
MGダンバインが発売されてから約25年。「あのダンバインの隣に並び立つ、同スケールのビルバインが欲しい」という僕らの願いは、もはや届かぬ祈りに近いものだと思っていた。だが、時は来た。シリーズこそR3へと姿を変えたが、同じ「1/35」という約束のスケールを引っ提げて、最強の聖戦士が僕らの机に舞い降りたのだ。

箱を開ける前から、もうワクワクが止まらない。幼少期、僕らの目に映ったビルバインはそれまでのオーラバトラーと比べあまりに異質だった。昆虫を思わせる他のオーラ・バトラーたちを、上空から一気に捕食するかのような猛禽類のフォルム。他の機体とは一線を画すそのヒロイックな佇まいは、今手に取ってもなお、鮮烈な輝きを放っている。

パーツを眺めれば、そこにはバイストン・ウェルの息吹が宿っている。オーラ・バトラーの魂ともいえるコクピットや羽には、美しいクリアパーツが惜しげもなく投入されている。それらが本体と組み合わさることで、異世界の素材が形を成していくような、得も言われぬ満足感が込み上げてくる。

本体の大部分を占めるホワイトは、少し緑がかったあの独特の成型色。これだよ、これ。この色が、一瞬であの頃の記憶を呼び覚ましてくれる。


個人的に好きなのがライフルのストックだ。右手に持たせた際、腕に干渉しないよう絶妙に湾曲したこのデザイン。旧キットを組んだ子供の頃も「気が利いてるぜ!」と感心したものだが、令和の最新設計で再会すると、改めてその機能美に惚れ直してしまう。

そして、完成したビルバインを手に取って一番に感じるのは、その「大きさ」だ。大人になってから触れるビッグスケールのプラモは、子供の頃のそれとはまた違う、ズシリとした喜びと感動を僕らに与えてくれる。

ここで、1/35というスケールの「魔力」を試してみたくなる。タミヤの戦車模型のメインスケールであり、世界中のメーカーがこのスケールで戦車模型をラインナップしている。それゆえに模型好きなら誰しも馴染みがあるサイズだ。ビルバインの足元に、ファインモールドの「1/35 陸上自衛隊戦車乗員セット」をそっと置いてみる。

するとどうだろう。そこにはバイストン・ウェルからビルバインが降り立った、まさに「地上界の光景」が立ち現れるではないか。
「1/35」。それは、バイストン・ウェルから舞い降りたオーラバトラーと、僕らの生きるミリタリーの地平をガッチリと結びつける、魅惑の交差点なのだ。