
箱を開けて全てが真っ白なパーツだった際に「よし! 好きな色に塗るぞ!」と前向きに捉えられる時もあれば、逆に「白いな…」とそっと箱を閉めてしまう時もある。今回は完全に後者。ただ、「マスキングをひと巻きして黒赤スプレーすれば白のプラ成形色を活かせる」と気付いてからは話が早かった。勢いでデッキにシタデルカラーのワイルドウッドを「ハミ出し色ムラ問題なし!」と塗ってしまったり、なにごとも気分ってだいじ。白・黒・赤の3色でたちまち「The・船」となって面白かったのがアオシマの『日本郵船 新田丸』だ。
冷房ガンガンの部屋から飛び出し、真夏の日差しを受けながらカジュアルに青空スプレー塗装したくなったので船体を空き缶にオン。プルタブが固定ツメとなってしっかりホールドという、不意のシンデレラフィットになんだか得した気分に。汗がしたたる前に一発吹きで心地よい達成感も得られた。そう「今年こそ酒の量を減らすぞ!」と年始は息巻いていたけれども、暑くなると延々とビールを飲んでしまいましたね、今年も。

「息子に模型店でねだられて買った」が購買の動機でしかなかったけれども、”貨客船のプラモ”という新たな扉を開ける良い機会となった。灰色ずくめの軍艦とは別腹な組み味が面白いうえ、兵装がないのでパーツ点数が少なくて工作もローカロリーで済んだ。ただ、デリックが何本もあって手間だったので、それを省いてマストを2本立てるだけでも充分満足な見た目になるような気はする。あと、船橋まわりの合わせ目に隙間と段差を生じる箇所があるのだが「カタチに成れば良し!優勝!」の精神でバシバシと流し込み接着剤で貼りあわせていった。

白・黒・赤の3色が塗り分けてあれば充分。当初はそう思って工作を始めたけれども、最後に欲が出る。「窓が黒く塗ってあるとリアルじゃね?」と。でも、イージーに済ませたい。そんな時に活躍するのが『マジックリン拭き取り法』。水性アクリル塗料のブラックをチョンチョンと筆塗りし、マジックリンを染み込ませた綿棒で拭取ってゆく。白のプラ成形色と黒くなった窓のコントラストがバシッ!とキマってリアルがマシマシになった。多くの模型愛好家がハッピーになるスキルだからマジでみんな試して欲しい。

日の丸と煙突のシマシマ、キットの水転写デカールでディティールが増し、仕上げに水性プレミアムトップコート半光沢を吹きつければリアルが爆発してゴール! しかも快速モデリングで適度な負荷で済んだのも嬉しい。そしてアクリル板を持参して水辺で撮影すれば「つくった船が水面に浮かんでいるのだが?」となるのがウォーターラインシリーズの素敵なところだ。

単色が過半数の軍艦と違い、客船のプラモデルは塗る楽しみ、喜びがあるな……ということを知る機会となった今回。後に空母に改装された史実があるくらいなので、けっこうなボリュームもあって満足度高い。これ系のウォーターラインシリーズがアオシマだけではなくハセガワのもあるみたいなので確かめてみたくなった。夏はなんか船のプラモをつくりたくなる季節だなー。