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お作法よりも大事な「自分だけのアスラーダ」。あの頃のワクワクで、カーモデルの壁をぶち破る。

 小学生の頃、金曜日の夕方は「絶対に早く帰らなければならない日」でした。 道端で「良さげな棒」を拾っては振り回すような登下校の寄り道もそこそこに、テレビの前へと急ぐ。 そこでは『魔神英雄伝ワタル』や『魔道王グランゾート』といった、僕ら世代のド真ん中を射抜くアニメがいつも待っていてくれたのです。

 そんな黄金のラインナップの次に始まったのが、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』でした。 新番組予告を見た僕は、「このカッコいい車、きっとロボットに変形するんだ」と確信していました。 ところが、第1話を見て少しガッカリ。これはロボットに変型しない車がレースするアニメだったからです……。しかし1話が終わる頃には、その面白さに夢中になりました。 それもそのはず、ひょんなことから偶然主役マシンに乗り込むことになる少年。その成長を軸に展開する物語は、まさにロボットアニメの王道そのもの。 河森正治氏が手掛ける「サイバーマシン」のデザインに、僕らの心が掴まれるのはもはや必然でした。 

この魅力的なマシンのプラモデルは、青島文化教材社から発売されています。ただ、普段キャラクターモデルばかり作っている身として、たとえキャラクターモデルの中の車模型でも「カーモデル」というジャンルに置き換えて見てしまいます。そのため、勝手に敷居が高くしてしまい敬遠してしまう存在でした。 SNSや展示会で見かけるのは、ピカピカに磨き上げられた美しい作品ばかり。「カーモデル未経験の自分にはハードルが高いな」と、どこか他人事のように眺めていたのです。 アスラーダはとっても大好きなのに。

 でも、ふと考えました。 「サイバーフォーミュラのプラモデルはカーモデルの塗り方を抑えなければ作れない物なのだろうか?」と。 答えはノーです。あの頃の自分にとって、サイバーフォーミュラはワタルやグランゾートなどのロボットと同列の存在。 ならば、作法に縛られる必要なんてありません。そこで今回は、普段僕がキャラクターモデルを塗っているのと同じ塗り方で、アスラーダのボディを塗装してみることにしました。 鏡面仕上げではなく、自分の慣れ親しんだ質感で。あの頃、テレビの前で憧れた「ヒーロー」を形にするために、塗料も使い慣れたいつもの相棒たちで挑みます。

 キットには主人公である風見ハヤトのフィギュアとその相棒アスラーダが再現されているところも嬉しい! キャラクターモデルの中の車模型だからこそ、ドライバーがいてくれるとより没入できます。一通り仮組みをして、いざ塗装へ。 僕の中での「ロボットアニメのメカとしてのアスラーダ」を表現するのだ!


 スミ入れをして、デカールを貼り終えた後。最後はいつものキャラクターモデルの仕上げには欠かせない、GSIクレオスの「つや消しスーパースムースクリアー」をひと吹きします 。ツヤツヤピカピカじゃ無い、しっとりとマットな質感のアスラーダが目の前に現れるのです。

 完成した姿をいろんな角度から眺めてはニヤニヤ。「今まで手を出さずに躊躇していた時間がもったいない!」と叫びたくなるほど、最高に楽しい製作体験に!!!

 実車のようなピカピカの姿をキャラクターモデルでも探求する……。それも製作方法のうちのひとつなのです。だから僕も、カーモデルならではの研ぎ澄まされた塗装方法にもいつかは挑戦してみたいところです 。けれど、僕が思い描いていた「金曜の夕方のロボットアニメ」の延長線上にいるこのアスラーダを手にする事が出来たことを、今はただ、小学生の時の自分に自慢してやりたいです。

青島文化教材社(AOSHIMA)
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SSC

1979年生まれ。サラリーマンの傍ら、模型誌でキャラクターモデルの作例も製作している。模型サークル「PLASTICBOMB」のメンバー

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