タミヤのビッグスケールF1プラモをそうめんのように食べる夏が来た/お色直しの「ルノー RE-20」!

 広大なパーツの海は巨大なプラモの極楽浄土! タミヤからひさびさの再販となった(いま店頭に並んでいる)1/12のF1マシン、ルノーRE-20 ターボを手に入れました。完成時の全長40cm弱というサイズは「figmaをはじめとした可動フィギュアがそのまんま乗れるほど大きい」と喩えたほうが現在では通りが良さそう。初版は81年とありますが、そのワクワクする内容はいまも変わらぬ輝きを放っています。このキット、ほんとうに大好きです。

 でっかいのはいいことです。コクピットのパーツをふたつパカッと合わせただけで大胆に、シャープで立体感あふれる造形がムワッと色気を伴いながら眼前に現れます。そして各部がとても薄く見えますね。パーツのフチが同じ0.5mmの厚みでも、1/20スケールと1/12スケールではずいぶん意味が違います。そこに入れられたリベットや段差も、スケールが大きくなればなるほど「実物のシャープさ」に近づくのが醍醐味。

 だからと言って、ただパーツがヌボっと大きいだけではありません。ブレーキディスクをクローズアップすると肉眼では見えないような同心円状の溝が切られているのがわかります。小さいスケールのプラモでは表現できないことも、同じ形のパーツにこうして刻み込むことができるのが大スケールモデルのアドバンテージなのです。ほら、組んでみたくなってきたでしょ。

 ボディのアンダーパネルの巨大なこと!走行中車体下面に入り込んだ空気はこの翼断面に沿って流れ、高速で走るマシンを地面に吸い付けるのです。しかも左右には可変式のスカートが装備されるという現代ではまずありえないギミックも再現されます。

 さて、ここでベテランモデラーはお気づきですね。「このプラモ、いままで何度も再販されてきたけどボディパーツは黄色じゃなかった?」と……。

 そう、今回のRE-20再販にあたって、パッケージの中で起きている最大の変化はボディが白いプラスチックで成形されていること!上の写真で後ろに写っているのは旧版の黄色いパーツ。「白と黄色のツートンに黒いアクセントカラー」というRE-20のデザインをプラモで表現するにあたり、これまでは「黄色いパーツに白を塗ってね!」というメーカーの考えがあったわけです。

 たしかに黄色いとパッケージを開けたときに「わ、ルノーだ!」と思える人が多いでしょう。

▲今回のパッケージは昨年刷新されたルノーのタイプフェイス(欧文ロゴ)が左上に入っています

 プラモに白を塗ったことがある人ならわかると思うんですが、黄色に白を塗装するのはなかなか難しい。そこでタミヤは今回「ぶっちゃけ、白いパーツに黄色の塗料を塗ったほうが作業がスムーズになるんでない?」という提案をしているわけです。

 コクピット周辺に配された塗り分けラインは曲線的でややマスキングが難しそうですが、うっすらとスジ彫りが入れられているので薄く下地の透ける高級なマスキングテープとよく切れるデザインナイフを使えばなんとか乗りこなせそうだと思えるようになりました(オトナだ!)。

 しかもですね、なんならボディのアッパーカウル以外は全部黄色の塗装指定ですから、旧版と新版をニコイチすればプラスチックの色をそのまま活かして塗装を大幅にスキップした「自前でマルチカラーキット!」なんて遊びもできてしまいます(オトナすぎる!)。ほら、買ったまま組まずに置いてあって、デカールがもう黄色くなっているあなたのストック、いまこそ出動のときですよ!

 ボディの白以外は鏡面とマットのシルバーメッキ2色、そして黒。さらにはギラッと光るエッチングパーツや布製のシートベルトも同梱されています。これだけ大きいモデルなので、こまかな塗り分け以外は組むだけでもかなり実感溢れるカラー再現がされると言っても過言ではありません。

 完成すればエンジンはほとんど見えなくなりますから、カタチを楽しみ、カウルをどうにかクリアして、ババンとデカールを貼るだけでも随分見栄えのする作品ができあがるはずです。どうですか。なんかイケそうな気がしませんか。オレはいま、史上最高にイケそうな気がしています。

 オレがこのキットでいちばん好きなパーツはこれ。大小の歯車に巻き付いたコグベルトが一体になっているのがキュートじゃありませんか。この他にも見どころはいっぱい。眺めて、組んで、「おおデカいエンジンだな!」とワクワクしながら、この夏のビッグな体験をしちゃいましょう。

 プラモはデカいからちゃんと作らなければいけないとか、小さいから手を抜いてもいいとか、そんな決まりはありません。大きいからこそ、大胆に、おおらかに組み立てることも許してくれるのがビッグスケールモデルの懐の深さ。さあ、オレは今度こそ組むことにしました。あなたも組みましょう。そんじゃまた。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。