大きな箱に戸惑いながら、勢いで1/35 P.K.H.103 ナッツロッカー “ヴァルトガイスト”を買った。といっても「買うかもしれない」なんて思いながら家を出たので、ちゃっかり大きなバッグを持っていっていたのだけど。
「マシーネンのプラモデルはグレー以外の成型色のものがほとんど」なんて話を事前に仕入れていたので、何色かが楽しみだった。グリーンかベージュかな……なんて予想を立てていたけども、箱を開けたら真っ黒! 完全に予想外だったのでびっくりしたし、袋から取り出してよく見るとキラキラしている。とてもきれいだ。
それにしても車体のパーツがお面みたいで、顔がまるまる隠れるほどの大きさ。砲塔も大きくて、パーツを見るだけでも全体のアウトラインがわかる。
大きなパーツと比べると更に小さく見えてくる細かなパーツ。これを延々と切って貼ってを繰り返すのだけど、思ったよりも楽しい。特に大変そうに見えたボルトナットのパーツも意外と簡単に貼れた。
ナッツロッカーの魅力は切って貼る作業の楽しさだと思う。無心で色々な形をしたパーツを大きな車体に取り付けていく。そうすると、気づいたときにはなんだか密度のある塊が目の前にできていて、これが楽しい。一通り楽しんだあとに、砲塔のアンテナやレーザー砲を組み立てて、メカっぽいものを作る時間が待っているのだけど、このギャップが刺激的で、完成まで走り切るモチベーションがずっと維持されている感じだった。
完成を喜んで手にとって全体を眺めて、写真に撮ろうとする。手に持ったデジカメを見て、あることに気づく。カメラと似たような形をしている。試しにカメラを持つように構えてみると完全にカメラだ。未来のカメラ。
これは自分で作って手元に完成品が存在しないとわからない発見だなと思った。それに、成型色が黒いからこその発見なのではないか。自分だけの発見を何度も確認するようにレンズのピントを合わせるような仕草で砲塔をぐるぐる回すのは楽しかった。
そうそう、砲塔を車体に取り付けるときに、一瞬「ウッ」となった。思ったよりもはめ合わせがキツく、無理やりねじ込んだから抜けにくくなってしまったからだ。なんとか抜いて、穴をヤスリで削って大きくする。これで無事に組み立てられたので、どこかのタイミングで問題ないか確認してみるといいと思う。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。