飛行機のプラモが大好きなので、資料を集め、完成のイメージを固め、コクピットを組み、エンジンにオイルラインを這わせ、リベットを打ち……とどうしてもストイックになってしまう。これはこれで求道者的楽しみがあるのだが、ややもすると「素直にプラモデルを楽しむ」ことを忘れてしまうことがある。
さらにだ。平日は仕事が佳境で忙しく、休日は家族サービスや子供の面倒を見なくてはならず、どうしてもプラモデルから遠ざかってしまうなんてことも……。模型を追い込みたいのに追い込めない……そんな時期が皆さんにもあると思う。こうなると机の片隅にある完成間近のまま、一ヶ月以上乾燥中の飛行機模型「P-47D サンダーボルト」に、「早く作ろうぜ〜〜、何故やらないの〜〜」と責められている気分になってしまう。「やらなくちゃ」という思いばかりが先に立つのに、本業の仕事に気力を削られているので、中々再開できないという悪循環。
そんな時、Nippperのフミテシアニキが「バイクが愉しい!」と記事を量産しているのを読んだ。そうか、バイクか。と考えている時、新しい仕事仲間がバイク好きであることが発覚、「最近忙しくて趣味のプラモデルがあまり進まないんだよね」と伝えると「じゃあ、バイク! バイクを作りましょうよ!」と即答された。私はエアモデラーで、99%飛行機ばかり作っている。バイク模型を手にしたことはない。
これはもう何かの運命だと考え、アオシマのザ☆バイクシリーズ「1/12 ホンダAC15 ドリーム50」をその日に購入。「塗装は最低限。とにかく完成させてみる。」と決めて組み始めてみた。
箱を開けると鮮やかなイタリアンレッドの成形色のパーツと美しくメッキ加工されたランナーが目に飛び込んできた。普段、ツヤの無い軍用機ばかり作っているので、とても新鮮だ。メッキパーツもカットした場所が目立たないように工夫されている。パーツを眺めているだけでもすごく楽しくてワクワクしてくる。
週末の2時間でまずは前輪と後輪を組み上げた。タイヤとスポークが組みあがると既にもう「バイクのタイヤ」である。飛行機とは勝手が違って戸惑うこともあるけれど、それもまた楽しい。
初めてのバイクプラモは、素直にプラモデルを楽しむ感覚を思い出させてくれた。そうだ。プラモデルは楽しい趣味なのだ! 次の週末が心から待ち遠しい。