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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。30年間定番商品として飛び続ける傑作飛行機模型「ハセガワ 1/48 川崎 三式戦闘機 飛燕」

▲この美しいパッケージをゲットして、素敵な週末を過ごしましょう

 週末の模型ライフが楽しくなるプラモを、フミテシの独断と偏見でご紹介する「花金プラモ」。今週はハセガワの1/48スケールの人気キット「日本陸軍 川崎 三式戦闘機 飛燕 I型丁 飛行第244戦隊」をご紹介します。nippperでは手のひらサイズの「1/72スケール」を以前ご紹介しましたが、1/48スケールも週末でサクッと組めるすごく良い飛行機模型なので、ぜひゲットしてください。

 飛燕の最新キットと言えば「タミヤ」のキットがあります。タミヤのキットが発売される2016年までは、このハセガワの飛燕が1/48スケールキットの最前線におりました(ハセガワの飛燕は1993年に発売)。まさにひと時代前のキットなのですが、キットの完成度はとても素晴らしいです。飛燕はハセガワ製もタミヤ製も良好な出来という、プラモに恵まれた飛行機なのです。ハセガワのキットは、パーツ数が非常に抑えられており、箱を開けた瞬間に「これは花金で楽しめるぞ!」って思えます。

▲箱を開けると、箱のサイズに比べてだいぶゆとりがあります
▲胴体、主翼などがランナーにドーンとセットされています。各部でパーツがバラバラになっているような模型では無いので、非常に組み立てやすいです
▲キャノピーも1パーツ。開閉選択はできませんが、コクピット部分にポンと置くだけで良いという手軽さがあります

 僕が初めて飛燕のプラモを作ったのは2016年に発売した「タミヤの飛燕」でした。そのため、ハセガワの飛燕は古いもの、どこかで勝手に役目を終えたものというひどい見方をしていました。実際に手に取って見ると、小池繁夫氏による非常に美しいイラスト、箱を開けた時の優しくモデラーを迎えてくれる圧の無さ、今見ても美しいパーツ形状と素晴らしいプラモでした。そして何より、1時間半ほどで非常にスタイルの良い飛行機が机の上に爆誕して、めちゃくちゃ嬉しい気持ちになりました。

▲コクピット内の計器盤やスイッチのディテール。計器盤のディテールがちょっとデフォルメ感があって可愛いです
▲機首から垂直尾翼までドーンと1パーツで成型された胴体。表面の凹モールドが非常に繊細
▲胴体内側には、コクピット側壁面のパネルパーツを貼ります。これによって密度感が出ます
▲こちら断面。飛燕の特徴であるお腹のラジエーターダクトも表現されていて、飛燕の特徴的内部構造も楽しめます。エンジンは付属しません
▲胴体を貼り合わせて、上から覗き込むとこんな感じ。十分な密度感を味わえます

 飛燕最大の特徴である液冷エンジン「ハ40」のパーツはありませんが、その分非常に早く飛行機の形になります。液冷エンジンのおかげで、機首がこのように鋭いシルエットになっています。零戦のように機首が大きく口を開けたようになっているのが空冷エンジンです。このハ40というエンジンは、ドイツ軍のメッサーシュミット Bf109に採用されていたダイムラー・ベンツ DB601エンジンをライセンス生産したものでしたが、当時の日本の技術や資源不足によって度々問題を起こしてしまいました。そのことにより、のちに五式戦闘機という飛行機が生まれますが、それはまた別の機会にご紹介します。

▲このプラモの一番気持ちよかった箇所が、胴体と主翼の接着。隙間なくピタ〜っと合わさるので、胴体と翼のラインが綺麗につながります
▲キャノピーは1パーツなので、乗せれば完成です!
▲キャノピーのフィット感も問題無し!! 和製メッサーとも呼ばれる鋭いシルエットを堪能できます。
▲ハセガワの1/48スケールには、他の日本陸軍機もラインナップ! 右は二式単座戦闘機 鍾馗(しょうき)

 2016年に、川崎重工創立120周年記念事業として行われた「飛燕再生プロジェクト」。それによって、一気に脚光を浴びた飛燕は現在、岐阜県の各務原にある「岐阜かがみがはら航空宇宙博物館」に展示されています。お近くの方は週末にぜひ見に行ってみてください。いけない人も、最高のプラモがありますので、プラモでかっこいい飛燕を堪能しようじゃないですか!! それでは〜〜〜。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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