模型自身/誰でもきれいにパーツを接着できる「流し込み接着剤」が開いたプラモの世界。

 模型を楽しんでいる人の数だけそれぞれの思いがある。そしてそれは僕にももちろんある。そんなことを話したい。僕の模型自身。

▲多くの模型量販店で購入することができるメジャーな「流し込み接着剤」4種!

 接着剤不要のスナップフィットのガンプラやキャラクターモデルのプラモばかり作っていた頃には、本当にこの接着剤の存在を知りませんでした。「流し込み接着剤」。

 模型誌で見る戦車も飛行機も艦船模型も車模型も、みんなピシッと綺麗に接着されていて、「パーツを接着します」のひと文だけで終わることに「この人たちはすごい接着がうまいんだな!」と何も知らない僕は本気で思っていました。

 しかしそれは今思えばなんてことない「流し込み接着剤」を使い慣れているということだけだったのです。薄い金属でできたエッチングパーツを瞬間接着剤で綺麗に貼るのは大変だけど、プラスチックのパーツを「流し込み接着剤」で貼ることは、多くの人が楽しくかつ綺麗にできることだと思います。僕自身、この「流し込み接着剤」を手にしただけで、スナップフィットの模型から解き放たれました。そして接着剤を使うことへの恐怖も無くなり、数多くのプラモを楽しめることができる様になったのです。

▲艦船模型「響」を作った時に初めて「流し込み接着剤」を使いました。あの時の魔法の様にパーツがくっついた体験が、今も僕を模型と繋がらせてくれています
▲タミヤの流し込み接着剤2種。左が昔からある定番の流し込み接着剤。右が速乾タイプ
▲GSIクレオスの流し込み接着剤。右が通常タイプで左が速乾&強力接着タイプ

 流し込み接着剤は「パーツとパーツが合わさった隙間」に、蓋についている筆をチョンと置くと接着剤が流れ込んでいきます。難しい動作は必要なく「合わせ目に筆を置くだけ」です。これだけで模型のパーツが接着され、組み上がっていきます。

▲僕が初めて出会った「タミヤセメント(流し込みタイプ)」。この接着剤のこんなに細い筆が模型を扉をこじ開けて、さらに僕をプラモの世界に接着してくれました
▲潜水艦の艦底部。こんなに長い距離の接着面も流し込み接着剤なら一撃だね!
▲パーツをしっかり合わせて、合わせ目に筆先をチョンと置く、もしくは合わせ目に沿ってさっと塗る様にします。これだけで接着剤がパーツの隙間に流れ込みます
▲これで接着は完了。接着剤の跡も目立たない。接着剤でパーツをべたべたにしちゃったあの時の自分にプレゼントしたい接着剤です
▲GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】の速乾性に驚いた

 次に出会ったGSIクレオスの「Mr.セメントS【流し込みタイプ】」は僕の大好きなモデラー、Takumi明春氏がモデルグラフィックスのHow toで使用しており、「こんなに艦船模型がうまい人が使っているなら俺も使ってみるか!」と思い手に取りました。筆は太めでしっかりと接着剤が流れます。

 このMr.セメントS【流し込みタイプ】最大の特徴は「速乾性」にありました。艦船模型の塗ったパーツを接着した時に、速乾なので塗料が溶け出す前にパーツが接着された時は驚きました。この接着剤と出会ってから「塗装後のパーツの接着」が怖くなくなったのです。

▲流し込み接着剤の革命児

 GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】を愛用していた自分の前に現れたのが「タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾」。タミヤならではの細い筆で、ピンポイントで接着部分を攻めることができる速乾性の流し込み接着剤は1度使っただけで心を奪われました。実はタミヤの使い切った流し込み接着剤の容器に、GSIクレオスのMr.セメントS【流し込みタイプ】を入れて自前の「細筆Mr.セメントS【流し込みタイプ】」を使っていた自分には本当に嬉しい接着剤でした。また隙間にしっかり流れ込んでから乾燥する絶妙な速乾時間も素晴らしいです。

▲力こそ正義!流し込み接着剤No.1の接着力!!

 工具・マテリアルはメーカーの切磋琢磨の連続。タミヤの速乾に続き、GSIクレオスは元々速乾だった「Mr.セメントS【流し込みタイプ】」に”パワー”を追加。接着面積が少ないものや、小さいパーツの接着にさらなる威力を発揮! 流し込み接着剤の中でも1番の力持ちです。

 流し込み接着剤だけでも模型を完成させることはできます。でも流し込み接着剤の特徴を知った上で、一番定番ともいえるプラスチックモデル専用接着剤「タミヤの白蓋」ことタミヤセメントも併用すると、もうあなたに怖いものは無し! です。

▲定番。模型接着剤界のレジェンド
乾燥時間もゆっくりで、粘度が高いので機銃の様に小さくて、位置を調整しながら貼りたいパーツにはぴったりなんです
▲あとはパーツの所定位置に貼るだけ。硬化前にグニグニ動かして位置や角度を調整できます
▲接着剤の使い分けできれいに「アオシマ 1/700 伊19」を組み立てることができました

 プラモが接着剤と分かれていくと僕たちも接着剤との距離が開いていく。世界中にある模型の多くとは接着剤があるだけでお友達にもなれますし、なんならスナップフィットの模型でも接着剤を多用してみんな楽しんでいますよね。このような流し込み接着剤のように「使いやすくて快適な接着剤」は世の中にたくさん登場しています。もうあなたの手がべたべたになったり、パーツがぐちゃぐちゃになったりする可能性は限りなく低くなっており、きれいに模型を楽しむことができます。僕がかつて味わった「え? くっついた!」と言う感動をぜひ1人でも多くの人と共感して模型を楽しみたい……流し込み接着剤でたくさんの人の「模型が楽しい!」と言う思いをどんどんくっつけていきたいですね。

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フミテシ

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。