
「プラモデルありき」には思えないメカデザインに魅せられたのがアニメ『SYNDUALITY』(シンデュアリティ) の主役メカ、汎天候巡航二脚、略称『コフィン』だ。いわゆる「リアルロボットアニメ」の文脈に置かれるメカなのだが、異様に頭(?)でっかちで奥行きがあるうえ、腕もボリューミーで重心が高く、不安定さを感じさせるシルエット。
文字どおり棺桶みたいなユニットが背中にあり、そこへ付属の支柱をつけないと自立も難しい。そう、プラモ(=アクションフィギュア)としての安定感よりも、メカデザインの自由さを優先した感が自分には刺さったのだ。「頭は小さく肩幅広く、腰はくびれて美脚なナイスボディ」という主役メカの必勝トレンドに背を向けるような孤高さすらある。

ロボットプラモとしての重心はさておき、孤高なデザインに重心を感じたコフィン。そのメカデザインを担ったのがガンダムシリーズも含めて、リアルロボット系のアニメやゲームにおいて今や名前を見ないときはない形部一平氏だ。
氏が「プラモデル化が控えていると分かっていたらあれほど好き勝手なマーキングを入れませんし、色分けや関節構造、重心バランスももう少し遠慮したと思います」……と、思うがままに仕事をした様子がコメントからもうかがえる。その自由なフレーミングをバンダイスピリッツ脅威のテクノロジーで受けて応えた結果、我々ユーザーに予定調和を感じさせない組み味のキットとなったのではないか。

とはいえ、親子してアニメ自体は観ていないのにメカデザインがブチ刺さって手にしたのがHGデイジーオーガアルターとHGギルボウ。世界観やメカ設定などは独自解釈しながらプラモを楽しんでいくことになった。コックピットとは別に背中に埋め込まれて「なんで女の子がこんなところに!?」とふたりして声をあげるのだが、この棺桶ブースの扉の開閉ギミックが素晴らしくて「おおー!カッコいいー!」とご機嫌に満足してしまうのが不思議。他にも関節構造が自由かつ独特なデザインなのだが、キットの可動とディテールとが両立していて見事だった。

小1の息子がヒマさえあれば自由帳に絵を描いているらしいのだが、ある日「学校でコフィン描いたよ!」と自慢気に見せてきた。プラモを組んで遊んだのを思い返して描いたのだろうから、彼にとって印象深いメカとなったことは間違いない。アニメのマーチャンダイズあってのキット化だとしても、そのアニメ自体は未視聴でも楽しんでいたプラモデルってけっこうあったよなー。と、自分が子供のころを思い返したりした。
それってある意味、メカデザインの純然たる勝利だと言えるのではないのだろうか。そしてそれをプラモデルとしてパッケージしたメーカーの熱量あっての賜物なのでは。なんかイイハナシダナー。そんなんで、みなさんにもぜひ手にしてもらいたいのが、コフィンのプラモデルなのである。