
今回紹介したいのは、AvantGarde Model Kits(以下、AMK)のMiG-31。ソ連が80年代初頭に実戦配備された、超音速の長距離迎撃戦闘機だ。ドッグファイトには向かないものの、高高度でマッハ2.83に達する高速性能を持つ。強力なレーダーの傘で敵機をいち早く検知し、長距離からミサイルで迎撃する運用方法から、空飛ぶミサイル基地とも呼ばれている。その独特の設計思想と役割もあってか、初飛行から50年経った今でも、ロシア空軍で使用されている、東欧の空の老兵だ。

本キットは、中国AMK社が2015年にリリースしたもの。発売からだいぶ経っているが、実機よろしく、まだまだ最新キットと渡り合える作りとなっている。1番の見どころは、コストダウンを図りたいメーカーなら、躊躇してしまうような、複雑なスライドを多用したパーツ群。

例えばこのコックピットブロック。パーティングラインの入り方やランナーの形状から見るに、5分割されたスライド金型が使用されているのがわかる。このパーツ成形により、機体の外装を塗装した後からでもコックピットを取り付けることが可能だ。

そして、AMKのキットの代名詞といえばこれ。一体成形されたミサイル。こちらも最低でも5分割のスライド金型で作られている。そのため、安定翼のリベットまでバッキバキのディテールで再現できている。複数のミサイルの接着や合わせ目消しは骨が折れがちだが、これなら労力も少ない。切り離すのがもったいないほど見事なパーツだ。

スライド金型を使用していないパーツの成形も凄まじい。機体外装は、凹リベットと凸リベットが使い分けられたリッチなディテールが楽しめる。本キットはAMKでの新規生産は終了しているが、その金型を引き継いだキットがアカデミーから、今年の10月〜12月に発売予定となっている。この挑戦的な金型から生まれたキットが気になる方は、ぜひチェックして欲しい。