プラモ塗装の難関、「曲線マスキング」に効くふたつのテクを会得した話。

 タミヤのでっかいF1シリーズのなかでも鮮やかなホワイトとイエローのカラーリングで「マシンのことは知らないけれど。いつか作りたい!」と思っていたマシン、ルノーRE-20です。このたびは再販おめでとうございますそしてありがとうという気持ち。

 さて、なぜ今まで「作りたい!」からの「すぐ作ろう!」にならなかったのかというと、いちばん大きなボディパーツに大胆な塗り分け指示があるから。上の写真で見える「うっすら入ったスジ彫り」を手がかりにして、曲面に対して曲線が走る塗り分けを何らかの方法で攻略する必要があります。パイセンたちのいろんな製作記を読んでみましたが、誰も具体的な方法を書いていないのでずっと悩んでた。でもやるっきゃない。やってみよう。

 ここに至るまでいろんな方法を試してみましたが、ラクして簡単な方法は思いつかず。なかば諦め気味に「これはどうかな?」と2mm幅のマスキングテープを取り出しました。マスキングテープは幅広いものだとまっすぐにしか貼れませんが、細いものはカーブに馴染ませながら貼れることが知られています。

 ピンセットで位置決めしながらマスキングテープを少しずつ曲げていくと、緩やかなカーブからギュッと回り込んでいく放物線状の塗り分けラインが完成。案外素直に曲がってくれるし、しっかり押し付けながら貼っていけばマスキングテープがズレてしまうこともありません。案外イケます。より細い幅1mmのマスキングテープならもっとしなやかだと思いますが、「粘着面が狭くなるので定着力が低い」「コシがないので緩やかな曲線をマスクしようとするとうねうね曲がりやすい」という弱点があるので注意!

 半径2〜3mmくらいの小さいコーナーはさすがにテープを曲げながら貼るのが難しいのでマスキングゾルを使います。これは木工用ボンドに似た素材で、最初はゾル(トロトロの液体)なのですが、乾燥すると硬いビニールのようになります。上から塗装してもきれいに剥がすことができるので、自由な形に塗ったりカットすることのできる「液体マスキングテープ」のように使えます。

 今回は筆にマスキングゾルを含ませ、ポテっとパーツの表面に載せて表面張力を利用しながら求めるカーブになるよう塗りました。スジ彫りが入っていればわりとうまく塗ることができるので、ピンポイントで使うのに最適!

▲細いマスキングテープとマスキングゾルの複合技で塗り分けサーキットを一周!

 さらに不要な箇所は10mm幅のマスキングテープを小さめにカットしてからちまちま貼り込んでいき、ボディサイドの白く残したい部分も太めのマスキングテープで覆ってしまいます。最初に貼った2mmの細いマスキングテープに半分乗り上げるようにして補強する「ガード貼り」によって位置ズレもなくなるので安心!

 黄色の色味を決めていきます。模型用塗料のなかでもトップクラスの隠蔽力を持ち、赤みの少ないMr.カラーのキアライエローをベースにし、混じりけなしの赤みを足せる「色の源 マゼンタ」を1滴ずつ加えながらテストピースに吹き付けて色の調子を見ます。色合わせ。黄色いボディパーツは過去に再販されたRE-20のもの。今回は白いボディパーツが入っていますので、昔のパーツと同じ黄色を目指して調色しました。

 ついに白いボディに黄色を吹き付け。手前が旧版の黄色いプラスチックで作られたボディパーツで、奥が今回再販された白いボディパーツを黄色く塗ったものです。すごく似てくれたので、この時点でそうとう嬉しい!

 ドキドキしながらマスキングテープを剥がす瞬間。ビシッと狙い通りの塗り分けができました。この塗り分けをどうすればできるかずっと思い悩んで早幾年、ついに大きな宿題を片付けることができました。振り返ってみればありきたりなマテリアルを普通に(そして面倒くさがらずに)使っただけだったのですが、この思い切りがとっても大事だったということでしょう。プラモはいつだって「適材適所」と「思い切って手を動かすこと」が超大事。みなさんも細いマスキングテープとマスキングゾルを駆使して憧れのマシンを塗り分けてください。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。