
週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はハセガワの「1/48 艦上攻撃機 天山一二型」をご紹介します! 力強い機首に、細かな機器が詰まったコクピット。パーツを眺めているだけでもうれしくなりますが、作ってみると、翼や脚の取り付け方にも気の利いた工夫があるんです。

日本海軍の空母から飛び立った飛行機といえば、真珠湾攻撃にも参加した零戦、九七式艦上攻撃機、九九式艦上爆撃機が思い浮かびます。そのうち、魚雷や爆弾を搭載する九七式艦上攻撃機の後継として開発されたのが「天山」。名前は知っていても、どんな姿をしているのか、細かなところまでは知らない。そんな人にも、ぜひパーツを手に取ってみてほしいプラモです。

まず見てほしいのが、エンジンを覆うカウルのパーツ。丸みのある表面に、パネルの境目や細かな鋲の表現がびっしりと入っています。曲面に光が当たると、それらが浮かび上がってとってもかっこいい!


翼にも丸い点検口や細かなラインが刻まれていて、大きな面を眺める楽しさがあります。細い線とくっきりした境目のメリハリが、飛行機の存在感につながっているんですね。また本キットは、翼の展開状態と折り畳んだ状態を選択して作ることができるので、このような分割になっています。

そして、思わず見入ってしまったのがコクピットの側壁です。この写真に写っている機器や配管、骨組みのようなディテールは、細かなパーツをひとつずつ接着したものではありません。最初からひとつのパーツに成型されています。箱のような機器の厚みや、そこから延びる細い線まで、この立体感! ここに色を塗るだけでも楽しそうです。

天山は3人乗りなので、コクピットも前後に長く、そのぶん見どころがたっぷり。床に座席などを取り付け、左右の側壁で囲むと、機器が詰まった空間ができあがります。側壁のディテールが一体になっているおかげで、組み立てる手数を抑えながら、この密度を楽しめるのがうれしいところ。胴体に収める前に、しばらく眺めたくなっちゃいますね。


コクピットを胴体に収め、主翼の中央部分を組み合わせると、天山の姿が見えてきます。太い機首から、長いコクピット、そして尾翼へと続くシルエットがいいですね〜。翼の先がまだ付いていない姿も、組み立て途中ならではのメカっぽさがあって好きです。

うれしいのが、翼の接続にポリキャップが使われていること。差し込む部分を受け止めてくれるので、翼の位置を決めやすく、保持もしてくれます。写真のように翼を立ち上げると、普段は隠れている断面が見えて、ぐっとメカニカルな姿に! 空母で使う飛行機ならではの仕組みを、模型でも楽しめます。


ポリキャップは主脚の取り付けにも使われています。差し込んで立ち姿を確認し、また外せる。これが塗装するときにも便利なんです。機体の下面を塗るときは脚を外しておき、塗り終わってから取り付けられます。細くて出っ張った脚を気にしながら機体を持たなくていいのは、ありがたいですね。

写真のように分けた状態で作業を進められます。細かな彫刻をじっくり楽しみながら、塗るときには扱いやすい大きさにしておける。見た目の精密さだけでなく、こうした作る側にうれしい仕組みも、このプラモの魅力です。

形になってから注目したいのが、垂直尾翼。天山は、機体の中心線に対して垂直尾翼がわずかに左を向くように取り付けられていて、その特徴も表現されています。これは、離陸滑走中に機首が一方へ向いてしまう性質に対処するためのもの。模型を上から眺めて、実機の設計の工夫に気づけるのも面白いですね。


もちろん、艦上攻撃機らしさを演出する魚雷も付属します。こちらは同社の「流星改」のキットと共通のパーツで、ランナーには「RYUSEI」の文字も。手に取るとなかなかの大きさで、これをお腹に抱えて飛ぶ姿を想像するだけでも迫力があります。取り付ける際は天山の本体にフィットするように、一部加工する指示があります。


4枚のプロペラが付くと、力強い機首がさらに引き立ちます。カウルの彫刻、排気管、奥に見えるコクピット。まだ機体全体を塗っていなくても、いろいろな角度から眺めたくなるかっこよさです。精密なパーツにワクワクして、組み立てながら「ここは後から付けられるのか!」とうれしくなる。ハセガワの天山一二型には、その両方が詰まっています。定番キットの中に、こんな傑作がある。今週末は天山を手に取って、その彫刻と仕組みを楽しんでください。それでは、また来週の花金プラモでお会いしましょう!