

朝、目が覚めてそのままシャキッと僕が起き上がれるのは台所に草木とプラモデルが飾ってあるから。台所は蛇口があるし窓もあるので水やりをサボらないのと、日当たりが良いので草木にとってちょうどよい。「窓際はプラモデルを置くのにちょうどよい幅だ」と気付いたその日から、そこはプラモ置き場になった。
置いていたプラモデルはマーダーⅢという屋根のない戦車。真っ白な冬季迷彩がいかにも冬という感じがして、こうも気温が上がってくるといささかミスマッチだ。なので、冬を感じさせないプラモデルを飾りたいと思い、同じく屋根のないタミヤのマーダーⅠを買ってきた。

マーダーⅠを買ったのは中の様子がうかがえるから。これが朝起きてボケーっと眺めるのに具合がいい。マーダーⅢを飾っていながら気付いたことだ。
車体を作り終わった頃に「このプラモって、どうやって上側を作るんだ?」という気持ちになった。それくらいに車体は車体で完成している。装甲をつけるためのパーツをくっつけるんだけど、この無理矢理感をすんなり組み立てる瞬間がとてもおもしろい。実物はすでにある戦車をを改造して作ったのに「最初からこの姿が完成図なのだ」と言わんばかりの作業だ。その作業の後に装甲が出来上がり、棚には無線機が搭載され、足元に砲弾を入れるラックが備え付けられた戦闘室が完成する。

本当に感心したのはここ。必ずしも戦闘室を装甲で囲わなくても形になるのだ。そのおかげで見え方を調整できる。僕は装甲をボンドで仮止めして、どれくらい囲えば中の様子が程よく見えるのかを確かめた。右側の装甲の棚には無線機が置いてあるので、覗き込んだときに精密感がある。反面、兵士のうち一人は左側の装甲に腕を置いている。とはいうもののすべてを覆わないほうが日差しが入ったときの美しさは損なわれない。何度か試して、結局右側の装甲だけを取り付けた。
今年の夏のいちばんの楽しみは、このマーダーⅠを夏色に塗ることだと思う。朝起きて台所へのドアを開けると、熱帯のような蒸し暑さが襲ってくるので、それをやり過ごすかのように麻でできた服っぽさのあるシャリシャリした感じの質感を与えられれば大成功だ。マーダーの完成時の車幅は大体43mm。戦闘室が少し張り出しているので60mmくらい。窓際に飾るのであれば、幅を計測してから買うのがオススメだ。