともいえる傑作プラモ。各マシンの特徴をしっかりと把握したパーツ分割で組み上がり後の満足感もすごいです。そしてプラモですから、好きなように塗装したり、シャープにしたいところは自分でばんばん手を入れられます。ぜひ1個買ってみて、組んでください。あなたの机の上にずっと飾っておきたくなること間違いなし。15分でおもしろさレッドゾーンへ駆け抜けることができるメガハウスの「ヴァリアブルアクションキット 新世紀GPXサイバーフォーミュラ」をぜひ楽しんでください。

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)