
世界一組みやすい飛行機模型「タミヤ 1/72 スピットファイア」。以前「花金プラモ」のコーナーでご紹介した「Mk.I」の他に「Mk.V」というバリエーションがラインナップされています。マークファイブと聞くとびくっとなるセンチネル世代のガンプラアニキにもオススメの飛行機模型ですよ。なんと言ってもワンパッケージで「2タイプ選べる、翼の形状も選べる、フィルターの形状も選べる、カラーリングも選べる」とめちゃくちゃスピットファイアを楽しめるプラモなんです。そして価格も爆安なのだ!!


キット名の「Mk.Vb/Mk.Vb TROP.」。2タイプ選んで組み立てられることを意味します。Mk.Vは約6500機が生産され、その数はスピットファイアのバリエーションの中では最大数を誇りました。このMk.Vが部隊に配備されたのは、ドイツ軍と英国上空で激しい戦いを繰り広げた「バトルオブブリテン」がひと段落した1941年ごろ。戦場はヨーロッパだけでなく、北アフリカ・地中海と、ヨーロッパとは自然環境が全く異なる場所でも絶えず激戦が繰り広げられます。スピットファイアはさらに強化され、さらに砂漠仕様ともいえる姿にも改修されました。

Mk.Vbが登場する1941年。その8月15日からイギリス空軍戦闘機の標準塗装が「機体上面/ダークグリーンとオーシャングレイの2色迷彩、機体下面/ミディアムシーグレイ」に変更されます。そして北アフリカや地中海方面で戦ったMk.Vb TROPは、砂漠という環境に合わせて「機体上面/ダークアースとミドルストーンの2色迷彩、機体下面/ブルー系」で塗装されました。このキットでカラーリングも異なる仕様が作れるので、複数買って楽しめますよ!
今回は形状も大きく変わるMk.V TROPをフィーチャーします。

砂塵からエンジン守る……砂漠における超重要課題で各国様々なフィルターを見ることができます。砂漠仕様の機体のアイコンともなり、模型を作っていても楽しい部分です。ドイツのBf109にはドムトローペンの足についているものがほぼまんまついてるので探してみてね! それはさておき、スピットファイアMk.Vbには主に2種類の防塵フィルターがあります。英国で作って持って行ったやつと、現地改修されたタイプの2種です。キットはこのどちらもがセットされているサービス満点キット。


戦いとはイメージとリアルのすり合わせ。この防塵フィルターがそれを物語っています。ボークス防塵フィルターは英国製。フィルター効果を発揮することができたのですが、この顎のような形状により空気抵抗が大きく速度の低下を招きました。そこで現地、エジプトのアブキールに駐屯していた第103整備廠が独自に空気抵抗の少ない小型エアフィルターを開発して取り付けます。それがアブキール防塵フィルターです。現地改修という響きは僕らのハートをガッチリキャッチしてくれますよね。

主翼に20mm機関砲2門が搭載され、7.7mm機銃も4丁装備された姿がMk.Vbと呼ばれます。キットの主翼には特徴的な20mm機関砲が翼と一緒に成型されています。また「低空での運動性能を高めるため」に翼端を短く切り落としたタイプと、スピットファイアの美しいシルエットの特徴である楕円形の翼端を選択できます。









タミヤの1/72スピットファイアは本当に多くの人に組んでもらいたい名キットです。30分あれば机の上に爆誕してしまうほどの組みやすさ! だからこそワンパッケージで様々な仕様が作れるこのMk.Vbのキットを複数買ってもなんらめんどくさいところはありません! 実際僕も2機目、マークIを合わせたら3機目なのですが、全く嫌にならないし、むしろ「あ〜、最高に飛行機模型って楽しいな〜」と思わせてくれます。刺身で食べてもオススメなので、ぜひ作ってみてください! 俺は合わせ目を消して筆塗りするぜ!(接着剤をモリッとさせているのはそのためよ)それでは、またね〜。