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空&陸のセットで体感するソビエトタンクバスターのかっこよさ!「タミヤ 1/48 スケール限定 イリューシン IL-2 シュトルモビク & GAZ-67B セット」レビュー

 タミヤの1/48ミリタリーミニチュアシリーズ(手のひらサイズのコレクション性に優れた戦車模型シリーズ)には、飛行機にも魔法をかけてドラマをそこに現出させるアイテムがありました。タミヤもそれを意識したのか、なんと航空機×車両という組み合わせがけっこう発売されています。今回は限定ながらまだ買える、「イリューシンIL-2シュトルモビク・GAZ-67Bセット」でタミヤの陸×空のドラマを楽しんでいきましょう。

 タミヤの1/48キューベルワーゲンが飛行機に最適、なんて喜んでいたら、目に入ったのがこのセット。どちらもソビエトの勝利に貢献した、カチコチのマシンたちです。まずは飛行機から。IL-2といえば、ソビエト連邦の元祖タンクバスターであり、先日紹介したスツーカの向こうを張る航空機です。シュトルモビクという呼び名が知られていますが、なんとこれは襲撃機/攻撃機という呼び方だそうで、前にも後にもシュトルモビクはいた、ということになります。つまりファミコンみたいに言ってるって感じですかね。

 ディテールの作り方がさすがタミヤ、という感じ。パネルラインと継ぎ目部分など、表現の引き出しが多い。翼全体を見るとシンプルでエルロンの深い彫りだけが見えるのですが、寄ってみるとしっかりディテールが主張する、博物館で実機を見ているかのような絶妙な見え方がたまりません。

 ずずいとランナーから飛び出そうな胴体。けっこう長いのですが、主翼との接続が大きく翼も広く大きいので結果的に胴体の存在感が小さい。こうやって分解したからこそ胴体の長さを感じることができるわけです。

 いっぽうの地上側、GAZ-67Bはこちら。1枚のランナーとクリアーパーツだけ、超シンプルな内容です。ご想像の通り、組み立ては簡単で爆速で組み上がります。

 マスキング用シートが付属しているのもうれしいところ。Il-2も窓枠が多いので……。枠線に沿って自分でカットする方式になります。

 組み上がったコクピットを見てみます。ここが6mmの装甲板に包まれたカチカチの部分です。操縦桿が両手で握り込めるハンドルになっているのが面白いところですね。

 機体上の空気取入口からラジエターへと向かうスロープのパーツを組み込むところ。まるでF1のような機体上下の空気の取り回し、IL-2の剛直なイメージをちょっと変えてくれます。さらにエンジンっぽい支えパーツが機首に入っていて、こういう遊び心に笑顔になれます。

 主翼を5分割にしても、バチピタで合うのがさすがタミヤ。主翼上面に脚庫のパーツをつけ、主翼下面中央部を接着、のちに主翼下面左右を繋いでいく……。角度もバッチリ、すらすら組めるタミヤのすごさを感じながらスイスイ組み立てが進みます。

 ということでIL-2が完成。地上に対しては強さを誇ったIL-2ですが、さすがに戦闘機が来ると苦しいところがあります。そのため後部座席をつくり、追い払えるように工夫をしたのですが、残念なことにコクピット前部ほどの装甲はもらえなかったようです。ここの機銃手は前席より圧倒的に危険な任務で、アニキが乗らないときのパーツにひものような椅子があり、組んでる最中にそれを見ただけで後席の人員がどういうものだったか、ちょっと察してしまうところがあります。機銃にしっかりと取り付いたアニキのフィット感はそんな任務を真摯にこなす仕事人の姿です。

 GAZ-67Bのほうにいきましょう。とはいえ、シャシーをまず組むところからですが、迷いなく作業は進みます。

 上に乗る車体側は別で組むことになります。ソ連側のジープとも呼ばれがちなこの車両、組み方もわりとジープに似ている……。でもフロントの造作とか、いかにもソ連風味が効いてて、こういう違いがたまらないんですよね。

 ダバイダバイ! とロシア語定番の掛け声がなくっても、あっという間に完成する。1/48車両のいいところです。ドライバーのアニキもちょっと肩をいからせてはいますが、姿勢を正して運転する姿がクールです。

 並べてみましょう。航空機のパイロットを送り届けて、後席のアニキはすでに銃の構えをもう一度確認。パイロットももう前を向いています。GAZ-67Bのドライバーは、頼んだぞという顔をしてエンジンをかける……。あとはそれぞれキャノピーを閉じて、離陸へと向かうのです……。航空機と車両だけで紡がれるドラマ。パッケージのようにお互いの視線が向くように首の位置を加工しても面白いでしょうね。

 その地上攻撃能力の高さ、対空攻撃を受けてもそう簡単に落ちないタフさ、デスループと呼ばれたオーバル状の飛行の片側に敵を置く継続的な攻撃、パンターやティーガーですら倒すことができる能力によって、最終的にIL-2はドイツ軍から”黒死病”とまで呼ばれるようになります。こういった伝説めいたストーリーもくっついてくるのがIL-2シュトルモビクの魅力です。タミヤのキットだから、組み立ては簡単で、みるみる本機のことがわかって、最後には大きな翼のタンクバスターが完成している。IL-2を知らなくても、このセットを買ってみると、見る角度でも印象が変わる不思議な本機がよくわかり、さらにドラマを演出する小さなクルマも手に入ります。この機会に、限定のこの空×陸セットでタンクバスターの熱さを感じてください。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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